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第6話
食後は、酒とおつまみタイム。
白狼が好きなホラーの映画を観ることになった。
俺はホラーが苦手だから、白狼が初心者向けのホラー映画を選んでくれた。
コメディー要素が多くて観やすかったが、隣の白狼が気になって集中できない。
隣にいる白狼と夢の白狼が重なる。
次第に白狼を見てムラムラしてくる。
これはまずいと思った。
歯止めが効かなくなる。
俺は時計をみた。
「白狼、終電なくなるぞ」
「今日は泊めてくれるんだろ」
「それは……ちょっと……」
「だめ?」
甘えた白狼に、キュンとする俺。
ダメだ、俺。白狼を襲うかもしれない。
「狭いし、布団ないし、それにーー」
下心あるし。
「帰りたくないっていったら?」
白狼が急に真剣な顔、男のフェロモンを出して迫ってくる。
俺は頭が真っ白になった。
「俺、白狼が好きなんだ!」
白狼は驚き、そして嬉しそうな顔に変わる。
「夢みるくらい、好きなんだ。だからーー」
はっ!? 俺の馬鹿。夢の話してどうする。
「夢?」
白狼の顔が強張る。
「どんな夢みたの?」
真剣な顔の白狼に迫られ、俺は言葉を詰まらせた。
「どんなって、その」
言いたくねえ。
手を強く握った。
「もしかして……俺に、抱かれる夢?」
なんで、わかった!?
「ごめん、気持ち悪るいよな」
「いつ見たの? 毎日?」
「ち、違う! 一回だけ。あれは……満月のよるだったからーー」
俺はカレンダーを目で探した。
「満月の夜……」
白狼の声が淀み、顔が陰った。
白狼は考え込んでいた。沈黙が続く。
「今日は帰るよ」
「へ?」
白狼と目が合わない。
出て行こうとする白狼を玄関まで追いかける。
「ごめん」
白狼は帰っていった。
俺はしゃがみ込み頭を抱える。
白狼……夢の話したから……絶対引かれた。
俺は玄関にしゃがみ込んだまま、動けなかった。
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