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第48話 雲外蒼天 ❶

康太はその夜、子供達を応接間に呼んだ 中学生になり成長著しい我が子達がソファーに座る 翔が「何か御用ですか?」と問い掛けた 「会社の事で聞きたい事があったんだよ!」と康太は切り出した 音弥は「ひょっとして今日、蒼佑さん達が会社を訪れられた時の事でしょうか?」と問い掛けた 榊原は「君達は防犯カメラの存在、知ってるのですか?」と問い掛けた 流生が「はい!アレを仕掛けたのは我等ですから!」と答えた 康太は「宗右衛門じゃなく、お前達なのか?」と問い掛けた 大空は「はい!会社を回すのは表面的な事ばかりではない!との教えに我等は内部を知らねばならないと仕掛けました! まぁ多少のサボりは多目には見ますが、仕事を押し付け、部下の手柄を横取りなんて何処かの会社のバカ上司は飛鳥井には要りませんから! そんな馬鹿げた事が罷り通るとナメられたら終わりです! 見張ってなくば、そんな事さえ押し通してしまいますから!」と榊原と酷似した顔で答える 康太は「伊織………お前にそっくりやんか………」とボヤいた 榊原は嫌な顔をして「止めて下さい!」と呟いた 太陽は「母さん!さっきお見舞いに行ったら烈、起きてたよ! 久遠先生が今回は寝やがらねぇから、体力削ってるじゃねぇかよ!と怒ってました!」と弟の事を報告する 「寝てられる時間ねぇのか? ……まぁオーデション考えたら寝てられねぇか…」 康太が呟く 其処へ一陽がやって来て 「伊織、冷しゃぶなのでタレは俺が作っておきました!さぁ始めますよ!」と伝えた 翔が「お手伝いしなきゃ!」と言い立ち上がると、他の兄弟も走って行った 飛鳥井の家は冷しゃぶと言えば、冷たい豚肉にレタスや野菜をライスペーパー等を用いて、野菜とお肉と巻いて食べる、と謂うモノが子供達が好むから、用意していた キッチンを覗くとレイがライスペーパーを布巾でふやかしていた ふやかしたライスペーパーにサランラップを敷いてサンドして重ねて逝く 椋は子供用の包丁を使い、レタスを揃えていた 凛はかいわれ大根を綺麗に洗って根っこを切っていた キュウリを細切りで切るのは大空だった 響と奏はニョロニョロと客間のテーブルの上を布巾を持ち拭く 御影が会社から帰って響と奏の世話を焼きつつ、一希に離乳食を食べさせる 『やっぱ歯応えねぇんだよな………』とボヤく乳幼児に苦笑しつつ食べさせる 食べ終わるとお口を拭いてやりオムツを見る 『やっぱオムツは綺麗なおなごに変えられたいよなぁ〜!』とボヤくが御影は笑って 「あんまし文句多いと……擽るよ!」と言い擽った キャッキャッと一希が笑い声を上げる もうすっかり飛鳥井に馴染んでいた 準備が整うと、皆 客間で冷しゃぶを食べ始める 客間には何故か…………【R&R】のメンバーが来日していた 竜馬と兵藤もいるから客間で食べるしかなかったのだ 楽しく穏やかな夕飯の時間を迎える 皆で楽しく話が弾み、笑い声が響き久しぶりに飛鳥井の家に笑い声が戻っていた 翌朝 康太がキッチンに顔を出すと、烈が朝を食べていた 康太は驚いて「烈!退院して良いのかよ?」と問い掛けた 「本当なら駄目だけど、沖縄に志津ちゃんと義泰連れて行ってあげるから、お願い!と頼んだら退院させてくれたわ!」 「頼むから、あんまし無理するなよ………」 「無理はしないつもりだけど……やらなきゃならない事あるからね………」 「お前………西村の娘の件出てやったのかよ?」 「去年から次女が大量服薬する自殺未遂して、長女が出刃包丁でぶっ刺されて死にかけ、西村が日々窶れて行ってたのよ あのままだと確実に西村壊れていたからね ほんの些細な幸せしか望んでないのに………幸せからどんどん遠ざかる生活してる娘を目の当たりにして西村は壊れそうだったのよ………下手したら相手の男殺しに行きかねなくてね………遼太郎に見張らせていたのよ その間に娘達の方は身の立つ様に身辺整えてやり、イギリスに出稼ぎに出したのよ で、長女と次女の子供は賢い子達だから、飛鳥井が養子として貰い受けたのよ! 西村の娘達は自分の存在こそが、我が子を不幸にしてしまう………と覚悟を決めたから、イギリスへ出稼ぎに行くのを納得したのよ 多分、イギリスに骨を埋めるわ、あの子達は……… 三女は………まだ内緒、でも大きな運命を持ってるから引き受けてやったのよ!」 「お前………そんな事までしてたら……ぶっ倒れて当たり前やんか!」 「まぁ多少の体力貰えたから、退院して来られたのよ」 「あり余る力と体力やなく?」 「人間、欲の皮を突っ張るとロクな事がないから、そこそこで良いのよ!」 康太は笑って「お前らしくて安心だわ!」と呟いた 「新居の横にビル建てたから、其処を雑務を行える事務所にしたのよ! 今日はボクは其処で過ごしているから!」 「了解した!」 「それと、此れを一番に話さないと駄目だったわ!」 と謂うと姿勢を正して母の目をじっと見詰めて 「近い内に飛鳥井建設の社員バッヂを作ります! その中に位置情報や不穏な動きをする輩など見抜ける様に、予め行動パターンを読み込ませ、衛星で管理させ不穏な行動を検知したら、徹底的に見張らせるつもりです! そして【R&R】のバイク便は規模を拡大したので、調査会社とタッグを組んで動いて貰える様にしたのよ! その分 福利厚生は充実させ、そこそこのお給料も支払える様になったわ! また社員になって貰った子達の友達が、生き生き仕事してる姿に触発され、働きたいって謂う子達の申し出があり、社員も増えたからこその規模の拡大となりました! 利益と収益は出せる様になったのが一番の強みなので、このまま波に乗り管理させようと思っているのよ 監視はARЯK警備保障で、追跡は【R&R】バイク便で、と謂う連携を取りこの先の100年続く果てへと盤上に乗せたいと今、日々努力してる最中なのよ!」 