3 / 68

最強四葉

1日経ったのに… なんか、昨日より痛くなってる 四葉が満足して、部屋を出て行ったので 起き上がろうとしたら 昨日は、それ程気になんなかった、色んなとこが痛い 「…って…て…」 なんで? 時間経ったら少し良くなるんじゃないの? 「ユウ…起こす?」 「ん…でも…ちょっと待って…」 なんとかシュウに起こしてもらう 「痛い?」 「背中がヤバい」 「ユウ…何で…階段から落ちたの?」 「え?昼休み寝てたんだけど…まだ眠くて…」 ふわっと、シュウが抱き締めてきた 「シュウ?」 「ユウが…眠れなかったのは…俺のせいだ。ごめん…」 「…え…あっ!…いやっ…違っ…」 「違わない…朝から眠そうだった…ごめん」 そうだけど、そうじゃない だって、大和のせいでもあるから 「シュウの事もある…けど、他の色んな事も考えてて、眠れなくなった。でも、あんなに眠かったら、ちゃんと保健室行くべきだった。シュウが悪いんじゃないよ?」 「ユウを…失くすとこだった…誰か…階段から落ちたって聞いて…救急車…聞こえてきて……ユウだった…」 「シュウ…ごめん。びっくりしたよな?怖かったよな?」 あれの音は 皆を不安にさせる 「もう…ユウを困らせる様な事、しないから…」 「シュウ…シュウは…俺と居て…いいの?」 「どういう意味?」 「その…俺…同じ気持ちじゃないのに…俺の傍に居て…大丈夫?」 「~~っ…大丈夫じゃなくなってくかも…」 「……うん」 「でも…ユウの傍に居たい」 「俺も…出来れば…シュウと離れたくないな」 せっかく… 念願の幼馴染み 念願の親友 ……念願の? いつから? ちっちゃい頃から シュウとは幼馴染みなのに なんで… いつの願い? 1階に下りてくと 「結叶、大丈夫?痛いのか?」 「なんか…昨日より背中がヤバい」 「ちょっと、見せて?うわ…昨日より赤くて腫れてる!母さん!痛そうだよ?」 「先生、2、3日経った頃がピークって言ってたから、今日、明日辺り、1番痛くて、腫れて、熱出るかもね。薬飲んで、安静です!」 「うん…」 母さんに、ビシッと言われ ほんとに…土日で良かった 「ユウ、ユウ…」 「ん?どうした?四葉」 「四葉にも、ユウの背中見せて?」 「ダ~メ。見たら四葉も、痛くなるよ?」 「いい!」 「良くない。四葉が痛いと、俺は、もっと痛くなるの」 「う~~っ…じゃあ、撫でていい?」 「ふっ…いいよ」 撫でられるのも…痛いだろうけど 自分も何かしたいんだろうな 「四葉、四葉」 「何?大和」 「痛いから、ゆっくり、優しくだよ?」 「うん。分かった…ユウの痛いの…良くなりますように…」 「ありがと…四葉」 俺より小さな手で… 出来る事探して… 「ユウの痛いの…早く良くなりますように…」 「ん…良くなりそう…~~っ…」 「ユウ?!痛かった?ごめん!」 「…っ…違うよ…四葉が…っ…一生懸命撫でてくれるの…っ…嬉しいんだ…」 「ほんとに?」 「ほんとに」 「じゃあ、もっと撫でる!」 時々… 堪らなく四葉が愛しくなる 俺より小さいのに頑張ってると 俺の為に一生懸命になってくれると 堪らなくなる 「ありがと…四葉。痛いの、少し良くなったよ」 「ほんとに?!」 「うん。四葉、凄いな?」 「ユウ…」 蓮… 「居なくなっちゃ、やだよ?」 居なくなっちゃ、やだよ? え? 何… 「絶対…」 絶対… え? 声が…ダブって… 「居なくなっちゃ、やだからね!」 居なくなっちゃ、やだからね! 俺…耳…おかしくなった? 「四葉…」 葵… え? 気持ち悪い… 何この現象… 「ユウ…どうかしたのか?」 「シュウ…」 あ…普通だ 頭…おかしくなったのかな 「なんか…ユウ、熱ある?」 