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キミと一緒に ⑥

「や、――あっ、だ、め……ぇっ!」 露木君の肩の上で、自分の足先がビクンビクンと戦慄いた。 もう、限界が近い。 「――愛してる」 「――っ!あっ、ぁあ……っ!」 露木君の、濡れ切った低い囁きが引き金だった。俺は身体を弓なりに反らせて、そのまま絶頂を極めた。 頭が真っ白になって何も考えられない。ただただ気持ち良くて、どうにかなってしまいそう。 「環の中、凄……」 俺の中で、露木君のものがドクンと脈打って熱いものが注ぎ込まれる感覚に、ゾワゾワと肌が粟立った。 「はぁ……っ、ぁ……ん……」 うっとりと全身の力が抜けて、ベッドの上に崩れ落ちた。ずるりと中から性器が引き抜かれて、その刺激にすら反応してしまう。 「あ……っ」 「はぁ……っ、環……」 露木君は俺をぎゅううっと抱き締めて、ちゅっと耳元にキスをしてきた。 その優しい仕草にドキドキする。 「な、なに?」 「ん? いや、可愛いなって思って。すっごく気持ち良かったよ」 露木君が俺の頭をよしよしと撫でる。その手つきが心地良くて、思わず目を細めた。 「俺も、気持ち良かった……」 素直にそう告げると、露木君は嬉しそうに微笑んで俺の頬にキスをした。その仕草があまりにも甘ったるくて、胸がきゅんとなる。 「あの、さ……ずっと考えていたんだけど……」 「ん? なに?」 「僕、配信辞めようと思ってるんだ」 「は……?」 一瞬、何を言われたのかわからなかった。 胸元にピタリとくっついていた露木君が顔を上げて俺の顔を見る。その顔は至って真面目で、冗談を言っているようには見えない。 「な、なんで……? どうして……」 信じられない。もうNaoの声が聞けなくなるなんて。 「今まで母さんのためにやってたんだ。あの人いつ借金作って来るかわからないし。お金でしか繋がっていられない関係なんて虚しいだけだけど、依存していたんだと思う。いつか、本当に僕を愛してくれる日が来るんじゃないかって、期待してたのかも」 「そ、そんな……」 露木君は俺の髪の毛に顔を埋めて、ゆっくりと息を吸い込む。その吐息がくすぐったい。 「だけど、環が僕の目を覚まさせてくれた。母さんが居なくても、環が側に居てさえくれれば、それだけでいいんだって思ったんだ」 「あ……」 まさか、自分がそんな風に思われていたなんて思ってもみなかった。 「でも、辞めちゃう事ないじゃないか。配信やってる理由がお母さんの為だったとしても、Naoには沢山のファンの子がいるわけだし。俺も、配信が見れなくなるのは嫌だ」 お世辞とか建前とかそんなんじゃなく、純粋にそう思った。もう何年も推してたNaoの配信がもう二度と見れなくなるなんて寂しいし、悲しい。 「環は毎日僕の声、聴けるだろう?」 「そうだけどさ……。俺の他にも楽しみにしてる子は沢山いるだろ? 配信する事が嫌いになったとかじゃないなら、そう言う子達の事も少しは考えてあげて欲しいんだ」 俺が、一番のファンで、一番の信者なのだとしても、リスナーの皆を蔑ろにされるのはやっぱり嫌だ。 「うーん……。そっか、環がそう言うのなら、もう少し続けてみようかな」 「ホント!? 良かったぁ」 「でも! 一つだけ、条件がある」 「じょ、条件……?」 露木君の言う条件という言葉に少しばかりドキリとした。 配信を止めない代わりに出す条件って、一体なんだろう? 「そう怖がらないで。簡単な事だから」 そう言いながら微笑む顔は、先程まで俺を抱いていた男と同一人物とは思えない程の爽やかな笑顔だった。そのギャップが怖い。 「な、なに……?」 恐る恐る尋ねると、露木君はクスっと笑って耳元で囁くようにこう言った。 「時期が来るまで、ナイショ」 「はぁ!? なんっだよそれっ! 気になるじゃん!」 「大丈夫、すぐに分かるよ」 パチンとウインクを一つして、露木君はベッドから降りるとリビングへと歩いて行った。

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