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いつかの記憶

「朔?お前、大丈夫………」 「……はぁっ……大…和…」 覗き込んだ朔の顔見て… 思い出したくもない事を思い出してしまった 曝け出して 涙浮かべて 横たわってる朔を… 「……拭いてやるから…ちょっと待て…」 「んっ…!…自分で…拭くっ…からっ…」 「……ほら…ウェットティッシュも…使わせてやる」 「なんでそんな…偉そうなんだよ…俺のウェットティッシュじゃん…」 「こっちも…そこも残ってる」 「うるせぇな!後はシャワー浴びるから、いいんだよ!」 「…っそ」 そう言って、適当に拭いて 部屋着に着替えて、部屋を出ようとする 「待て」 「…んだよ?シャワー浴びねぇと、気持ちわりぃんだよ!」 「アフターケアだ…」 「あ?」 朔の腕をグイっと引っ張り抱き締める 「いや…今はそれより、シャワー浴びに行きたいんだけど…」 「お前………」 「え…何?早く言ってくんない?!怖っ!」 「ちょっと腹出たんじゃね?」 「出てねぇわ!腹筋だわ!もういいだろ?」 「行け」 「命令すんな!」 朔は馬鹿だから… 気付かない 馬鹿で…良かった 明るい馬鹿 だけど、それは朔と話したり、笑ってんの見たから分かる事だ 黙ってると、ちゃんとシュウの兄だ 一見怖そう… 大体最初は、そう見られる 中学入ると、俺と共に成長期に入った朔は 上級生に、よく睨まれたり、いきなり文句つけられたり… 中2になる頃には、学校の外でも、そんなのを見る様になった ユウと四葉は、俺が帰るまで朔ん家で待ってたので 別のクラスだろうが、どっちかに彼女が居ようが 帰りは2人で直帰 まあ、朔が早く帰らなければならない理由はないが、朔だけ遊んでとか、ムカつくからな ある日、朔のクラスに迎えに行ってやると、先に帰ってろと行って、先輩らしき人達と何処かへ行ったとの事 先輩らしき人達と… それは断われないだろうが… 「はぁ…見に行くか」 たまに、口だけでは済まない事がある 多勢に無勢 勝とうなどとは思わないが、せめて怪我を少なくする為、朔は中学に入ってから、筋トレを始めた 朔に負けてはいられないので 俺も始めた 俺は、なかなかの有名人で よく俺の横に居る目つきの悪い男の行方を探すのは、案外簡単だ これは…屋上だなぁ ボコボコにされてなきゃいいが… 高いフェンスに覆われてる屋上は 遠くから見ると 網目のせいで、何をしてるのかまでは、よく見えない 隠れてしたい事をするには、もってこいだ だからこそ、一般のまともな生徒は近寄らない 屋上に続く階段を登り、ドアが見えてくると 何人かの馬鹿笑いが聞こえてくる 朔の馬鹿みたいにデカイ声が聞こえない 遅かったか 朔…短い人生だったな …と、いう訳にはいかない シュウもユウも四葉も悲しむからだ それは…許さない ガチャ ドアを開けると… 「あ?何だ?てめぇ…」 1人がすぐに気付いて、こっちに来る 3年…2年の途中でハンド部辞めた…橋本 「橋本先輩、受験生が何してるんですか?」 「なっ…何でお前…俺の事…」 「誰と遊んでるんですか?」 「あ…おい!」 身バレして固まった奴を退かして、前に進むと… ……は? 何これ… 頭の上で両手ネクタイで縛られ 仰向けで、上着もシャツも前開けられて ズボンもパンツも下げられて 丸出しにされてんのに 目瞑ってびくともしないシュウと 慌てて、ズボン上げてる馬鹿2人 1人はシュウの頭側 もう1人は…シュウの…足の間… 「高島先輩、随分面白そうな遊びしてますね?」 「な…おま…なんで……」 「俺、よく生徒会の仕事手伝うんですよ。