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苦しそうな声
着替えて、合鍵を持ってシュウの家へと向かう
「お邪魔しま~す」
シュウが寝てるかもしれないので
小さな声で挨拶
階段を上ってって
コンコン
「シュウ…具合どう?」
「…………」
寝てるか?
寝てんなら寝せてやりたい
「また、後で来るな~」
小さな声で言って部屋を離れ
階段を下りようとした時
「……っ!…っ!」
?
なんか…
聞こえた?
…………
気のせいか
家へと戻る
「四葉~」
「ユウ、シュウ君は?」
「寝てるみたいで、そっとしてきた」
「え?!みたいでって…顔見て来なかったの?!」
「え?うん…そっとしとこうと思って」
「具合悪くなってたらどうするの?!ちゃんとシュウ君の顔見て来なきゃダメでしょ?!」
「うっ…」
具合は悪くならないと思うよ?
寝不足なだけだから
でもまあ…
「そうだな?シュウの寝顔見て来るか」
「うん!起きたら連れて来てね!」
「分かった分かった」
もう一度合鍵持って…
何やってんだ?俺…
四葉の方がしっかりしてる
ガチャ
「またまたお邪魔しま~す」
とっとと階段上って、シュウの部屋へと行く
コンコン
「シュウ…ちょっと部屋入るな?」
そ~~っと そ~~っと
「………え?」
居ない…
シュウが居ない!
何で?
下か?
玄関に…いつものシュウの靴ある
リビング?
居ない…
別の靴履いて外行ったのか?
携帯持ってくれば良かった
一旦家に戻るか
靴を履こうとして
あれ?
音…
これは…
洗面所の方へと向かい…
「風呂かい!」
シャワーの音がしている
「なんだよ~…」
念のため
ちょっと戸を開けて…
ん、ちゃんとシャワーの水しぶき見える
「はぁ~…びっくりした」
帰ろ帰ろ…
「…はっ…」
ん?
「……はぁっ……はぁっ…」
シュウ?
時々…
なんか苦しそうな…
「…はっ…あっ…!」
え?
ちょっと近づいてみる
聞き間違いか?
だって、シュウは病気で休んだんじゃないし
元々病気もない
「……んっ…~~っ!……ユウ!…あっ…!」
え?
シュウ!
ガチャ
「シュウ!どうした?具合悪いのか?」
「…………え」
ずぶ濡れで
驚いた顔でシュウが振り返る
「どうした?苦しいのか?どっか痛い?」
「~~~~っ!…違っ…来るな!」
なっ…!
「なんだよ!苦しそうな声出して、俺に助け求めてたろうが!」
立ったまま顔しか振り向かない
何?
なんか怪我でもして隠してんの?
靴下を脱いで、風呂場に入る
「怪我したのか?見せてみろ!」
「やっ…やめろ!来るな!」
「何でだよ!そんな大怪我なのか?!だったら、さっさと病院行くから!」
「違う!違うから!見るな!」
「何カッコつけてんだよ!!」
シュウの腕の間をすり抜けて
シュウの前に行くと
「?……どこ怪我したんだ?」
「~~っ…だから…どこもっ……怪我してないっ…」
「え?…なっ…なんで…じゃあ、なんで泣くんだよ?!…って…ん?」
「~~~~っ…!」
シュウの股間のものが
時々、朝起きた時なってるみたいになってる
全然大きさ違うけど
まあ…寝起きだしな
「シュウ…ほんとに、正直に言って。どこが具合い悪いんだ?なんで苦しそうな声出した?俺に助け求めたんじゃないのか?」
そう聞くと
「…………え?」
ポカンと俺を見た
「ユウ……何にも…思わないのか?」
「何にもって何だよ?さっきから一生懸命心配してんだろが!」
「や…そうじゃなくて…」
「?…そうじゃなくて?」
「……………」
何~~?!
何なの?!
「えっと…シュウ…とりあえず、何でもないなら、ちょっとタオルと服借りてっていい?四葉、家で待ってるから」
「あ…ああ」
「ほんとに、何でもないなら、四葉待ってるから、俺ん家来てよ」
「……後で…行く」
よく分からん
絶対苦しそうだったし
助け求める感じだった
けど
ポカンとしてるシュウは
全然具合悪そうじゃなかった
さっさとタオルで拭いて
シュウの服着て
「………ブカブカ」
新しいタオルと服用意して
家へと戻る
「はぁ~…」
「ユウ~~!遅かっ……ユウ!シュウ君の服!」
「そう。色々あって遅くなった。ごめん」
「はわぁ~~…写真写真!」
とっとと、洗濯機に突っ込み
夕食の支度を始める
くっそ~~…
やっぱ、動きづらっ!