と、事後報告になってしまったが、社員バッヂの件をやっと伝えられて、烈は満足そうに笑っていた 康太は「其れは好きにやれよ!」と告げた 1000年続く果てへと導くのは宗右衛門が役務なのだから……… 「えっと、其れから飛鳥井建設の夏季休業を今日発表したいと思っているのよ! 夏は熱中症の脅威もあるからね、長めに取るしかないのよ! で、8月1日金曜日から8月17日、日曜日までの17日間の夏季休業を取る気なのよ 其れまでに現場は遅れなく工程通りに進めねばならないのよ! 工程通りに進められていれば、18日からの仕事を始めても遅れは出ない…………と一応机上の空論にならない為に現場に出向いて、監視はして決めたんだけどね…………」 榊原は「私も其れで良いと想います! 夏の現場はどうしても熱中症対策をして休憩を多めに取らせているので、余裕があるスケジュールを組ませていますので、夏季休業明けに調整取れば良いかと!」とその提案に乗った話をする 康太は「烈、東京オーデションもあるし、夏季休業明けの現場の調整もあるし、入院するのは許さねぇぞ! また入院したとしても、働かせてやるからな!」と脅して謂う 「母ぁーさん………ボクは予知は出来ないから何とも言えないけど、なるべく怪我したりしないわ!」 と、約束した 康太は笑って烈の頭を撫でると 「おめぇの教育の賜物だな、翔達が目を瞠る力を付けて来たな………驚いたわ!」 「今、にーに達はポジション決める為のローテーションをしているのよ! どのポジションがしっくり来るか? その者の適性と実力の発揮出来る【能力】を見極めて、17歳 元服の年にはポジション決めを致します! 今後はその決められたポジションで能力を発揮してくれる事でしょう! そして高校を卒業したら兄達は留学します! 先ずは帝王学、経営学を学ばせて、バイトさせて社会を知らせるつもりです!」 と伝えた 康太は何も言わず頷いた 子供達の成長は巣立つ事も意味してる事を思い知る 「因みにボクは留学しないから! 兄達も留学するのは半分ずつだから! 一度に全員行かないから安心して! そして留学したらスキップしまくりで卒業して、倭の国へ帰って来たら桜林の大学部へ入り、ゆっくりキャンパスライフをすれば良いのよ! まぁその為の努力なくしてキャンパスライフはないと謂う事ね!」 康太は大変な想いするであろう我が子を想う でも弟の為にきっと努力するのだろうとも想う 康太は果てを視て………… 「あぁ…………飛鳥井の果てはこうして繋げられて逝くんだな…………」と言葉にした 「夏季休業のお知らせは西村に、今日告知する様に指示は出してあるから、朝イチで社員には告知する事が出来るわ!」 「了解!ならオレ等は会社に行くとするわ!」 烈は立ち上がると、食洗機に食器を入れた 母と父の分の食器も食洗機に入れるとスイッチを押した 「気を付けて逝くのよ!母ぁーさん 父ぉーさん!」 と言いキッチンを後にした 烈は自分の部屋に行き支度をとすると、必要な物をバッグに入れて、1階へ降りて応接間で竜馬を待った 【R&R】のメンバーも何故か応接間にいて、一緒に出かける気満々でいた 烈は「何故に来日して来てるのよ?」と尋ねた ヘンリーが「そりゃオーデションあるなら、我らだとて微力ながら協力する為、と沖縄で遊ぶ為だよ!」と告げた メンバーはうんうん!と頷いていた 烈は「なら今日 公開する応募要項の確認と、その後の書類選考をお願いね!」と告げた そしてサクサクと家から出て行った 竜馬は「さぁ、神野達と合流したら公募を掛けるから、そしたら書類選考に突入するから忙しくなるよ!」と謂うとノートPCをバッグに入れて家を出て行く メンバーも後を追い着いて行く ダニエルは「ヘンリーんちで、隼人の結婚会見……見たよ、当然その後の早瀬の会見と………若旦那とぜんちゃんの会見も見た 烈………血を流していたから………心配で居ても立ってもいられないから………見舞いの為に来たんだよ………まさか起きてるなんて思わなかったよ」と言葉にした イーサンも「自爆を目の前でやられたんだもんね……」と悔しそうに謂う 竜馬は病院の立体駐車場1階のセキュリティを解除して、ワゴン車に乗ると皆を乗せて5分程走った そして桜林学園の関係者用の駐車場に車を停めると車から降りた 今 桜林学園は大幅な改革を打ち立て、自由に停められる環境だった駐車場を潰して、立体駐車場を建てさせた その駐車場は3層に分けてあり、関係者専用駐車場、来賓用駐車場、 教員、職員駐車場 に分かれて作られていた 因みに立体駐車場は学園の警備室の横に設置してあり、学園に無関係な者は一切停められなくしてあった 立体駐車場は200台駐車可能の大きさだった 1階は関係者専用駐車場となり、2階は来賓駐車場、3階と4階は教員 職員専用駐車場だった 1階の関係者専用駐車場には学園に関係在る工事業者とか納品業者とかが停める事になる専用の駐車場として使用していた 2階の来賓用駐車場は学園に用のある父兄が使用する事になる 3階 4階は教員や学園の事務員 職員等の専用駐車場となる 幼稚舎から高等部までの教職員や、それに携わる事務員等もこの立体駐車場を使用する事になる 教職員専用駐車場には、学園と立体駐車場を渡り廊下で繋ぎ、駐車場の外に出なくても学園へ入れる仕組みだった が、専用のIDがなくば駐車場から校舎の方へは入れない仕組みとなっていた そして1階 2階の駐車場の出口は一つ、警備室の横を通り、保護者IDを機械に翳しゲートが開かれなければ通行は出来ない仕様にされていた 警備室は更に頑丈にされ、テロや暴漢対策はバッチリされ、警備室のガラスは総て防弾ガラスを入れてあり、暴漢に押し込まれたとしても万全な対策は取ってあった 校舎を取り囲む壁も、この機会に、変えられ2メートルはある高さの塀で囲い、その塀の柱はスカンジウム合金を使用されていた ヨニー@イギリスと同様に、テロとか暴漢対策に重きを置いて対策を練られた、その結果だった 歩いて来る保護者も同様、保護者IDを機械に通してゲートを開けねば通れはしない仕組みとされていた その為に保護者の情報をチップに記載して、IDとして渡してあるのだ 学園へ来るならば、その保護者IDがなくば、学園へ入れない!