問題ある生徒は、大体頭に入ってます」 「てめぇ…生意気な口…」 「川村先輩、勿論生活指導の桜田先生とも、毎日の様に色んな話するんですよ。今日は、川村先輩の話をしても?」 「なっ…?!」 「この時期にこんな事…勇気ありますね?」 「お…覚えてろよ?!てめぇ!」 馬鹿共は お決まりのセリフを残して バタバタと去って行った 「……おい」 「…………」 「……おい、起きろ」 「…………」 「……だから、馬鹿だって言うんだ、お前は…」 口の周り… 唾液も精液らしき物も付いてない 朔のも…汚れてない ケツは… 汚れてない 目の端…涙… 未遂? 分からない イク前だっただけで… 何されたのか…… ネクタイを解いて さっさと、パンツとズボンを上げる さすがに…挿れられたら目覚めるだろ けど… 何された? 「馬鹿面して寝やがって…」 シャツのボタンを締めて ネクタイを締め直す そして… 朔にキスをした 何で? ムカついたから シュウを、ユウを、四葉を泣かせる様な事されて 馬鹿面して寝てるこいつが、ムカついたから お前まさかこん中… あり得ないもん…突っ込まれて寝こけてた訳じゃないだろな? 「ペッ…ペッ…起きろやこの馬鹿…」 「……ん…」 「おい…起きろ」 「……大…和…」 うっすらと目を開く 遅ぇんだよ 何かされたら目覚めろや…この馬鹿が 「いつまで寝てる…帰るぞ」 「……なんで…大和…」 起き上がろうとして 「…っ!…くっ…ケホッ……思いっきり…エグいの入れやがって…ケホッゲホッ…くっ…」 「情けねぇな。もっと上手く対処しろ。常に1人で戦うなら、体だけじゃなく頭も鍛えろ。馬鹿だから、しょうがないが」 「馬鹿って…!…ゲホッ…くっ…ゲホッゲホッ…うっ……ちょい…待って……悪い…休憩…」 「散々休憩してたろが」 どんだけ意識失ってんだよ馬鹿が 「……はぁっ…鬼…」 「お前が馬鹿だからだ。連れてかれる前に、何か手段を講じて行け」 「…んな…暇ねぇよ…」 「なければ作るんだよ、馬鹿」 「……くっ…馬鹿馬鹿言うな…ってぇ~……うっ……大和…手…貸して」 「甘えるな。自業自得だ」 「……~っ……大…和…」 腹抱えて、横たわったまま、涙浮かべてる 「お前…何されたの?」 「はぁっ…見りゃ…分かんだろ…ボディー……エグいの…入った…」 「それから?」 「は…?…っ…それから…気…失ってた…」 「……チッ…馬鹿が」 「なっ?!…ゲホッ…くっ……ここで…舌打ち…鬼過ぎる…」 馬鹿は、何にも覚えてなかった 幸せな馬鹿だ 馬鹿は頭使えないから 考えろと言っても無駄だ あんな奴ら 叩けばいくらでも埃が出てくる 朔の事を出さなくたって まともな高校行けない様にするのは、容易かった あの馬鹿は、自分が何されてたかも知らないからか 当然の様に一緒に通うと思ってた高校ではなく わざわざ私立の男子校に入りやがった 勝手に俺から離れた事に まずムカついた 朔のくせに 可愛いユウが泣く事ない様に 朔を使ってやろうと思った 朔を使うのなんてチョロい ずっと、すぐ傍で使ってやろうと思ってたのに 俺にケツの穴触られて 耳で感じる朔を見るのは いい気分だった 優越感 これが、俺達の正しい関係だ 泣いて…俺に縋ってきた そうしたくなったって 離れてたんじゃ出来ねぇのに お前が馬鹿な判断しか出来ない時 見付けてやれねぇのに ほんとムカつく奴だ 俺が優越感に浸ってたのに クラスの奴らにケツを触られたと言ってきた どこまでムカつかせるんだ?こいつは… 思いっきり噛み痕残してやったら その上に無数のキスマーク付けて帰って来た しかも、死守しろと言ってやったのに 翌日にはケツ触らせてた こいつは… 俺をムカつかせる天才らしい 俺に言われた通り シャツ1枚で四つん這いになり、ケツを出す いい気味だ 痛くされる事に怯える朔… そんなとこ… 痛くされた事でもあんのか? 