ゴム何回も巻いて上げてんのに
下がってくる
服…肩ずり落ちる
デカイくせに
オーバーサイズなんて着るから!
ご飯支度始める前に着替えるべきだった
「あ~~~~っ!シュウ君!シュウ君!」
来たか
「四葉…」
「シュウ君!ユウに服貸してくれて、ありがとう!」
「ああ…ちょっと…色々あって…」
「すっごくいい!!」
いや…全然良くない
「悪いシュウ…ちょっと着替えて来るから、代わってもらっていい?」
「ええ~~~~っ!!やだ!」
「いや…四葉じゃなくて…」
「ユウは、シュウ君の服着てるの!」
「だって、あっちもこっちも下がってくんだよ。なんだって、デカイのに更にデカイサイズ着るんだよ…」
「悪い…」
「いや…シュウが悪い訳じゃないけど…」
ムッス~~としている四葉のとこへ行く
「四葉…悪いな?これじゃ、兄ちゃん、皆が帰って来るまでにご飯作れない」
「シュウ君が作るもん!」
「シュウは、今日、調子悪くて学校休んでたんだぞ?」
「あっ…そっか…」
いや…ただの寝不足だけど
「じゃ…じゃあ…2人の写真撮っていい?」
「いいよ。写真撮ったら着替えるな?」
「うん」
可愛い
ちゃんと大切な事分かってる
優しい四葉
「さてと!シュウありがと。あとは、四葉と休んでてくれ」
「俺も手伝う」
「いいから、いいから。四葉も心配するから」
「シュウ君、あっち行って座ってよ?」
「……分かった」
昨日、あんな事があって
眠れなくて休んだのに
あんまり俺の近くに居たくないだろ
なんて考えながら
ご飯支度してた俺は
四葉とシュウの会話なんて知らない
「シュウ君…」
「何?」
ソファーに座った途端
四葉が嬉そうに話し掛けてくる
「いい!いいよ!ユウにキスマーク付けたの?!」
「……っなんで…」
「シュウ君の服、おっきいから見えた!」
「ああ…」
「何?ユウと付き合ってるの?」
「付き合ってない」
「なんだ~~…まだかぁ…」
まだ…
付き合う前提なのか…
「さっき、何があったの?ユウ、何でシュウ君の服着る事になったの?」
「……俺が…シャワー浴びてるとこに…ユウが心配して…入ってきて…」
「え?じゃあ…シュウ君裸で、ユウは服着たままかぁ……...うん、うん…それで?何したの?」
少しの間、上を見て
何やら想像してから、また聞いてきた
「別に…大丈夫だって言って…帰した」
「……は?」
四葉が
信じられないといった顔で見てくる
「大丈夫な訳ないでしょ?シュウ君…ユウに裸見られて大丈夫だったの?」
「っ!」
大丈夫どころか…
ユウの名前呼びながら
イキそうになってた寸前の状態見られた
「…だよね?」
「え?」
だよね?
「ユウは?シュウ君の裸見て…どんな感じだった?」
「……別に…どこも…何ともないな?って…」
「…………え?ユウ…赤くなったりもしなかったの?」
「……別に」
「あ~~…!…シュウ君だけ、教育し過ぎた!」
「は?」
「ユウにはね…純真無垢な受けであって欲しかったから……とりあえずシュウ君に教育しといたら、なんとかなるかなと思ってたら……まさか、中2でそんな反応だなんて……無垢過ぎたっ!四葉の計算ミス!致命的ミス!」
四葉…
お前は一体…何を知ってて
俺達をどうしようとしてるんだ?
「四葉…お前の気持ちは分かるが…」
「シュウ君!今日!ユウから、知らない人の匂いしたの!」
「え?」
「帰りも遅かったし!心当たりは?!」
「……ない事も…ない」
「~~っんもう!何やってんのよ?!早く、そいつの事牽制してやって!」
「…え?」
ってか…
匂い…分かるくらい…
今日は何されたんだ…
「落ち込んでる場合じゃな~~い!犯人特定して、さっさと排除する!」
「いや…四葉…ユウは、どう思ってんのか分かんないだろ?」
「四葉より大切な用事じゃないって言ってたもん!」
「え?」
「シュウ君は、四葉より大切だもん!シュウ君の方が勝ってるから!」
「四葉……」
嬉しいけど
それゃ
四葉だって、友達と俺や朔兄比べたら
俺達の方が大切って思うだろ?
