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第二章 知らない男⑥*

 カイはさらに奥まで指を侵入させた。そして内壁を広げるように(まさぐ)る。 「はあっ!」  マティアスが身体をビクつかせて仰け反った。  上半身は詰め襟シャツに、ボタンこそかけられてないものの黒い上着まで着込んでいるのに、下半身は何も身に着けず、その白く艶めかしい肌を晒している。  その実に扇情的な光景にカイは自身の下半身にどんどん血が集まるのを感じた。  蕾に二本目の指を含ませる。 「ふっ、んっ……!」  マティアスが苦痛に顔を歪める。だが止めろとも言わずひたすらに耐えているようだった。マティアスの男性たる象徴はすっかり縮こまり力無く震えている。カイはそれを手で掬うと、顔を近づけ先端にちゅっと口をつけた。 「はんっ! だ、だめっ」  マティアスが力無く抵抗してきたがそのまま根元まで口に含んだ。 「あっ、ああっ!」  口の中に取り込み、舐めしゃぶる。  娼婦にしてもらう時のように自分が気持ちいいと思う場所を執拗に攻めた。 「そ、そんなとこ、だっだめっ」  カイには男性器を舐めるだなんて考えられなかったが、マティアスのものに不快感は無く、むしろ口の中でピクピクと痙攣するように硬度を増していくソレに興奮すら覚えた。  口の中のソレが完全に勃起した時、カイはジュルッと音を立てて口を離しそこを見た。  同じ男とは思えないほどの綺麗な薄紅色をしたソレが、刺激によってしっかりと硬く大きくなっている。  カイは早く繋がりこの美しい男の全てを奪いたいと思った。  蕾に含ませる指を三本にし、中でバラバラに動かし強引に内壁を広げる。 「っ………!」  マティアスが苦しそうに美貌を歪める中、カイは全ての指を引き抜いた。  そしてカイは自身の前を寛げると興奮しきったソレを掴みだし、そのマティアスの秘所にあてがった。  マティアスが潤んだ緑の目を見開く。  カイはそのままその蕾に肉塊の先端をめり込ませたが、明らかに慣らしが足りずカイの侵入を拒んでいた。 「んん……っ! くっ……」  マティアスは歯を食いしばり、苦痛に耐えている。目尻に涙が溜まり、額には汗が浮き出ていた。 「すみません、一旦抜きます」  カイはマティアスの苦悶の表情に流石にこのまま行為を続けるのは可哀想になった。そう思って腰を引いた時、 「や、やだっ、行かないで! ウィル!」  マティアスがそう叫びカイに縋り付いてきた。

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