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第37話 始球式 そして倭の国で撮影を!
烈は「ゴメン竜ゅー馬………でも本当に……ボクの占いでも………出て来ないのよ………」と苦しい胸の内を吐露した
兵藤は「自分は占えねぇだろ?誰を占ったのよ?」と問い掛けた
「閣下よ、共にドゥバイへ行くのは決定してたから、閣下を占ったのよ!
そしたら何も星は教えてはくれないし………ホロスコープも何も答えてはくれないのよ!
占い総てをやって調べても、答えは同じ
ボク達が行く先は………占いさえ介入させない領域なんだと理解したわ
未知数の未来………それが答えないなら……
こっちも腹を括るしかないじゃない!」
占えない……?
どんな占いでも百発百中な宗右衛門が?
何を占っても……答えが出ないだと!
兵藤は言葉もなかった
そのさきの未来は…………
兵藤は「ドゥバイへは俺も行く!」と言った
「それは無理よ!倭の国からはボクと閣下しか御招待されてないからね!」
だからこそ、ドゥバイから帰国るまでの予定
帰国してからの予定を………全てキャンセルしたのか………
先の詠めない事態に突入したからこそ……
兵藤は「誰も付き添えねぇのか?」と問い掛けた
「そうよ!御招待した者以外は入国すらさせて貰えないわ!」
「それってカラフがやってるのか?」
兵藤は軌道修正を掛けられたカラフが、そんな指示を出したのか?と不思議だった
「そうよ!そう指示を出したのはボクだから!
被害は少しでも少ない方が良い!
被害を受ける者も少ない方が良い!
各国のトップと責任者
御付きの者は近隣諸国の国にて待機させる
それを徹底させなさい!と指示を出した
カラフは命を懸けて死命を完遂したのよ
ならば、ボク達来賓も死命を完遂しなきゃね!」
「俺は神威と毘沙門天と共に近隣国で待機してる!
何かあったら呼べ、そしたら直ぐに駆け付ける!」
「兵藤きゅん………命を懸けのミッションになるわよ?」
「ならばお前の母ちゃんと父ちゃんも呼んで来て、万全に待機しててやるさ!」
「何かもぉね………母ぁさんが兵藤きゅんを曲がらない様に果てを視てるのって………解るかも………」
「烈?」
「本当ににね、凄いわよ!
どんなに高いハードルでも飛び越しちゃう所が凄い!まぁ兵藤きゅん飛べるから、そんな発想になるのね!ボクは飛べないからなぁ………
しかも根っこの部分は………根暗で復讐の為に色んな呪文覚えまくり………一切使う場を逃した奴だから、その違いね!」
烈のボヤきに阿賀屋は大爆笑した!
紫園は「ほら、始球式どうするのさ?
式神呼んで投げさせるの?」と問う
「式神………海を越えると来ないのよ!」
兵藤は「え!嘘!そんな制限あるのかよ?」と叫んだ
「ボクは動かせる式神は数百体以上あるのよ!
でも紙のままで………体に入らないのよ!
きっと大陸違うと来れないのね
あ!紙だから海を飛ぶと湿気って飛べないのかしら?」
真剣に話す烈に何と言って良いのやら?
スーが「擬態化するか?」と謂う
烈は「良いわ、昨夜は良い案が浮かばなくて言っただけよ!そしてムカついたから尻尾を齧っちゃったのよ!ゴメンねスーたん!」と謝る
スーは「傷が痛かったんやろ?」と問い掛けた
烈は少し考えた後に「それもあるわ!思考が熱と痛みで霧散して集中力欠いてたのよ!」と白状する
ヘンリーは「リーダー、今は痛みは?」と問い掛けた
「朝に処置して貰ったから大丈夫よ!
まぁボクはボクなりに投げてみるわよ!」
そう言い烈は笑った
スッキリ吹っ切れた顔だった
RODEOÑとStrong Hiも始球式には【R&R】の横に並びたいと申し出ると
「じゃ、並んでなさいよ!」と笑った
そして始まる始球式
阿賀屋と紫園は野球は好きじゃないからホテルに残る事になった
が、そんな目立つ場には行けない事を知っているからこその発言だった
「兵藤きゅん、この二人が女を連れ込まない様に見張っててね!
で、連れ込んで事を始めようとしたら、握り潰しても構わないから!」
「「おい!烈!!」」
「頼むわね、兵藤きゅん!」
ニッコリ天使のように清らかなに微笑まれ、兵藤は苦笑して
「お前等、大人しくしてろよ!
でねぇと本当に潰すからな!」と告げた
阿賀屋と紫園は首をブンブン振って頷いた
時間になり、烈と竜馬と【R&R】のメンバー、ついでにRODEOÑ Strong Hiと共に球場へと向かう
ホテルのロビーには既に球団関係者が待っていた
「リーダー!今日は本当にありがとうございます!
球団側の意向で週末ではなく、比較的観客数の少ない曜日に変更となりましたから………予定より早くお呼びしてしまい申し訳ないです!」と謝罪の意を込め話す
「此方こそ!無理を一杯聞いてもらったから、此れ位させね貰わなきゃ!」
と仲良く球場へと入って行く
関係者専用通路を通り球場へと向かう
「時間までは控室でお待ち下さい!」と案内し、一番大きな会議室へと通された
そして開始5分前に球場ゲート入り口に移動した
烈はリリーフカーとなる、バイクの横のサイドカーに乗り球場まで行く事になっていた
その後を【R&R】メンバーと竜馬、そしてRODEOÑ Strong Hiが続く事になっていた
球場にRODEOÑとStrong Hiの演奏が流れ始める
観客は歓声を上げて喜んだ
観客席は満員で、始球式の告知と共に売り出したチケットは数分でSOLD・OUTとなった
そんな中、リリーフカーとなるハーレーのバイクのサイドカーに乗り烈が登場
その後ろをメンバー達大人数が姿を現した
球団側のご好意でRODEOÑもStrong Hiも自分の名前の入ったユニフォームを着ていた
【ピッチャー 【R&R】リーダー烈】
とアナウンスがされる
烈の顔が球場のオーロラビジョンに映し出される
この日の為に少しだけメイクをデービッドがしてくれたのだ!
傷が分からなくなる様に……と施してくれたのだった!
メンバーは変装した姿で、素が解らない姿となっていた
最近じゃ手慣れた感じで変装していた
烈の凛々しい顔が映し出されると【リーダー!頑張れ!】と声援が響き渡った
良く見れば首の下から肩に掛けて包帯が見える………怪我をしているのは一目瞭然だった
が、烈は渾身の一投を繰り出した
投げたボールは………ゆっくりだがミットの中に入った
烈は「よし!」と喜んだ
少し手前で落ちそうなボールだったが………何とかミットに吸い込まれ入った
クーの仕業なのは見て取れた
でも烈は喜んでいた
大役を終えれたのだ
烈は帽子を取ると深々と頭を下げた
四方八方にお辞儀をして、感謝の礼を伝える
そしてマスコットと共にマウンドを去り、メンバー達と合流
そして観客に向かって一礼をした後、手を振りグランドを後にした
球場関係者は「ありがとう!凄く良かったよ!