「でも、そういう気持ちじゃなくても、大切な友達とかかもしんないだろ?俺が勝手な行動して、ユウが大切な友達と関係壊れるのは嫌だな」
「シュウ君!いい彼氏!でも…友達ならいいけど、それ以上はダメだよ?って牽制は必要!」
彼氏じゃないし
牽制…たって…
「……先に…多分そいつが…ユウに付けたから」
「……え?…ええ~~?!」
「四葉~?どうした~?」
「何でもない!」
ユウに適当に即答した四葉が声を潜める
「どういう事?!何先に付けられてんの?!」
「多分…保健室連れてってくれて奴なんだろ…ユウは…覚えてなかった…」
「ユウが…寝てる間に勝手に手出したの?……殺そっか?」
「……え?」
殺…
殺…
「そいつ…いつか何かしてやんなきゃね?色々考えてみよ。それで?シュウ君は、その上に付けたって事?」
「……抑えられなくなって…ユウ…びっくりしてた…」
「そう。よくやったわシュウ君」
四葉?
なんか…怖い…
「けど!今日の帰り!じゃあ、またそいつが上書きした可能性!絶対シュウ君、更に上書きしといてよ?!それで、そいつがびっくりする位付けといて!」
「ユウは…俺が思う様な気持ちないから…きっと文句は言わなくても、やめて欲しいって思ってるよ?」
「大丈夫!何があってもシュウ君は特別だから。シュウ君との違いに気付いた時、ユウはシュウ君のものだよ!」
自分の兄を
男の幼馴染みのものだよとか…
言えるもんか?
「それより、シュウ君。ユウとの撮影は大丈夫?無理?」
「無理…な気もするけど…嘘でも…ユウと真似事みたいのが出来るのも嬉しい…様な…」
「四葉としてはね?撮影を通して、シュウ君の気持ち…伝えて欲しいのと…ユウに、ああいう事するのは、シュウ君だけだよって、インプットさせたい」
そんな目的があったのか
「分かった…」
「でも…シュウ君も大切だから、無理はして欲しくない。無理な時は言ってね?」
「うん…ありがと」
「へへっ…シュウ君抱っこ」
「いいよ」
「シュウ君イケメン!」
「そ?」
「うん!髪、サラサラでしょ?眉毛…いい形でしょ?…」
2人が、どんな話をしてたかなんて知らない俺
煮込み出して、洗い物済ませちゃおうと
ふと、2人の方を見ると
?!
四葉が、シュウの膝の上に乗っかって
シュウの顔を触っている
シュウは、四葉の腰と背中を支えてて
え?
キスすんの?
なんて、一瞬思ってしまった
いや…そんな訳ないんだけど
いや…ほっぺとかはね?
ちゅ~してるし
でもさ
四葉も、小6とは言え
だいぶ成長してきてるし
イケメンな男と
あんな体勢
あんな距離だとね?
兄としては心配なのです
四葉…可愛いし
中学入ったら、彼氏とかできるのかな
そしたら…
もう、あんな風に俺達にくっついたりしないんだろな
小さいのなんて、あっという間だな
そのうち…
一緒に歩きたくないとか
近付かないでとか
言われたりすんのかな?
前にテレビでやってた
それは、父親に対してだったけど
兄ちゃんも…言われんのかな…
「出来たよ…」
「ユウ…なんで、そんな元気ないの?」
「四葉…兄ちゃんも、今のうちに抱っこしたい」
「ユウ?今のうちにって?」
「四葉はまだ分からないけどね?大きくなったら、兄ちゃんとこういうのしたくないって思うんだよ?」
?って顔で見てくる
可愛い
「だからね。今のうちに、四葉いっぱい抱っこしとこうと思って」
「ユウ…じゃあ座って?」
「ん…」
さっきのシュウの時みたいに
俺の上に座る
「ユウ、四葉は、そんな事思う日来ないよ?」
「ふっ…そう?」
「うん。ユウがいいなら、ずっとずっと、ユウに抱っこしてもらって、ちゅ~するよ?」
「ん…ありがと」
だいぶ重くなった
身長も、どんどん伸びて
変わってくんだよ?四葉
夕食の後、食器を洗いながら思い出す
そう言えば
俺の怪我で中断してて忘れてた!
