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バレた ④
「そ、それは……っ」
パソコンの電源を落として、露木君が俺の顔を覗き込む。その目は何時もより少し意地悪で、だけどどこか熱っぽい。
思わず言葉に詰まる俺に、露木君は静かに笑った。そして、俺の耳元に唇を寄せる。
「こんな広いリビングで、オナるなんて随分大胆な事するよね。……あぁ、それとも、僕に見られたくってわざと? 案外Mなんだ?」
「ち、ちが……っそんな事してないっ」
露木君の言葉に、ぶんぶんと首を横に振る。別に露木君に気付いて欲しかったから此処で見てたわけじゃない。そ、それに、ムラっとしてしまったのは、たまたま! 本当に偶々、偶然だ。
でも、それをどう説明すればいいのかがわからない。
チリチリと炙るような視線が全身に絡みつく。見つめられた場所から焼け焦げてしまいそうだ。
「でも、嬉しいな。たった数時間しか離れてないのに、僕を思い出してくれてたなんて」
「あ……、う………っ」
「違うの?」
「……ッ、ち、違わない……けど……」
誤魔化しきれない状況に、とうとう観念して小さく頷くと、露木君が嬉しそうに微笑んだ。
その顔はなんだかとても嬉しそうで、ファンの女の子たちが見たら卒倒しちゃうんじゃないかって思うくらいのとびっきり甘い笑顔だ。
でも、その笑顔に見惚れてる場合じゃない。
俺は、段々と怪しい雲行きになりつつある気配を察し、慌てて椅子から立ち上がろうとする。だけど露木君に抱きしめられているせいで逃げるに逃げられない。
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