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直接対決
翌朝目を覚ますと既に昼近くになっていた。
「うわぁ……。やっちゃったなぁ……」
カーテンから洩れる眩い光に目を細めながらゆっくりと身体を起こすと腰に鈍い痛みが走った。思わず昨夜の事を思い出して頭を抱えたくなる。
結局あの後、何回したのか覚えてない。途中から意識が飛んでしまったけど、多分3回4回どころじゃないと思う。我ながらよく体力が持ったなと感心してしまうくらいだ。
「はぁ……」
小さく溜息を漏らすと隣でもぞもぞと動く気配を感じてそちらに視線を向ける。そこには気持ちよさそうに寝息を立てる露木君の姿があった。
「たく、幸せそうな顔しちゃってさぁ」
無防備に眠っている彼を見ていると自然と笑みが零れてくる。普段は大人びた雰囲気があるけど寝顔はどこかあどけなくて可愛い。
「本当、綺麗な顔してるよなぁ」
露木君の顔を眺めながらしみじみと思う。こんなイケメンが自分なんかに夢中になってるなんて未だに信じられないくらいだ。
ニヤケそうになる顏を抑えつつ指先でそっと頬に触れてみた。すべすべとした肌触りが心地良くて何度も撫でてしまう。
「ん、う……」
くすぐったかったのか露木君は小さく身動ぎしたかと思うとゆっくりと瞼を開いた。ぼんやりと焦点の定まらない目が何度か瞬きを繰り返すうちに徐々に覚醒していくのがわかる。
「おはよう、環」
「おはよ……ってもう昼過ぎだけどね」
苦笑しながら答えると露木君も同じように苦笑した。そして俺の腰に手を回して抱き寄せてくるから、そのまま彼の腕の中に収まる形になってしまう。
「ちょ、露木君……っ」
慌てて離れようとするけど力で敵うはずもなくて結局そのまま抱きしめられてしまった。
「んー、まだ眠い……。もうちょっとこのままでいさせて」
露木君は寝ぼけているのか甘えたような声でそう言うと俺の肩に頭を乗せてくる。まるで大きな子供みたいで思わず笑ってしまった。
こういうまったりとした時間を過ごすのも悪くないかもしれない。まぁ、でも流石にそろそろ起き上がらないとまずいよなと思いつつ、この時間が終わってしまうのが惜しくて結局何も言えなかった。
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