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「狭いしっ!あんまり押すなよ!汚れるだろ!」 「汚れたらまた服買ってあげるから、ほら、もっと奥詰めて」 ズリズリと地面を後ずさり衣服を砂で汚しながら、優斗はドームの壁まで追いやられてしまった 「ッ……」 あ、あれ……何だかこの光景、一度見たような…… そんな余韻に浸る暇もなく、もういつ唇が触れてもおかしくないぐらいの顔の近さで、東の吐息がかかる ドクドクと鼓動が早くなるのが、東に聞こえてしまいそうで、額に汗が滲む 「優斗、お願い、チューして?」 「ーーッッ」 整った顔が、優斗の逃げ場を奪う 恥ずかしさで心臓が飛び出そうになりながらも、俺は諦めて目を固く瞑り、東に唇を押し付けた 数秒も経たないほどの短い口付けを交わし、すぐに顔を逸らし、もういいだろ、早く出ろよ!と東を睨みつけると、目の前にいたのは知らない少年で、恥ずかしそうにこちらを見ていた 「え!?だ、だれ!?」 驚いて勢いよく後退してしまい、後頭部を思い切りドームの壁にぶつける。 「ッあ゙ッ!でっ……」 その瞬間脳に断片的な映像が映し出された 幼い頃の自分が、ここでキスをしている 恥ずかしがりながら、何度も何度も同じこの場所で…… 「ッッゔぁぁあああッッ!!!!」 急に半狂乱になって叫んだので、東は驚いて優斗の肩を揺すった 大丈夫か!?と心配そうに声をかけるのは先ほどの小さな男の子ではなく東だった 微かにだが、紛れもなく脳裏に蘇り思い起こされたのは、この場所で何度もキスを強要されたこと。 優斗は恥ずかしさと怒りで東の胸ぐらに掴み掛かり、顔から火が出るほど真っ赤にしながら怒鳴りつけた 「お前!!本当にっ!!何度も何度もキスばっかせがみやがって!このマセガキが!!」 「えっ!えぇ!?なっ急にどうしたの!?」 驚いて戸惑う東を更に罵倒する 「何だよご褒美のチューって!!本当に死ぬほど恥ずかしかったしバッカじゃねーの!!」 「!!えっ!?思い出してくれたの!?」 「ッッ知らない!!……けどっなんか突然頭に浮かんでっ……!」 涙目になりながらもドンドンと東の胸を叩く 東はその手を掴み大事そうに強く抱き寄せられた 「~~ッ!だからっ離せってば……!」 「大きなお兄ちゃんたちが抱きついてる~」 突然子どもの声が少し離れた場所から聞こえた 東の後ろのドームの入り口から子供たちが覗きこんでいて、お兄ちゃんたちいるからはいれないね~などと聞こえ、東を思い切り蹴り付ける 「もっ!いい加減っ早く出ろよバカ!」 「いてて……分かったからそんなに蹴るなって!はいはいごめんねチビたち~お兄ちゃんたち今出るからね~」 と東は何も気にせず子供たちに手を振っている 優斗は恥ずかしくて子供たちの顔が見れず東を置いてすぐさま公園から走り出した

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