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第一章 嫉妬⑥*

 ウィルバートがマティアスの前に膝をついた。 「失礼します」  小さくそう言うとマティアスの一枚だけ纏ったシャツを脱がしていく。長年閉じられていた脱出通路で倒れていたので、シャツは土埃で汚れていた。  全裸になったマティアスをウィルバートが再び抱き上げた。お互い裸で抱き合い、マティアスは幸福感に包まれた。 「ウィル、あったかい……」  ウィルバートの肩に腕を回し頰を寄せ呟く。 「すぐに温まります」  ウィルバートは優しくそう言ってマティアスを浴槽に運び、たっぷりと張られた湯にマティアスを抱えたまままゆっくりと入った。 「ん……はぁ……」 「お湯加減、どうですか?」 「ん、きもちい……」  ややぬるめだが冷え切ったマティアスにはとても温かく感じた。ウィルバートは横抱きにしたマティアスの肩に手で湯をかけてくれた。 「あんな場所に一時間も……。あとで髪も洗いましょう。その前に、こっちを先に鎮めないと……」  ウィルバートはマティアスの昂り続けているそこにそっと触れてきた。耳元で囁かれさらにゾクゾクとする。 「はぁ……ウィル……」  マティアスはウィルバートの首に腕を巻きつけその首筋に顔を埋めた。素肌が密着してそれだけでも興奮してしまう。  ウィルバートはマティアスを向かい合うように抱え直し、背中側から伸ばした手で蕾をくすぐりだした。そしてすぐに指が一本入り込んでくる。 「あんっ」  その指は湯の中でマティアスの蕾をやわやわとほぐしながらどんどん中に入り込んできた。 「あっ、あんっ、ウィルっ!」  マティアスから漏れ出る甘く濡れた声は、石造りの高いドーム状の天井にこだまし浴室内に響き渡る。  さらに指が二本に増やされる。  マティアスは堪らず顔を上げてウィルバートを見た。ウィルバートは耳を赤く染め潤んだ苦しげな瞳でマティアスを見つめていた。男の色気漂うその表情にマティアスは堪えられずウィルバートの唇を奪った。そして先日のウィルバートの真似をしてその唇に舌を這わせると、ウィルバートも舌で応えてきた。 「ふっ……あ……ん……」  互いの唇や舌を吸い合い、絡め合うとマティアスはさらに股間が張り詰めていくのを感じた。するとマティアスの昂ったソレに何かがあたった。マティアスは気になり唇を離して下を見た。

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