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そこに映し出されたのは、昨日万引きをした店の防犯カメラの映像の一部で、見事に自身の不審な姿が捉えられていた 「相澤クン万引きは初めてだったのかな?ダメだよ~ちゃんとカメラもあるか見とかなきゃ」 ニコニコと笑いながら肩を叩く東の手に、動揺を隠せなかった 相澤はスマートフォンの画面を見つめたまま、黙りこむ 「あ、心配しないで?俺ここでバイトしてんだけどさ、店長には俺から言っておいてあげたし、金は払っといたから」 コイツの不可解な行動に疑問が湧く なんでそんなことまで………… 「ねぇ、聞いてんの?」 いつまでも黙っている相澤に不良の顔が近づく。近くで見れば見るほどその顔付きは妖艶でいて、酷く恐ろしかった 「……何が……望みだ……」 声が震えてしまったことに自分でも驚き、気恥ずかしさで俯く 「おっ、なーんだ話が早いじゃん、さすが優等生」 バカにしたような口振りで、東は俺の頭を無造作に掴む そして俯いた俺の頭を強引に引き上げ、鋭い眼差しをこちらに向けた 「お前、今日から俺のオモチャだから」 そう言うとほぼ同時に、頭を強く地面に叩き付け、背中を踏みつける 声も出ないほどの激痛に、涙が滲んだ。 打ち付けられた頭を手で抑えながら、軽い脳震盪を起こし吐き気を催す その苦痛の中で、俺は確かにそう思った もうコイツから逃げられない、と

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