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「………くなよ……」
「え?」
「~~ッ毎晩毎晩どこほっつき歩いてんだよ!どーせ女でも抱いてんだろうけど!」
無意識に出てしまった心にもない言葉
それを聞いた東は一瞬戸惑いはしたが、すぐいつものニヤけ顔になった
「んー。まだ秘密だけど、どうしたん?寂しくなっちゃった?」
ニヤニヤと嬉しそうにだが、久しぶりに東の顔をちゃんと見た気がした
すると自分が懸念していた事態に見事に陥ってしまう
全身に熱を帯びたように、身体が苦しくなる
「っ、……寂しい、とかじゃない。けど……最近、寝れなくて……」
何言ってんだよ、俺!
これじゃ寂しいって言ってるようなもんだろ!
「じゃあ今日は出かけるのやめるわ」
東は呆気なく着替えたばかりの服を脱ぎ捨て、風呂入ろ~と呑気な口調で浴室に向かった
「……ッ」
その背中を呆然と見つめていても全身の熱は徐々に下半身に集中しだし、自分でも理性を抑えられなくなってきていた
「なんでっ、こんな時に……!」
身体がムズムズする、収まらない。
東と目が合った時に、脳裏によぎった
ーーーいじめて欲しい
嬲って、辱めて、強引に犯されたい
嫌だ……!!そんなのッ
東が風呂に入っている隙を見て、急いで寝室に移動し、乱雑に下着を下ろした
こんなこと本当はしたくはなかったが、自らの手で自身の昂りを鎮める
「……ハ、」
気が焦り強い快感を求めようと握る指先に力が入る
「ン、ン……」
だけど、そんなのじゃ全然足りなくて、
刺激が足りない
もっと激しくて、もっと過激な……
「……ッ……ふ、……ぐ、」
もどかしくて苛立ちと焦燥感が押し寄せる。清めたばかりの身体には再び汗が滲み出し、唇を噛みしめる
すると、突然背中に何かが覆い被さった
「ッ!?あ、ずま……」
いつの間にか風呂から上がってきた東は、髪は濡れて、上半身は裸の状態だった
そんな姿で、相澤の背中を優しく包む
細身だが、逞しくて、自身とは違う引き締まった腕には、血管が浮き出ていて、またそれが息を呑むほど魅力的で身体が期待してしまう
「……ねぇ、そんな色っぽい顔されたら、俺たまんないんだけど」
「……て欲しい」
「ん?何?」
「っ、……あ、ずま、俺のこと……メチャクチャにして欲しい……」
身体中が苦しくて、切なくて、焦れったい
こんなことを頼めるのは他でもない東しかいない
そう気づいた時、俺は縋るように懇願してしまった
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