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第三章 朝日の中で④*

 薄く開き濡れた赤い唇からは吐息が漏れ、同じ色の胸の粒はツンと勃ち、カイの指示通りに開かれた脚の間には、同じ男とは思えないほど美しい紅色の男性器が腹につくほど反り返り快感の蜜を滴らせている。そして後孔はカイの指を三本受け入れさらなる刺激を求めてひくつき、蠢いていた。  ゴクッとカイの喉が鳴る。  もっとゆっくり慣らすつもりだった。昨日の今日で無理に身体を繋げてまた壊してしまったら……。しかしその蕾は柔らかく蕩けている。いけるのではないか。何よりマティアスが本気で欲しがっているように見える。 「ちょ、ちょっと待ってろっ」  カイはその蕾から指を引き抜きベッドを降り、脱ぎ捨ててあったスボンを履きながら言った。 「菜種油、持って来るからっ」  マティアスの返事をまたず寝室を飛び出し階段を駆け下り、台所の戸棚を開けた。    マティアスの髪用に買った菜種油。カイはこれを買う時に実はこんな使い方も想像してしまっていた。こんなに早く実現するとは思わなかったが。  カイは菜種油が入った土瓶を持ち、急ぎ二階への戻ろうとしたその時。 「ウィルー、レオンー、おはよー」  コンコンコンと言うノックと共に誰かが玄関前から呼びかけてきた。カイは無視して階段を登ろうとしたが、そいつは「おーい、いないのー?」とさらに呼びかけてくる。そのまま粘られても厄介だ。カイは急ぎ玄関へ向かい扉を開けた。 「おー、いるじゃん! わ、寒そうだな」  声の主は予想通りダンだった。上半身裸のカイに驚くダンの言葉を遮りカイは早口で言った。 「取り込み中だ。またにしてくれ」  そしてそのまま扉を閉めようとした。 「えっ! 何かあったのか!?」  慌てて聞いてくるダンにカイは言った。 「察しろ」  そしてそのまま扉を閉めた。扉の向こうでダンが「アハハハ」と笑う声がした。急ぎ戻ろうとしたカイはふと思い立ち玄関を再び開けた。大きな身体を丸めてまだ笑っているダンがそこにいた。 「すまんが、ヘルガさんに朝食と昼はいらないと伝えてくれないか」  カイの頼みにダンは頷いた。 「おう、任せろ! 頑張れよ!」  ダンはそう言うと玄関先の階段を降りていった。それを最後まで見送ることは無くカイは家の中へと戻り、急ぎ寝室へと戻った。

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