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第一章 嫉妬⑩*
マティアスは全身の力が抜け、ソファにくたっと仰向けに頭を預けた。身の奥で燻っていた熱が治まっていくのを感じ、頭も冴えてくる。
初めての時はこのまま意識を手放してしまったが、今回はなんとか起きていられた。
「マティアス様……?」
マティアスが達したことを察してウィルバートが声をかけてくる。マティアスは重い頭をあげウィルバートを見た。
「もう、治まりましたね……。今、抜きます」
マティアスの中に入っていたウィルバートのソレがゆっくり引き抜かれようとしていた。しかしその巨塊とも言えるソレはまだ全く萎えてはいない。
「まっ、待てっ!」
ウィルバートが動きを止め、不審そうな目で見てくる。
「わ、私の中に、出さないのか……?」
マティアスは疑問をそのまま口にした。
ウィルバートは明らかに狼狽 えた。
「なっ! 何を言ってるんですかっ!」
「だ、だって、子を成す行為を真似ると……」
「そんなっ、中まで汚すなど……っ!」
「じゃあ、この前も中で果ててはいないのか?」
「当然ですっ!」
マティアスはショックを受けた。
てっきりウィルバートの子種をこの身に受けたのだと思っていたからだ。途端に悔しさがこみ上げてきた。
「ウィル、中に出せ。私はまだ妖術にかかってる。満足してない」
「う、嘘を言わないでくださいっ! 明らかに解けてますよっ!」
「解けてない! だって私はウィルのこと愛しているもの! それは妖術のせいだって言ったのはウィルじゃないかっ」
「そ、そんなっ、屁理屈言わないでくださいっ!」
ウィルバートはそう言って腰を引く。
「や、いやだぁっ! お願いウィルっ! 中に欲しいっ!」
マティアスは結合が解かれないように必死で腰を突き出しくねらせた。結合部分がヌプヌプと擦れる。
「はっ、んんっ……ウィルっ!」
「うっ……ぐっ……」
マティアスの射精したばかりの敏感な身体はその刺激にビクビクと震え、そこを締め上げた。妖術が概ね解けたせいで頭が冴え、その結合部分からの感触をより鮮明に感じ取っている。
「だ、駄目ですっ、マティアス様っ!」
「ひゃぁっ!」
ウィルバートが半ば強引に引き抜いた。柔な蕾に嵌まっていた巨塊がブルンッと飛び出て、その瞬間マティアスの股にビュルッと大量の精液がかかった。
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