「え?」 37.6℃ そのせい? そのせいで頭おかしいのか ベッドに戻され、寝かされた俺の傍には、シュウが付いてて 代わる代わる、四葉と、大和が来てくれる そんな高い熱でもないのに 頭ぼ~っとする 「……シュウ」 「どうした?」 「シュウと…幼馴染み…いつからだっけ?」 「?…生まれた時から」 「……だよな?」 何言ってんの?俺… 「俺の…名前って…?」 「?…穂積…結叶」 「……だよな?」 「大丈夫か?」 「体…だるい…苦しい…」 「さっき、薬飲んだから、少し休め」 「ん…」 苦しい… だるい… 痛い… 背中…痛い… 「蓮く~ん。そろそろ、横向けてくね~」 良かった 背中…痛くなってきたから 「ほら、今日天気いいから、窓の方向こうっか」 天気…いいんだ 「あっ!鳩飛んでる!蓮君!鳩は幸運のシンボルだよ?今日、いい事あるかなぁ」 いい事… いい事って… どんなだったかな… 「お兄ちゃん!葵だよ~!」 「蓮…お母さんよ」 「蓮…父さんも来たぞ~」 葵… 母さん… 父さんも… 家族揃った… ほんとだ… いい事起きた… 「……でね?蓮は、妹の事、大好きお兄ちゃんでね?いっぱい、いっぱい妹と遊ぶの!」 あれ… 葵… 「蓮には、お兄ちゃんも居て、お兄ちゃんも、蓮の事、大好きなの!」 また… 葵の作った話だ 父さんと母さん… また 先生の話? また…泣いてるのかな 「蓮にはね~、生まれた時からの幼馴染みで、親友が居てね~…その幼馴染みと恋人になるの!」 BLだ 好きだな…葵… 「蓮ね~…色んな人に、たっくさん出会って、モッテモテなんだけどね?」 男の子にだろ? 「でもね、やっぱり1番は、その幼馴染みでね?敵わないんだよ?」 葵は… そういう気持ち分かるのかな 「葵ね、大きくなったら、漫画家になるんだぁ…蓮と幼馴染み君、めちゃくちゃイケメンにしてあげる!」 ふっ… ありがとう葵 どんなでも… 葵が楽しくなってるの手伝えてるなら嬉しいよ 俺は… 葵の楽しい時間 いっぱい奪っちゃったから なのに… こんなに優しくしてくれて、ありがとう 言葉にして伝えたいのに 声…出ないんだ ありがとうって せめて、葵って 言ってあげたいのに… 「……ありがとうっ…」 あれ…? 今…声… 伝えれる 伝えれる! 「~~っ…ありがとうっ…葵っ…」 「また…泣いてるの?」 「~っごめん…葵っ…ありがとう…」 「葵って?」 え? パチッ 葵じゃない! 男?! 誰?! ガバッ…! 「…いっ…!」 背中痛い! 「ユウ…そんな急に動くな」 ゆう? ユウ… シュウ…だ… あれ? 俺… 俺は…蓮で… 動けなくて… もう、死にそうで… 「ユウ?…大丈夫か?」 「……」 ここ…俺の…部屋 どういう事? 俺は…蓮は…病院に居て… 「ユウ?おばさん…呼んで来る」 何これ… 2つの記憶が、ごちゃ混ぜ 俺の妹は葵で… でも…大和と四葉も兄妹で… 「結叶?大丈夫?」 「………」 母さん…だけど、母さんじゃない いや…母さんなんだけど 「なんか…ぽかんとしてるな?熱上がったか?」 父さんも…俺の父さんなんだけど 全然違う 「ユウ…熱、測ってみようか」 「やま…と…?」 「ん?熱測るぞ?」 「俺…の…お兄…ちゃん?」 「ふっ…結叶に、お兄ちゃんって言われるの、何歳ぶりかな?」 「ユウ…四葉は?四葉の事分かる?」 四葉…は妹で…妹だけど、葵じゃなくて… 「……葵…は?」 「ん?結叶?誰?」 「……何処」 葵と…父さんと母さんは? 何より… 俺…蓮は? 「…蓮…死んだの?」 「…蓮?結叶の…知り合い?」 「…………」 皆…困った顔してる 心配そうな… 理解…した… ここは…蓮の世界じゃないんだ 結叶の世界 蓮の世界は…終わったんだ 蓮は…俺は… 「…~~~~っ…っ…」 「結叶…?」 死んだんだ 「~~っ…ふっ…うっ…~~っ…」 「結叶…大丈夫だよ。熱…38.3℃。