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買い物デート ⑦

「聞くに堪えないな。お前らみたいな奴に付き合ってると、こっちの品位まで下がりそうだ」 「ンだと? つ、つか! お前誰だよ!? お前には関係ねぇだろ!」 露木君の冷やかな視線を受けて、篠田が凄む。でも、そんな威嚇なんて、露木君はものともしない。 と言うか、この人が露木君だって気付いてない? 「関係はある。お前らが使った割引チケット。アレは僕が椎名にあげたものだから。本人が使って無いって言うなら、今すぐに全員分の割引した金額を返してもらおうか?」 「は? なんでお前に返さなきゃなんねぇんだよ」 「クズにくれてやるチケットなんてないよ」 「っ、クズだと!?」 露木君の辛辣な言葉に、篠田がカッと顔を赤くする。 「あぁ。クズだ。椎名の人の好さと鈍感さに付け込んで、金を出させるなんて最低の人間のする事だろ? それに、椎名がお前らに何をした? ただ、自分の欲を叶えるために利用してただけじゃないか。そんな人間、クズ以外の何者でも無いだろ」 「ンだとテメェ!」 激昂して顔を真っ赤にしながら篠田が殴りかかって来る。 あ!っと俺が声を発する暇も無く、露木君がそれを素早く避けて、篠田の拳が空を切る。 「暴力に訴える気? さすが卑怯者のすることは単純だね。 でも、君の攻撃は遅すぎる」 露木君の冷笑を含んだ言葉に、篠田の顔が鬼の様に歪んだ。 「っ、ざっけんじゃねぇぞ! クソが!」 なおも食って掛かろうとする篠田の腕をあっさりと掴んで捻りあげ、露木君がその体を床へと引き倒した。 「っ!」 「お前、口先だけの三下だな」 「ンだと! 離せよ! クソが!」 「この程度で僕に殴りかかるとか。馬鹿だろ? ……あぁ、そうか。馬鹿だから、こんな馬鹿な事するんだね」 露木君は、床に組み敷いた篠田を見下ろしながら、冷ややかに笑った。

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