またイベントするなら、うちのグランドを使って下さいね!」と言い戻って行った
烈達は球場を出てホテルへ戻ると、帰り支度を始めた
明日の朝イチで飛行機に乗るのだ!
そして夕方には北海道に到着する
強行軍だが仕方ない!
ホテルに戻ると、久遠が部屋にやって来て、烈の傷の具合を見る
竜馬は手当てが終わるのを待ち
「久遠先生、此れが帰りの飛行機のチケットです!そして此方が帰国するまで泊まるホテルです」
と言い、飛行機のチケットと宿泊ホテルの予約した紙を渡した
烈は「それは部屋に戻ったら紅たんに渡すのよ!
紅たんは仕事で一年位アメリカに住んでた時期あるから、色んな所を見に連れて行って貰うのよ!
あ、お勧めはTCLチャイニーズ・シアター前庭にある手形かしら?」と嗤って謂うと
ヘンリーは「そうそう、それ有名だよね!」と便乗して言う
オリヴァーは「書で彫られた手形………珍し過ぎだもんね!名物になってるよ!」と言う
久遠は「書?【R&R】のがあるのか?
それは紅緒に言い探さねぇとな!」と言う
竜馬は「紅さん知ってるっすから!連れて行って貰うと良いっす!」と謂う
そして治療が終わると兵藤が
「お疲れ久遠、どうだ?新婚生活は?」と問い掛けた
「毎日が楽しいぞ!
患者さんにも揶揄されるけど、それも愛嬌だと思える程にな!」
昔の自分ならば『釣り合わないって言う事だろ!』と卑下していたかも知れない事でも、今の自分ならば笑い飛ばせる余裕があった
竜馬は「それは良かったっす!」と安堵して言う
烈は「紅たん妊娠中だから無理させない様にね!」と気遣い謂う
久遠は「解ってる、ならお前達は気を付けて帰れよ!」と言い久遠は部屋に還って行った
久遠を見送り烈は「外に食べに行きたいけど、始球式の後だからね………凄いのかしら?」と静かに食べられないのは嫌だから謂う
イーサンは「明日、北海道で食べれば良いから、今夜は部屋に運んで貰おう!」と最善策を口にする
【だな!ならそうしよう!】
皆が口を揃えて答えた
烈は母に「始球式無事終わりました!ついでに高嶺にアーネストの持ちマンション貸して貰い引き渡しました!」とラインした
康太は烈のラインに気付き
『お疲れ!そう言えばお前、北海道に行くんだって?』と返信を送った
「プロモ作らなきゃ配信楽曲の購入が出来ないのよ、だからプロモの撮影の為に北海道へ直行で行く事になったのも伝えときたかったのよ!」
『晟雅が泣きながら電話して来たぜ!』
「あ~アレはね先が詠めない運命に飲み込まれたから………ドゥバイ以降の予定は立てられない話をしたからね…………」
『運命が詠めねぇ?誰の?』
「閣下のよ、ボクは自分の運命は占えないわ!」
『………何かの作用が詠まさせねぇのか?』
「解らないけど、そうみたいなのよ!
で、ボクも腹を括らなきゃだから、ドゥバイ以降の予定を白紙にしたのよ!」
『…………プロモ、隼人がめちゃくそ喜んでいやがったぜ!頑張れよ!』
話題を摩り替えたのが解る
母なりの配慮だと想い烈は笑顔のスタンプを送った
部屋に料理を運ばせ食べる
猫達はバーガーが大き過ぎて警戒してか?
ステーキを頼んでいた
無論 ステーキもビックサイズなのだが………
二匹で一つの注文だから、楽勝だと分け合い美味しく食べていた
竜馬は猫に一切れ分けて貰い食べていた
「美味しいやろ?竜馬はん!」
「うん!すげぇ美味しい!
でも一人でこのサイズは死ぬレベルだよ!」
そう言いスーのお口にお返しのサラダを放り込む
「野菜は必要ですねん!」
「だろ?お肉ばかりだとプヨプヨお腹になっちゃうよ!」
「そりゃそうですわ!気をつけんとな!」
笑いながら食べる
阿賀屋は烈のビックサイズのサラダを突っ付き食べていた
ビックサイズのサンドイッチも摘み食べる
時々 烈のお口にステーキを切り放り込む
「ほらよ、貴史も食え!」と切り分けてお口に放り込む
皆で仲良く食べる
烈は紫園にサンドイッチを食べさせ野菜も食べさせていた
「葉っぱ嫌い……」とボヤくと脛を蹴り上げられ睨まれた
「好き嫌いは駄目よシオ君!
そんな食生活してたら、その内プヨプヨで踊る度にお肉たるんたるん揺れるわよ!」
「それは嫌だよぉ〜烈!」
「ならお食べなさい!
ったくお野菜は高いのに、好き嫌いなんて贅沢なのよ!」
「…………お前………何か主婦みたい………」
「何を言うのよ!飛鳥井へ来る皆は買い出しに行くから物価を知っているのよ!
メンバー達も神野達もその時々の物価を体感して、お買い物をするのよ!
其処の蒼佑だって飛鳥井に来れば、手伝いさせられるし買い物だって行かされるのよ!
それで物価だって相場だって知る事になるのよ!」
烈が言うと阿賀屋は「米高いのな………飛鳥井なんか直撃だろ!」と謂う
「だからパンが増え、麺類が増えたのよ!」
「だろうな………10キロで一万超えだもんな!」
阿賀屋が言うと紫園が「えー!米だろ?米が一万超えるのか!」と驚いていた
ヘンリーは「だから御影が台湾のお米を飛鳥井へ送ったりして協力してるんじゃないか!」と謂う
それを聞いたジョージは「なら俺、ジャポニカ米を飛鳥井へ送るわ!」と謂う
ジョージは自分の事務所のスタッフに連絡をして発送先の事を聞かれ
「飛鳥井建設の住所で良い?」と問い掛けた
兵藤は「それは危険だろ?あ、俺の両親んちの住所教えるから其処へ送って貰ってくれ!」と言いタワーマンションの住所をジョージに教えた
烈は「ドゥバイから帰国するまでは誰にも住所は知らせられないからね!」と謂う
竜馬は敢えて「北海道へ行ったら、オホーツク漢の味!並の海鮮丼あるっすかね?」と話題を振った
烈は瞳を輝かせ「海鮮丼!!ボクのエビ!!」と叫んだ
ワイワイ楽しい話に花を咲かせ、アメリカの夜は更けた
翌朝早く、烈達はアメリカを旅立った
そして目指すは北海道!
