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嫌いにならない理由は…
「んっ……はっ…んぅっ…んんっ…」
慣れない
全然…
キス…いつになったら上手くなる?
「んっ…あっ!」
シュウが、唇から、首筋にキスを下ろしていく
「ふっ…ユウ可愛い」
シュウが、ぎゅっと抱き締めてくる
「シュウ~…俺、全然キス慣れないんだけど…」
「慣れなくていい…」
「え?でも、もっと楽にキス出来る様になりたいよ」
「…苦しいの…沢山感じてる証拠だから…」
沢山感じてる証拠…
つまり、感じやすいと言われてる俺は
一生慣れないのか?!
「………ちゅっ」
目の前にある、シュウの首筋にキスしてみる
ちゅっ ちゅっ ちゅっ ちゅっ
全然動かない!声出さない!
「ユウのキス…可愛い」
余裕か!
「シュウも、俺みたいになるとこ見たい」
「イク時…そうなってたと思うけど…」
「……なんか違う…なんか、もっと弱そうな感じ」
「弱そう?」
だって…
しがみ付きたくなるもん
そして、力抜けちゃうもん
なんか、シュウは、そんなんじゃなかった
「よく分かんない…感じ方…違うだろうし…」
「ふむ~~…」
そうなんだよ
そもそもの感じ方がさ
大和や四葉とさえ、違うもん
なんで、俺だけ異常なくすぐったがりなんだ?と思ってたもん
「ユウは…」
「んっ…」
「昔から、くすぐったがり…」
耳…
弱いから…
「ユウ…」
「ん?」
耳触ってたかと思ったら
いつの間にか、俺を後ろから抱き締めてきた
「なんで、後ろ行ったの?」
「……いいな…深山…」
「え?」
「毎日、ユウを後ろから見てる…俺と変えて欲しい」
そう言って
甘える様に、俺の肩に顔を埋めてきた
「シュウ……嫉妬?」
「うん…毎日嫉妬してる」
「ははっ…毎日は疲れちゃうだろ?」
「せめて、隣のクラスなら…体育一緒だったのに…」
「来年、一緒だといいな?」
「うん…」
幼馴染みだからと言って、同じクラスになりやすいとかはない
小学1、2年以降、同じクラスになった事がない
「ユウ……嫌なら…言って」
「嫌って?」
「胸…触りたく…なった」
「嫌じゃないよ?けど…また、面倒な事になるよ?」
「面倒じゃない…全部俺が綺麗にする…いい?」
「いいよ」
俺の中では、まだまだ疲れて面倒な事で
自分で、わざわざアレをやろうとは思わない
「んっ………ぁっ…んっ…」
服の上から、シュウが胸を触り始めると
すぐに、変な感じがしてくる
「~~っ…あっ!……あっ…んんっ…」
少し離れただけで、全然平気なのに
そこだけ…触られると、ほんとにおかしくなる
「あっ!…~~っ…んっ…あっ……」
どうしたらいいか分からない感覚
堪えるしかなくて…
「あっ…シュウ…」
「ごめん…やめる?」
「なんか…掴まないと…無理…」
「そっか……ユウ…服…脱がせていい?」
「うん…」
シュウが、後ろからシャツを上げるので
バンザイすると、スポンとシャツを脱がされた
「ユウ…」
「っ?!」
後ろから、シュウが抱き締めてきたけど
これ…
「シュウも…脱いだの?」
「ん…や?」
「やじゃない。ただ、びっくりしただけ」
「ん…ユウ…」
シュウが、ピッタリと体を合わせて、ぎゅっと抱き締めてくる
なんで俺…こんなドキドキしてるんだろ
お互いの裸なんて見たって、今更なくらい一緒に居て…
だから、シュウの体がくっ付くだけで…
こんなドキドキするはずないのに…
「ユウ…力入ってる…嫌なら言って?」
「嫌じゃなくて…自分でも分かんないけど…なんか…ドキドキしてる」
「ドキドキ…そう…嬉しい…」
「変なの…シュウの体なのに…」
シュウの体…
でも、考えてみたら…
こんな気持ちじゃなかったから、意識して、ちゃんと見るって事なかった
ちゃんと…
「シュウ…」
「ん?」
「そっち…向いてもいい?」
「うん」
シュウが、壁際に寄ってくれた
シュウの足の間に入って、改めて見る…
「……シュウの体…触ってもいい?」
「うん…」
シュウの体触ってもいい?って…
変なの…
シュウの胸…ペタペタ…
俺みたいな、ペチャンコじゃない
なんか、強そうな胸…
その下は、うっすら腹筋が見える
