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第一章 誕生日前夜⑧*
やがてウィルバートはマティアスから顔を離し、上からマティアスを見下ろしながら激しく腰を使い始めた。結合部分がぐちゅぐちゅと音を立て始める。
「はんっ! あっ、あっ、あんっ」
唇が離れ、マティアスの口からは絶えず喘ぎが漏れる。
痛みや苦しさは無くなり、もはや快感しか無かった。萎えていたマティアスの男性器もしっかり堅くなり、ウィルバートの腰使いに合わせてふるふると揺れている。
ウィルバートはそんなマティアスの全身を見つめながら、ふっふっと荒く呼吸をし、その蕾を激しく蹂躙していく。
するとウィルバートの顎辺りから汗が一滴、ぽたりとマティアスの開かれた胸元に落ちた。ウィルバートはすぐに気付き小声で「すみません」と言い、自身の寝巻きを手繰り寄せマティアスの胸元を拭った。
(ああ、全然嫌じゃない……)
他人の汗など気持ち悪いものでしかないのに、ウィルバートのものとなると全く不快ではない。むしろそんなに早く拭わなくても良いのにと思っている。
やはりこの想いが妖術のせいだとは思えなかった。
(……愛してる。私はウィルバート・ブラックストンを愛してる)
そう思うとマティアスは無意識にウィルバートを締め付けていた。
「……くっ、マティアス様っ、もう……」
ウィルバートは数回激しく腰を打ち付けるとズルッとそこからその肉塊を乱暴に引き抜いた。
「あんっ! ウィルっ!」
そしてマティアスの男性器と合わせ、二本纏めて握ると激しく扱いてきた。マティアスは驚き頭を上げてこそを見つめた。
ウィルバートの大きな手の中に二つの亀頭が見える。自分のモノよりウィルバートのソレは遥かに大きく色も濃かった。感触でも自身の裏筋にウィルバートの巨根があたっているわけで、ソレだけでも興奮してしまう。
「んっ、んぁ! で、出ちゃうっ」
「はっ……俺もっ」
先に達したのはウィルバートの方だった。
驚くほどの量の濃い精液が飛び出し、二人の腹や性器を白濁に濡らしていく。
「ふっ、んっ……くっ……」
その光景に当てられマティアスも白蜜を溢れさせ、二人の精液が混じり合った。
呼吸を乱し余韻にひたるマティアスにウィルバートからくちづけて来た。ちゅちゅっと優しく啄むようなキスだ。
マティアスは朦朧としながら堪らず囁いた。
「ウィル……好き……愛してる……」
ウィルバートはマティアスの髪を撫で見つめている。とても優しい昔からよく知る黒い瞳だった。
「……マティアス」
ウィルバートは聴こえるか聴こえないか位の小さな声でマティアスを敬称無しで呼んだ。
マティアスの心は喜びに満ち溢れた。
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