デルタス航空、北海道直行便に乗り込む前に、クリストファー・オブライエンの友人 ブルーノ・アーキスが姿を現した
「ようこそ【R&R】の皆様、我がデルタス航空をご利用有り難う御座います!
そしてリーダー烈君、始めましてブルーノ・アーキスです!」と歓迎の意を伝え自己紹介した
「初めまして、飛鳥井烈です!
メンバーがお世話になりました!」と礼を述べた
「烈君、君に我が航空会社のCMを正式に依頼したい!俳優は好きに使ってくれて構わない!
どんな協力もお染みません、なのでCMお願いします!」
「ならば一つだけお願いかあります!」
「何ですか?」
「上空から飛行機が飛ぶ姿と、雲の上の映像を撮らせて下さい!」
「雲の上?何故に?」
「飛行機は雲の上を飛ぶじゃない!
それを映像として撮れなきゃどんなCMも一遍通り空の上の旅にしかならないわ!」
「……っ!!!クリスが大切にする理由が解ります!それは私が常日頃から思っていた事です
航空会社のCMなのに、飛行機の座席に座り座り心地の良い旅風にしか映らないのは………悲し過ぎるって……空の上の旅、それを表現出来る人間を探していました!
是非全面協力致しますので、お好きに作って下さい!』
と烈の手を取りブンブン強く握手する
「それも総てはドゥバイから帰国したら考えるわ!」
ブルーノは烈の手を離すと、姿勢を正した
「当日は我等がデルタス航空がドゥバイまで乗せて行きます!」
「有り難う!」と烈はニコッと笑った
その顔は………自分の子よりも幼く見えて………言葉を失った
搭乗のアナウンスが流れると、烈達は飛行機に乗る為に移動を始めた
半日以上時間を掛けて千歳空港へ到着する
空港の外に出ると神威が運転するバスが停まっていた
神威は運転席から顔をだすと
「お〜烈、神野達に旨い酒あると呼ばれたから来たぞ!」と謂う
「北海道は新鮮な魚介類あるからね、お酒も進むわよ!」
と笑ってバスに乗り込んだ
皆がバスに乗ると神野は「お帰り烈!始球式の映像ニュースで見たよ!」と謂う
「晟雅ゃ、アレはね姿消したクーたんがミットに入れてくれたのよ!ボク単体だと手前で落ちてたからね」
「嫌々、始球式に出られるって言うだけで凄いって!」
「そうなの?」
「そうなんだよ!旅館は神威岬近くに空いてるのあったから貸し切ったよ!」
メンバーは【温泉!】と喜んだ
烈は「隼人と頼朝来てる?」と問い掛けた
「あぁ、来てるよ!」
「なら隼人の新曲のプロモも撮っちゃいましょうか!」
「え?隼人の新曲?嘘……」
「竜ゅー馬とね、話しててね
何だかイメージが湧いて作っちゃったのよ!
で、ぶっつけ本番だけど、歌えるわよね?」
「それは隼人に聞かないと………」
「大丈夫よ!ボクの兄さんだもの!
出来ない筈がないのよ!」
兵藤は無理ブリ過ぎるやろ?………と想う
幾らお前の兄でも……ぶっつけ本番は無理やろ………
珍しく烈はバスに乗っても眠らなかった
「短時間で寝ると偏頭痛来るからね!」と竜馬の顔を見て言った
竜馬は「【R&R】のスタッフ来てる?」と問い掛けた
「はい!昨夜から来てるんだよ!俺達は!」
「きょーちゃんや直君とおーちゃんは旅館?」
「そうだよ!」
「楽しみだわ!美味しいの食べさせて貰わなきゃ!」
烈が言うとアーネストとジョージは
「「旅館のお代はどうなってるの?」」と問い掛けた
神野は「隼人と頼朝も歌わせて貰ってるから、旅館のお代は三社共同事務所の方で出したよ!」と謂う
「なら何が何でも隼人の写真集と新曲ね!
ボクは対価がないと仕事する気ないから!」
烈が言うと竜馬は
「なら何が何でも写真集と新曲出さなきゃ!
カメラマンは俺がなるとする!
烈が指示出してくれるなら、撮ってみせるよ!」と謂う
するとオリヴァーが「カメラマンは僕がやるよ!
海を背景に撮れば良いじゃないか!
ヨニー©イギリスが誇るフィルムで撮ってみせますとも!」と謂う
「なら強行軍になるけど、仕方ないね!」
竜馬が言うとメンバーは無言で頷いた
どの道対価がないと動かないのだ………
神野は「何か……スケールデカくなってない?」とボヤく
「アーネストとジョージも隼人にーの写真集に出なさいよ!」
烈が言うとアーネストとジョージは
「「え!良いの!収益は要らないよ!
俺等のプロモの収益も払えないから!」」
と謂う
神野は「それは了承してるよ!【R&R】が出るなら収益やギャラは勘定に入れてないからな!」と笑う
バスは神威岬の傍の旅館の駐車所へ停まった
烈は「コインランドリーに着替え放り込んで乾かさなきゃ、着るのないわよ!」とボヤく
メンバーも「Oh!No!」と頭を抱えた
旅館の中へ入り座敷に通されると、襖が開けられた
其処には…………烈の家族がいた………
「母ぁーさん!父ぉーさん!じぃしゃんと、ばぁしゃん、にーに達!レイたん達!響、奏!隼人にー!そーちゃん!慎一きゅん、一陽たん!!」
康太 榊原 清隆 玲香 瑛太 京香、兄達、レイ達、双子に隼人、聡一郎、、慎一、一陽がいたのだ
一生はまだイギリスだった
烈は走って部屋に入ると、母に抱き着いた
康太は「お帰り烈!」と優しく抱き締めた
榊原は「傷、治ってないんですって?」と久遠に報告され問い掛けた
「父ぉーさん……投球練習してて、血が出たの……」
「義泰先生に手当用のキッドを渡されたので、手当してあげます!」
そう言い榊原は烈の服を脱がせて手当てをした
素早く手当てをして、着替えの入ったバックを烈に手渡す
そしてメンバー達にも飛鳥井に置いておいた着替えを渡した
RODEOÑとStrong Hiには飛鳥井にあった浴衣を手渡した
阿賀屋と紫園には「御館様とその連れの為に着替えを持って来られました!」と慎一は紙袋を手渡した
阿賀屋は「飯食う前に風呂かな?」と着替えを受け取った
翔は「烈は温泉は駄目だよ、後で部屋のお風呂で洗ってあげるね!」と謂う
家族の優しさに触れ………烈は泣きそうだった
が、まだ仕事があるのだ
「隼人にー、RODEOÑとStrong Hiのプロモの撮影の後、新曲をぶっつけ本番で歌って!
そしてプロモまで撮っちゃうから!
