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海外ロケとスキャンダル(15)
浅いところの膨らみを擦り上げていた小刻みな動きが、次第に大きな抜き差しへと変わっていく。ぎりぎりまで抜かれては、また一気に奥を突かれる。
自身で膝を抱えることはできなくなって、いつのまにか両手はシーツに爪を立て、背を弓ぞりにして腰を浮かせていた。
「ふっ……、ぅ、ん、んっ、ん――……、ふ、ぁ、ぁっ、ぁあっ!」
シャツを噛んでいた歯に力が入らなくなり、半開きの口からくぐもった声が洩れる。
三間が僕の膝裏を掴み、激しく腰を打ちつける。重い陰嚢で薄い尻肉を叩かれる。それすらも気持ちよかった。
激しすぎて射精すら許されず、律動に合わせて、すっかり勃ち上がった性器から薄い精液がピュッ、ピュッ、と噴き出し、下腹部を濡らす。
自分の体がただ快楽の荒波に揺さぶられ、悶えるだけの、別の生き物になったようだった。
限界まで達した快楽の苦しさで、ガクガクと膝下が痙攣しひっきりなしに涙がこぼれる。
最大限に膨らんだ切っ先に奥の奥が開かれ、体がビクンと跳ねる。濡れた下生えを僕の尻に押し付け、三間は動きを止めた。
ゆっくりと腰を回される。
もう一秒も堪えられなかった。
「――――っ!」
さっきからずっと絶頂が続いていて、いつもの射精とは全然違う。声も出せなかった。
両足がぴんと突っ張り、腰がガクガクと痙攣する。勃ち上がった性器から白濁は噴き出されず、ただダラダラと溢れて来る。
強烈な多幸感で意識が飛ぶのがわかる。
それはほんの一瞬のことで、絶頂に引き絞られた雄がドクンと脈打つ感覚に、すぐに意識を引き戻される。
涙に濡れた目を開くと、何かを堪えるような、逡巡するような、眼差しと視線が絡んだ。
それだけで、彼の考えていることがわかってしまった。
出ていこうとする腰に気怠い両足を絡め、両腕を彼の背中に伸ばす。
「……して……、くのな……に…………」
出して。僕の中に。
他のことは何一つ考えられない。
ただ、彼の熱が欲しかった。
浅いところの圧迫感が増す。アルファが射精するときに膨れるという、陰茎の根元の瘤 だろう。一度目のときは違和感が強かったそれも、今はただ嬉しかった。
三間が覆いかぶさって来て、両腕を背中に回され、抱き込まれる。体が重なり合い、隙間なく、彼のものが僕の中にうずめられる。
僕の肩口に顔を寄せた三間が、小さく呻いた。
奥の奥が熱い熱液で拓かれていく。粘膜が極度の興奮に熟れ、忙しなく波打つのがわかる。
僕と彼との境界がわからなくなる感覚に、この幸福が一瞬でも長く続けばと願った。
首筋に、硬い物が触れる。犬歯が軽く食い込む痛みで、彼の歯だと知る。
うなじじゃないから、番 にはなれない。
ヤッてる最中にオメガの首を噛みたくなるのは、アルファの習性なのだろう。相手は関係なく。
それでも嬉しかったし、いつかこんなふうにあの人のうなじを噛むのだと思うと、少し苦しくもあった。
最後の一滴まで吐き出すように、三間が何度も腰をゆすって、残滓すらも注ぎ込む。
「――なつ」
耳元で囁かれた言葉に、涙が溢れた。
なぜ、僕の名前を呼ぶのか。
一度目は、佑美さんだったのに。
嬉しいのに、憎らしかった。
好きです。大好きです。
叶わない思いだとわかっていても、それでも、貴方のことが――……。
「は、るさん……」
後ろ髪を引っ張り、彼の頭を上げさせる。
口にしてはいけない言葉を洩らさずにすむように。
自分から、口付けした。
三間のほうにも、似たような焦燥があったのかどうかはわからない。
遂情の余韻も何もなく。僕たちは夢中で舌を絡めあった。
*** お知らせ ***
萌えの少ないお話にここまでお付き合いくださった方、本当にありがとうございます。お気に入り登録やスタンプなど、いつも嬉しく拝見しております。コメントも、ネタバレなしでお返事するのが難しいため、お返事は返しておりませんが、コメントを送っていただけたことは本当に嬉しかったです。
話の途中でお知らせを挟んでしまい、大変申し訳ございません。
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今後ともよろしくお願いいたします。
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