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第三章 想い⑥*

「あ、カイ……あるよ。ウィルがさせてくれなかったこと……」 「ん?」  マティアスはカイを押しのけ身を起こした。そして胸元をはだけさせたままカイを見つめ、寝巻きの薄いズボンを履いたカイの太腿に手を置くとその手をカイの中心部まで滑らせた。 「カイのここ……舐めてみたい……」 「へっ?」  カイの声が動揺で裏返る。  マティアスの指が勃起したカイのソレに微かに触れる。布越しであるがそれだけでさらに興奮してしまいそうだ。 「だ、駄目か? カイは……私のを舐めるだろう? なら私だって……してもいいよな?」  マティアスは上気した頬と潤んだ緑の瞳で懇願してくる。そんな顔で、そんなおねだりをされたらたまらない。 「いや、その……良いけど。……やっぱり嫌だと思ったら、無理せず止めるんだぞ」  カイの答えにマティアスは目を輝かせ頷いた。 「……嬉しい。……あのね、昔、ウィルの出したものを舐めようとして、凄く怒られた事あるんだ……」 「はぁっ?!」 「……やっぱり、はしたなかったよね。……でも、どうしても、身体の中に入れたくて……」  カイは過去の自分が怒った理由が分かる気がした。今でもマティアスは純粋で穢れなく美しいと感じる。散々破廉恥なことをしてしまったわけだが。それが成人前のしかも王子だ。己の欲望をぶつける事など躊躇われただろう。  マティアスは寝巻きの薄いズボンの上からカイの怒張を優しく撫でてきた。 「直接、舐められるなんて……嬉しい……」  マティアスがそう言ってズボンの前をくつろげ、中のものを探ってくる。カイも自ら衣服を脱ぎ、マティアスの目の前にその興奮して巨大化している肉棒を差し出した。 「あ……凄い……」  うっとりとした目でそれを見つめ、白い手でそっと触れ優しく握ると亀頭に唇を寄せてきた。そして先端をペロッと舐められる。 「……っ」  先端に感じたマティアスの柔らかな舌の感触。それだけでカイはさらに興奮した。そしてさらにマティアスは亀頭を口に含んでくる。 「くっ……」  マティアスはちゅっちゅっと先端を吸い、そして時折その大きさを確かめるかのように肉茎全体を舌で舐めてくる。  不慣れで決して上手いとは言えない愛撫。しかしこの美しい顔が男性器を舐めしゃぶっている光景にカイはひどく興奮していた。 「マティアス……たっぷり濡らして。そのまま繋がれるように……」 「ん……っ」  マティアスはカイの指示に素直に従い、全体を舐め濡らしていく。 「ああ……いい子だ」 「んっ……」  口に収まりきれないその巨塊を必死に頬張るマティアス。カイはその金色の髪を撫でてやりながら褒めてやった。

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