俺の知らないとこで? ……ムカつく ローション付けて触ると 痛くなさそうだったのに なんか苦しそうで止めてやったら 涙浮かべて横たわってた あの日の事を思い出させられた ムカつく なんで、こいつの事なのに こいつじゃなくて 俺が嫌な感情抱かなきゃなんないんだ 馬鹿は、そんなのお構い無しで シャワー浴びに行こうとした 待て 俺は今、お前のせいで 物凄く嫌な感情を抱いてるんだ あいつらの馬鹿笑い 焦ってズボン上げる奴ら 剥き出しにされた朔 クソッ… シャワーを浴びながら考える あの大和が固まってた 何年近くに居ると思ってんだ どんなに冷たい言葉発しても 普段と違う様子なんて一目瞭然 アフターケアは 誰の為だよ… 中学に入り、鋼の肉体が必要だと気付いた俺は、筋トレに励んだ 大抵の場合、警察沙汰になる位までボコられる事はない ちょっとしたストレス解消に、自分達までリスク侵したくないんだろう 時々、ヤバいの食らうけど 俺と同じ様な目付きで 俺より無口なシュウを心配していたが あそこまで行くと 早々手も出されないらしい シュウとユウの様に仲良し幼馴染みではなく 俺を下僕かペットの様な扱いをする幼馴染みは、大層いい男らしく 男にも女にも人気者だ 副生徒会長にベタ惚れされてるらしく よく生徒会室に連行されたり 挙げ句、生徒会の仕事まで手伝ってるらしい ほんとに、俺以外には、信じられない程の優しさを見せる ま、シュウやユウ達以外の奴らへの優しさなんて、何か目的があるんだろうけど とにかく、こいつと一緒に居たい訳ではないが こいつと居ると、俺に絡んで来る奴が減る だから、こいつを利用して、毎日一緒に俺の家へと帰っていた ある日の帰り 先輩達からのお呼び出し 全く面識ねぇぞ 今日断わったら、明日更に気持ちエスカレートさせて、迎えに来んだろな そう思って、さっさと終わらせる事にした 適当にクラスの奴らに、大和に先に帰れと伝える様に頼んで向かう 中学では定番の屋上らしい 「お前さ、2年のくせに生意気なんだよ」 「なんだ?その目は」 「なんとか言えよ!」 生意気にした覚えもなければ この目は生まれつきだ 何を言ったって、ボコボコにしないと、気が済まないくせに まずは、頬っぺたに一発 ちゃんと口閉めて、なるべく抵抗せず、パンチと共に殴られる方を向く 次は? 腹蹴られて壁に打ち付けられる へっ… こんなん腹筋鍛えてっから大丈夫だもんね そう思った時… 「っ!!…カハッ……」 何… 急に痛みと共に、息が出来なくなった 下を見ると ボディー…完璧に入ったんだ… くっそ… ズルズルと体がずり落ちていく 苦しい 息…出来ない そのまま腹抱える様に横たわり、必死に息してると 仰向けにさせられる 「はっ……はっ…くっ……はっ…」 仰向け痛ぇよ 苦しいから戻せ 全然声出せない 息も、まともに出来ず 涙が流れる 意識が朦朧としていく中 ネクタイを外され、両手結ばれた 馬鹿じゃねぇの? どうせ、もう動けねぇよ… 何故だかシャツも開けられ始め ベルトもカチャカチャしている 何…俺…全裸で晒しもんにでもなるの? そんなんなったら…… シュウ……苛められないかな……… 大和の声がする 寒い… あれ… 体…あったかくなってきた 口ん中も…あったかい… 目覚めると… 「いつまで寝てる…帰るぞ」 今にも泣きそうな顔の 大和が居た 「……なんで…大和…」 その後、ボロボロになってる俺に いつも通り全く優しくしてくんなくて 手も貸そうとしてくんなくて 舌打ちまでされて やっぱ鬼にしか見えないんだけど 何より大切なユウと四葉が待ってんのに 助けに来てくれたんだろなとか 言葉と表情とは裏腹に 