を、徹底しセキュリティのレベルを上げて行ったのだった で、烈は学園の1階の関係者専用駐車場へ入るIDを持っているから、其処へ車を停めていたのだった 烈は警備室の警備員に話をし、常に細かい事でも警備員の口から報告を聞く その為に敢えて桜林の駐車場を使用したのだった 「じゃ何かあったら即座にARЯK警備保障へ連絡いれるのよ!」と言い別れて歩き出した 学園の周りは高い塀とその塀の上を木々が生い茂り、自然豊かで静かな住宅街たった 学園の近くには警察署が在り、人気は少ないが其処まで警戒しなければならない場所でもなかった 閑静な住宅街を少し歩くと、立体駐車場があり、駐車場の入り口には月極、1時間単位の駐車も可の看板があった 立体駐車場の横には細長い5階建てのオフィスビルが建ち その少し先には広大な敷地に聳え建つ高い塀が目に入った 高い塀の向こうには6階建てのビルが建っていた 敷地内は木々が植えられ、木々の合間から防犯カメラが四方八方在るのが伺えられる建物が目に入る 烈は立体駐車場横の細長いビルに入って行った このビルも簡単には入れない仕組みとなっていて、管理人が常駐していた 烈はタッチパネルの上のカメラに顔を向けた そのカメラは網膜を読み解き、本人と認識したらロックが解除される仕組みとなっていた 竜馬は「ひょっとして網膜認証なの?」と問い掛けた 烈は「そうよ、段階的に何処までの精度で使えるか?試験的に入れてるのよ! そのうち会社のセキュリティも網膜認証採用させたい気もあるのよね!」と言いビルの中へと入って行く 竜馬は「此処へ神野達呼ぶの?」と問い掛けた 「そうよ、招き入れられる方は、上からの操作でそのまま入れるから大丈夫よ!」 「何かセキュリティ凄いから、入るの大変かと思っちゃったよ」 「まぁセキュリティ完璧にしても、その隙を突かれればセキュリティなんて諸刃の剣なんだけどね でもやらないよりはマシなのよね!」 烈は階段を上がり2階へと向かう そして2階の部屋の前で立ち止まると暗証番号を打ち込みロックを解除させた そして部屋に入ると、そこは普通のオフィスだった 烈は会議室の隣のドアを開けてソファーに座った 「ねぇ竜ゅー馬、此処の冷蔵庫大きいの入れてあるのよ! ジュースとか食べ物とか晟雅ゃに連絡して買って越させて!」 「了解っす!」 「竜ゅー馬、病院まで行って車は病院の駐車場へ停めさせて、連れて来て!」 「なら直ぐにラインするっす!」   と言い竜馬は神野にラインを入れた 神野は直ぐに病院へ向かうよ!と約束した 竜馬は「迎えに行くっす!」と謂うとメンバーは 【俺達も行きジュースとか食べ物買って荷物下ろしたら駐車場へ行けば良いやんか!】と謂う 「なら迎えに行くっす!」 と言いメンバーと竜馬は部屋を出て行った 烈は窓を開けて木々で囲まれたビルを見る 横を通った者だとて、この建物が家だとは気付く者はいはいだろう それ程、このビルは完璧な建物だった ぱっと見、公園に見えなくもない程に木々が生い茂り、緑豊かな場所に相応しい壁は煉瓦で出来ていた が、その煉瓦の塀は貼り付けで、中は桜林の塀同様の頑丈さを誇る壁だった が、住宅街と謂う事もあり、柔らかな雰囲気を醸し出す為に煉瓦作りに敢えてしてあった トラックが突っ込んだとしても、トラックが負ける程の頑丈な塀だった そして家の周りには防犯カメラが仕込んであり、その周りにも警察の許可を取り、防犯カメラを仕込ませてあった 半径1キロ四方はARЯK警備保障が管理して、その場に留まる者、不審な動きをする者などを検知して警察へ通報するシステムとなっていた 飛鳥井の家は近々引っ越しとなる為に、着々と引っ越せる状態へと近付けて行っていた 家族には新居の部屋の家具は既に選ばせて搬入は済ませてある 戸浪と蔵持から分厚い封筒のお見舞金を戴き、尚且つクリストファーからも分厚い封筒のお見舞金を受け取ったから、其れで家具を揃える事にした 足が出る分は康太と榊原が持つと話は着いていた 烈はアメリカへと避難させた二階堂晃嗣の家の譲渡手続きがやっと完了したから、【R&R】清掃会社からスタッフを派遣して、解体前の片付け作業に行かせた 家の中の総ての荷物を運び出し、カラにした後、解体作業を始める予定だった 二階堂の家は、突然アメリカへと必要なモノだけ持って旅立ったから、荷物がそのまま残っているのは当たり前だった 片付けスタッフが入り荷物の廃棄作業を始めた そんな時 片付けスタッフから 『物凄い量の段ボールが和室の襖取っ払った部屋に、積み上げられていてます 中を確認すると見る高価そうな品物入っていて、その荷物が部屋を占領してしいるので、どうしたら良いですか? それと部屋の壁には明らかに名のある絵画が壁に掛けてあり、それもとうしたら良いですか? 勝手に処分出来ないので、一度見て下さい!』 と言われ見に行った 二階堂の家で和室の襖取っ払っで二部屋繋げた、一番大きな和室の中には所狭しと段ボール箱が積み上げられていた 開封して確かめると、それは見るからに価値の高そうな骨董品だった 壁の絵画や床の間の壺や等など、其れ等総ての骨董品の数々は、鷹司を呼び出し目利きして貰い、買い取れるモノは買い取って貰う様に手筈を整えた 鷹司に売るならば、多少の呪いや穢れを受けていたとしても浄化されて骨董の価値を上げてくれるからだ! 