四葉の撮影会、どうにもなってなかった!
隣で手伝ってくれてるシュウに話し掛ける
「シュウ…」
「何?」
「その…四葉の…撮影会さ……嫌だったら、断っていいぞ?」
「……別に」
「え?……だって…色んな事させられるぞ?」
「別に……」
「……そう?」
「うん」
分からない
シュウは俺を好きで
俺は同じ気持ちじゃなくて
そんな2人で恋人みたいに
くっ付いていいもんなのか?
シュウがいいなら
何の問題もない訳だが……
「ジャジャーン!今日はこれ!」
「どれ?…うっ…首かぁ…」
「うん!頑張ってね!」
「はい……」
首…苦手…
けど…四葉は、首の辺りに何かするのがお気に入り
…と言うか…なんか…
四葉の読んでる漫画の絵が
どんどん過激になってってる様な…
「ユウ…」
「あ、ごめんごめん。えっと…これは、俺が首出す側ね?」
「うん!だからね~………」
あれ?
首出す…
首!出す!
出したら!シュウにバレる!
ってか…
これ、キスマークじゃん!
四葉…この痣の意味知ってて読んでんの?!
「ユウ?聞いてる?」
「…えっ?!えっと…あの…やっぱ…」
「シュウ君は、うん、そのままでいいや。ユウは上の服脱いで?」
「はあ?!無理!」
「なんで?」
「なんでって…」
首見られるだけでも無理なのに
服なんか脱いだら
絶対確実にバレる!
「ユウ?……分かった…ユウが嫌なら…やめる」
「うっ…!」
めちゃくちゃ残念そう悲しそう
でもさ…
「じゃあ、ユウ…こういうシャツ着て、これやってくれる?」
「うん。ごめん……な……」
「ユウ?」
これも、結局首出すんかい!
でも、もう断れない!
四葉が…不安そうに見てる
「分かった。これにしよ?」
「うん!」
「着替えてくるな?」
「うん♪︎」
シャツに着替える
上半身裸よりマシ
クローゼットの鏡で確認する
ボタン…この辺までなら
なんとか見えないかな
「お待たせ」
「じゃあ、ユウは仰向けね?ちょっとお口開けて、視線こっち」
「はいはい」
「シュウ君は、ユウの左手握りながら、ユウの顔のそっち側で、首にちゅ~してね?」
「分かった」
大丈夫か?
シュウ…
シュウが、俺の顔の右に顔を近付ける
「…っ!」
なんか…
手…握り方…が…
「ユウ…こっち見てて~」
「あ…ごめん」
「シュウ君、手の握ってる感じね、色々撮りたいから、適当に動かしてくれる?」
「分かった」
「…っ!」
なんか…
なんか変だよ?
手…触り方…
「…んっ…はあっ…!」
「ユウ…頑張ってね~。なるべく、こっちね~」
シュウが、首にキスしてきた
上…見ちゃう
四葉の方…見なきゃ…
「シュウ君、そっちの位置のままで、何ヵ所かキスしてくれる?そんなに大きく位置変えなくていいから」
「分かった」
「んぁっ…!」
首の近くで喋んないで~~!
「ユウ…大丈夫?」
「まだ…だいじょぶ……早く…終わらせよ…?」
「…分かった」
なんで、シュウじゃなくて
俺の方が大丈夫じゃなくなってるんだよ!
首だ!
首じゃなかったらこんな…
「…ん~~っ…!…ぁっ…!…~~っ…!」
「ユウ…時々こっち見てね~」
「あっ…ごめっ…」
「いいよ~…そのまま、そのまま~」
このまま…
このま…
「はうっ…!…あっ…~~っ!」
手と…首…
一緒に動かさないで!
四葉…も…
限界…
まだ?
