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ヤバい ⑦
「露木君ッ、離し……ッ」
「だーめ」
ダメ、ってなに!? 露木君の唇が、まるで押し当てるように俺の言葉を遮る。
うわ。ち、近い……っ。
「ふふ、顔真っ赤だよ? もしかして、期待してた?」
「なっ!? ちが……っ」
「違うの? 残念」
露木君はそう言って笑って、もう一度俺の唇に自分の唇を重ねた。
「ん……」
さっきよりも少し長くて深いキス。
角度を変えて何度も唇を啄まれて、俺はただされるがままだ。でも、唇を啄まれる度にドキドキが止まらなくなる。
「は……っ」
「椎名、可愛い。凄くドキドキしてるね」
「し、してない……っ、から! そ、それに可愛くないってば」
「そうかな」
露木君が俺の耳に顔を寄せて、耳朶を柔らかく食んだ。そのまま耳の後ろにキスをされて、思わずビクリと肩が揺れる。
「や……っ、な、なに?」
露木君は機嫌よさ気にクスクス笑って、更に耳にキスをしながら俺の首元まで唇を滑らせる。
ゾワゾワと、感じた事のない感覚に襲われて変な声が出てしまいそうになって、慌てて手の甲で自分の口元塞いだ。
「あ……っ、ん……っ」
耳の後ろを舌で舐められ、耳朶を甘く噛まれて思わず鼻から抜けるような声が出る。
熱い舌先がゆっくりと耳から首筋を辿り、露木君の唇から零れた熱い吐息が肌を撫でて行く。その度にゾクゾクするような甘い感覚が這い上がって来て、俺は思わず身体を震わせた。
「……椎名、もしかして首弱いの?」
「ちが……ッ、くすぐったくて……」
「ふーん? 」
露木君、ニヤニヤと楽しそうな笑みを浮かべて、今度はさっきより強めに俺の首筋に吸い付いて来た。
「んん……ッ」
ぞくぞくと肌が粟立つような不思議な感覚が這い上がって来る。
身体の芯が、ジンと甘く蕩けるような、不思議な感じ。なんか、変。俺じゃないみたいで、ちょっと怖い。
でも、なんでだろう? 不思議と嫌悪感はなくって、なんならやめて欲しくない。もっとして欲しい。なんて。そんなおかしな事が脳裏をよぎる。
「ンッ、あ……ッ」
露木君の熱い唇が、舌が、俺の耳から首筋に何度も触れる。
その度に身体が小さく震えて、とてもじっとなんてしていられない。
それに、さっきから俺の太腿に当たっている露木君のアレが、ちょっと、いや、かなり気になって仕方ない。
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