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真夜中の××× ③

「それはそうなんだけど。僕はキミと一緒に一つの物を作りあげたいんだ。その方がより臨場感あふれるものが出来ると思うし、僕だけじゃ出来ないことも、もしかしたら環が力を貸してくれるのなら何か思いつくかもしれないだろ?」 さくりと、露木君の指が髪を梳く。頭を撫でるみたいにして髪を指で梳かれるのが、うっとりする程気持ち良くて目を細めると、露木君はふわりと笑った。 その笑顔がなんだか……何だろうな。凄く優しい顔で。 なんか、胸の奥がきゅってなる。 露木君が俺を頼ってくれるのはすごく嬉しいし、力になれるならなりたい。 「わかった。いいよ」 「ホント? ありがとう」 心底嬉しそうな表情でぎゅっと抱きしめられて、胸の奥から愛おしさが込み上げてくる。 そろそろと広い背中に腕を回して抱きしめ返すと、ますます強い力で抱いてくれるのが嬉しい。 「じゃぁ早速だけど、どれがいいか選んでくれる?」 「ん? 選ぶ?」 そう言って露木君は、ベッドの脇に無造作に置いてあった紙袋の中から、いくつかの箱を取り出した。 「なに、これ?」 筆箱より少し大きい位の箱が1つとその半分くらいの大きさの箱が2つ。パッケージには、如何わしい言葉の羅列が並んでる。 って、これって……っ! え、まさか? これって……っ!? 思わず、露木君の顔を見上げると、表情の読めない顔でにこにこと笑っていた。 え、いや、でも、え? これって、もしかしなくても……。 アダルトビデオとかでよく見る……っ、所謂、大人の玩具ってやつ……っ! 「最近マンネリ気味だったから、ちょっと趣向を変えようと思ってさ」 露木君はそう言いながら、未開封のパッケージを開けて俺の目の前に一つ一つ並べていく。 ピンク色したたまご型の物とか、どうみてもアレな形をしてるやつとか。 AVでしか見たことが無かった物体が今、目の前に――。 これを、俺に選べって? 確かにちょっとエッチな囁きシリーズって言うコンテンツがあるのは知ってる。言葉巧みにベッドに誘うとか、そう言うの。 露木君のセクシーで腰にクるセクシーな声と言葉で誘われて、ベッドに押し倒されて、あんな所やこんな所を触られて、いやらしい事言われて。 いつもと違って、何だか意地悪な言葉に何度ドキドキさせられたかわからない。 でも、まさか……。コレを俺が選ぶの?   一瞬、羞恥プレイを想像してしまい、ボンッと顔が熱くなる。

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