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気まずさ100%

ん…? この匂いは… そうだ あいつんとこで寝たんだった あいつんとこ…寝やすいんだよな ってか… なんか息苦しい 暑い 苦しい なんか…目の前にある これが邪魔で苦しいんだ 「ん…ん…」 「ん~?」 !! 朔じゃん! 「ぷはっ…苦しい!何、思いっきり抱き締めてんだよ?!」 「あ~?お前が勝手に丸まって入って来たんだろが」 「んな訳あるか!…ってか、お前…寝惚けてキスしてきてたろが!前科ありだからな?!」 「んあ~…あれは悪かった…」 こいつ! あんな事しといて、全然反省の色が見えない! 「寝るな!」 「あんだよ?俺はまだ眠いし、ここは俺のベッドだぞ」 「今日の俺らの目的を忘れたのか?」 「あ?目的~?………あっ!今何時?!」 「ったく…そろそろ戻ってるかもしんないから、行ってみるぞ」 「おお!」 ほんとは、デート中もずっと見るはずだったのに この馬鹿のせいで 食べたのが、あの海老フライ定食じゃなかったら、許さなかったところだ 朔と2人、静かに家のドアを開ける そ~っと、そ~っと… 靴ある! 朔と顔を見合せる 静かに…静かに… 階段を上って行くと 「…っ!」 あ… なんか聞こえる 朔と目を合わせる そのまま、ゆっくりと階段を上ると 「んんっ!」 ユウの声だ 必然的に朔と、ユウの部屋のドアの前へと行く  「ぁっ…んっ…」 可愛い!可愛い! ユウの声、めっちゃ可愛い! 朔に聞かせんの、勿体ないな 「ユウ…脱ぎたいの?」 え?脱ぎたい? 「んっ…脱いでおく…」 服、まだ脱いでなかったの? 「ふっ…可愛い…脱がせていい?」 「うん…」 うわ… これからな感じだ って… 「あんま、こっち押すな!」 ほぼ口パクで朔に言ってやる 「うるせぇな!俺だって聞きたい!」 朔も、ほぼ口パクで返してくる 「シュ…シュウ……あんまり近くで見られたら…恥ずかしい…」 え… 朔と目を合わせる 何処?! 何処見てんの?! 「ごめん…キス…したくなった」 「………え?!そこに?!」 めっちゃ驚いてる 何処? 胸? 朔と耳を擦り付ける様にして聞く 「うん…嫌?」 「や…嫌って言うか……え?そんなとこ…キスしたりすんの?」 「うん…でも、ユウが嫌ならしない」 シュウ…やっぱ優しいな 付き合い始めて、何もかもしたいだろうに… パシパシ ん? 朔が、俺の腕を叩いてきた 何? 「シュウ…優しい…可愛い」 と、口パクで言ってくる 分かってるわ、ブラコンが 静かにしろ 聞こえないだろが 「うん…ってか…分かんない。想像した事ないし…」 「そうだよね…じゃあ、嫌だったら、すぐに言って」 「うん…」 分からないが、ユウが驚く様なとこに 初めてキスされるらしい 「シュウ…大丈夫?」 へ? シュウ、大丈夫? 「大丈夫だよ?ユウは?」 「俺も大丈夫」 なんだ? この確認作業… 「もう少し…キスしていい?」 「いいけど…なんか…変な菌とか付かない?」 「大丈夫だよ」 え…菌? まさか… シュウ… 後ろの開発に取り組んでます? そんなとこ… もうキスとか、しちゃってるとか? 「んっ…」 「はぁ…ユウ…」 「んっ!…ちょっ…」 どうした?! 何された? 「ユウ?大丈夫?」 「だっ…大丈夫…」 「うん…ユウのここ…可愛い…」 何処?! シュウ… 何処攻めてんの?! 場合によっては、必要なグッズ お前の兄んとこに、取り揃えてありますけど? 「はっ…んっ…」 感じてる声だよな さすがのユウでも そんな初めから感じないだろ いや…ユウなら、あり得るか? 「んっ…んっ……」 でもさ やっぱ後ろだとしたら ローションなしは、ちょっと可哀想だよ? 朔の感想聞く限り 「んっ!あっ!」 痛いのか?! 「……あと……今度…」 ん? なんか…今度とか言ってる? 朔も、上手く聞き取れない様子 「違っ…ちゃんと…洗った後…」 「なんだ…汚なくなんてないよ…ここも…」 「んあっ!」 洗うとか… 汚なくないとか… 後ろか! やっぱ後ろなのか?! 「シュ…そこはダメ…」 「汚なくないよ…」 「ぁあっ!…きたな…オシッコ……きたな…」 「可愛い…ユウ…」 あれ? オシッコって言った? え? なんだ…フェラされてるだけか? 「はっ…んっ…ぁあっ!」 うわ… めちゃくちゃ感じてる 朔が、こっちか? と、股間を指差してくる 多分…と頷く 一応こいつも、ユウの心配してたのか まあ…自分で体験済みだしな 「あっ!…はっあっ!」 「ユウ…痛くない?」 痛く? 咥えてるから? う~~~…見たい 大丈夫か?ユウ… 「ここ揉むと…いっぱい出てくるから…」 ん? 朔が、こっちを見る 揉むと…… ユウ…あそこ揉まれてんのか 初めてのフェラで、高度だな 大丈夫かな…ユウ… 「~~~っ!」 