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目覚めたら
気持ちいい…
誰かが
頭撫でてくれてる
何かに包まれて
あったかい
安心する匂い…
この匂いは…
「…シュウ」
「ユウ…起きた?」
「ん……なんだっけ…」
熟睡し過ぎて
頭回んない
今…夜?朝?
シュウ泊まったんだっけ?
「ごめん…ユウ、体大丈夫?」
「?……体?……なんか…ちょっとだるいかも…」
なんでだっけ?
「なんとか収めようとしたんだけど…上手くいかなくて…2回もイカせちゃったから…多分ユウ、凄く体疲れてると思う」
収めようとしたんだけど?
2回も行かせた?
2回も…
俺…どっか行ったっけ…
だから、こんな疲れてんのか
まだ眠いもん
「ユウ…晩ごはん食べれそう?」
晩ごはん…
そういう時間なのか
「いらない……シュウ…食べて来て…」
「ううん…ユウの傍に居るよ」
嬉しいけど
このままで居て欲しいけど
「……皆……心配…するから…」
「……分かった…すぐ戻るから」
すぐ戻んなくていいよ
何処まで行って来たのか知らないけど
こんな疲れるなんて、弱いな
あ…
シュウが居なくなったら
温もりが、なくなっちゃった
少しだけ手を動かすと
シュウの跡…まだ少しあったかいや
ふわっ…
あれ?
顔の近くに、シュウの匂いの…
これ、シュウの服?
「すぐ戻るから…待ってて」
シュウの匂い…温もり…
気持ちいい
「ん…」
全身の力が抜けちゃったみたいだ
何処も動かしたくない
何も考えたくない
「ユウ…」
シュウだ
「ただいま」
おかえり
「お腹空かない?寒くない?」
全然…
ただ眠いだけ
「ユウ…聞こえてる?大丈夫?」
「ん…」
「眠いだけ?体…大丈夫?」
「ん…」
「…ユウ…ずっと、こっち向き…少し動かすよ?」
好きにして
少しも動きたくないんだ
「…いっ…?!」
「ごめん!大丈夫?」
「…ちょっと待って…」
「うん…大丈夫?」
バッチリ目が覚めた
下にしてた左腕が
めちゃくちゃ痺れてる
「~~~~っ…」
腕…上にした方がいい
けど…動かしたくない
「ユウ?…こっちの腕?痺れてる?」
「んっ…~~っ…かなり…」
「腕…下から出しちゃう?」
その方がいいよね
分かってる
分かってるさ
「シュウ…~~っ…引っ張り出して」
「分かった…少し我慢して」
「んっ…」
「いくよ…せ~の…」
「~~~~~~っ!!」
シュウが、優しく抱き締める様に、起き上がらせてくれた
無理無理無理無理!
腕…痺れ過ぎて…
これ…取れちゃうんじゃない?
「ユウ…大丈夫?」
「~~~~っ…」
だいじょばない!
声も出ない!
ってか…
こんなタイミングで気付いたけど
俺…裸?!
パンツも何も履いてないけど?!
「ん~~っ…」
痺れが、どんどんピークに近付く
右手で、シュウにしがみ付く
「ユウ…もう少し…もう少しで、楽になる」
分かってる!
ってか、これがピークじゃなかったら、無理過ぎる!
シュウに、しがみ付きながら
徐々に状況が分かってくる
そうだ、俺…
服、脱いだ
「あっ…シュウ……もう…」
「こっち、出すね…」
そうだ
下も脱いで…
脱いで…それから…
「っ!」
「ユウ?大丈夫?」
思い出した
思い出しちゃったよ
なんか俺…
すっごく、おかしくなってた
「~~~~っ!」
恥ずかしい!
俺…なんか変になってた
全部シュウに見られた
「ユウ…まだ痺れる?大丈夫?」
痺れ?
それどころじゃない
最後の方…あんまり…
ってか、ほとんど覚えてないけど
覚えてるまでで、相当おかしかった
「ユウ?大丈夫?」
「………シュウ」
「ん?」
「俺……~~~~っ…ヤバかったよな?相当おかしかったよな?」
シュウに、しがみ付いてて良かった
恥ずかし過ぎて、シュウの顔見れない
「おかしくなんてない…ただ、凄く感じてただけ」
「それ!それ……おかしくない?皆、ああなるもんなの?」
「ユウ…感じやすいから…」
「って、言ってたよな?!って事はさ…ああなるの、俺だけって事?!俺…すっごく変な奴じゃない?!」
普通、ああならないって事でしょ?