写真集に着ける新曲だから心してよ!」
隼人は驚いて「え!RODEOÑとStrong Hiの新曲じゃないのか?」と問い掛けた
「それもあるけど、別撮りで隼人にーの写真集と特典の新曲を撮らないとならないのよ!
勿論 シオ君もRODEOÑもStrong Hiも出させてあげるわよ!
シオ君ち大変そうだから、消えた宗家が出てたらどうするのかしら?」
烈が言うと康太は「知ってたのか?観世音家の御家騒動を?」と問い掛けた
「三年前から知ってるわよ!
で、白馬のイベントで狼煙を上げたから、動き出したのよ!」
「そうか………裏で糸引いてるの知ってるのか?」
「観世音と神取は旧知の仲!
きっと動くと踏んだのは弥勒よ!
弥勒は暇を見つけては海坊主や神取の事を調べていたからね!」
弥勒が…………康太は言葉を無くした
その弥勒、北海道にいたりするのだ
康太達が北海道へ到着すると、空港にいたりしたのだ
「あ~俺は飛行機とか苦手だから、神の道で来たんだよ!烈来るんだろ?」と待ち構えていたのだ
康太は「お前………烈に聞いたのかよ?」と問い掛けた
「嫌、晟雅達と今夜飲みに行こう!と約束してたから三社共同事務所にいたんだよ!
そしたら北海道へ逝かねば!と慌ててたから、何故に?北海道へ?と聞いたんだよ!
そしたら烈と北海道で落ち合うと聞いたから来たんだよ!」
「烈に用なのか?」
「対した用はない!
上手いの食えそうだし、旨い酒ありそうだからな!」と笑う
何とも嗅覚の良い事よ………
で、康太達と共に宿へとやって来たのだった
弥勒は烈を見ると目配せをした
烈は頷いた
その後は美味しい海鮮を榊原と慎一と一陽が吟味して買い付けた、旅館の調理場を借りて料理したのだった
旅館としても料理は提供するが、大人数となると…結構大変な事になる
小鳥遊は持ち込み調理可で予約を取ったから、材料を持ち込み調理したのだった
取り敢えず料理のお金は三社共同事務所が出した
翌日の料理は全員が出し合い、買い出しに行くと決めていた
夜が更けると烈は「竜ゅー馬、落ちない程度の照明で照らしてワンシーン撮る?」と問い掛けた
「………彼等飲みまくってるよ?」
「………なら落ちちゃうわね………本当に情けない!」
「蹴り飛ばす?」
「良いわ、今夜は飲みまくり明日から休む暇なく働かせる事にするわ!
竜ゅー馬、隼人にーに新曲を渡しちゃって!
歌わせて、狂ってたらレイたん飛ぶから!」
烈が言うとレイはニッコリ笑い
「ぼく、とぶゅよ!」と謂う
「レイたん、背が高くなってない?」
「れい、のびのびする!
れつ、もってはこぶゅ!」
「え?ボクを担いで運んでくれるの?
それはとても複雑かも……ボクのレイたん………デカくなりそうだもんね!
あ、大きくなったのは、双子もよね?」
烈が言うと流生が「そうだよ!響と奏の成長は目まぐるしいよ!」と伝える
「もう時期、人の姿になれるわね!
そしたら戸籍用意するから、幼稚舎に通わなきゃ!」
大空が「言葉もね凄いね、一通りの言葉は理解して話せるよ!」と教える
「にーにや、家族が双子を大切にしてくれるからよ!有り難うね、皆!」と感謝の意を口にした
とても暖かで楽しい時間に、皆は上機嫌でお酒も進んだ
榊原は「明日は市場へ買い出しに行きます!
何処か新鮮なの買える市場はないてすかね?」と携帯を開き検索を掛ける
一陽が「この旅館の女将さんに新鮮な魚介類が買える市場はないか?聞いてみました!
積丹市場が大きいみたいです!」と謂う
「なら明日行ってみますかね?」
と、買い出しの話をしてると阿賀屋が
「神威岬って女人禁制じゃなかったっけ?
屋敷の奴が玲香さん達が入れないのは可哀想だから積丹岬に行く様にって言ってたから、皆で買い出しに行きましょう!」と提案する
玲香は「それはよいわいな!」と喜んでいた
兵藤は「何で今回は美緒は来なかったのよ?」と問い掛けた
榊原が「選挙間近の政治家、呼べませんよ!
御夫婦で地元入りして、選挙対策をしてますよ!」と謂う
「え?選挙?嘘…………この前あったんじゃねぇのかよ?」
兵藤の呟きに烈が
「この前あったのは総裁選ね!」と謂う
「え?なんか選挙に行かなかったか?」
「それは地方選挙でしょ?」
「あ~、選挙多くね?」
「仕方ないわよ、重なる時は一度に選挙の告示が貼られる時あるけど、それ以外はちまちまって感じよ!」
それで良くもまぁ政治屋になろうとだなんて………と烈はあきれていた
阿賀屋は「今回は獅童も不参加だからな………」と少し寂しそうに謂う
「獅童の所も禊は終わっても、家の中での緑道の教育が始まったばかりだから、次代の者達の禊はまだ終えれてないから飲みに行くなんて張り飛ばされるわよ!」
「なんか面倒くせぇよな家って…………」
「まぁそれなりの家にはそれなりの家訓やルールはあるから仕方ないのよ!」
「家って…………」
格式張って掟や理や規則で縛り付けようとするのは戴けねぇよな………と想う
阿賀屋は飛鳥井の家族に目を向ける
清隆や瑛太、玲香に京香は幸せそうに飲んでいた
本当に宴会が好きな家族だなって想う
年の大きい子は、下の者の面倒をよく見る
血縁や縛りなど感じられず、皆でちいさい子の面倒を見る
太陽はやはり服を脱ぐ凛の世話を焼く
「お腹冷えたら下痢しちゃうよ!
この前ピーピーで寝込んだじゃない!」と怒る
そしてデービッドに「脱ぎたくなくなる程通気性のある服、編み出してよ!」と訴える
デービッドは「それやと繊維から拘らんとな!」と唸る
大空は、双子のお口にフルーツを小さく切って食べさせていた
双子は美味しそうに食べて………うとうと眠りに着に落ちた
すると最近は籠ではなく、お座布の上に寝させて布団を被せる
そんな優しくも他愛もない日常の中へ戻ったのだと、家族を見て想う
烈も早々に目を擦り、眠そうにしていたから、翔は烈を子供達が使う部屋へ連れて行き寝させた
凛 椋 レイも双子もお布団に入り眠る
竜馬もその横にお布団を引っ付け眠る事にした
明日はロケだ!
沢山眠り、沢山楽しんて撮影しなきゃ!
