214 / 215

初めての……8

「んぅ……は……っ」 狭い浴室に反響する自分の甘ったるい声が恥ずかしくて、俺はギュッと目を閉じた。視覚を塞いだ事で他の感覚が研ぎ澄まされて、咥内の粘膜を強く擦り上げられる度にじわっと染みるような快感が広がっていく。 「っ、……は……ぁ」 飲み込みきれない唾液が唇の端から溢れ出て顎を伝い落ちていった。それを追うように露木君の舌が首筋を舐め上げ、鎖骨へと移動していく。 「……っ」 肌を吸い上げられる小さな痛みにさえ敏感に反応してしまい、身体の芯がじんと痺れた。露木君の唇が触れた所から甘く疼きにも似た熱が広がっていく。いつの間にか露木君の腰に巻いていたタオルが落ちていて、露になった露木君のものが視界に飛び込んでくる。それは既に硬く張り詰めていて、思わず息を飲んだ。 露木君は俺の視線に気付いたのか、小さく苦笑すると力の入らなくなった俺の腰を引き寄せ、自分のものと密着させた。 「っ!?」 ゴリッと硬いものが押し付けられて、腰が跳ねる。それと同時に下腹部に甘い痺れが走った。 露木君はそのまま俺の腰を押し付けるようにしながら前後に揺らす。その動きに合わせて互いのものが擦れ合い、直接的な刺激が与えられた事で一気に体温が上がった気がした。 「あっ……や……」 思わず声が出てしまい慌てて口を塞ごうとするけど、その手を捕まえられてしまう。露木君は熱っぽい眼差しで俺を見つめてきたかと思うと、耳元に唇を寄せてきた。 「声、聞かせて」 低く掠れた声にゾクッとして、俺は小さく首を横に振る。 「……っ、だめ……」 「なんで?」 「なんで、って……っ」 恥ずかしいからに決まってるだろ! と心の中で叫ぶけど、言葉にする事は出来なくて、俺はただ俯くしかなかった。そんな俺の反応を楽しむように、露木君は意地の悪い笑みを浮かべて耳朶を食んでくる。 「ん……っ」 思わず漏れた吐息に気を良くしたのか、露木君はそのまま耳の中に舌を入れてきた。ピチャリと濡れた音が直接脳に響くような感覚に背筋が粟立つ。

ともだちにシェアしよう!