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協力するよ ⑤

「そんな風に思ってくれてたんだ」 「知らなかった? 僕はずっと伝えてきたつもりだったんだけどな」 そっと頬に手が触れる。視線が絡んで、自然と引きあうみたいに唇が重なった。啄むようなキスは徐々に深さを増して、俺の小さな吐息と露木君の甘い吐息が混ざり合う。 「俺に何が出来るかわからないけど、露木君の為に出来る事なら何でもするから。だから、その……」 「うん?」 「もう、一人で抱え込まないで」 「環……」 俺はもっと露木君に頼られたい。少しでもいいから、負担を分けて欲しい。そう思って告げた言葉は、何だか酷く子供っぽくて、照れ臭くて思わず視線を逸らす。でもすぐに顎を掴まれて正面に戻された。 「ははっ、なんだかプロポーズみたいだね」 「っ! な、何言ってるんだよ!」 はにかんだように笑う露木君はいつもの調子を取り戻したようだった。その事に安堵するのと同時に、じわじわと頬が熱くなってくる。 「でも、凄く嬉しかった」 視線を逸らしたいのに許して貰えず、コツンと額が合わさった。 「ありがとう」 そう言って微笑んだ露木君の表情は、蕩けるんじゃないかってくらいに甘くて、ドキンと胸が高鳴る。 やばい。俺はやっぱり、この顔が好きだ。顔だけじゃない、声も、性格も。 全部ひっくるめて露木君が好きだって再認識する。 でも、それを言葉にするのはやっぱり恥ずかしくて、今にも口から飛び出してきそうな心臓を抑え込むように、俺は露木君の首に腕を回してぎゅっと抱き付いた。 「お、俺……っ、露木君の事、ちゃんと好きだから」 「環……。うん、知ってる」 どちらかともなく笑い合って、自然と唇が重なる。触れるだけのキスはくすぐったくて、でも凄く幸せで。 砂糖菓子みたいに甘い時間が、いつまでも続いて欲しいと願わずにはいられなかった。

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