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第三章 浮気⑥*

 密着した肌でウィルバートが全裸だとわかった。マティアスはもっとウィルバートに触れたくなって、寝巻きの袖から腕を抜き素肌でその大きな背中に手を回し抱きついた。 「んっ……はぁ……」 「あぁ、マティアス……」  裸で抱き合い互いの肌を感じ、キスを繰り返す。二人の昂った下半身も互いにぶつかり合う。 「マティアス……もっとカイって呼んでよ」  そうねだるように言うウィルバートにマティアスは愛おしさが溢れてきた。 「ん……、カイっ……」  マティアスがそう呼ぶとまた深いキスをされた。舌を絡ませられながら、ウィルバートはマティアスの脚を大きく開かせてきた。 「んあっ! カイっ!」  太ももを(まさぐ)られ、脚の付け根の際どい場所を這いまわっていた指が、珠をかすめ、マティアスの勃っている中心部を撫であげた。 「あっ……んっ……」 「……一度、出そうか。一緒に……」  ウィルバートがそう耳元で囁くと、腰を寄せてきてマティアスの昂りと、それよりも太い何かと一緒に握り込まれた。 「んっ! あっ、カイっ」 「……マティアスのは凄く綺麗なピンクだった。脳裏に焼き付いてるよ……。それがこんなに勃起してるなんて……今どんな色になってんのか、想像するとたまんない……」  カイが二人の昂りを握り扱きながらマティアスの耳元で囁く。その内容も卑猥ながらその声色は色気を妊みさらにマティアスを昂らせた。 「あん……カイぃ……」 「……ん? 気持ちいいか? 腰揺れてる」 「んはぁ……、気持ちい……」 「ん……俺もイイよ」  下半身のそれを扱かれながら、時折唇を舐められ、開いている左手でまた胸も触られる。 「乳首も綺麗な色で……ずっと触りたかったし、舐めたかった……。真っ白な肌にここだけ薄いピンクでさ……」  そう言うとウィルバートは再びマティアスの胸を舐め始める。下半身の昂りを扱かれ、胸の突起を嬲られ、マティアスはどんどん快感に呑まれていった。 「はぁんっ! あっ、カイぃ……だめぇ……」  カイの『触りたかった』と言う言葉はマティアスにとって天にも昇るほどの嬉しさだ。 「ああ、マティアスっ……!」  ウィルバートが激しく手を動かし二人の昂りを扱く。さらに亀頭もクリクリと撫でられるともう我慢出来なかった。 「ひっ、ひやぁっ! で、出ちゃうっ」 「ああ、俺もだっ」  マティアスは全身を震わせカイの手の中に精を放った。それと同時にウィルバートもビクッと身を弾ませた。 「んはぁ……カイぃ………」 「あぁ……マティアス……」  どちらから求めるでもなく二人は再び唇わ合わせた。

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