「腹筋、触ってもいい?」
「ふっ…いいよ」
いいな…
シュウの体、男らしくて格好いい
「いいなぁ…」
「ユウ?」
「シックスパックなんて言わないから、この位筋肉付かないかなぁ…」
「ユウ…」
「これでも、出来る時は筋トレしてるんだ。大学生になる頃には、この位になってやる!」
シュウの腹筋を触りながら、そう宣言すると
シュウが近付いて…
優しく抱き締められた
「ユウの…そういうとこ好き…」
「え?筋肉に憧れてるとこ?」
「自分の弱いとこ…潔く認めて…でも、自分を嫌いにならない所…」
「…誤魔化しても、認めるしかないからなぁ……けど、俺が俺を嫌いにならないのは、シュウ達のお陰だよ?」
「え?」
シュウが、体を離して俺の顔を見る
大きな体で
「俺達…のお陰?」
不思議そうな顔してるのが
なんか、可愛い
「そ。だってさ…考えてもみてよ。俺達5人の中で、1番小さくて唯一の女の子は四葉だろ?普通に考えたら、1番心配されて、色々お世話されるべきだ」
「四葉…心配されたら、嫌がりそう…」
「うん…だって、俺が居るから…1番心配されて、手がかかるのは俺だから…きっと四葉も強くなっちゃったんだ」
「ユウ…」
だって、何度小さな四葉から、母さん奪ったか分からない
何度、俺より小さいのに、心配されたか分からない
「兄ちゃんなのに、情けないし…他の4人の何倍も、俺1人で心配も手間もかけてて…ウンザリされても、呆れられても仕方ないくらい、俺ばっかりで……なのに、皆がいつも通りだから…どれだけ繰り返しても、ほんとに変わらず、俺を好きで居てくれるから……そうじゃなかったら、とっくに俺は、自分の事嫌いになってたと思う」
いつも通りが
変わらない事が
どれだけ安心して、力を貰えたか…
「それは…分かる。俺もそうだから…ユウ達が居なかったら…俺は…俺の事、凄く嫌いになってた…」
「シュウ…」
「どれだけ、ユウに…ユウ達に救われてきたか、分からない…」
「そっか。良かった…俺もあげれてて…」
「ユウ…」
泣きそうな顔して
シュウが、俺の頬に触れてくる
「俺より小さな体で…立ち止まる度…いつも引っ張ってくれた…ユウが居なかったら……」
「シュウだって…何にも喋んなくても、いつも隣に居てくれる…そして、なんか分かってくれる…そんなの、シュウだけだろ?俺も、シュウが居なかったらなんて、考えられないよ」
「ユウ…」
優しく…
大切そうに…
ゆっくりと抱き締めてくれる
俺も、大きなシュウの背中に手を回すと
胸と胸が触れ合った
変な感じ…
こんなに一緒に居たのに
こんな事したの初めてだもんな
ドキドキ…
心臓…速い
「ユウ…」
「んっ…」
シュウが、背中にキスしてきた
「ユウの背中…可愛い」
「可愛い?」
「ん…肩甲骨も…」
「んっ…くすぐったい…」
「腰も…」
「やはっ!…くすぐったいってば!…わっ!」
シュウから、離れようとして
自分で、バランス崩して、後ろにひっくり返った
「ユウ…大丈夫?」
「大丈夫…なんで、俺…こんな、くすぐったがりなんだろな?」
「ユウ…手…」
「手?」
両手を出すと
両手を握られた
「握ったまま…キスしていい?」
「うん」
シュウが両手を握ってきた
うわ…
シュウの体…下から見ると、さっきとは違う感じに見える
なんか…見ていいのかな…
いや、いいだろ
ってか、普通に見てきたんだし…
「ユウ?どうかした?」
「えっ?!」
「こうやって、見下ろされるの…怖い?」
「怖くない。手…握るの嬉しい」
「ん…ユウ…」
優しく微笑んで
キスしてくれた
ほんとは、キスしてるシュウの顔見ていたい
もう少し、シュウの体も見ていたい
けど…
「んっ…ふぁっ…~~っ…」
キスが始まったら、それどころじゃなくて
気持ちいいのと
どうしようもない感覚に堪えるのとで、精一杯で
「ユウ…」
「はっ…はぁ…はぁ……シュウ…」
けど
時々、唇を離して、ちゃんと見せてくれるから
ずっと、両手…握っててくれるから
「好き…」
「んっ…」
最高の笑顔を見せてくれるから
俺だけだから……
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