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第二章 愛しい人*

「マティアス様……どうか、お許しを……!」  薄紅に色づき熟れたその蕾に、己のいきり立ったそれを突き立てた。 「ひっ、ああぁぁっっ!」 「くっ……」  真っ白な太腿を大きく開かせ、柔らかな尻の奥に欲望を押し込む。他人になど触れられたこともないだろう無垢なその蕾を無理やりこじ開け犯していく。 「はっ! はっ! あっ、……!」 「ああ……、マティアス様……っ」  そこは初めてにも関わらず柔らかく緩み、その肉塊をズブズブと飲み込んでいった。 「あ……くっ……ふ、ふかいよぉ……」  まだあどけなさが残る緑の瞳が初めての快感に戸惑い歪み、美しい金の髪は乱れ寝台に広がっていた。  寝巻き一枚を着せられただけの身体はその快感にびくびくと震え、薄い生地越し色づいた胸の飾りが透けて見える。今すぐその生地を剥ぎ取り思いきりそこを舐め回したい。  フッフッと荒く呼吸をし、興奮をなんとか抑え込もうとするも、ふいに蕾がソレを締め上げてきた。 「んっ……、マティアス様っ」 「あっ、やんっ……う、……ル……!」  そう締め付けられると、さらに肉塊は反応してしまいむくむくと肉壁を押し広げてしまう。  あまりの快楽に堪らず言った。 「あぁ、もう、動きますよっ……!」 「はっ、あんっ! あ、あ、あぁん!」  そう宣言すると同時に、マティアスの許可を待つことなく腰を使い始めた。  腰を引き、再び奥まで差し入れる。 その動きにあわせてマティアスの中は蠢き、引き止め、吸い付いてくる。 「あん、す、すごい……! はぁん! い、イイ……!」  若い身体は初めての強烈な快楽に酔いしれ、艶めかしく震えていた。 「あぁ、マティアス様っ」 「……っ! き、キスして……っ」  その要求通りに唇をあわせた。  本当はキスなど絶対にしてはいけないと心に誓っていた。その高貴な唇は未来の妃だけが触れることが許される場所だ。でもずっと味わいたいと思っていたその薄紅色の唇。マティアスの方から押し付けられた時に理性が吹き飛んでしまい、後はもうなし崩しだった。  柔らかな唇を吸い、舐める。  薄く開いた隙間から舌を侵入させるとマティアスも自ら舌を差し出してきた。それに遠慮なく自身の舌も絡ませる。するとマティアスは背中に手を回し抱きついてきた。 「マティアス様っ!」  もの凄い快感と幸福感だ。  我慢できなくなり、唇の合間から愛おしい彼の名を呼び、柔な蕾を己の欲望で思い切りえぐった。 「はんっ! ああぁぁんっ!」  マティアスの可愛らしい中心部から薄い精液がトクンと吐き出される。その瞬間、マティアスは眠るように気を失ってしまった。先程まで何をしても興奮が収まらなかったその中心部も力無く横たわっている。 「マティアス様……?」  呼びかけても反応が無い。  射精しそのまま眠ってしまったようだ。  マティアスの欲求は満たされたのだ。  もう離れなくては。  そう思うのに腰を引くことが出来ない。  マティアスの腹に埋めた自身の欲望の塊は依然熱く(たぎ)っている。  このままこの柔らかで温かなマティアスの中に思いっきり種をぶち撒けたいと言う欲求と、これ以上この無垢な人を汚したくないと言う想いがせめぎ合っていた。 「マティアス様……っ」  愛しい人の名を呼び、わずかに腰を揺する。  くたっと力尽きて眠る美しく、だがまだ幼いその顔。  こんなこと許されないと分かっていながら再びその淡い紅色の唇に己の唇を寄せた。  意識の無い者の唇を勝手に奪う。  さらにその無垢な蕾も自身の一番に醜い欲望の塊で犯し続けた。 「あぁっ! マティアス……!」  欲しい。この美しい人の全てが欲しい。  抜き差しのペースを早め、昂みへと登り詰めようとした時―― (駄目だ!)  ハッとしてカイは顔を上げた。  顔に張り付いていたラフ画用の紙が剥がれパラリと床に落ちる。  カーテンも閉めずにいた窓からは朝日が差し込んでいた。  一晩中描いていたマティアス向けの服の構想が机や床に大量に散らばっている。  朝方まで続けていた為、完全に理性が飛び、中にはとても人には見せられない際どい衣装まである。 「なんて夢見てるんだよ……」  男を抱いたことなど無かったし、抱きたいと思ったことも無いのに、夢の中ではかつて無いほど興奮していた。  (俺は金髪なら女でなくてもいいのか……?)  カイは頭を抱えて机に伏せた。  射精には至らなかった股間がズキズキとしていた。

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