立ち上がろうとすると、手を貸してくれて 俺のペースに合わせて、休みながら時間かけて 家まで帰ってくれたりとか 俺を見捨てる様な兄と思われたくないだけか 優しい人気者を演じたいだけか 下僕が居なくなると困るのか 大和の真意なんて分からない ただ… 妙に口ん中と、太ももの内側だけが熱を持ってて 俺は、意識失ってる間何をされてたのか 脱がされはずのシャツ 外されたはずのネクタイとベルト 大和が… 元通り着せてくれたんだろうか… 俺が何をされたのか大和は知ってんのかな 「お前…何されたの?」 いや、知らないか でも… 何されたのか…聞きたくなる状況だった? 大和は、その時の事を一切話そうとしない 俺も思い出して楽しいもんでもないし、触れない事にした ただ… 俺が呼び出しを食らうと 連れ去られる前に、何処からともなく、大和が現れる様になる なんで分かるの? 怖っ… そして、毎回 これでもかって位、こっぴどく説教される 説教ってか…ただの憂さ晴らし? 俺が何したよ… 俺のが文句言いてぇよ 高校入って、大和の目を気にせず自由な生活 どんだけ俺、自由のない学校生活だったのかと あいつの目を気にする学校生活だったのかと 改めて思った クラスの奴らは、馬鹿ばっかり けど、高校生にもなると、見た目がどうので 色々言われる事もなくなった 素晴らしい高校生活満喫してたのに 大和が、とんでもない事してきた 俺のケツ弄くり始めた そんなのあり得ないんだけど シュウとユウを出されたら… ユウがこんなん…堪えられんのかとか思うと… 断われなかった 大和から、シュウの教育しろと命令され 男同士について勉強し始める そういうの…なんか空気で分かんのかな? 俺が、大和にケツ弄くられて、男同士の勉強始めた途端 クラスの奴らが、俺にちょっかいかけてくる 男子校だし、いつもの遊びだけど 男数人に囲まれて、なんかされんのは… いい思いしねぇんだよ 勉強を始めて、素股というものが存在する事を知った 何となく…知りたくない事だった気がする… もはや、半分大和のオモチャの様にされた俺 シュウの為…ユウの為… けどまあ… ローション付けてくれたら、全然痛くねぇ 痛いのは勘弁… とか思ってたら… なんだか変な感覚が強くなってって おかしくなり始めた時 大和が止めてくれた 珍しく心配する大和 さすがに悪いと思ったのか? 悪魔にも罪悪感はあるのか? 力入んなくて、横たわってる俺を 大和が覗き込んで…固まった 固まった顔が… あの時の泣きそうな顔に似てて… だからと言って やっぱり全然優しくなんかないんだけど シャワー浴びに行こうとした俺を グイっと引っ張って抱き寄せた そういうの…やめて欲しい… まるであの時… 俺が、とんでもない事されたみたいじゃん 嫌な事思い出すじゃん あの時の事… お前も触れないし 俺も記憶…探ろうなんて思わないのに お前が、そんなんなるって… 俺、あの時何されたの? 実はお前知ってて とんでもない事されてたの? とか… 思っちゃうじゃん 太ももの内側の…熱を思い出し始め… さっさとシャワーを浴びる事にした シャワーを浴び終わり 悪魔は、散らかし放題で、とっくに退散してんだろと思って部屋に入ると すっかり綺麗になったベッドの上で 大和が熟睡している 何故ここで寝た… 自分の部屋まで何秒だよ こいつは… 俺の前では熟睡する 他の… 例え家族の…ユウの前でも ウトウトはしても、熟睡はしない 自分の寝顔見た事あんのかな こんな子供みたいな顔になんの、知ってるからなのかな 寝顔は可愛いんだよなぁ…こいつ 寝てる時は、なかなか可愛い奴なんだよ ベッドに腰掛けて、大和の寝顔を観察 滅多に見れねぇからな う~わ…髪…サラッサラ… どんだけケアしてんの? って…子供ん時から…あんま変わってないか 「……ん」 小さな子供みたいに、両手握って丸まった 「……さっ…くん…」 どんだけ熟睡してんの? もう忘れてたよ?