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初めての…… ④
「じ、じゃぁ露木君が先に入りなよっ!」
「……何言ってるのさ。一緒に入るに決まってるじゃないか。それに、環の裸なんてもう何度も見てるよ」
さも当たり前のように言われて思わず絶句する。いや、まぁ……確かに、そうなんだけど! でも、場所が場所なだけに、なんか恥ずかしいというか……。
何も言えずに俯いた俺を見て、露木君は悪戯っぽく笑うとおもむろにシャツのボタンを外し出した。
そのままゆっくりと脱いでいき、均整の取れた肉体を惜しげもなく俺の目前に晒していく。
目のやり場に困って視線を彷徨わせる俺に気付いたのか、露木君はクツクツと喉の奥で笑いながら肩を小刻みに揺らして見せた。
「わ、笑う事無いじゃ無いか!」
「ごめんごめん。あまりにも環が可愛い反応するから。……でも、安心しなよ。今の所何もするつもりは無いから」
「へっ!? な、何言って……」
「僕の手、まだ完治してないし。そう言う約束だったろ?」
言いながら雨で濡れた包帯をシュルシュルと解いていく。
この間篠田達の所為で怪我したその手は、まだ腫れが引いていないようで、少し赤みを帯びている。
確かに、あの日から露木君とそう言う事はしてない。
律儀に手が治るまでって決めた約束を守ってくれて、敢えてそう言う雰囲気にならないようにしてくれてるのはわかってた。
でも、そっか……しないんだ。
「まぁ、環がどうしてもシたいって言うなら、話は別だけどね」
「な……っ!」
俺の思考を読んだのかと言わんばかりのタイミングで露木君はさらりとそう言うと、シャツを床に落としてズボンのベルトに手をかけた。
カチャカチャと金具が擦れる音がやけに大きく響いて、思わずゴクリと喉が鳴る。
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