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これって本当にマッサージ!? ⑤
露木君の寂し気な背中が、なんだかとても小さく感じて、俺は慌てて身を起こし露木君の服の裾をぎゅっと掴んだ。
「……、露木君……っあの……っ」
「気にしなくていいよ。調子に乗り過ぎた僕がいけなかったんだから」
「違……っ、俺、嫌だったわけじゃなくて……っその……っ」
俺は一体なにを言おうとしているのか。自分でもよくわからないけど、こんな状態を望んでいたわけじゃない。
上手く自分の気持ちを言葉に出来なくて口籠った俺の気配を感じ取ったのか、露木君が小さく笑ったような気がした。
でも、全然顔を見せてくれなくて、気まずい空気が辺りを支配していく。
「取り敢えず、お風呂に入って来なよ。オイルでベタベタして気持ち悪いだろう?」
「あ、うん……」
それは確かにそう、なんだけど……。なんとなく、露木君の背中が俺との会話を拒否したがっているような気がして、それ以上何も言えなくなった。
露木君の気持ちが、よくわかんない。でも、露木君が俺の嫌がる事はしたくない、って言ってくれた気持ちは凄く嬉しかったから。
「取り敢えず、お風呂行ってくる」
相変わらず丸くなったままの背中にそう声を掛けたけど、やはり返事は無くて。ほんの少し寂しい気持ちを抱えたまま仕方なく、部屋を後にした。
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