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真実は ③
引き合うみたいに、二人同時に唇を寄せ合った。
「ん……っ」
軽く触れ合わせるだけのキス。でも、それだけでも十分幸せで。
「ねぇ、環」
「なに?」
「キミが思ってる以上に僕は環の事が好きなんだ。わかっていないみたいだから、もう一度教えてあげる」
「っ、んっ……ぅ」
どういう意味? と、聞き返す前にもう一度キスをされる。今度のキスはさっきみたいな触れるだけのじゃない。唇を舌で舐められて、驚いて開いた唇からぬるりと舌が入り込んでくるのを招き入れるように絡ませる。
「んっ……っ、ふ……ぁっ」
顎をしっかりと固定され、首を動かすことも出来ないまましっとりと唇を吸われて、舌を絡めとられ、歯列を丁寧になぞられゾクゾクするような甘い痺れにも似た感覚が全身に広がっていく。
「はっ……ん、……ぁ……んっ」
求められるまま、貪るようにキスを交わし合う。露木君の巧みな舌遣いに翻弄され、カクリと膝が笑って立っていられなくなった俺の腰を、露木君が抱き留める様に支えてくれる。
「ふふ、可愛い」
名残惜しむように下唇を吸われて、俺は腰が砕けてズルズルとその場に座り込んでしまった。
「はっ……は、ぁ……もぉ、露木君……」
「こんなキスで腰が抜けちゃうなんて」
クスクスと笑う露木君に、顔が赤くなる。
そりゃ、確かに気持ちいいけど、でも、露木君が上手すぎるんだ。
「だって……っ、あんなキスされたら……っ誰だって……っ」
「ふふっ、環が感じやすいだけじゃない?」
露木君が、俺の前にしゃがみ込み、視線を合わせて微笑む。
「ね、ベッド行こ?」
露木君の申し出に、俺はコクリと頷いた。
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