二階堂の家は鴻池の狗神の穢を受けてしまっているから取り壊し更地にした後に、浄化しなければ穢れは必ずや災いを呼ぶ事となるから徹底的に穢れを祓うしか無かった 鷹司は「宗右衛門、此れは………かなり珍しいモノばかりと言えるな! 総て本物ならば、値が弾き出せはせぬ程のモノばかりである………」と目にした事のない骨董品の数々に目を輝かせて調べていた 二階堂晃嗣には一応骨董品の出自は電話して、問い合わせた 二階堂が謂うには『襖を取っ払って置いてある荷物は総て、鴻池の翁が倉庫代わりに置かさせろ!と申したので、預かり部屋に置いておいたモノですから………其れ等は総て処分して下さって構いません!』と返答が来た 鴻池の古狸はきっと内側から狗神の穢れを広げ、裏切らせない為にある程度の呪いを掛けていたのだと………想う だからこそ毎晩 魘され憔悴し入院せざるを得なかった………と謂う訳か………本当に胸糞悪いと烈は思った が、どっち道 取り壊しの家に置いて置けないから、かなりの量の骨董品を総て家から運び出し、一旦は寒川近くの山の奥の廃墟に近い家を買い取り、其処へ運び込ませるしかないと思った 山奥でないと狗神の穢れが流れ出し、無関係な人が穢れてしまう可能性があるからだ! そして狗神の穢を受けているモノを蔵に入れれば、他の品々も穢を受けてしまうからだ それ程に強い穢れに、この地も総てのモノに影響を与えていた スタッフは総て鷹司緑道が穢れを祓ってくれる事になった 全ての片付けが終わるまで二階堂の家に泊まり生活をして、片付けが全て終わった時に穢れを祓って貰える様に緑道は約束してくれた 車は廃車にしてスクラップした、家電は型が古く総てスクラップ用のトラックに乗せて運び出した 家具もスクラップ行きかと思っていたら、中には博物館行きレベルの箪笥や衣装箱が出て来て、衣装箱の中には着物が入れられていた その着物は光子が欲しがるなら穢れを祓い渡すつもりで、それも聞いた が、光子は「総て………そちらで処分をお願い致します!」と謂うから其れ等の着物も、鷹司に頼み【保管】を頼んだ 相当に価値のある骨董品は、売り値がつかない為、穢れを祓った後 鷹司家が所持する博物館で展示する事が決まった 日々家の中を片付け、カラにした後に解体を始める 更地にした後、土地の穢れを鷹司家が祓う事になる だからその費用を骨董品を買い取らせた費用で算出させるつもりだった 穢れを祓うのは時間も金も半端なく掛かる面倒な作業な事、この上ないのだが………… 骨董品がこそこの値を弾き出してくれたならば、二階堂の土地を祓っても余るだろうから、飛鳥井の新居の調度品を見繕って入れさせ様と、セコい事を考えていた 客間と応接間の調度品は、結構良いモノを揃えたい!と思っていたのだ 無論 穢れてなく、一目見ただけでその出自が解る程のモノを、そんな話を鷹司にしていたら、話は節子の耳にも届き、節子から連絡があった 『家具をお探しとか? ならば、私の叔父の家を近々処分致しますので、その家を見られて望む家具がお有りならば、烈へ差し上げます! 無論 家も土地も望むならば、烈に差し上げますわ! 叔父には………家族はいません……… 愛する人に先立たれ………継ぐ者もおりません! なので持っていても宝の持ち腐れならば、烈へと思っております!』と申し出てくれたのだ で、烈は喜んで見に行く約束をしたのだった オーデションの書類選考が一区切りしたら見に行くつもりだった 竜馬から連絡が入り、オフィスビルのロックを解除すると買い出しに行ってた【R&R】のメンバーが袋を持って帰って来た その後に須賀や柘植も退院した相賀も続いて入って来た 烈は「もう大丈夫なの?おーちゃん?」と問い掛けた 相賀は「あぁ、大丈夫だから退院させて貰えたんだよ!」と答えた 竜馬と神野と小鳥遊が車を停めて戻って来ると、応募要項をチェックは始められた 烈は「間違いがないなら、そのまま公募が開始と謂う事になるわ!」と謂う 小鳥遊は「其れで良いです!では公表しますか?」と問い掛けた 「ええ、今日が公表日の7月25日だから焦ったわ!じゃ、お願いね!」と謂うとヘンリーは【三社共同事務所スカウトキャラバン】と銘打ったオーデションのエントリーを開始させた 小鳥遊はスタッフ総動員してスカウトキャラバンが始まった事をX、Facebook HPに載せて公募を開始した 烈は「次は会場の確保と審査員の確保よ!」と指示を出した 小鳥遊は「東京と沖縄ですよね?」とと確かめた 「そうね、もう2箇所しか無理ね時間的に!」 「解りました、私は沖縄のタレントを多く所持する事務所に声を掛けて場所の確保に協力して貰います! ついでに地元に強い人に宿泊所となる場を格安で提供して貰えないか?と聞いてみます!」  と小鳥遊が言うと須賀は「なら私は東京の方で大手の芸能事務所の社長にでも声を掛ける事にするよ!」と告げた 柘植は「ならば私はテレビ局に話を持って行き放送して貰えないか聞いてみます!」と言い 皆 目的の為に動き始めた 烈はペットボトルの麦茶を飲みつつ、飛鳥井建設の夏季休業の指示をしたか?西村にラインで確かめる すると西村は『夏季休業の件、会社の3階の掲示板に張り出しHPに載せて、社内放送も掛けて徹底的に周知させている所だ!』と返事があった 「それなら良かったわ、後は頼むわね! 何かあったらラインして、そしたら会社へ行くから!」 『了解した!』 烈は西村とのラインを終えて、溜め息を着いた 心中未遂を起こした娘は、久遠の知り合いの病院へ入る事になった 明彩と瀬能が入っていた病院へは子供は連れて行けないから、一旦 子供とは離して行く事になった 今は心を治さねばならないからだ 子供は施設のスタッフを呼び、少しだけ世話を頼み、育てて貰っている所だった 西村に元気な姿を見せてやりたいが、今は…………まだ其処までには行っていなかった 烈は「はぁ〜」と溜め息をつく 竜馬が「どうしたんすか?」