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食べ終わったその後は ③

脱衣所でシャツを脱ぎ、露木君の後を追って浴室に入る。 露木君の裸なんてもう何度も見てるけど、申し訳程度のタオルを腰に巻いて、浴室の椅子に腰かけた後ろ姿は、何かもう色々とやばかった。 無駄のない均整の取れた体。男らしくて、でも何処か色気を感じさせるその背中やうなじ。なんだか凄く、えっちだ。 昨日もその前も、この身体に俺は……。 「……っ」 思わず、ごくっと喉が鳴って、俺は慌てて頭を振る。 だめだめ! 何考えてんだ俺!! 今はそんな事を考えてる場合じゃ……っ! 「環? どうかした?」 「ふあっ、な、何でもないっ!!」 「?」 不思議そうな顔で首を傾げる露木君に動揺を知られたくなくて、咄嗟にシャワーをつかむと勢いよくコックを捻って、お湯を露木君の頭に回しかけた。 「じ、じゃあ、洗うから」 「よろしく」 露木君が小さく頷いてくれたのを確認してからシャンプーを手の平で泡立てる。そして、それを髪に絡ませながら優しく丁寧に洗っていく。 「かゆい所があったら言って」 「うん、大丈夫。環の手、気持ちいいよ」 「……っ 」 心地よさそうに目を閉じて、露木君がポツリと呟く。そのあまりにも甘ったるい声音に俺の心臓がドキドキと煩く騒ぎ始める。 「そっか、それなら良かった!」 動揺している事を悟られたくなくて、わざとぶっきらぼうにそう言うと露木君が小さく笑う気配がした。 露木君の髪、柔らかくてさらさらしてて、手触りが凄くいい。俺は露木君の髪に指を通して、その感触を楽しみながら丁寧に洗っていく。 「露木君の髪、好きだな……」 「え?」 思わずポロリと口から零れてしまった言葉に、俺は慌てて口を噤む。 「あ、いや! その……っ」 「髪だけ?」 「へ?」 露木君はそう言って、肩越しに俺を振り返ると悪戯っぽく笑った。 その表情にドキッとして思わず言葉を詰まらせる。そんな俺の様子を楽しむように、露木君は言葉を続けた。 「僕は環の全部が好きだよ」 「……っ!」 そう言いながら露木君は俺の手を掴み、自分の口元へと引き寄せる。そして指の付け根にそっと口付けるとそのまま唇を滑らせて俺の手首にもキスをした。

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