また、上がってきちゃったから、夢見て頭混乱してんのかな?」 「結叶、頭痛くない?」 「痛くっ…ないっ…」 「吐き気とか、気持ち悪くない?」 「…~~っ…ないっ…」 痛いの背中だけ… あんなに、あちこち痛くて ずっと苦しくて、苦しくて、だるくて… 全然動けなかったのに 「うっ…~~っ…お兄ちゃ…」 「ん…結叶のお兄ちゃんだよ?」 こんなに…動ける 喋れる 泣いても…あんなに苦しくない ずっと…思いっきり泣きたかった ずっと…思いっきり笑って、走って 全部…今…出来てた 「う~~~~っ…お兄ちゃんっ…居るっ…」 「そうだよ?お兄ちゃん居るから、大丈夫だろ?」 「うっ…うっ…ふぇ~~~~っ…ふぇっ…う~~~~っ…」 14年ぶりに気付いた 14年間、思いっきり泣きたかったんだって 結叶は…ずっと普通に泣いてきた けど… 蓮の14年に気付いちゃったから… 14年分…思いっきり、泣かせて… 「……と…結叶…」 「……ん」 「汗かいたから、着替えよう?」 「……」 俺…寝てたんだ 思いっきり泣いて あっ… 「…薬…飲まないで寝ちゃった」 「結叶が寝れたんだし、汗かいたから、きっと熱も下がったからいいよ?」 薬… 飲まなくても大変な事にならない体だった 「うん…大和…ずっと居てくれたの?」 「ふっ…あんなに、お兄ちゃんって泣かれたら…離れらんないよ」 「……ごめん。シュウは?帰ったの?四葉…寂しがってなかった?」 大和が、優しく頭を撫でて ちゅっ…と、頭にキスした 「大和…汗かいてるから、汚いよ」 「結叶は…いつも、人の事ばかり」 「?」 「シュウは、家族も心配してるだろうから、1度家帰るって。四葉は、泣き叫ぶ結叶見て、少しびっくりしてたけど、ぐっすり眠り出した結叶見たら、父さんと母さんと下行ったよ」 「…そっか……着替えるね?」 大和に手伝ってもらって、体を拭く 蓮と同じ14歳 全然…体違う 「?…どうした?」 「…ううん」 まだ見えてた頃でも 俺の体はヒョロヒョロで 蒼白くて 指先とか唇は 紫色になったりしてた 数えきれない位の 採血と点滴で 両腕の色んなとこに内出血の痕があった どんどん動けなくなってって 自分で拭けるとこなんて何処もなくなって 全身看護師さんに綺麗にしてもらってた 「ありがとう…大和」 「…結叶…蓮…って…友達?」 「……ううん…昔……読んだ本に出て来た人…」 蓮の物語は終わり 「…そう…葵も?」 「……うん」 前世の記憶なんだろな 今と、そんな変わらない世界っぽかったけど じゃあ、何処かでまだ 皆生きてたりする? そこまで最近じゃない? 葵も…もう死んでんのかな 「結叶…お兄ちゃん居て…嬉しい?」 「うん。俺、お兄ちゃん欲しかったから」 「ふっ…欲しいって…普通、妹とか、弟に使う言葉だけどな?」 「あ…そっか」 「ま、嬉しいけど。下も着替えるぞ?脱げるか?」 「うん…」 葵との会話、思い出しちゃったから 兄ちゃん居て…妹が居て 生まれた時からの幼馴染みが居て… 大好きな妹が居て いっぱい毎日遊んでる まるで葵が言ってた通りになった 「大和…」 「ん?ほら、新しいパジャマ履いて」 「大和…俺の事、大好き?」 「当たり前だろ?大好きだよ。ちゅっ…」 高校生の兄が、中学生の弟の頬に キスする位大好きで いや…でも 俺の人生… そんなモッテモテではないな 蓮と幼馴染み君、めちゃくちゃイケメンにしてあげる! 幼馴染みは、めちゃくちゃイケメンだった けど…俺は、普通 せっかくなら 「……俺もイケメンになりたかった…」 「結叶?」 「あっ…!いや…よいしょっ…着れた」 声に出てた! 「安心しな?結叶は充分イケメンだから」 大和に言われても… 「…ありがと」 「なんだ?信じてないのか?」 