5 / 8

俺んち来ない?

「なあ、蒼也」 「なんですか?進藤先輩」 ストローでジュース啜りながら進藤先輩の話しの続きを待った。 「これから俺んち来ない?」 「進藤先輩の?」 「ああ。サッカーのさ、DVD、一緒観ない?絶対、勉強になると思うんだよな」 「ああ、確かに」 と、唐突に。 「ああ!すみません!蒼也、俺と約束あるんですー!」 は?と隣の真尋を向いた。 「約束...?なんの」 「ほら、忘れたー!?昨日のゲームの続きの約束してたじゃん」 ...してたっけ? 思わず首捻る。 「ゲームならいつでも出来るだろ、真尋」 「まあ、そうだけど!したいの!ゲーム!俺、昨日、負けたしさ!」 「あー、なんなら俺が付き合おうか?」 真尋の彼氏、高城が話しに乗った。 「や、いいです。先輩、上手そうだし」 「蒼也は下手くそなの?」 進藤先輩が吹き出しそうになってる。 「まあまあです。可も不可もない感じです」 ...どの口が言ってんだよ、真尋。 「どんな感じだよ」 断然、お前のが下手っぴじゃねーか。 「ねっ!お願い!蒼也!」 「...仕方ないなあ」 「まあ、DVDは今度にするか。ゲーム楽しめ」 「はい、すみません。せっかく誘って頂いたのに」 「あ。俺も一緒、いい?」 高城が割り込んできた。 そんなに真尋といたいか。 ゲーム中にベタベタイチャイチャどころか万が一、セックスでも始められたら困るが...。 「高城先輩もまた今度!今日こそ負けないからね!蒼也!」 「お、おう」 真尋、あのゲーム、そんなに好きだった、けか。 まぁいいや。 「じゃ、進藤先輩、お疲れ様でした。また明日」 「ああ、蒼也もお疲れ。また明日な」 「真尋も蒼也くんもまたね」 「はい、また明日、高城先輩」 ...何故、良く知りもしない真尋の彼氏にまで挨拶されるんだ?よくわからない。 「じゃ、帰ろ!蒼也。途中、コンビニでお菓子とジュースとか買おうよ!あ、アイスも!」 「あ、うん」 そうして、俺と真尋は昨日と同じく俺の家へと向かうのであった。

ともだちにシェアしよう!