どう考えたって、おかしいもん
なんか…
シュウに…あそこ擦り付けてなかった?!
「変じゃない…いっぱい感じてるユウ見れて…凄く嬉しかった」
「…嬉しい?」
「うん…それに…俺も気持ち良かったし…」
「……シュウも…気持ち良かったの?」
「凄く…」
正直、シュウが気持ち良かった出来事は、覚えてない
けど、見上げたシュウの顔が
ほんとに、嬉しそうで
「……そっか…だったら…少し良かった」
「けど、ユウに凄い無理させた」
「なんで、こんなに体疲れてんだ?」
「ユウ…ずっと体中…力入れてたから…普通、あんな長い間…ずっと体中に力入れてる事ない」
「あ…そっか…そういう事……って、そんなんで、こんな疲れる?…あ、俺が体力ないからか」
「ユウ…良かった…」
シュウが、ぎゅ~っと抱き締めてきた
良かった?
とは?
「何が?」
「ユウ…全然動かないし…心配した」
「ああ…すっごい熟睡してた」
「良かった…寒くない?」
「少し寒い。俺、このまま寝てたんだな?服着る」
「ん…はい」
シュウが、すぐ傍に畳んであった、俺の服一式を渡してくれる
「ありがと。家に連絡しなきゃ」
「大和が知ってるから、大丈夫」
「あ、連絡してくれたの?ありがと」
「大和と朔兄…ここに来たから」
「え?そうなの?全然気付かなかった」
あれ?
俺…寝てたよね
この、裸の状況見られてないよね
「俺、普通に布団の中で寝てた?」
服を着ながら、シュウに聞いてみる
「寝てた…全然動かなかった」
「そっか…良かった。さすがに、この格好はびっくりされるよね」
「そう…だね…」
?
なんか…
「何?」
「……あの時は…ユウが心配で、それどころじゃなかったけど…ユウの肩の辺りとか、多分見えてた…」
「肩…まあ…上くらいなら、おかしくないだろ」
「うん…でも……そう言えば…ユウの脱ぎ捨てた服…全部ドアのすぐ横にあったの…忘れてたし…」
脱ぎ捨てた…
全部…
全部…
「俺…全部脱いでたの…バレた?」
「……かもしれないし…そもそも…」
「そもそも?」
「ユウを…2回イカせたって、言っちゃった」
2回行かせた…
さっきも聞いた
だから、行くって何処……
「あっ!…そっか…」
「?…何?」
「行くって…イクか!そっちのいくか!」
「うん…?」
「俺…あれ2回出したって事?」
「ユウ…覚えてないの?」
1回は覚えてるぞ
1回出して…ぼ~っとして…
そうだ
シュウがベッド寝せてくれて
それで、俺…シュウに擦り付けるみたいなの、してた気がする
けど…その辺から、記憶が曖昧だ
「2回目は…覚えてない……って言うか、あれ、2回も出るものなの?そんなにヒョイヒョイ出るものなの?」
「…出る時は…出る」
「うわぁ…出る時に当たったんだ…ごめんな?なんか、面倒な事になった上…俺は、そのまま寝ちゃって」
「当たったって言うか……でも、面倒じゃない…嬉しかった」
よく分かんないけど
確実に面倒な事にはなってたんだろう
だって、そんなの大和に言っちゃうくらい、心配かけてたんだ
「いっぱい心配かけたんだろ?」
「けど…ユウ…ちゃんと目覚めてないのに…大和が、俺が泣いてるって言ったら…反応してくれたんだ」
「そうなの?」
「うん…それで…重そうな手…出してくれて…大丈夫って…」
全く記憶にない
俺…会話してたの?
でも…
「そっか…シュウが泣いてんなら、一大事だからな」
「ユウ……ありがとう…好き」
シュウが、そう言って抱き付いてきた
大きな体の、実はちょっとだけ、俺には甘えん坊なシュウ
「ん…俺も好きだよ…シュウ」
きっと、俺が深山と会ってる間
不安で心配で
けど、俺を信用して行かせてくれた
「ありがとう…シュウ」
俺の前を
蓮を大切にしてくれて
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