「大和とシュウ見てたら、イケメンがどんなかって、嫌でも分かるよ」 大和とシュウは、何処行っても人が集まって来る シュウなんか、あんなに無口なのに 「結叶は…そうだな。イケメンってか…なんだろな?もちろん、イケメンだよ?でも、それよりも…なんか、人を惹き付ける力…みたいな?」 「ふっ…ありがと大和」 気を遣わせてしまった 「ありがとって何だよ?ほんとだよ?だから…気をつけるんだよ?」 「…気をつける?」 何に? 「…結叶は…可愛いな」 そう言って、着替え終わった俺を 大和が抱き締めてくれた 「……俺…健康で…大和と…今の家族と…シュウと…暮らせてて…学校行けて…それだけで充分」 「結叶は…欲がないな。そんなん言える程、健康でもないだろ?」 「健康だよ。入院しないで、学校行けて、思いっきり泣いて笑って走れる」 「そっか…結叶は凄いな?」 蓮の魂の影響とかあるのかな 俺は、兄妹の中で1番体弱い けど…全然… 比べ物にならない 毎日自由に喋って動いて 好きな様に生きてる 家族に心配ばかりかけて お金と時間と手間ばかりかけて 結局悲しい結果残して去る事しか出来なかった俺が 家族の為に、ご飯支度して 毎日妹と遊んで 皆に感謝されて 夢みたいだ 背中は痛いのに 階段下りるのラクラク って… 改めて思う 「ユウ、大丈夫か?」 「うん…全然平気」 リビングに行くと 「ユウ!ユウ~~!」 「ははっ…四葉…心配かけて、ごめんな?」 「分かる?四葉、分かる?」 「分かるよ。可愛い妹だろ?」 「ユウ~~!」 四葉が、しがみ付いて来る ちゃんと…抱き締めてあげれる 「結叶、大丈夫なの?ご飯食べれそう?」 「うん。熱も、だいぶ下がったし大丈夫」 「熱に浮かされるって、凄いんだなぁ…」 父さん… 妄想じゃないんだけどね? 家族皆でお昼ご飯を食べる 「ユウ、頭痛くない?先生が、もし気になる事あったら病院来て下さいって言ってたわよ?」 「大丈夫。背中だけ」 「背中だけって事ないだろ?脳震盪になる位には頭打ってるし、腕だって、肩だって、擦り傷あるだろ?」 「あれ位、全然平気」 痛いに入らない 「救急車なんて、びっくりしたわ~」 「そうだよね?ごめん」 「あれだな。鉄分だ!結叶、鉄分取ろう!」 「ふっ…そうなのかな」 救急車乗ったら 今回は病院から帰れないかもって 毎回思ってた きっと家族も皆… すぐに退院して 皆でこうやって笑いながら話せるなんて ご飯食べ終わって ソファーに座ってたら また眠くなってきた 「結叶、眠いならベッド行くか?」 「………大丈夫」 「ふっ…半分寝てるぞ?」 皆と居たいから… 「ユウ、ここで寝ていいよ?」 四葉が、隣に座ってたのに、ソファーから退けてくれる 四葉に気を遣わせるとか… 俺も四葉の兄ちゃんなのに 大和みたいな兄ちゃんにはなれない 「……こんな…兄ちゃんで……ごめん…」 きっと 甘やかされ過ぎたんだ 皆にいつも心配してもらって 何でもやってもらって それが普通で もうだいぶ小さい頃に 自分でやりたいとか思うの 諦めちゃったから 笑い声… 皆の楽しい声… いいな 俺も…一緒に話したい 声出して笑いたい 「ほんっとシュウ君、イケメンに成長したわよね~」 「あら、ユウ君だってイケメンよ~。大和君なんか、超絶イケメンだし」 母さんと…おばさん? 「おい…何故そこに俺は入れない?」 「朔兄もイケメンだよ!」 「四葉~♪︎可愛いなぁ」 「朔、四葉に触るな」 「何で?!」 「汚れる」 「ああ?!」 朔兄来てるんだ 相変わらず、大和の牽制が凄い 「朔兄…静かにして。ユウが起きる」 「だってシュウ!こいつ、おかしくね?!俺にだけ態度、おかしくね?!」 「合ってる」 朔兄とシュウも相変わらず 兄弟なのに、全然違う 「合ってる?!