と問い掛けた 「西村の娘……まだ治療始めたばかりだから合わせてあげられないからね………」 「瀬能のいた病院だったよね?」 「そうよ!」 「でも瀬能は退院して、今は元気に飛鳥井建設で仕事してるんすよね?」 「そうね、心身ともに治療を終えて、今は飛鳥井に出社してるわね!」 「なら西村の娘も絶対に元気になるに決まってるす!烈が信じないと明日は潰えて消えいくっす!」 「竜ゅー馬の癖に………良い事謂うじゃない!」 烈は笑った そして気を取り直して会社の書類のチェックをして宗右衛門の印を押して行く そしてエッセイを書き溜めして行く その合間に予定を立てる 早瀬を魔界から連れ戻すタイミングと、早瀬のスキャンダルについての現状 アレから早瀬のスキャンダルが予定通りに週刊誌が報じたが、記者会見を開いた事が功を奏し、然程騒がれる事なく沈静化出来ていた 世論は早瀬に同情的だった………… 【R&R】のイベントで早瀬が虐められ泣いていた映像は流れたが、何処か懐疑的に想われていたのか?其処まで深刻な虐めだとは思われてはいなかった 今枝に早瀬の資料を渡して、当時の生徒達からどんな仕打ちをされたか?当時の教師はそれを見て見ぬふりをして挙げ句 『虐められる方にも原因はある! 貴方はお笑い芸人になりたいとか? 陰気なお前がそんな事を考える事の方が揶揄される原因だと思いなさい!』と言ったとの証言も取れていると報じると、非難は当時の生徒や教師に向いた かって、学生時代………自分も虐められて来た者達の同情票をかなり買って、早瀬頼朝はそんな苦境を乗り越えた芸人なんだと周知され、応援する手紙や言葉が事務所に届いた それを見て、烈はやっと相賀の肩の荷を降ろさせてやれたと思った その早瀬を迎えに行く日は何時にするか? オーデション後でも大丈夫かしら まぁ鬼ちゃん達には殺さず生かしてね!とは言ってあるから大丈夫だとは想うけど……… 等と考えつつ、一つずつ確実に歩を進める 烈は入院している時に、母からラインが入り 『阿賀屋 鷹司 紫園が烈の変わりに謝罪行脚へ出向いてくれてるぜ!』と教えてくれた 烈は退院する時に携帯を見て、其れに気付き苦笑した 門外不出がそんなにバンバン出ちゃ駄目じゃないの……… そして其れがかなりの方面へ伝わり、門外不出の存在の訪問があった事が伝わり戦慄しているであろう事を………感じ取っていた が、今は其れに構っている暇などないのだ 公募開始しと同時に応募がバンバン届き、一時は鯖落ちしそうになるが、イギリスからアンソニーの支援を貰い、何とか通常に受け付け出来ていた 書類選考は始まったばかりだった 神野達は毎日オフィスビルに通い、書類選考をしていた PCの画面ばかり見ていたら疲れるから、PCをプロジェクターに繋ぎスクリーンに投影してプロフィールと添付の動画を流し見していた そして、其々の事務所が気になる人物がいるとチェックを入れて行く そうして7月25日から始まった公募は、かなりの応募がなされ書類選考へと進められて行った 飛鳥井の家族は沖縄に行く支度に余念がなかった 飛行機のチケット代と宿泊施設は、三社共同事務所持ちの沖縄旅行なのだ オーデション会場は沖縄市民会館で行う事が決定していた 宿泊にする宿は沖縄で民宿とかホテルとか手がけているいる親族がいると謂うスタッフの口利きして貰い、ホテルにしてる広々とした屋敷二つ借りる事になった 屋敷のベッド数30部屋、中庭にはプールも有ると謂う豪勢な洋館だった そしてもう一つの宿泊先にした屋敷は、部屋数10部屋と謂う少しこじんまりとした屋敷だった だが全ての部屋が孤立して鍵が掛けられプライベートは守られるとの事で、夫妻で来る者はそっちへ行って貰おうと思っていた 部屋数が30部屋ある屋敷は、戦前は華族と呼ばれる者達が、戦後は財閥と呼ばれる者達が別荘として所持していたが、オイルショックで手離し幾人かの手に渡り、バブルが弾けて買い手もつかなくなった今、そんな大きな家を買う存在もなく、ホテルとして利用しようと購入され今に至っていた 夏だし雑魚寝すればベッド数より、かなりの人数の寝泊まりは可能だった しかも屋敷にはプールがあり、水質検査も合格し好きに使っても良いと許可を得ているから、海とプールが選べて最強の環境だった 沖縄には弥勒家族、神威や義泰 志津子 有栖に栗栖、蔵持夫妻も来る事が決まっていた 夫妻でいる者は部屋数10部屋ある屋敷の方へ泊まり、後は30部屋ある屋敷で大丈夫だろうと部屋割りをする そうして沖縄オーデションは着々と進められて行った 因みに東京オーデションも会場は決まった 阿賀屋の口利きで武道館がGET出来た 東京は沖縄より短くなったが8月20日予選 21日 沖縄 東京 合わせての最終オーディションとなる どちらの会場を希望するか?明記させ応募を掛けたのだ 烈は連日 飛鳥井には着替えに帰ってる気配だけある状態となっていた 沖縄オーデション 8月10日11日 2日合わせて定員60名の公募に10000通の応募があり、連日動画を見て選出している、を繰り返していた 須賀は「定員の枠拡大しますか?それともオーデションの日程 1日増やしますか?」と聞く程の応募人数であたふたしていた が、須賀が聞いても烈は何も答えなかった 其ればかりか口数は少なくなり、顔も能面バリになり表情も無くなっていた 神野は「烈………どうした?何か気に障る事したのか?」と聞く程だった 烈はスクリーンの動画をストップを掛けると 「この子達の練度が高過ぎるのよ……… まるで他の事務所でレッスン受けていた子の様にね………そうなるとキナ臭いから、由香里を呼び寄せなきゃ!と思っていたのよ!」と答えた ヘンリーも「だよね、何処かの事務所に所属してなきゃ此処までの踊りは無理だよね!」と言い由香里に連絡を取った 由香里は丁度 娘の子供に逢ってるから迎えに来ればすぐに行く!