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これって本当にマッサージ!?
「あー怠い~……」
夕食後、ぐったりとソファに身体を預けていると、露木君がクスクスと笑いながら冷えたミネラルウォーターを俺の額に押し当てる。
「うあ……っ」
「はい、お水」
「ん……、ありがとう」
素直にペットボトルを受け取ってから口を付けた。冷たい水が喉を通り抜けていく感覚の心地よさに、思わず「ぷはー」と声を漏らす。
「オジサン臭いなぁ。まぁ、そう言う所も可愛いんだけど」
クスクスと笑いながら肩を引き寄せられて、露木君の整った顔が近づいてくる。
「っ、き、今日は駄目っ、腰痛いし……明日体育だからっ」
そう言って露木君の唇を手で塞げば「えー」と不満そうに唇を尖らせる。
「仕方ないなぁ。あ、そうだ。じゃぁマッサージしてあげるよ」
「は? え?」
「昨夜は無理させちゃったし。お詫びも込めて。痛いんでしょう? 僕、上手いんだ」
名案だとばかりに露木君が満面の笑みを浮かべる。
でもまぁ、マッサージくらいならいい、か?
「う、うん」
妙に嬉しそうな露木君の表情は気になるものの、特に断る理由も無くて俺は頷く。
そう言えば、部屋にマッサージ器が置いてあったのを思い出した。もしかしたらあれを使うのだろうか。
「じゃ、寝室行こうか」
「え、ここでするんじゃないの?」
てっきりリビングでやるのだと思っていた俺は、露木君に腕を引かれながら首を傾げる。
「広い方がいいだろ? ソファは寝転がるには少し狭いよ」
「そっか」
確かにそうだと納得し、促されるまま露木君の部屋へと通された俺は、指示さ
れるがままベッドへと腰掛け――。
「じゃあ、脱ごっか」
「え!? ふ、服脱ぐの!? なんで!?」
露木君の口から出た言葉に思わずそう返せば、露木君はきょとんとした表情で
「え? なんでって、マッサージするからだけど?」と、さも当たり前のように言う。
いや、マッサージって服脱ぐんだっけ?
俺が知らないだけでそれが普通なのか? でも、なんか露木君ちょっとワクワクしてない? いや、気のせいかな?
「ほら、早く脱いで」
急かされるままに上半身の服を脱いでベッドに俯せになる。すると、露木君が近くにあった棚からピンク色のボトルを持って俺の側まで来た。
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