清隆と瑛太は久しぶりの宴会に嬉しそうに飲んていた
神威も楽しい宴会についつい酒が進む
何時までも宴会場では楽しい笑い声が響いていた
翌朝 早く烈は竜馬と神威岬まで来ていた
ロケの段取りと、撮影の構想を話し合う
「RODEOÑとStrong Hiのプロモは何処らへんで撮る気なのさリーダー?」
「曲名変えて【果てしなき想い】にしたから……
だから楽器運んて歌わせたいけど、風が強すぎなのよね………
楽器別撮りはしたくないし、ボーカル単体なんて………論外よね?」
「楽器は必要だよ、だってアーネストだけで良いならRODEOÑは成り立たないし
ジョージだけで良いならStrong Hiも成り立たないからね!」
「そーよね、スタッフに調整させて用意させるしかないわね!
RODEOÑとStrong Hiのスタッフも倭の国へ来てるんだよね?」
「プロモに事務所ノータッチって訳にいかないからね、来てると想うよ!
この近くのホテルに宿取ってるって聞いてるよ!」
「なら楽器は事務所のスタッフに運ばせる事にして、どの角度から撮るか?よね?」
「そうだね、足場悪いし、撮影角度と位置は考えないとならないね!」
「なら先に何処に位置取りするか決めないとね!」
「了解っす!朝を食べ終わったら始めるっす!」
そう言い二人は旅館に戻ると、朝食を食べた
そして食べ終えると!緑茶を啜り一息付いた
竜馬は「リーダーと下見して来たっす!
位置的なモノがあるからRODEOÑとStrong Hiの事務所のスタッフ呼んで貰えるかな?」と謂う
アーネストとジョージは倭の国に待機してるスタッフに連絡を取り呼び出した
テーブルを片付けると、烈はPCを開きメンバーと話をする
メンバーは撮影場所を見せられ、位置取りの意味を痛感した
デービッドは「下手したらお陀仏ですわ!」とボヤく
烈は「しかも風が強いのよね………晟雅ゃーロケの許可は神威岬で取っちゃったのよね?」と問い掛けた
ロケの前には事前に自治体と警察署に許可取りをせねばならないのだ
神野は「神威岬で許可取りしたよ………なぁ小鳥遊?」と問い掛けた
小鳥遊は「はい!全ての手配は僕がやりましたけど?不具合出ましたか?」と問い掛けた
「小鳥遊、風が強いのよ
楽器をどうするか?朝見て来て………困ったのよね………」
「そんなに強いのですか?」
竜馬は「あまりにも強いと閉鎖されるとの事です!」 と話す
「え!!困りましたね………それは………」と言葉を無くした
神威が「心配するな!多少の風ならば、何とかしてやる!」と笑って言う
康太は素戔鳴尊は天候さえ操る力が在った
コイツも父親と同じ天候を操れる力があるのか……と想った
まぁ親子だから相伝して当たり前なのだが………
協力してくれてるレコード会社から楽器の手配をして貰いセッティングする
隼人は新曲を口ずさんでいた
烈はその歌を聴いて「高音の所、少し不安定になるのよね………高音はシオ君に出させて声を合わせてみて!」と的確に指示を出す
隼人は「了解なのだ!紫園、オレ様の声と合わせるのだ!」と言い紫園を強引に歌わせハモる
隼人の声と紫園の声が合わさると、不安定な高音をカヴァー出来て、歌が安定する
竜馬は「リーダー、何パターン位撮影するのさ!」と問い掛ける
「此処での撮影は朝の風景と共に、そして夕刻から夜に掛けてのツーパターン撮るわよ!
だから今夜は撮影終わるまでお酒は禁止よ!
で、隼人にーは昼に撮るわ!
強行軍だけど、皆で乗り切りましょうね!」
烈が言うと隼人は「オレ様は衣装がないのだ!そして海パンもないのだ!」とボヤく
小鳥遊が「大丈夫だよ!隼人!烈が『隼人の写真撮りだめするから衣装は忘れないでね!』とアメリカにいる間にラインくれたから、持って来てるから!」と謂う
早速朝を食べRODEOÑとStrong Hiの新曲のプロモの撮影を始めた
蒼い空 蒼い海
境界線が解らない程に透き通る蒼の中、楽器の前に座る
そしてボーカルや隼人と早瀬はマイクの前に立つ
烈はそんな彼等に
「一発撮りでお願いします!」と謂う
「貴方の想いは何処へ飛びしたいの?
誰を想うの?何を想うの?
誰の幸せを願うの?
そして誰の為に歌うの?
それら総てを込めて奏でて歌うのよ!」
烈の言葉が終わると竜馬が「スタート!」と撮影をスタートさせた
アーネストの掠れた声に、ジョージの声が重なる
そして隼人と早瀬が想いを込めて歌う
小鳥遊と神野は鳥肌が立つ程に………圧倒された歌唱力にただ見守るしか出来なかった
撮影は一発本番撮りOKとなり、皆は息を吐き出した
「隼人にー、新曲歌いなよ!」
「え?今??」
「そう、別のカメラでオリヴァーが撮ってくれるわ!」
烈はそう言うと竜馬が楽譜をRODEOÑとStrong Hiに渡した
音鳴らしをして、音を揃える
隼人も紫園と声を揃えて、音に慣れ歌う
オリヴァーは「では、本番行くね!」と謂うと
隼人は歌い出した
コーラスが必要そうな部分はアーネストとジョージと早瀬の声が良いコーラスを入れてくれる
竜馬には別に曲の収録もさせた
写真集に出す写真と共に流す為だ
収録は、昼前には総て終わった
残すは夜の撮影のみとなる
その合間に昼を食べ、海へと繰り出す
まだ肌寒い海だけど、仲のいい友達と波と戯れ笑っていた
早瀬が歌うと皆も歌い出し、紫園の高音に皆が其々の音程を合わせて歌い出す
本当に歌が好きなんだと思える光景が其処に在った
竜馬からの【スタート】が掛からないから、隼人達はリラックスして話したり歌ったりしていた
「小鳥遊、着替えさせて!
此れから場所を変えたいのよ!
楽器は夜まで見張り番置いて、行くわよ!」
と謂う
小鳥遊は一旦旅館に戻り、隼人に着替えさせるついでに、RODEOÑのメンバーやStrong Hiのメンバーも着替えさせ、早瀬も紫園君も着替えさせた
この日の為に衣装となる服を、揃えて小鳥遊はチョイスして持って来ていたのだった
街中へ出たらパニックになるから、体育館を借りてバスケをやったり、学生気分に戻り笑って遊ぶ
そんな様々な映像を収め
「ラストはやっぱ、いい具合に夕陽も出てるし歌っちゃって!