と答えてくれ竜馬を迎えに行かせた 直ぐ様 由香里を迎えに行き、竜馬は由香里を連れて事務所に戻って来た 竜馬が連れて来たよ、とラインするとヘンリーが下まで行き連れて戻った 部屋にやって来た由香里に動画を見せると、烈は即座に名簿の子を暦也に送信して身辺調査を依頼した こんな巫山戯た事をする真意を知る為だった 小さな綻びを見付けたら即座に対処する 其れが幾度も生まれ変わっても重要視する事柄だった 其れを見過ごせば、気付いた時には取り返しがつかない状態となる………… 痛い程に突き付けられた実戦として積み上げて来た経験と現実だったのだ 由香里は黙って動画を見ていて 「この子達は既にダンスの基本のスタイルが既に出来ている そんな子達に何を教えるのさ? 私は嫌だぞ、そんな存在にレッスンを着けるのは!」とキッパリと言葉にして線引きした 柘植は「其れは……他の事務所の子が独断で応募してるのでしょうか? 其れとも事務所の指示で応募しているのですか?」と問い掛けた 由香里は「もしこの子達をオーデションで通すとする そうなれば知名度も上がるし、脚光も浴びるわな たが注目を集めた後で、その子達は自分の事務所の子だと主張されれば引くしかないわな! その子の帰属先は事務所にあるんだから! まぁそしたら一時的には脚光は浴びるが、まぁそんな卑怯な事して手に入れた地位なんて、直ぐに見向きもされなくなると解らないんだろうな 愚かな事だとしか言えんわな!」と一蹴した デービッドが「この子達が、他の事務所の子だと言うなら、事務所のHPに行けば解るんやない?」と問い掛けた ヘンリーが「アンソニーに頼んで、この子達の所属する事務所探らせるよ!」と言いPCを操作して依頼した 1時間もしない内に、所属事務所と名前が送られて来た 柘植は送られて来たデーターを覗き込み 「偽名でしたか………」と呟いた ダニエルは「偽名使った子はスケープゴートになってもらうしかない!」と言う 烈は「晒し上げて地に貶してやれば良いわ! オーデションの応募に偽名に偽の情報、ダブル契約になる所だからね! そんな事になったらオーデションする意味さえなくなるわ!」と吐き捨てた 竜馬は「バニシングプロと駿河芸能事務所と仲野芸能事務所の3社か………」と口にする 烈は「あ~その3社はKonno芸能事務所の繋がりがあるわね! 果ては鴻池の翁の恩恵を受けて好き放題していた系列の事務所なのよね…………」と呟いた 神野 須賀 柘植 相賀は烈の呟きにギョッとなって烈の顔を見た 「ごめんね、ボクが出るから妨害されちゃったのね!」 と、思案してる顔をしていた 神野は「まぁ何時か来る事だった! そんな事で審査員辞めるとか謂うなよ! もう神威なんか海水パンツ買ったって大騒ぎしてたし、辞めるなんて言ったら大変だぞ!」と牽制する 柘植も「阿賀屋君と紫園君も海水パンツは今はどんなのが流行ってるか聞きに来ましたよ!」と謂う 須賀も「真矢さんが、玲香さんと京香さんと美緒さんとで水着新調するとかで、今の流行りはどんなのか?やはり聞きに来ましたよ? 辞めるなんて謂うと………顰蹙買いますよ!」と付け足す 「ボクも水着買いに行かなきゃ! 今日は気分転換に渋谷まで水着を買いに行きましょうよ! 明日 冷静な頭で決断を下す事にするわ!」 と烈が言うとイーサンが「そうだね、賛成だよ! なら皆で新調するから、皆で逝けば良いよ!」と言ってくれた 由香里はバイヤーに乗り孫の所へ送り出すと、皆で駐車場へと出向いた 竜馬は桜林の駐車場へ行き、神野は病院の駐車場へ車を取りに行き、2台で東武花菱百貨店に買いに行く事になった アレから花菱を不動の百貨店にする為に、鉄道会社と提携を組み協賛と謂うカタチで東武鉄道の上に建設されたビルを花菱に買わせ渋谷の開発区域に何とか食い込み開業させた で、語呂合わせも良く【東武花菱百貨店】となったのだ 横浜の花菱は【花菱百貨店 横浜本店】として有名なショップを招致して、そちらも今の時代の流れに乗って業績を上げていた 今では押しも押されぬ花菱に生まれ変わった 道明寺達也は烈が敷いたレールに乗り、花菱を絶対にする為に日々手腕を奮っていた 烈と康太は東武花菱百貨店の株を四分の一ずつ、横槍を防ぐ意味を込めて所持していた 花菱は今 時代の最先端のファッションが熱く、皆で渋谷へと出向いて行く事にした 烈は桜林に停めた竜馬の車でメンバーと共に渋谷へと向かう 神野は病院の横に停めた車に柘植 須賀 相賀を乗せて竜馬の車を追う 渋谷へ出向き、東武花菱百貨店へと向かう 店内を見ながら紳士服売り場を彷徨き、店員に水着売り場を聞く 水着売り場は特設会場にて展示して売っていると聞き案内され出向く そして水着を探していると、何処からともなく道明寺達也がやって来た 「烈君、水着を探しているのかい?」と問い掛けた 烈はニコッと笑うと「そうなのよ、家族用にパンフレット貰って後で家族も買いに来る予定なのよね!」と謂う そして「今日は本店じゃなく渋谷にいるのね?」と忙しくしている道明寺に笑顔を向けた 道明寺は「阿賀屋様と鷹司様と観世音様も、水着の御入り用があると御屋敷の方が尋ねて来られたので、出迎えに来たのですよ! そしたら烈君を見たので声を掛けさせて貰いました!」と謂う 烈は嫌な顔をして、わざわざ渋谷まで水着を買いに来たのに………と想う 「まるでストーカーじゃない!」とボヤくと、背後から「そんな事は申すな!」と阿賀屋の声がした 「水着、買いに来たのかしら?」 「お前が渋谷に行ったと聞いたから、来たんだよ!」 「本当に行動を見張るのは止めてよね!」とボヤく 鷹司は「ほらほら早く水着を探さねば、ならぬぞ!」と謂う 紫園は「俺が翔達の水着買うから!響と奏は幼児、一希はベビー用かな?」と言う 阿賀屋は「なら俺はレイ達を買ってやる! 妙齢なお嬢様達の水着も買ってやるよ! 