4 / 8

ミス連発の結果

部活の時間、あろうことかミスを連発した。 「どうした、蒼也。体調でも悪いんか?」 「や、大丈夫です、中山先輩。ちょっとぼーっとしてました、すみません」 「蒼也」 「進藤先輩...」 「今日はもう上がれ」 「....はい」 しょんぼりと項垂れた。 「あ、ついでに俺も上がるわ!お疲れ!」 「えっ、進藤!?」 「せ、先輩...?」 驚愕で、進藤先輩の顔を見上げる。 にか、と進藤先輩は男前な顔を崩し、屈託ない笑顔を見せた。 「なんか帰り食べていくか」 シャワールームの個室で並んで体洗いながら。 「あ、は、はい...」 「話しはそんときな」 ...話し、か。 せっかく朝練で褒められたのにな。 つい気が抜けたとはいえ、有り得ないミス連発したし、説教、かな...。 シャワーを浴び終えて、 「さ、行くか」 「はい」 歩いて向かった先はハンバーガー屋。 「俺の奢り。なんでも頼んでいいから」 「え、でも、悪いです」 「いいって。遠慮すんな」 そうして、トレイを持ちイートインスペースに向かい合い座る。 「本当にすみません、先輩...」 「気にすんなって。てかさ、蒼也が食堂で一緒に飯食ってたの、今朝の奴じゃない?」 ハンバーガーの包みを手にした俺は思わず顔を上げた。 「友達だったんだ?」 「え、あ、まあ...」 「ふーん...」 俺を見つめたまま、進藤先輩がバーガーにかぶりつく。 と、その時だった。 「あれー!?蒼也だ!」 噂をすればなんとやら...。 「真尋」 「なあんだ、蒼也もハンバーガー屋?奇遇だね」 隣には例のバスケ部の高城とやらが並んでる。 「隣、いい?」 「いや、駄目だし」 「へ?なんでよ、蒼也のいじわる」 「や、いいよ、どうぞどうぞ」 「やったあ!」 ...なにがやったあ、なんだか。 は、とした。 進藤先輩もイケメンだ。 進藤先輩を狙って、なんじゃないだろうな、と警戒心が湧いてきた。 「ほら、高城先輩も」 「ああ」 「今日は練習、ないんですか」 高城に尋ねた。 「え?ああ、今日はもう終わっただけだけど。...て、俺がバスケ部、て知ってんだ」 「え?あ、ま、まあ。真尋とは幼なじみで」 「あー、らしいね」 らしいね...? 首を傾げる俺をよそに高城は包みを捲り、バーガーに齧り付いた。 「ほら、蒼也もさっさと食べな。冷めるぞ」 「あ、はい。すみません、進藤先輩」 ふふ、と進藤先輩が笑んだ。 「俺も。いただきまーす」 ばく、と隣の真尋もバーガーに大口でかぶりついた。 「進藤先輩、て言うんですね。サッカー部ですか」 ...いきなり進藤先輩に話しかけるか、真尋。 やっぱり進藤先輩狙いか?向かいには高城、て彼氏がいんのに。 胸くそ悪くなりながら俺もバーガーに齧り付いた。 ...俺はというと、情けない話し。 真尋と高城のまさかのセックスにあてられ、それはさすがに年頃の俺には刺激的すぎて。 嫌でも思い出す映像を元にこっそりトイレで抜いたんだ。 ...腹立つ。

ともだちにシェアしよう!