本当は海にはいる姿撮りたかったけど………寒いものね………」
と身を震わせて謂う
竜馬は「今海の中は自殺行為だよ!烈!」と止めた
「海は捨てがたがったけどね!」
残念そうに謂う
竜馬は「リーダー!ピアノ運ばせたよ!」と急かした
「なら弾くしかないじゃない!」
隼人は一人 神威岬の尖端に立つと、烈と竜馬はピアノの前に座った
紫園は烈の横に立ち、サポートに徹する
ピアノの演奏が始まると、隼人は歌い始めた
紫園は高音以外はハーモニーを入れ盛り上げていた
とても静かな優しいピアノの音色に、隼人の声が重なり歌になる
オリヴァーは感激しまくり撮影をしていた
「凄いよリーダー!満足な撮影だよ!」
と、まだ撮影は残ってるのに………感激しまくりだった
そしてそのままRODEOÑとStrong Hiの新曲も撮影に入り、スッカリ漆黒に染まる頃
ロケは終了した
烈の「此れにてRODEOÑ Strong Hiの新曲のプロモ、一条隼人の新曲のプロモの撮影は終了となります!」と大きく叫ぶ様に謂うと歓声が上がった
RODEOÑとStrong Hiのスタッフが楽器をトラックに乗せて、撤収を始めた
【R&R】のスタッフも機材を片付け撤収を始める
総て撤収して、ゴミなど落ちてないか確認して、旅館に戻ると午後9時半は過ぎていた
榊原は「お疲れ様、烈!」と言い我が子に労いの声を掛けて迎える
兄達は烈が着替えて、手洗い嗽して来てる間に料理を小皿に取り分けて食べれる様にしてやった
康太は「神威もお疲れ様!ささっ、好きなだけ飲んてくれ!明日の昼には帰るけど、帰ったら飛鳥井で飲んで行ってくれ!」と労いの声を掛ける
強風を神威が抑えてなきゃ撮影は不可能たったろう………
神威は旨い酒と旨い料理を食べつつ満足そうに笑っていた
竜馬は「リーダー、ドゥバイへ行くまでに少しあるから、プロモの監修やるっすか?」と問い掛ける
烈は「そうね、横浜に帰ったら監修しつつ皆で【R&R】此処に在り!って映像に仕上げなきゃね!」とハムスターみたいにホッペ一杯に頬張りながら謂う
オリヴァーは「海の中………ヨニーの技術力を結集したレンズで撮りたかったのに!」と残念がった
「オリヴァー、海の中なら沖縄辺りで、おなごでも集めて水着の撮影しちゃえば?」
「え!誰?ピチピチの子?」
「オリヴァー、それって………ばぁたん論外なのかしら?」
烈が謂うとヘンリーが
「兄さん!それ自殺行為だってば!
真矢の耳に入れば、確実に蹴り飛ばされるってば!」と止める
「オリヴァー、海の中も良いけど、空の上って言うか、雲の上の映像が先よ!
この先の仕事は入れちゃ駄目よ!
ボクが納得する空の上の映像を撮れないなら、CMは失敗に終わるしかないからね!」
「解ってるよ!リーダー!
ヨニーが誇るレンズで空の上も美しく撮ってみせるよ!
その前に僕はイギリスに帰り、本当に空の上でも美しく映せるレンズなのか?精査してみるよ!
失敗出来ないからね!」
「そーよ!人は空を飛べる事に憧れを抱くモノなのよ!でもね、空の上を知る者なんて一握りよ
しかも雲の上を飛行機が飛んでる姿なんて見えないじゃない!
飛行機で旅行する、それは空の上の旅となるのよ
まぁボクは直ぐに寝ちゃうけどね………
でも窓から外を見てる人がいるように、空の旅を楽しみたい人もいるんだからね!」
「光の屈折で雲の中の水蒸気を………」うんたらかんたら………とオリヴァーの長い蘊蓄が始まる
「オリヴァーが磨きを掛けて作るレンズなら、最高級の空の上の旅、楽しめそうね!」
ニコッと笑って言われれば、オリヴァーは
「絶対に我が社の研究室を上げて作ってみせるよ!」と約束した
竜馬は「本当に人誑しなんたから!」とボヤいた
「母ぁーさんGWは沖縄でも行きましょうか!」
「沖縄かぁ………大移動だぞ………」
「だから何班かに分かれて沖縄いりするのよ
そして海辺のコテージ貸し切りバーベキューすれば良いのよ!」
榊原は「それは良いですね!」と楽しげに言う
「父ぉーさんはホテルで新婚すれば良いわ!」
「烈!!」
もぉ乗り気になるしかない!榊原だった
「で、ボクはセコいケチだから、新人発掘して、良さげなのを集めて写真集撮るならアドバイスするわよ!
三社共同で写真集出せば?」
烈が言うと柘植は真面目な顔をして
「それも烈に相談しようと思っていたんだよ!
オーデションを開きたいんだよ!
やはり事務所に新しい風を吹き込みたいから、新人発掘は欠かせないと想ってね!
【R&R】で参加して欲しいけど、無理そうなら烈だけでも出てくれないかな?」と話す
「沖縄 大阪 東京 北海道 4大都市大会と称してやる気なのよね?」
「え?言いましたか?」
「聞いてないわ!
でもやるなら其処まで規模でやるのが得策!
最終オーデションは東京で、視聴者側の投票を込みでなら何とか視聴率叩けるかしら?
昨今 オーデション番組も鳴りを潜めて、パッとしないからね!」
神野 須賀 柘植 相賀は両手を上げて降参した
竜馬は「え?何なんですか?」と叫んだ
相賀は「その話をしようとしていたら、スケジュールを白紙にされると言ったから………言い出せなかったんだよ!」と苦しい胸の内を吐露した
烈は「今はスケジュール立てるのは無理なの!
それだけの予測も付かない国へ行きお仕事を仕上げて来ないとならないからね!
でも帰国して予測が立てられ状況になったら、すぐに声掛けるわよ!」と少し仕事が忙しいのよね………程度に言われ神野達はそれに乗る事にした
神野は「なら俺と小鳥遊の夏のボーナス投入して、GWじゃなく烈達の夏休みに合わせてスケジュールの予定入れとくとするわ!」と嗤って謂うと須賀も柘植も「「え〜!その中に私達も入れて下さいよ!」」と声を揃えて言った
相賀は「烈、儂だって出せる!」と謂う
烈は笑って「何か凄く嬉しいわ!なら何としてでも還らないとね!
そしたら予定立てましょうね!
