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「腹減ったでしょ?購買で買ってきてあげたよ」
後ろに立つ東が、焼きそばパンとメロンパンを俺の頭から落ちそうになっているのを、必死にキャッチし、片手に持っている牛乳を相澤の机に差し出した
「……。お前から貰うものなんて……」
そこまで言いかけたところで激しく腹の音が鳴り、気恥ずかしさで無言になる
「ハハッ、ほんとーに、身体だけは正直だね」
どこか含みのあるその物言いに、カッと赤くなりどう言う意味だ!と怒鳴ろうとしたところで、周囲の女子が集まってくる
「拓海くーん、お昼まだでしょー?一緒に食べよ~」
ぞろぞろと東を囲っている女子たちを隙に、チャンスだと思った俺は東のくれたパンと牛乳を片手に教室を出ようと席を立つ
しかし立ち上がったところで、東の手がふいに首に回され、ごめーん、俺こいつと食べるから!と逆に東に連れ出される形になってしまった
「なっ……!離せよ!誰がお前なんかと!」
「えー?人からご飯貰っておいてその言い草は酷くない?」
ズンズンと歩を進める東に対して、圧倒的な体格差を思い知る
東が一歩足を前に出すたびに、こけないよう二歩、三歩と必死に上体を崩しながら不安定な足取りでせっせっと小走りする自分が子供のようでみっともない
「誰も来ない秘密の場所があるんだ~、よくそこで女の子連れ込んでヤッてたりしてた」
「はっ!?お前っ!まさか……!」
顔を真っ赤に染め上げ恥ずかしそうに東を見上げた
「アハハ!期待しちゃった?」
「~~ッ!!するか!!バカ!離せよ!」
やだね~とガッチリ掴まれた肩はどう足掻いても振り解くことが出来ず、半ば諦め半分で東の言う秘密の場所に連れ込まれる
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