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最低な兄達

朔の部屋でぐっすりと眠り ずっと抱えてた、モヤモヤしたものを吐き出し スッキリとして家に帰った日の夜 コンコン 「はい」 「大和…ちょっといい?」 可愛い可愛い弟が 俺の部屋を訪問してくれた 「どうした?」 俺のベッドに座ったユウが なんだか、モジモジしている 言いにくい事なのか? しかし、可愛い とりあえず抱き締めていいかな 「あのね…一応、大和に言っておいた方がいいかなと思ってね…」 「…シュウと付き合う事になったのか?」 「えっ?!ちっ…違うよ!」 「違うのか」 そんなに真っ赤な顔で、過剰反応してる時点で かなり意識しちゃってるって気付いてる? 「そうじゃなくて……その…今日ね……ちゃんと…出せたから…一応報告しとこうと思って…」 「ちゃんと出せた?……出せたって…え?射精出来たって事?」 「うん……シュウにしてもらったから…自分で出来るのかは、まだ分からないけど…」 か…っわい~~~! わざわざ精通しましたって、報告に来てくれたの? 可愛い過ぎない? それで、なんで不安そうなんだ? 「そっか。良かったな」 俺がそう言うと 「あ…うん」 少しほっとした様な顔になった 「自分でじゃなくてもイケたんなら、病気とか考えなくて大丈夫だよ」 「うん……」 あんなに心配してたのに なんか、あんまり嬉しそうじゃないな 「ユウ…何か気になる事あるのか?」 「皆と同じになれたのは嬉しいんだけど…」 「だけど?」 「なんか……あんまり、いいものじゃなかった…」 え… 初めて、あの快感を味わって、そんな感想あります? 「そっか…」 「うん……知らない感覚でいっぱいになって……体は勝手に動くし……っ…なんかっ……自分の体じゃないみたいで…っ…ちょっと怖かった…」 なるほど… そっちを強く感じてしまったか 「知らない事、初めての事は、皆不安だし怖いよな?」 「うん…シュウが、ずっと大丈夫って言ってくれてたから…大丈夫って思えたけど……」 「そっか…じゃあ、怖いのに頑張ってえらかったな…おいで、ユウ」 ユウが、俺の膝の上に乗ってくる ユウの背中に手を回すと ユウも抱き付いてきた 「大和…」 「ん…」 「なんか、今までの自分とは違うみたいで……なんか…っ…なんか…やだったんだ」 「うん…知らない自分を知るのも怖いよな」 「やっと皆と同じになって、シュウの気持ちとか知れると思ったのに……よく分かんない…シュウのキスは気持ちいいって思う……でも…あの感覚は…なんか違うっ……なんか…っ…やだった…」 可愛いなぁ でも、そう思うだけ感じたんだろな シュウ…嬉しかったろな 「ユウが嫌なら、しなくたっていいんだよ」 「ん…」 「今日は、また練習しようと思ったのか?」 「ううん…なんか…シュウと話してて…手を握って横になってたら……体…熱くなってきて……そしたらシュウが、これ出さないと辛いからって…」 「そっか……」 シュウと… 手握って横になってて、勃つって… それはもう…確定なのでは? 「そうだなぁ…やらなきゃなんないって事はないけど、今日みたいになったら、シュウが言った様に、出すまではずっと辛いと思うから、自分で出来ないなら、またシュウに頼んで出してもらった方がいいかな」 「……そうなんだ…もし…シュウが居なかったら、自分で頑張るしかないよね?」 シュウが居なかったら… ユウが、夢とか妄想でそうなるとは思えないな 「とりあえず当分の間は、シュウが居る時にそうなりやすいと思うけどね」 「そうなの?」 「うん…もちろん、俺が居る時なら俺に頼んでもいいよ」 「うん」 見たかったなぁ 今度シュウに、撮っておいてって頼んでおこうかな ああ… 絶対可愛い 不安な中、知らない感覚と闘いながら、感じまくってるユウ 「大和…ありがとう。シュウと大和に、大丈夫って言ってもらって…やっぱりあれが普通で、それでいいんだって分かったから、少し安心した」 「うん…どうしようも出来ない事でも、ただ話聞いて欲しいだけでも、いつでも俺のとこおいで」 「うん、ありがと」 かっわい~~~~~~! 『ユウが精通した!』 『シュウにしてもらったらしいぞ』 可愛い 可愛い いつでもおいで、ユウ ヴヴ ヴヴ 『シュウから聞いた』 『すげぇ嬉しそうだった』 やっぱりな ってか、シュウも朔に報告してたのか 可愛い奴らめ 『シュウと手握って横になってたら、体が熱くなってきたらしい』 『ユウはまだ自分でよく分かってない』 『なんか、やだったって言ってる』 『可愛い 可愛い 可愛い 可愛い』 やだったって思ってんなら 当分、自分でなんかしないだろな ヴヴ ヴヴ 『キモい』 『お前の感想は不要だ』 『ってか、それはもうシュウの事好きって事で決定じゃね?』 『両想いって事でいいんじゃね?』 まあ…きっと、そうなんだろうけど 本人、それに気付いてないからな 『ユウが気付くまで見守ってやろう』 『今日の出来事だけで、いっぱいいっぱいになってる』 シュウの事好きなんだって気付いたら、喜ぶだろうな けど…今、俺達が言ったところで、きっと実感がないと言うか… 自分で気付かないと自信持てないだろう ヴヴ ヴヴ 『シュウも、そんな事言ってた』 『けど、とにかくユウの気持ちが分かって、物凄く嬉しそうだった』 そっか シュウがそれでいいなら、誰も困らない 初々しいな ゆっくりと気付いてくんだろな ヴヴ ヴヴ ん? 