おーちゃんは美味しいの皆に食べさせる協力してよ!」と謂う
「あぁ任せておくがよい!」
相賀は嬉しそうに笑った
撮影を終えたと謂う事で、皆一段落付けたのもあり、楽しく飲んでいた
次の日、飛行機に乗り東京まで行かねばならないのに………楽しく飲んでいたのだ
翌朝 皆 どよーんとして味噌汁を飲んでいた
そして朝を終え、支度をする
強行軍だったが、楽しい時間を送り帰路に着く
飛行機に乗り東京へ到着し、リムジンバスに乗り横浜へと向かう
横浜に到着すると皆 バラバラに散らばり、其々のルートを使い飛鳥井の家を目指した
それは暗黙の了解なのか、言わなくても距離を取り離れて行くのだった
皆と一緒だと目立つから仕方がない事だが…………少し淋しい気持ちもあった
烈も横浜に到着すると、竜馬と共に家族と離れた
家族も其々離れて行き、別々のタクシーに乗り込み帰宅したり、会社近くに停まるバスに乗り込んだりと様々だった
翔達は聡一郎と共に、飛鳥井建設近くで停まるバスに乗り家へと帰る事にした
そうしてタワマン横の飛鳥井の家へと其々に帰宅した
神野達は阿賀屋家のお迎えの車に乗り込み、飛鳥井の家を目指した
神威は事務所の奴に迎えに来させて、迎えに来た車に乗り込んだ
その時、何故か紫園も神威と共に車に乗り込む
神威は後部座席に乗り込むと笑って
「どうしたんだよ?倅と帰らなくてよいのか?」と言った
「烈はどうせ遠回りして竜馬のマンションに行き、其処から車に乗って帰るんだろ!
俺は歩くのは嫌だからな!」
「しかし……今世も…主と倅は腐れ縁なのじゃな…」
「阿賀屋は2代目の宗右衛門と知り合い腐れ縁になったみたいだね!
俺は阿賀屋繋がりで知り合いになったんだよ!
その頃は宗右衛門が………だなんて知らなかったけどね………そして君の倅だなんて今世初めて知ったよ!」
「儂も倅とは……先の転生の時まで疎遠だった
倅が幾度も転生しているのは知っていたが………
儂とは距離を取っておったからな………放っておいてやったのじゃよ!
まぁ影から見守ってはおったがな………倅には倅の考えがある………そう想い距離を取っておったのじゃよ!」
「倅とは先の転生まで疎遠だったの?
それまでは………逢ってもいなかったって謂うの?」
「そうじゃよ!だから儂を訪ねて来た時は腹が立って仕方がなかった!
なのに彼奴………『お久しぷりてす父者!』とケロッと挨拶しやがったから……儂は殴り飛ばしてやったわ!」
愛情が深い分………見守るしか出来なかった想いが拳になって返って来るのだ……
「彼奴は黙って殴られ『父者……逢いたかった……』と抜かしたんだよ!
ならば何でもっと早く会いに来なかったのじゃ!
と儂は怒り狂って聞いた
そしたら『貴方に合わせる顔なんてなかったじゃありませんか………』と抜かしたんだよ!」
「え?何で合わせる顔かないのさ?」
「彼奴は……祖父に憧れ魔界へ行った
ただそれだけなのに…………熾烈な虐めに遭い……素戔鳴尊の一族を憎み……復讐を遂げた事で……壊滅させた………
儂の父親の一族を壊滅させた………それを悔いて逢いに来れなかったと言いやがった!
儂は言葉も無かった……」
紫園も言葉も無かった……
嫌々………何を言えば良いのさ………
「『合わせる顔なんてないけど、それでも会いに来たのは……来世は荒れるからブレーンとして転生して欲しいから!
僕は50年後転生する予定だから、父さんその頃、人に転生して弁護士になっていてね!』と簡単に言いやがったんだよ!
彼奴………ボコボコに殴られた顔で嗤って言いやがったからな、聞いてやったんだよ!」
「壮絶な親子だね君達は………」
「なのに苦労して人間界に転生して来て、死ぬ気で勉強して弁護士になったのに、倅が転生してる気配もなくてな………儂は騙されたのかと思った!
が、彼奴は消されそうになり冥府の闇の中に落とされて消滅するしかない世界にいた………と言った
本当なら消滅してても可笑しくない状況を救ってくれた人がいた
だから遅れて転生したけど、巻いてくわよ!
と言い、未だに巻いてる状態だ!」
「巻き過ぎな気もするけど?」
「まぁ仕方ないじゃろ!
しかし………彼奴の遣り方は……親父殿かよ?と思う程に似ててな………儂も辟易しそうになるがな………
それても生きていてくれるならばそれて良い!
それは儂も親父殿もそう願ってる事だ!」
「アイツは祖父に似てるのか?」
「気質も呪術に長けてる所は親父殿ソックリじゃな!
まぁ儂の妻に似てるのかも知れぬ…………
儂の妻は【糺】が役目の女神じゃったからな!
誠………男前で気風の好いおなごじゃった!」
「女神の力も継承してるから呪術系が強いのか?」
「其れは今世、あの方達の弟子になったからじゃろ!まぁ呪術系は親父殿が得意とする分野ではあるが………親父殿は倅には其れを継がせたくはないみたいで教えてはくれぬからな!」
「君達親子は本当に複雑だな……」
「其れが親子と謂うモノじゃろ!」
そう言い神威は笑い飛ばした
そして「で、どうするんだ?」と問い掛けた
紫園は「【総て】は烈がドゥバイから帰国したら動き出す事になってる!」と答えた
神威は「ドゥバイか……逝かせたくないけどな…
其れでも彼奴は行くんだろうな……」と溜め息混じりに呟いた
紫園が何か言おうとしたらタワマンの前で車が停まった
神威と紫園は車から降りると、慎一が待ち構えていた
慎一は「お疲れ様です!少し待って貰えますか?
蒼佑が到着するそうなので、そしたら家へ入りましょう!」と言い道路側から死角になる所へ身を潜ませ待つ
すると暫くすると阿賀屋の家のマイクロバスが停まり、中から阿賀屋と神野達が降りて来た
慎一が顔を出すと、何も言わず入口へとやって来た
慎一がエントランスのタッチパネルを操作してドアを開けると、皆はマンションの中へと入った
マンションの中へ入ると、関係者以外立ち入り禁止のドアを開けて外へと出る
狭い通路を通って飛鳥井の家の中へ入る
慎一は家の中へ入るとシューズクロークの中へ入り防犯カメラを確認した
そしてリビングへと向かう
リビングには飛鳥井の家族が着替えてソファーに座っていた
その場に子供達の姿はなく
神野は「あれ?翔達は?」と問い掛けた
康太が「アイツ等はバスで帰って来るから、そんなに早くは帰れねぇよ!」と謂う
榊原は「烈も【R&R】のメンバーも未だなので、近くに来たならば連絡があるかと?」と謂う
暫くすると【R&R】のメンバーが近くまで来た!と連絡が入った
RODEOÑとStrong Hiも別ルートで近くに来た!と連絡が入る
慎一は迎えに行き、皆を連れて飛鳥井の家へと戻って来た
ヘンリーはその場に烈の姿がなく
「あれ?リーダーは?」と問い掛けた
康太は「あ~烈か……烈は尾行され中らしくて、今は巻いてる最中らしい!」と告げた
榊原が「家族が無事に帰宅出来る様に、意識を自分に向けさせたので、皆が無事に帰宅出来てるんですよ!」と謂う
皆が息を飲み言葉を失った
すると何もない空間がパリッと開いて、その中から弥勒が姿を現した
「烈、あと少しで帰るぞ!