声にならない様なものが聞こえる そりゃそうだ ただでさえ感じやすいんだから、そうなるわ 「ユウ…イキそう?」 うわぁ… シュウ…めちゃくちゃ甘い声… 『か・わ・い・い』 朔が口パクしてくる 分かっとるわ イチイチうるさい 「あっ!やぁあっ!」 『ユウ…ヤバ…』 『お前は、あんまり聞くな』 「きちゃ…やっ!…だめっ…もっ…」 『ユウ、可愛い過ぎ』 『シュウ、嬉しいだろなぁ』 「やぁあっ!来る!シュウ!…やっ…っ…~~~~~~っ!!」 ………………… イッたな 「「……はぁ~…」」 なんか知らないが 2人して一息吐いた そっとユウの部屋を離れて 俺の部屋へと入る 「………これから…第2ラウンドあると思うか?」 声を抑えて、朔が聞いてくる 「ないだろ。さすがにユウに、そこまで求めないだろ」 「でもさ、シュウはイッてないだろ?」 「まぁな…けど……今のユウにしてって言えるもんでもないんじゃないか?」 「はぁ…ユウとの道のりは長いな」 「それを含めたって、ユウがいいんだから仕方ないだろ」 ユウがイクとこ見れるだけでも きっとシュウは嬉しいはずだ 「まぁ…あのユウが、自分のする事で気持ち良くなってイクとこ見れるだけで、だいぶ嬉しいだろうけどな」 分かってんじゃん 「そういう事」 そうは言いながらも 勝手に人のベッドに上がって、壁に耳を擦り付けている 「途中までさ、ケツかと思って、お前が買ったグッズ必要かと思ったわ」 考える事は一緒か 「いっそ、ユウの部屋に置いといた方がいいんじゃね?」 「は?ユウの部屋に、あんな卑猥なもん置いとける訳ないだろが」 「その卑猥なもん、人ん家に勝手に送りつけやがって、よくそんな事が言えるな?」 「お前の部屋からなら、あれが見付かっても、へぇ~…って、白い目で見られて終了だろ。ユウとは人種が違うんだよ」 しかし 必要になったら、シュウには持参してもらわねば困るな 「……なんか聞こえんの?」 「ん~…なんか、話してるっぽい。ピロートーク的な?」 「んじゃ、もう聞き耳立てる様な事は、起きねぇだろ」 「ん~…シュウの喘ぎ声も聞きたかった」 「キモッ…」 「うるせぇ」 まぁ… 分からないではないが こいつが言うと、キモい 「…ん?」 「ん?」 急に朔が、ピタッと壁に張り付いて動かなくなった なんか聞こえんのか? いくら近付いたって、壁は、ドア程聞こえないぞ 「なんか…」 「なんか?」 「シュウが泣いてる気がする」 「え?」 俺も、壁に耳を近付けるが 何にも聞こえない 「ほんとに聞こえたのか?」 「なんとなくだけど…ちょっと…向こう行ってみる」 「あ、おい…」 朔が、静かに部屋を出て ユウの部屋の前に戻ると、ドアにへばり付いた まったく… シュウの事となると…真剣な顔しちゃって… ちょっと、開けてみるか ジェスチャーと口パクで、そう伝えると いいのか?と口パクで返す だってお前… 心配で、しょうがないんだろ? ゆっくり… 静か~に、ドアを開ける カチャ… ドアを開いて、ユウのベッドの方を見ると ?! シュウが、こっち見てる!! ヤバっ! めちゃくちゃ怪しい兄達じゃん! 「朔兄…大和…どうかした?」 「いや…だ…大丈夫か?」 ああ、そうだった 別にシュウ…泣いてないな 良かったな 「大丈夫。ちょっと…その……ユウは…疲れたから寝てるだけ…具合悪くなった訳じゃない」 「ユウ…疲れたんだ…」 まあ、疲れるか おそらくは…いや、絶対初めてのフェラされたらな… ユウなんか、感じまくって疲れるわ 「…その…ごめん、大和…ユウ…イカせちゃった…」 「っ!…そ…そっか…」 知ってる! それを…ごめんとか報告されると、良心が… 「シュウ…シュウは?ちゃんと2人で気持ち良くなんなきゃダメだぞ?」 ブラコン朔が、そう言うと… 「お…俺は……ユウの…見るだけで…凄く嬉しいから…」 めちゃくちゃ可愛い顔したシュウが ほんとに嬉しそうに、そう言った 朔の顔に書いてある 可愛いだろ?! なあ?! シュウ可愛いだろ?! はいはい これは、紛れもなく可愛いわ ほんと…嬉しそうだもんな シュウの元へ行き 2人して、頭の上にぽんと手を乗せた 「ちゃんと2人で話すんだぞ?ユウは、言わないと分かんないからな?」 「大和…」 2人目の弟同然だからな やっぱ、俺だって可愛いわ 「シュウが我慢してたら、ユウだって喜ばないんだからな?」 「朔兄…分かってる」 そして、この状況に 怒るでも、疑問を投げ掛けるでもなく 言う事を聞くシュウ… 可愛い奴め 「ユウをよろしくな」 「何でも相談すんだぞ」 朔と、もう一度、シュウの頭をぽんぽんとして ユウの部屋を出た 「…………じゃあ俺…帰るわ」 「おお…じゃあな」 気まずさ100% 聞いてこなくても、思ってた事だろう そこで…何してたの?

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