『突発的にユウに手を出したくなってしまう可能性が出てきた』 『とりあえず、ゴムとローションは必須だと伝えておいた』 「ふっ…途中まででも、体験させた甲斐があったな」 『上出来だ』 翌日 また、シュウが遊びに来た ユウの部屋に行くと、朔の奴から連絡がきた 『今から、こっそりそっちに行く』 『鍵開けろ』 は? 何の為に来るんだよ しかも、こっそりと 四葉は、本日も大量の漫画本を持って、出掛けて行った 父さんと母さんは買い物…しながら、2人でゆっくりして来るんだろう 仕方がないので、玄関に向かう 鍵を開けると、すぐにドアが開く 「おい、何しに…」 「し~~~っ!静かにしろ!気付かれたら、どうすんだ!」 「気付かれたらマズイ何をしようとしてるんだ」 「いいから!さっさとお前の部屋行くぞ」 朔の奴が、小声で話して さっさと階段を上り始める 勝手に俺の部屋に入ると ベッドの上に上がり、壁に引っ付いている 「おい、変態…変態行為するなら、俺の部屋以外にしろ」 「静かにしろよ…聞こえないだろ」 気持ちは分かる が…俺だって、そこまで行動には移さなかったぞ 「聞こえてくるとしたら、ユウの声メインだろが…お前は聞くな」 「シュウの声だって、聞こえるかもしんないだろが」 「シュウの声以上にユウの声が聞こえるに決まってんだろが」 「ケチケチすんなよ」 今のところ、なんか話し声が聞こえるだけ 昨日初めてでショック受けてて、今日するか? とは、思うが… シュウに対して、無自覚な恋心を抱いてる以上、どこでスイッチが入るか分からない 「シュウ…ユウのイクとこなんて見てたら、我慢出来なくなるだろな」 「だから、いつその日が来るか分かんねぇんだよ」 「……っ!」 え? 朔と顔を見合せて、そっと壁に耳を当てる 「……っ!…………っ!…ぁっ!」 ユウの声だ 「お前は聞くな!」 小声で朔に言ってやるが 「うるせぇ!」 小声で返してくる 「………あっ!やっ!」 めちゃくちゃ可愛い声! 「可愛い可愛い可愛い可愛い」 「静かにしろよ!聞こえなくなるだろが!」 だって、予想以上に可愛い声 すっげぇ可愛い声 「んっ………ぁっ!……ゃっ…あっ!」 「くっそ~…シュウの声、聞こえねぇかなぁ」 「シュウの声なんて、そもそも聞き取り難いんだから、諦めろ」 「部屋の前行って、ドア少し開けるか」 「もしも気付かれた時の光景を想像してみろ。兄としての威厳を失うぞ」 もう既にどうかと思うけど まあ、気付かれないならセーフだ ってか…シュウと一緒に居ると、すぐに勃つのか? ユウ…結構大変だな 「ユウ……ユウ…」 シュウの声だ 朔が、壁にへばり付く 「…………んやっ!やっ…あっ!……シュウ……ぁあっ!!やだっ!……そこっ…変っ!」 どうした? 突然、めちゃくちゃ感じ始めたぞ 「ユウ……ユウ…」 「…………ぁあっ!…体っ…変っ!…シュウ……そこ…ぁあっ!!…だめっ……もっ……おかしっ…」 「ユウ……」 「いやっ……ゃっ……………ぁあっ!………」 静かになった イッたか? 「イッたのか?」 「多分な…」 「シュウ大丈夫かな…自分もイキたいよな…これ」 「まあ…そうだろな」 「シュウ…イッてしまえ」 ユウがシュウをイカせるとか無理だからな 毎回、ユウの前では我慢して、後で出すのは気の毒だな ん? なんか、声が聞こえてくる ユウ、泣いてないかな 行って抱き締めてあげたい 「おい、終わったんだから帰れよ」 「まだ分かんないだろが」 「はあ?どう考えても、もう終わりだろが。ユウは1回で精一杯だ」 「じゃなくて、シュウが…」 朔と小声で話してると 何か聞こえてきた 再び2人で壁に耳を当てると 「………んっ…ユウ…」 え… まさか、これは… 「ユウ…ユウ………あっ……」 「シュウ~~~!よし、いいぞ!毎回ユウだけじゃ不憫だよな…イケイケ」 弟がしてる声聞いて イケイケ言ってる兄って居る? 変態でしかないな 「…………あっ……ユウ!…………ユウ!……」 シュウの聞いた事のない 少し高めの必死な声 これは、なんか… 聞いてごめん…シュウ… ふと、朔を見ると 両手で顔を覆っている 「何してんの」 「~~~っ…シュウの声…可愛い過ぎ…」 確かに可愛いかった けど… 「やめろ…お前が手で顔覆う姿とか、キモいでしかない」 「はあ?じゃあ見んなよ!」 「目の前でされたら、見るしかないだろが。視界に入るな…ってか、さっさと出てけ」 「何だよ!もうちょっと余韻に浸ってたっていいだろが!」 「おい……声…」 「あ……」 完全に、今の朔の声聞こえたに違いない って事は 自分達の声も聞かれてたかもって、思ったに違いない 「馬鹿が…」 「うるせぇ」 もう手遅れだが、朔はこっそりと帰り その日の夜、またユウは報告に来て 朔から、連絡があり 気付かずに、聞かせてしまって悪かったって、シュウが言ってきてたらしい いや… 勝手に聞いてしまい、すいませんでした 最低な兄達ですいませんでした けど… 可愛い過ぎる弟達に 2度としませんとは誓えません

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