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直接対決【露木SIDE】

【露木君SIDE】 駅前のカフェにいる。藤丸から、環がイケメンと出て行ったと連絡を受けてからしばらくして、届いたメッセージにはその一言だけ書かれていた。 慌てて学校を飛び出し、急いでカフェに向かう。 ここ最近、学校では女子達に邪魔されて環とろくに話せていない。今まで人を空気扱いしていたのに、この変わり身の早さは一体何なんだ。 若干イライラを募らせていた所に、環から送られてきたメッセージがこれだ。 嫌な予感しかしない。カフェに向かう足取りも自然と早くなる。 駅前の大通りに面したお洒落なカフェに辿り着くと、オープンテラスの比較的わかりやすい場所に環は座っていた。 外は今にも雨が降り出しそうなほど薄暗く、どんよりとした分厚い雲が空を覆い尽くしている。 そんな日にわざわざ店内じゃなく、テラスを選ぶなんて……と、一瞬疑問に思ったがすぐにその答えを知る事となる。 「っ」 俺は思わず息を飲んだ。てっきり、彼の幼馴染と一緒に居るとばかり思っていた環はテラスの一番端の席に座り、緩く髪を捲いた女性と向かい合って座っていた。 その女性を僕が見間違えるはずなんて無い。 猫撫で声で擦り寄り、そっと環の腕に自分の腕を絡ませる。その仕草はあまりにも自然で、まるで環は自分のものだと言わんばかりだ。 『ごめんね、直人。次こそ私、幸せになるから……そしたら、迎えに来るわね』 遠い記憶にある母は、いつもそう言って新しい男を作っては僕をじいちゃん達に預け出て行ったっきり、迎えに来る事は無かった。 彼女が迎えに来るときは大抵、トラブルを起こして男と別れた時で、それも数日経たないうちにまた出て行っては新しい男を作って出て行く。その繰り返しだ。 両親の代わりをしてくれていたじいちゃん達が亡くなってからもその生活は変わらなくて、電気やガスが止まる事なんてしょっちゅうだった。 家に戻って来るのは年に数回。母親らしいことなんて一度もして貰った事は無い。 今まで見ない振りをしてきたけど……環だけは駄目だ。 彼女に渡したくない。いや、渡さない――! 僕は二人の元へと歩み寄ると、彼女の腕を強引に掴み環から引き離した。

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