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第二章 知らない男⑦*
マティアスが目尻から涙を流しながらカイを見つめていた。
「こ、壊れても、いいから……好きにして……ウィル……」
知らない男の名前。
マティアスから発せられたその言葉は容赦なくカイを胸を突き刺してきた。抑えようとしていた嫉妬心が膨れ上がり破裂する。
「くそっ! 何なんだよっ!」
カイは怒りに任せて思いっきり腰を進めた。
「ひっ! ひゃぁぁっ!」
その肉筒は巨塊の無理な侵入に驚き、拒み、硬くそこを喰い締めた。カイ自身にも苦痛をもたらすくらいだ。
「くっ……きっつ……!」
「あぁ……ウィ……ウィル……!」
だがマティアスは睦言のようにカイの知らぬその名を唇に乗せる。
カイは中程まで貫いていたその剛直を今度は乱暴に引き抜いた。
「んあぁぁっ!」
マティアスが驚き悲鳴を上げる。
そんなマティアスを気遣うこと無く、カイはマティアスの身体を強引にひっくり返しうつ伏せにすると、ソファに添えてあったクッションをその腹の下に突っ込んだ。
「ヤリにくい。後ろから入れる」
「や、こんなっ!」
獣の様な交わり方にマティアスが驚き初めて拒否反応を示した。しかしカイはそのままマティアスの尻を押し開くと再び自身の性器をそこにめり込ませた。
「文句言うなよっ」
「んあっ! くっ!」
マティアスが苦痛に息を詰める。
後ろからの方が幾分か入れやすく感じた。ただ、後ろからにした理由はマティアスにカイは自分の顔を見られたくなかったからだ。
「んぁっ! ウィルぅ……」
しかし混乱しているらしいマティアスはまだその名を口から零していた。心底腹が立ったカイは容赦なくその後孔を犯しながら悪意を込めて言った。
「声、出すなよっ……普段は女しか抱かないから、男の声は萎えるっ」
その言葉にマティアスの蕾がきゅううとキツくカイを締めつける。マティアスは袖を噛み声を殺した。
サロンには外のからの雨音と、ぐちゅぐちゅと後孔を犯す水音、そして二人の吐息が響いていた。
採寸の時も感じたマティアスの細めの腰を持ち、カイは自分勝手にそこを犯し続けた。
蕾は入口の肉輪部分は硬くきついが、中は柔らかくカイの怒張に吸いついてきた。激しく擦り上げているとカイに限界がきた。
「あっ……でるっ……!」
カイは無垢な蕾に自身のソレを根元まで突き入れ、最奥に思い切り射精した。
「はぅ……んっ!」
激しく奥まで突かれマティアスが苦しげに呻いた。そして中を汚されたことを悟ってかグスグスと泣き出した。
塗り替えたかった。
過去の男に汚されたであろうその身体を自分のものにしたかった。
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