全くシツコイ奴等だったから、烈が迷いの森へ迷い込ませてやがった!
で、迷い込んだ奴は永遠に中に閉じ込めるのか?と聞いたら、一週間位彷徨ったら出してあげるわよ!と言ってたぜ!」と伝えた
榊原は「本当に懲りない奴等ですね………」とボヤいた
少し待つと烈が帰宅して来た
その時、榊原真矢と清四郎を連れていた
康太は「え?何で?何かあったのかよ?」と問い掛けた
烈は「じぃたん、ばぁたん、取り敢えず座ってね!」と謂う
二人は………何故か泣き腫らした目をしていた
康太は二人をソファーに座らせた
榊原が皆の分もお茶を淹れに向かう
康太は「どうしたのよ?何かあったのかよ?」と問い掛けた
真矢は「家で………テレビ見てたら烈の始球式のニューを見たのよ
そしたら逢いたくて仕方がなくて……泣き暮らしてました!」と答えた
康太が何か言おうとした時、聡一郎が翔達を連れて帰宅した
聡一郎は「ただいまぁ〜、日曜って事でバスは空いてて助かったよ!」と双子をスポーツバックに入れていたから、ファスナーを開けつつ謂う
翔達はリビングに顔を覗かせ【ばぁちゃん、じぃちゃん、来てたのね!】と喜んで祖父母の傍へと行く
………が、二人は泣いていて躊躇する
流生は「え!何があったの?」と慌てた
烈は「淋しくて泣いてるのよ!さぁ饗してあげて!」と謂うと、兄弟は動き出した
清四郎は「ロケさえなければ、私も北海道へ行きたかった!」と泣いた
真矢も「ロケさえなければ!」と泣く
烈は「今回は北海道を決めたのアメリカから帰国する前日だもんね!
良くもまぁ晟雅ゃ達が宿を取ったり準備してくれたと感心する程の強行軍だったのよ!
それにボク、北海道の宿に到着するまで、両親達いるのも知らなかったからね!」と謂う
清四郎は「突然決めたのかい?」と問い掛けた
竜馬が「はい!始球式の予定が早まりましたから、早目に渡米したので、ならば空いてる時間に北海道でロケを!と帰国する1日前に連絡を入れたのです!」と説明した
真矢は「あら……決めたら即実行な所は清四郎にソックリね!」と笑って謂う
清四郎は「真矢……今それを言わないでくれ……」と情けなく謂う
榊原は「どうして烈は母さん達と出くわしたのですか?」と問い掛けた
「ボク帰国したから消毒に行ったのよ!
傷口化膿でもしたら、義泰がメス持って追い掛けて来るじゃない!
だから家に帰る前に消毒へ行ったのよ!
義泰、軟膏を出してくれたから、薬局にお薬取りに行ったら、ばぁたんとじぃたんにバッタリ逢ったのよ!」と話す
康太は「新婚旅行から帰っていたのかよ?久遠?」と問い掛けた
「帰国してる最中で、義泰先生ぇーに消毒して貰ったわ!」
「中々治らねぇな……」と康太は烈の手を引き寄せ抱き締めた
「母ぁーさん、少しずつでも治ってるって言われたわ!」
「んとに、あのクソ犬!
今度目の前に現れたら焼き殺してやる!」
康太が謂うと榊原は「凍らせて叩き壊してやります!」と烈と康太を抱き締めた
慎一が「さぁ伊織、買い出しに行きますよ!」と謂う
するとRODEOÑとStrong Hiが分厚い封筒を慎一に手渡した
慎一は「これは?」と問い掛けた
アーネストは「食費です!」と答えた
ジョージも「食費です!まだ倭の国にいるのでメンバーの分を渡せと事務所の社長に言われて持って来ました!」と謂う
アーネストも「倭の国では何処で滞在してるんだ?と事務所の社長に言われたので、【R&R】のリーダーんちです!と答えたらタダで食べてるんじゃないよね?と言われたんです!
まぁ五千円とか一万円とか言われた分で宴会してるので払ってるって答えたら怒られました!
誠意見せて宿泊費と食費払え!と持たされました!受け取ってくれなきゃ我々は契約解除だと言われたので受け取って下さい!」と謂う
ジョージも「ジャポニカ米を頼んだ時、お前ら何日も倭の国にいるけど、何処に宿泊してるんだ?と聞かれたので【R&R】のリーダーんです!と答えたら、人様の家にお世話になって宿泊費払ってるんだろうな!と言われ……宴会の会費しか払ってない……って言ったら取り敢えず、お詫びの意味を込めて、これを持って逝け!と怒られたので受け取って下さい!」と訴えた
慎一は榊原を見た
榊原は「………此れ、受け取らないと、本当に契約解除なんですか?」と問い掛けた
するとジョージは事務所の社長に電話を掛けた
【R&R】リーダー、お父様と話してくれ!とジョージが訴えると………電話に変わり
『本当に申し訳ない!何日も何ヶ月も【R&R】のリーダーの家に宿泊したと謂うのに……
此方からは何の謝礼も、費用もお支払いしなかった!本当に申し訳ない!
少ないかもだけど、今うちの事務所に出来る精一杯の誠意だと受け取って下さい!』と平謝りて謂う
榊原は「気にしなくて大丈夫です!我が子の友ならば、家族も同然ですから!」と謂うと……
事務所の社長は『【R&R】の御蔭で今のStrong Hiがある!こんなんでは足りないのに………
ジャポニカ米、送るんで食べて下さい!』と泣きながら感謝されるばかりだった………
『今度正式に【R&R】リーダーのお宅に感謝の意をお届けしますから!』と言われ電話は切れた
榊原は「凄い………感謝されましたけど………」と困惑して話す
アーネストは榊原に電話を渡した
受け取った榊原は再び泣きながら感謝を受けた
電話を切った頃にはゲッソリ窶れる想いだった
慎一は苦笑して「買い物に行きますか?」と問い掛けた
すると烈が「シオ君連れて行って下さい!
ほら、シオ君、3万円出して!」と催促する
紫園はポケットから三万円出すと榊原に渡した
「俺は今後家に帰れないので少ないですが………食費として渡します!
落ち着いたらこの謝礼は倍で返します!」と謂う
阿賀屋は「シオが使える金はそれだけなんだ!
家の奴 口座まで変更しやがって、シオは今貧乏なので許してやってくれ!
足りねば阿賀屋からまだまだ眠ってる骨董品持ち出して売り飛ばす故、赦して下され!」と紫園の状況を口にして頼んだ
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