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第7話
真嗣は唇にキスをした後、隆也の前髪を掻き上げた。
「髪、だいぶ短くなったな」
「あぁ。まぁ色々あってな…あっそうだ、お前、明日の朝さ、ちょっと協力しろよな」
「協力って、何すんの?」
「明日、説明するよ…なぁ、俺たち、裸になってどうすんだよ…」
「いい雰囲気だったのに、隆也が協力しろとか言うからさ…」
「お前が、髪短くなったって言うからだろ」
真嗣は笑い出した。
「なんか、ぜんぜん変わんないな…俺たち」
「確かに。変わってないな」
「でも、今日隆也がキスしてくれた」
「あの時は、なんかお前が愛しいっていうかさ」
「じゃあ今は?」
「今は、なんか…そうだな」
「俺のこと、好き?」
「そう言うの、面倒臭いんだよ、お前は」
「ひどいな…隆也のことこんなにも想っているのに」
「今日、会った時に言っただろ?好きだって」
「何回でも言ってほしいんだよ」
真嗣はそう言って、隆也の首筋にキスをした。
「だから、くすぐったいんだよ」
隆也は首を捩ったが、キスへの抵抗ではなかった。真嗣は首筋から胸元に唇を這わせた。そして隆也の乳首を舌先で舐めると、軽く吸った。
「あっ…お前…」
「キスしちゃった」
真嗣は嬉しそうな顔で隆也を見ると、隆也は恥ずかしそうに横を向いていた。
「ねぇねぇ。全部脱ごうよ」
真嗣は器用に脚だけ使って、自分のスウェットとトランクスを脱いだ。そしてそっぽを向いている隆也のスウェットのスピンドルコードを引っ張った。
「ちょ…ちょっと待て」
隆也は焦った。
「ほら、俺は脱いだよ」
真嗣は隆也の手を取って、お気楽に自分の股間に当てた。隆也は触らせられたことより、真嗣のそのサイズに少し驚いた。
「えっ…お前…大きいよな…」
「えっ?…そうかな」
真嗣は隆也の手を離した。
「そんなの、人と比べることなんてないしさ」
「…少なくとも…俺よりは大きい」
「そうなの?」
真嗣は嬉々として、また隆也のスウェットを触ろうとした。
「あぁ…もうやめろって」
「どうしてだよ…絶対だめ?」
真嗣はそう言いながら、スピンドルコードを解いてスウェットを引き下げた。
「あぁ…もう…」
隆也は何かを言いかけたが、真嗣の唇で塞がれてしまった。真嗣は隆也のボクサーブリーフの中に手を突っ込むと、上向きに収められていた隆也の柔らかい先端に指が触れ、そして手の平で優しく包み込んだ。
「…もう」
「隆也の…可愛い」
「いいよ。好きに言え」
「逆にさ、隆也が馬並みだったら、俺は引くね」
「いいじゃん、馬並み同士でも」
「俺は、馬ほどではないよ」
「ほら、自分でも大きいと思ってるし…」
真嗣は包み込んでいる手に少しずつ力を入れて握る様な手の形にした。
「ねぇ…脱がすよ」
真嗣は手を離し、隆也のボクサーブリーフを両手で膝くらいまで下げて脱がすと、隆也のペニスは勃ち始めていた。
「隆也、横向いて」
隆也を横向きにさせると、真嗣は自分の胸に隆也の背中が密着するような体勢をとり、後から回して隆也のモノを握った手をゆっくりと動かした。
「…あぁ…あっ…うぅん」
隆也は真嗣の足に自分の足を絡めた。真嗣は隆也の耳元で吐息と共に隆也の名前を何度も囁いた。隆也のモノは真嗣の手で刺激されると、更に熱く硬くなった。
「ねぇ…隆也…気持ちいい?」
「う…ん…いい…よ…真嗣の」
「隆也…可愛い…大好き」
そして、隆也は絶頂に近づくと
「真嗣…もう…いきそう」
真嗣は握っていた手の位置を少しずらして、先端部をすっぽりと手のひらで覆うと、親指の腹で亀頭を摩った。
「隆也、俺の手の中でいっていいよ」
隆也は、あぁっ、と声を出すと、真嗣の手の中で射精した。真嗣は手の中に生温かさを感じると、最後に搾るように手を動かして終わった。
隆也は枕元に置いてあったタオルを真嗣に渡して、拭いて、と言った。真嗣は渡されたタオルで隆也の股間を拭き始めた。
「違うだろ。お前の手を拭いてって言ったんだよ」
「どっちでも一緒だよ」
真嗣は笑いながら言うと、隆也もクスッと笑った。
「お前…やっぱり、いい奴だな」
「なに?…そんなによかった?俺の手」
「バカか、お前は」
「よかったって、素直に言えよ」
「うるせぇよ」
そして、隆也は伏し目がちに言った。
「次、俺がするから、あっち向いて」
真嗣は向くことなく隆也を抱きしめた。
「俺はいいよ。こんなにも隆也を感じることができたんだから…今日はこうしていたいよ。手の中の隆也の感触がなくなるのはもったいない」
「変態の域だな、それ」
「何とでも言っていいよ。俺は幸せなんだから」
二人は抱き合いながら、いつの間にか眠りについた。
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