妙齢なお嬢様達にはパンフ貰って選ばせて一緒に明日買いに来るからパンフを頼む!」と言う 鷹司は「おー!儂は清隆と瑛太と悠太じゃな! 一生達は自分で買うかのぉ〜? あ、和希と和真と永遠のも買わねぇとな! 瑛太達のはパンフ貰って後で買いに来るしかないか! 梨沙子も節子姉さんの水着もパンフ貰っておくとするかな?」と謂う 紫園が「ならば俺が買ってやる! 梨沙子と節子と美緒は明日にでも誘って買いに来る故、女性物の水着のパンフを頼む!」と謂う そして皆で展示されてる水着を見てどれが似合うか?騒ぎながら水着を買う 烈は竜馬とおソロで水着を買った メンバーもリーダーとオソロで色違いのを買う 神野は小鳥遊の水着と自分のを買い、柘植と須賀は自分のと相賀のを買ってやる 阿賀屋は道明寺に妙齢なお嬢様達の水着を見繕って貰ってパンフを貰っていた 紫園は翔達の写真を見せて、鷹司は和希達の写真を見せて身長や特徴を告げて水着を選んで貰う 竜馬は烈が水着の上に羽織るモノを選んで買っていた まだ火傷や破片の怪我の生々しい烈だから海では泳げないだろうと想う ならプールで泳げば良いし、傷が痛むから羽織るのは必要だと買ってやる 皆で水着を買い、レディースの水着のパンフと紳士用の水着のパンフを貰い、車に乗り込み横浜へ戻り飛鳥井の家へと向かった 烈は父に「皆で帰るから冷奴お願いしますね!」とラインを送信した ラインを受け取った榊原は康太に携帯を見せて 「客に冷奴は出せませんよね?」と笑って言う 康太もそのラインには爆笑したが、ふと真顔になり 「烈………冷奴しか食えねぇのか?」と呟いた 榊原は「僕は買い出しに出ます!君は烈の様子を見て久遠先生へ見せて下さい!」と言い仕事を上げて社長室を出て行った 康太は相談役の部屋のドアをノックすると、帰り支度をしていた清隆がドアを開けた 清隆は康太を見ると 「どうしました?康太」と問い掛けた 「乗せてってくれよ!」 「喧嘩でもしましたか?」 心配そうに聞く清隆に康太は 「今夜は宴会らしいぜ!」と謂う 清隆は嬉しそうな顔をして「其れでは帰りますか!」と言った 康太は父と共に相談役の部屋を出て、一緒に帰ろうとする すると瑛太も会長室から出て来て 「兄を除け者にしないで下さい!」と笑って言う 康太は瑛太を見て「今夜は宴会らしいぜ!」と謂う 瑛太は「烈、忙しいんですよね?」と問い掛けた 「ん〜まぁオーデションあるからな………」 「久し振りの宴会ですね!楽しみです!」 そう言い地下駐車場へと向かい、車に乗り飛鳥井の家へと帰る 飛鳥井の家へ帰ると、客間の方で賑やかな声が響いていた 康太達は部屋へ帰る前に客間を覗いた すると阿賀屋が「清隆、瑛太!パンフを貰って来たから着替えたら選んでくれ! そしたら一緒にサイズ合わせに逝こうぜ!」と謂う 清隆は「それは嬉しいです!では着替えて来て、水着を選ばねば!」と言い、瑛太と玲香も部屋へ行き着替えに向かった 康太は着替えて客間へ行くと、翔達がプレゼントはれた水着を出して見ていた 紫園は「適当に買ったから気に入ったのを選んでくれよ!道明寺に聞いたらお前達の体型ならばこの水着が着れるとアドバイス貰ったから大丈夫だと想う、気に入らなかったから交換して来てやるよ!」と言い買って来た水着を並べた その水着はかなり冒険に出た柄ばかりだった 康太はそんな子供達を観ながら適当に座り烈に 「お前体調悪いのか?」と問い掛けた 烈は母を見て「え?ボク?まぁ良くはないけど、悪くもないわよ?傷は痛いけどね!」と返した 「だってお前………冷奴で良いと謂うからさ……」 「あ~其れはね、暑いし冷奴食べさせとけば良いんじゃないかしら?と謂う意味よ!」 「おめぇは昔から冷奴好きだよな………」 宗右衛門と言えば夏は冷奴、冬はおでん、な奴だった 「でもね今の豆腐は弾力ないのよね………」 「まぁ昔ながらの豆腐なんて作れる店は減ってるからな!」 「でも冷奴は大好きよ! レイたんはね卵豆腐が大好きなのよね!」 烈が言うとニコニコのレイが頷いていた 「久遠の所へ消毒には行ってるか?」 康太が聞くとヘンリーが「行ってるよ!其れしないとベッドに縛ると言ってます!あの先生怖いね!本当に!」とボヤきつつ謂う 康太は笑ってそれを聞き安堵する そして「沖縄の準備、オレ等も着実にやってるぜ!」と謂うとデービッドが東武花菱百貨店の水着のパンフレットを手渡し 「水着選ぶねん! そしたら明日サイズ合わせしに行って買う予定やねん!」と告げる 康太は水着のパンフレットを見つつ、翔達の水着に目を向けた カーゴパンツみたいな水着に、蛍光色のペイント撒き散らした様な柄の水着を、烈は選んでいた 翔達も同じ様なカーゴパンツタイプの水着だった 柄はマチマチで、兄達は好きな柄を選んで試着していた 翔は「なんか……冒険に出た気分だよ………」と呟く 流生は「翔、スクール水着なんて今の時代に合わないから!」とボヤく 翔はシックな黒にペイント柄の水着 流生は赤いハワイのヤシの木柄の水着 音弥は迷彩柄の水着 太陽はオレンジのハイピ柄の水着 大空は青空色の水着 皆其々に選んだ そして紫園に【ありがとうございます!】とお礼を言った 響と奏の幼児水着と一希のベビー水着も着せて似合っているのを確認 レイはヒマワリ柄の水着、凛は赤褌ばりの真っ赤な水着、椋は涼しげなグリーンの葉っぱのプリント柄の水着をプレゼントされ試着していた 烈は「レイたん似合ってるわよ! 凛も情熱の赤ね、椋は涼しけなグリーン 真央たん凄いわ、ピッタリよ!」と感激して謂う レイ 凛 椋は阿賀屋の前に立つとペコッとお辞儀して【あいかとう!そーしゅけ!】とお礼を述べた その横で響と奏と一希もペコッと頭を下げてお礼を述べていた 阿賀屋は「似合ってて良かったぜ! さてと次は玲香と京香、明日 真矢達を連れて水着を買いに行くとするぞ!」と謂う 烈は「なら志津ちゃんも頼むわね! 