何で俺だけ…」 「ユウ…ほら、朔兄のせいで起きちゃった」 「え?!俺のせい?ってか…ユウ、大丈夫か?シュウが死ぬほど心配してたぞ?」 死ぬほど… それで、朔兄… 相変わらず、シュウの事大好きなんだ 分かり難いけど 「朔兄…久しぶり…大丈夫」 「階段からダイブしたって?」 「言い方!朔!お前、もう帰れ!」 優しい大和が 朔兄と会うと喧嘩ばかり 「ふっ…そう……少し…浮かんでた」 「ほら、見ろ。ダイブだ」 「ユウ…こいつと話すんじゃありません」 「朔兄は…いつも元気だね」 あ… 俺も今の人生、元気な方だった 「ユウ…お前、頭打っておかしくなったのか?」 「だから!お前の言い方!」 そんな風に言われるの嬉しい 「うん…そうかも」 「うわ…マジでおかしくなってる」 「なってねぇよ!お前に合わせてやったんだよ!」 誰も…俺にそんな事言わなかった だって 弱くて可哀想な奴だから 皆凄く優しくしてくれて 凄く感謝したけど 「…朔兄…」 「あ?」 誰も 人として対等じゃなかったから 朔兄の 気を遣わないのが嬉しい そんな風に言われるのが嬉しい いつでも 誰にでも 素直でそのまま そういうとこ... 「……好き」 言葉…足りなかった ありがとうの方が良かった けど…後でね まだ…眠いから… なんて、呑気に寝てる俺の周りで とんでもない騒ぎになってたなんて 俺は全く気付かなかった 「………え?……へ?」 「考えるな!今のは、寝惚けて混乱して言っただけだからな?決して、お前を、そんな風に思ってる訳じゃないからな?」 「でも…だって…朔兄って…」 「混乱!頭ん中混乱してたの!」 「ふっ…ふぇ~~ん!ユウは…シュウ君とラブラブになる予定だったのに~~!やだよ~~」 「あら、四葉。シュウ君から朔君に変わっただけじゃない?そんな変わんないわよ」 「母さん!問題大有りだよ!」 「やだ~…大和君ったら、そんな焦る事じゃないわよ。まだまだ時間はあるんだから、朔でもシュウでも、ユウ君の好きな方選んでもらえばいいじゃない?」 「マジか、母さん…俺とシュウ…どっちかユウに選ばれる人生でいいの?」 「いいわよ?なんなら、大和君とも兄弟揃って付き合っちゃったりなんかしたら…」 「やだ~~♪︎それ、楽し過ぎる~~♪︎」 「四葉…聞くんじゃありません」 「大和…じゃあ、大和が朔兄と付き合って?」 「………はい?」 「そしたら、ユウはシュウ君と付き合うしかなくなるでしょ?」 「いや…四葉、そういう単純な話じゃ…」 「四葉、無理無理。こいつと俺とか絶対ナシ。まあ、ユウならいけるかもな」 「ダメ~~!ユウはシュウ君の!」 「シュウには大和あげるからさ」 「ユウとシュウ君か、ユウと大和なの!」 「……え?俺とユウもアリなの?」 「四葉…お前、どんな漫画読んでんだよ…」 「俺はユウじゃなきゃ無理」 「シュウく~~ん♪︎だよね?四葉も応援するからね?」 「ありがと」 「シュウ…お前も、そんな冗談言える様になったんだなぁ…」 「冗談じゃないもん!真面目な話だもん!」 「はいはい、四葉。ユウ起きちゃうから、1回このお話終わりにしようね?」 「……分かった。大和…朔兄の事、お願いね?」 「おっ…?!…ねがい?…えっと~~?」 「朔兄が、ユウに近づかない様に、ちゃんと朔兄の事、お願いね?」 「うっ…う~~ん?朔が、ユウに会う事なんて、ほとんどないから大丈夫だよ?あと…もう俺、朔と同じ学校じゃないから…」 「お・ね・が・い・ね?」 「~~~~っ…分かった」 「大和♪︎大好き♪︎ちゅっ」 「ん。俺も四葉大好きだよ」 「四葉…末恐ろしいな」 「四葉ちゃん、最強ね?」 「頼もしいわ~。四葉は、何の心配もないわね~」 なんて… 微塵も想像しない会話が 繰り広げられてたなんて 全く知らない

ともだちにシェアしよう!