その呼び方… 「一生寝てろよ…ま~くん…」 シュウ達が生まれる前から、親同士行き来してたので 隣同士になる前から、俺達は何度も会って遊ぶ仲だった 小学校上がる頃には… もう、そんな呼び方してなかった気がするけど? ユウが生まれて、少し変わった大和 俺もシュウが生まれて、何となく分かる けど、ユウはシュウより、ずっと弱かったから お兄ちゃん感が、強くなってったのかもしれない 四葉が生まれて、また少し変わる 大切な家族を大切にしようと思うのは分かる 俺だって同じだ けど… ほんとの大和が、どんどん薄くなっていく 自分で気付いてんのか、気付いてないのか 学校でも、おんなじだ ある時、小学何年だったか… 1年?2年? 2人で部屋で遊んでた時 たまたま、俺の腕が、大和の顔直撃した 勿論、たまたまだ 大和だって、まだそんな悪魔でもなければ 俺が理由もなく、そんな事する訳ない 顔ったって、子供の腕だから、そんな鼻血出る位な訳でもなく いつもなら、 「ごめん!」 と、言えば 痛がりながらも、 「大丈夫」 と笑う大和のはずだった ところが… 「ごめん!」 そう言うと 驚いた顔の大和が 顔、くしゃくしゃにして、泣き出した 「うっ……いたっ……っ……うっ…」 びっくりした どんな事があっても、ユウが生まれてから、泣いたとこなんて、見た事なかったのに 「ごめん!大和…痛い?お母さん呼ぶ?」 「…っ……う~~っ……やだっ…見られたくっ…ないっ…」 「そんな事言ってる場合じゃないよ」 「~~っ…やだっ……うっ…やだよっ…」 仕方なく、その場で困ってると 「うっ……朔っ…朔っ…」 「何?痛い?ごめん」 「~~~っ…朔っ……う~~っ…」 どうしたらいいのか分からず 頭撫でると 大和が、俺の胸の中に入ってきて泣き始めた 全然泣き止まない大和を見て なんか… 痛くて泣いてんじゃ、ないんじゃないかなって思った 小学校…高学年になる位まで たまに、そんな事があった 2人だけの時 ちょっとしたキッカケで泣き出して、止まらなくなる ああ…泣きたいんだって思った 高学年になると、そんな事もなくなり 代わりに、俺の部屋来て、何をするでもなく寝る事が度々… 何故、わざわざ俺の部屋来るのか、意味が分からなかったが とにかく、そういう時は、全然起きない なんだか分かんないけど 誰にも求められてないのに 勝手に作り上げた兄ちゃん像を… 勝手に作り上げられた穂積 大和像を… 演じんのに疲れるらしい 「頑張り過ぎ…もう、やめれば?」 頬っぺた、ツンツンしても全然起きない 「お前が、情けない兄ちゃんでも、誰も失望なんかしねぇよ」 デコをツンツンする 「……ん~…」 ははっ 変な顔… こんなん、誰も見ないんだろな 「どんだけモテたいんだよ?全員に優しくなんて、無理に決まってんだろ?いい加減気付け」 頬っぺた、フニッと摘まむと 「…兄ちゃん……負けだ……」 そう言って、ふにゃっと笑う ば~か 俺は、ユウでも四葉でもないっての こんな幼い顔して、縮こまってる奴が 兄ちゃん頑張って… そりゃ、疲れんだろうよ 「おら、もうちょいそっち行け。俺も眠くなってきた。お前に散々やられたらな」 「ん~…」 「ふぁ~…マジで一気に眠気が…」 横になった途端、睡魔に襲われた  ゴロンと、大和が寝返りして 俺の方向いた気がしたけど まあ、いいや  今は、貴重な天使の大和だから、問題ない……

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