後 弥勒と息子 翔馬の分もね 澄香は妊婦だから泳ぐの無理かしら?」と思案して呟く 竜馬は「屋敷には大きなプールもあるみたいだよ!妊婦用の水着買って泳がせてあげようよ!」と謂うから、妊婦でも着れる水着を頼んだ 阿賀屋は「ならば妙齢なお嬢様達と明日は水着を見に行くかな? その時マタニティな水着聞いてみるよ!」と笑って言う 烈は「そうね、そしたら水着を買いに行く事にするわ! 弥勒ゅも水着買わなきゃ………赤褌じゃ、泳げないからね………」と謂うと康太は爆笑した 「幾ら弥勒でも赤褌で泳がねぇだろ?」 と言い、そう言えば……… 弥勒と海に行った事はない 弥勒と何処かへ遊びに行った事もない 弥勒の姿は飲んでる時か仕事してる時しか知らない 「あれ?オレは弥勒の私生活を想像出来ねぇかも……」と呟いた 烈は「弥勒ゅはTシャツとジーンズしか着ないわよ!私生活もそんな感じでしょ? 澄香そう言ってたし………」と康太に最近澄香とのラインを見せて話す 『烈!烈!衣替えしてたら、夫のクローゼットの中、同じ様なTシャツとジーンズしかありません!どうしたら良いですかね? 買ったら怒られますかね?』 と相談される程変わらない奴なのだ 康太は澄香とのラインを見て爆笑した 竜馬は「今度、着やすさ重視のジャージをプレゼントしますかね?」と呟いた 康太は「おっ!なら弥勒の誕生日にプレゼントしてやれよ!」と謂う 側で聞いていた聡一郎が「あの人誕生日なんてあるんですか?」とボヤいた 康太はそりゃあるだろ?………まぁそんな個人情報誰も知らないが………… 烈は「確か……飛行機のチケット買った時に見たんだけど、人の世の誕生日は9月7日!だったわよ!」と謂う ヘンリーは「ならカジュアルな服を弥勒にプレゼントしようよ!」と謂う 皆はその言葉に賛成した 康太は「その前に水着だ!買い物に行くなら予定合わせて連れて行ってやれよ!」と謂う 阿賀屋は了解した その夜はあっさりしたのとツマミとで、冷酒を飲み宴会していた 清隆や瑛太は一生達と共に水着のパンフを見て、嬉しそうに選んでいた 玲香達もパンフを見て楽しそうに話をしていた 京香は「明日は水着を買いに行かねば! ママはナイスバディを披露する為に頑張るからね烈!」と笑って言う 京香は40代に見えない妖艶さと美しさがあった 烈は「ママ!」と抱き着いた レイも凛も椋も響も奏も一希も【ママ】と甘える 京香は嬉しそう皆を抱き締めた 一希は『沖縄ならばオムツ外して日焼けせねば!』と気合が入っていた 烈は「日焼けした乳児なんて嫌よ!」と一蹴した その夜はワイワイ楽しく皆で沖縄に思いを馳せて、話して飲んで夜は更けた 翌朝 早く烈と竜馬はオフィスビルに来ていた 小鳥遊を呼び寄せ、公式サイトにオーデションの不正を正式に載せて公表する為だ 由香里が弾いた子達は軒並み、所属プロに所属するタレントだと公表して、今回のスカウトキャラバンは無名で何処にも属してない原石を見つけ出す!そんな意味合いを込めて行うオーデションだと公表させた 【スカウトキャラバンでの不正を報告します  我等 三社共同事務所は無名の原石の発掘をする為にオーデションを行う事を決め、応募を募りました ですが悲しい事に名前も経歴も虚偽、と謂う者が応募者の中に紛れていました しかもその子達は既に他の事務所に所属して今もその事務所の帰属となっている! 其れを此処に皆様にお知らせして再発防止の抑止とさせて戴きます! スカウトキャラバンには、既に他の事務所の所属となっている者には、オーデションを受ける権利は御座いません! 哀しい事に既に他の事務所と契約している方々が、10名程スカウトキャラバンに応募されていました なのでその方々はオーデションの権利を剥奪させて戴きました! 絶対に名や経歴の虚偽で応募をした者は、書類は通しません! また応募された方の本名 所属事務所は既に把握しておりますが、今回に限り伏せさせて戴きます また同じ様な事が起きれば証拠を提示した上て、皆にその事務所と所属するタレントの名前を公表する事となります         三社共同事務所 代表より!】 この様にマスコミにも告知して、HPに載せて徹底的に周知させた スケープゴートは必要だからだ それを朝イチで行い、公表して知ら示めた 小鳥遊は忙しそうに動き回っていた その後はスムーズに書類選考は進み、夕方少し早く飛鳥井へ帰った すると客間で楽しげな声が響いていて、烈はドアを開けて覗いた すると一生 聡一郎 悠太 慎一 一陽が水着を試着して笑っていた 烈は「凄いじゃない!似合ってるわよ!」と答えた 一生は「蒼佑にプレゼントされたんだよ………自分で買うって言ってたのに……」と話す 「気にしなくて良いのよ! 其れより和希と和真と永遠君は? 合宿から帰ってないのかしら?」と問い掛けた 紫園が「彼等は既に水着に着替えて披露してくれたぜ! で、今はその水着を荷物に入れに行ってる!」と謂う 鷹司は「康太と伊織、瑛太と清隆も今日はサイズ合わせして水着を購入して来た! 清四郎はスケジュールが合わねぇから真矢が、買いに行くって言ってたぜ!」と知らせる 阿賀屋は「今日は玲香と京香と真矢と美緒と志津子の水着をサイズ合わせして購入して来たからな! まぁ妙齢のお嬢様に着てみせろは言えねぇからなら当日のお楽しみだな! あぁそれと!マタニティ水着有ったから、澄香と弥勒はお前が連れて見に行けよ! アイツは人見知りするから下手な車に乗らねぇだろ?」とボヤく 「そうね、明日朝イチで見に行くわ! 後で澄香にはラインしとくから大丈夫よ!」 「其れより巫山戯た事をやろうとしてる事務所があったって?」 と、阿賀屋は怒気を含んだ声で問い掛けた 御館様の耳には既に入っていると謂う理由だった

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