頑張って、四葉の方を向いて、うっすら目を開けると
「いい!それ!オッケー!いいの撮れました!」
「はっ…はぁ~っ…」
疲れた
「ユウ…大丈夫?」
我慢して、滲んできた涙を
シュウが、指で拭う
「大丈夫。もう限界だったけど」
ガチャ
「大和~~!お帰りなさ~~い!」
「四葉…ただいま」
「大和、大和~~」
大和が帰って来たので、食事の準備に行こうとすると
シュウが起き上がらせてくれて
「ありが…んっ…!」
シュウが…
無事隠し通せたと思った部分に触れてきた
「………大和の準備…しなきゃな…」
「……うん」
泣きそう…
シュウが…
大和にご飯食べさせて
父さんと母さんに食べさせて
シュウ…
俺の部屋来ちゃっていいのかな?
シュウの家には、俺の家に来てるって知らせてたけど
シュウ…帰るって言わない
「シュウ…今日、いっぱい眠れた?」
「…眠れた」
「そっか。なんか…悪かった」
「いや……ユウ…」
ドキッ
くるか?
「また…付けられたんだ…」
「~~っ…ごめん…その…」
「別に…ユウが俺に謝らなきゃならない事はない」
「そうかもだけど…」
シュウ…
泣きそうな顔するし…
「ユウが…嫌じゃないなら…問題ない」
「いや…嫌も何も…」
「でも…ユウが嫌だったり…困ったりしてる時は言って」
「シュウ……ありがと」
不思議なのは
なんで、皆おなじ様なとこに付けようとすんのか…
四葉が見せた漫画も、もっと違う場所とか付いてたのに
「ユウ…」
「何?」
「そういう事…してくるの、その人だけ?」
「そうだな」
「その人…それ付ける以外…ユウが怖くなる様な事してこない?」
「こない」
「そっか…」
寂しそうな顔で
触れようとして、手を戻す
「俺…帰る」
「…そっか」
「じゃあ…」
立ち上がったシュウを見て思い出す
「シュウ…そう言えば…シャワー浴びてた時のは、何だったの?明らかに苦しいとか…痛いとかって感じにしか聞こえなかったけど…」
「………何でもない」
「俺…来てるの知らなかったろ?なんで俺の名前呼んでたの?」
「………ユウ…は……誰かの事…考えるのかな…」
誰かの事…
考える?
「…帰るね」
「うん…明日は、学校行く?」
「行く…」
「ん…じゃな」
分からん事は大和
宿題して、お風呂入って
コンコン
「は~い」
ガチャ
「大和…ちょっといい?」
「いいよ」
大和に、ダメな時はない
「どうした?」
ベッドに座ると
椅子を動かして近寄って来てくれた
「どうしたって訳でもないんだけど…」
「ん…なんか気になる事あった?」
「今日、シュウの様子見に行ったら、シュウ…シャワー浴びてたんだ」
「ん…」
「1回部屋の前まで行って、寝てんだと思って帰って来たら、四葉に、もし調子悪くなってたら、どうするの?!って言われたから…」
「しっかりしてんな?四葉」
「うん…」
兄ちゃんより…
しっかりした妹です
「それで?」
「だから、一応、洗面所の戸開けて、ちゃんとシャワーのしぶき確認して、シュウ動いてるし大丈夫だなと思って、帰ろうとしたんだ」
「うん…」
「そしたら、苦しそうな声聞こえてきて、戻ったんだ。聞き間違いかと思ったら…やっぱり苦しそうで…苦しいのか、どっか怪我でもして痛いのかと思った」
「ん…そっか」
大和が、俺の隣に座って
頭撫でてきた
なんで今?
「それで…声掛けてみようとしたら、俺の名前呼んだんだ」
「ん…」
「俺が居る事知らないのに、助け呼んでるんだと思って、ドア開けて声掛けたら、シュウびっくりしてて…」
「あ~~…ドア…開けたか」
「うん。靴下脱いで、中入ったら、シュウ全然答えてくれないし、背中向けたまま、見せてくれないし…」
「……だよなぁ」
だよなぁ?
やっぱ…大和は分かるのかな
「でも、隠すって事は、酷い怪我とかしてんじゃないかと思って、無理矢理前に行って見たんだ…そしたら…シュウ…泣いて……」
「あ~~…」
「なのに……何にもなかった」
「……ん?」
「何処も怪我してなくて、何処も何ともなくて、一体シュウは、なんであんな苦しそうな声出して、何を隠そうとしてたのか…帰る前にも聞いたけど、何でもないって言うし……ほんとに何でもないならいいんだけど……大和…分かる?」
大和が…
びっくりしたまま固まってた
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