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これって本当にマッサージ!? ②
「それは?」
「ん? あぁ、これはオイルだよ。コレを塗ると血行が良くなってリラックスできるんだ」
目の前でチャプチャプと揺らしながらボトルを開けて、露木君は自分の手の上に出した。 ほんのりバラの香りがするオイルを掌で温めてからゆっくりと背中に触れる。
そのまま優しく解すように押され、オイルのぬめりと、程よい指圧の気持ちよさに思わず「はぁ」と息をつく。
「どう? 気持ちいい?」
「うん、凄く……イイ……」
絶妙な力加減で肩や背中の凝り固まった筋肉が解れていく。思わずうっとりしていると、露木君が「ふふ、可愛い」と耳元で囁いた。
「露木君にマサージしてもらえるなんて、超贅沢じゃない? 本当に上手だね」
「でしょ? まぁ、してあげたいって思うのは、椎名だけなんだけどね。椎名だから気持ちよくなってほしいんだ」
「……っ」
さらりと甘い言葉を囁くから、変に意識してしまいそうになって俺は慌てて枕を引き寄せ顔を埋める。
それを待っていたかのようなタイミングで腰を指圧していた指先が、ズボンのホックにかかり、思わずピクリと肩が跳ねた。
「露木君……っ」
「ん?」
「な、何して……」
「え、腰痛いんだろ? ズボンの上からじゃマッサージしきれない所があるかもしれないから、脱がせようと思って」
露木君はさも当たり前のようにそう言いながら、俺のズボンのホックを外し、ジジッとファスナーを下ろしていく。
「ズ、ズ、ズボンは脱がなくても良くない?」
「駄目だよ。ちゃんと解してあげないと」
有無を言わさぬ口調でそう言いながら鮮やかな手つきでズボンを剥ぎ取られ、オイルを足した手の平が太腿に直に触れた。
「ひぁっ」
思わず変な声が出てしまい、慌てて枕に顔を押し付ける。
「ん、どうかした?」
「な、なんでもない……」
露木君の声には笑いが滲んでいる。コレ、絶対わかってやってるだろ! 恥ずかしくて顔を上げられない俺の様子に気を良くしたのか、露木君は首筋に唇を寄せながら、マッサージを再開させた。
太腿の筋に沿ってゆっくりと這いずるオイルで濡れた指先の感触に、背筋がぞくぞくする。
「っ、ふ、ぁ……」
際どい所を指が掠める度、変な声が出てしまいそうで俺は必死に枕にしがみついた。
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