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ヤバい

「椎名、大丈夫?」 「……」 時間が来て部屋を出た後、放心状態でぼんやりしてる俺に露木君が心配そうに声を掛けて来た。 勿論全然大丈夫じゃない。主に腰砕けになった下半身が。 でも、それを露木君に言うのはなんだか憚られるし、かと言って上手く誤魔化すことも出来そうにない。 「あ、うん。ちょっと、あの……俺、トイレ行って来る」 「え、大丈夫? 具合悪い?」 「いや、全然大丈夫! ちょっとその、お腹痛いだけだから!」 だから心配しないで、と慌てて取り繕って、俺は足早にその場を後にした。 だって、言えるわけない。キスされて腰が砕けそうになったとか。 いくら個室だからってお店の中で、あんな……あんなエロいキスするなんて! さっきまでの行為を思い出すだけで、下半身が大変な事になっている。 こんな状況で出歩いたら、周りの人に白い目で見られてしまう。 どちらかと言えば、性的なことに対しては淡白な方だと思ってたのに、少し触れあっただけで身体が反応しちゃうなんて、俺は本当にどうしちゃったんだろう? こんな姿を露木君に知られてしまうのは凄く恥ずかしい。 こんなに強い性衝動を感じた事なんて今まで一度もなかった。 「……ッ」 バタバタと慌てて個室に入って扉を勢いよく閉め、既に熱くなり始めている股間を慌てて寛げる。 下着をズリ下げて取り出したそれは、既に硬く張り詰めて、先走りの蜜でしとどに濡れていた。 「うそ……っ、なんで、こんな……ッ」 自分のものとは思えない程、熱く猛ったそれを目の当たりにして思わず息を飲む。 こんなの、おかしい。 露木君相手にこんなになっちゃうなんて。俺は、女の子が好きだった筈なのに。 「ん……っ」 そっと握り込むだけで、ビリッと電気が走ったような快感が腰を震わせる。 どうしよう、俺。本当に、どうしちゃったんだ? こんな場所でこんな事して、もしも誰かにバレたらどうしよう? そう思うのに、手が勝手に動き出して、止まらない。

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