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普通のオナニーじゃ足りない…… 2
入ってみたら室内はひどかった。休ませたかったけど色々スケジュール的に厳しそうなのも伝わってきて、俺にできることはないか聞いて少し手伝っちゃったくらい。
どうやら飲まず食わずだったらしい高峰は、俺の差し入れを感激しながら口に入れていた。
色々チャージできた! 明後日の締め切りに間に合わせる! って高峰は少しだけ目に力が戻ってきていた。まあ、明日の講義は出席も足りてるし俺も休んでも平気だなとか頭の中で計算してたわけだが。
最初はあまり人に頼りたくなさそうな高峰だったけど、俺が「じゃあ終わったら一つお願い聞いてよ」って言ったら遠慮がなくなった。まあ俺からしたら、それこそが高峰だよなって感じだ。
高峰が作業に集中できるように俺ができることは任せてもらってなんとか乗り切って、全ての作業を終えた高峰は充電が切れたみたいにぶっ倒れてピクリとも動かずに寝ていた。本当に不思議な男だ。
「このエロ眼鏡……イタズラするぞー」
爆睡中の高峰に俺の声は届かない。というか、俺は自分の発した言葉に自分で驚いた。イタズラってなんだよ……ってぶわわっと熱くなった俺は高峰の家を飛び出して帰ってきてしまった。
翌週。
構内で高峰に声をかけられて俺は盛大に驚いた。
だって、高峰から俺に声かけてきたの初めてじゃないか? ポカンと口を開けたまま見上げている俺を見下ろす高峰。
「なんだよ、そのアホ面は」
ああ……その視線だ。冷たい炎を感じるようなその眼。ゾクゾクさせられてしまう。
「あっ、いや。高峰から声かけてくるとか俺もとうとう友達昇格かなーって」
「友達……ではないかな」
「ひでぇ……」
思わず吹いちまう。でもまあなんにせよ高峰から声をかけてもいいくらいにはなれたってことだろうからいいか。
「こないだ、助かった。ちょっとトラブって今までで一番やばかったから」
「あーいいよ。俺が勝手にやったことだし」
「お願いって何」
あ、覚えてたんか。でもいざ言おうとすると……恥ずかしいな。高峰なら大丈夫だろうけど。
なかなか言い出さない俺にしびれを切らしたのか、高峰が俺の頭を軽くはたく。
「そんなに言えないことを頼むつもりか」
「ちが……くて。またやってほしい……とか言うの、はず……」
「へーぇ?」
少しだけからかうような声色が降ってくる。そのあとすぐに髪をくしゃっと握られて「いいよ」って言われた。
妙にドキドキするのは催眠への期待からだよな。
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