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そこは旧校舎の職員用宿直室だった
扉には鍵が掛かっていたはずだが、建て付けが古いのか派手に壊された跡がある
中に入ると、畳とフローリングに分けられていて、フローリング側に小汚いが上に綺麗なシーツをかけたソファが備え付けられていた。
そしてそのソファまで腕を引っ張られると、どかっと腰を下ろす東に対して、バランスを崩しながら相澤は不覚にも抱きかかるように倒れてしまう
「えっ?やっぱその気あんじゃん」
ニヤニヤと東は相澤を見下ろす。カアッと顔を赤らめ急いで東を押し離れる
「ちがっ!お前が強く引っ張るから……!」
「はいはい、帰ったらお家でしっかり可愛がってあげるから、早くソレ食べなよ」
逆に諭すような物言いに、相澤は拳を握りしめ文句を言い返そうと口を開いたが、フンと顔を背けて貰ったメロンパンの包装を破る
「……ほんと昔からメロンパン好きだよね」
東がボソボソと口を開く
相澤の小さな口が大きなメロンパンを頬張りながらなんか言ったか?と口をモゴモゴさせながら聞き返した
「いーやなんでもないよ。てか食べながら喋るのは行儀が悪いよ?」
「……うるさい。ていうか、お前の家には帰らない」
「はっ!?なんで!?他に行く宛あるの!?」
「ないけど……お前のところに行くよりかは野宿したほうがマシ」
「そんなの絶対嘘!三食お風呂付きフカフカのベッドで学校まで徒歩1分だよ!?こんな優良物件他にないよ!?」
「……………。なんでそこまで俺に構うんだよ」
「なんでって、それは……」
最初の頃とはまるで別人のような東の豹変っぷりに、相澤は怪訝な顔を隠さない
「女に飽きたから男に手を出した?お前のその見た目なら、喜んで足を開く野郎も山ほどいるだろ」
「そんなんじゃ……!え、優斗もしかして俺のことかっこいいって思ってる?」
「自惚れんじゃねえよ……そう思うなら俺じゃなくて他を当たれ。俺に構うなよ。それとも……」
そこまで言いかけて初めて相澤が不敵に笑う
「お前って俺のこと好きなの?」
自分から言っておいて顔を赤らめているが、初めて真っ当に言い返したつもりでしたり顔の相澤に対して、東は特に表情も変えることはなく
「そうだよ」
と相澤の目を見て言い返した
思いもよらない受け答えに相澤は目を丸くし、明らかに動揺する
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