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眠れぬ夜はキミのせい ③
真っ暗な部屋の中、すぐ隣から伝わってくる体温に俺はすっかり目が冴えてしまって、案の定中々寝付けないまま。
露木君は散々甘ったるいキスをして満足したのか、俺を抱き枕代わりにしてスヤスヤと熟睡している。
「っ、くそ……。人の気も知らないで……」
俺は小さく悪態をついて、隣で眠る露木君の寝顔を睨みつけた。
悔しい位の美形が、今は無防備に眠っている。
露木君は俺の何処がいいんだろう? 前からって言っていたけど一体、いつから?
頭の中には次々と疑問が浮かんで来るけど、思い当たる節が全くない。露木君って元々何を考えてるのかよくわからないし……。
よくわからないと言えば……。露木君は知っているんだろうか? 男同士でどうやってするのか、とか。
露木君は優しいから俺の心の準備が出来るまでは待つっていつも言うけど……。
何とはなしに、手を伸ばしてスマホを開き、男同士の色々について調べてみる。
「……ぅ、わ……」
思わず小さく声が漏れた。だって、だって――!
「っ、も、もう寝よう!」
俺は慌ててスマホを放り投げ、布団の奥深くに潜り込んだ。顔が熱い。心臓がバクバクと早鐘を打っている。
だって、あんなの、無理だ。無理に決まってる。露木君は知ってるのかな? 誰かとした事、あるんだろうか。
俺以外の誰かと……。
――あれ? いま、なんか……モヤってした?
なんだろう。この気持ち……。
なんか嫌だ。露木君が俺じゃない誰かとって考えたら、すごくモヤモヤする。
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