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第56話 アメリカへ

  女王が入院なさっている、と謂うニュースを、烈は東京都内の竜馬のタワマンで見ていた 「女王陛下………色々と気苦労が重なっちゃったのかしら? シャルロットの事も気苦労になっちゃってたのかしら?」烈が呟く ヘンリーは其ればかりじゃないと想いながらも 「お身体の事は気になるけど、俺達には何も出来やしないのが現実だならね! さぁ、色んな会社からコラボ案件も来てるし、この機会に考えて見て決めようよ!」と謂う 「そうね!今はお仕事を一つずつ片付けないとね!ブルーノ氏には納品に伺う事を伝えておいてくれた?」 竜馬が「あぁ!9月20日にアメリカへ行き納品します!」と伝えてあるよ!」と謂う 烈は「家族は引っ越しの準備してるかしら? 下手したら延期になるかもね、仕方ないわね……」とボヤいた 「それもアメリカから還って来たら考えれば良いやんか!」 「それもそうね!」 烈は意識を仕事へと切り替えした 9月19日夕方7時過ぎに烈と竜馬と【R&R】のメンバーは飛行機に搭乗した NYには20日の午前10時頃に到着する予定だった 其れを納品先のデルタス航空のブルーノ氏に告げた ブルーノ・アーキスが烈達が乗り込んだ飛行機の便を調べて、到着時間にはお迎えに来てくれると約束してくれた アメリカに到着し、空港の入り口で待ってると真っ黒でスモークガラスのリムジンか横に停まった 烈は「この車は………ブルーノ氏のお迎えの車とは違うわよね?」と聞く 竜馬も「………明らかに違うよね?」と不審な思いで呟くと 黒塗りのリムジンの助手席から男が降りて来ると、烈に深々と頭を下げ 「少し御時間を下さいませんか?」と問い掛けた 烈は「嫌だと言ったら?」と問い掛けた 「嫌だと申されても、お連れする様に命を授かっておりますので、是非に!としか申せません!」 と言い強引にリムジンの中へと乗せられた そして扉を閉めると走り出す アメリカへ到着した烈はデルタス航空へCMの納品に逝く予定だったのに……… アメリカの地を踏んだ瞬間、黒塗りスモークフィルムのリムジンに乗せられ別の所へと案内されて連れられて行ってしまった めちゃくそ強引に車に押し込められて……… まぁ態々リムジンでお出迎えされたのだから……と下手に騒ぎ立てる事はしなかった だがリムジンに無理矢理乗せられた烈は 「予定狂うじゃない!朝も食べてないのにお腹減ったじゃない!」とボヤいた 竜馬やメンバーは不安げな顔で事態を黙って見ていた 騒ぎたい想いは山々なのだが、騒いだとしても、どうにもならないのは解るし………… リーダーがいてくれるならば………と大丈夫だと、様子を見ていたのだった イギリス領事館へ連れて来られると、リムジンから降ろされ、烈達は貴賓室へと案内された それだけ見ても、かなりの好待遇な扱いなのだと伺えられるのだが…… だが行き先も告げずに行き成りは失礼な事、この上なかった 貴賓室へ姿を現した者達は正装して、大礼と勲章を付けていた 「私は王政府の秘密情報部(M16)に所属しております者です! その中の王族や貴族等の規律違反を取り締まる特殊部隊の者です」 と自分の身分を明かす 態々イギリスからやって来て、何を言うのかと思えば………王政府の人間だと言われても…… イギリス国内外の情報収集をしたり王族 王政に携わる者達を、監視し規律違反を取り締まる部署が秘密情報部 通称M16と呼ばれる部署だった 倭の国で例えるならば、内閣調査室的な役割の特務の人間が烈を尋ねて態々アメリカまでやって来たのだった 米国に在るイギリス領事館へ、米国に到着するや否やお出迎えが来て連れて逝かれたのだった 竜馬はリムジンの車に乗せられてすぐに、デルタス航空のノアール・アーキスにラインして事情を説明した 空港までお迎えに来て戴いても、我等はどうやら何処かへ連れて逝かれそうです!とラインすると、ブルーノは驚いて竜馬に 『警察総動員させようか?』とまで言ってくれた リムジンがイギリス領事館の敷地内へ到着すると、竜馬は素早く「どうやらイギリス領事館に我等は連れて来られた様です! では、何か話がある様なので、また!」とラインを終わらせた ブルーノ・アーキスは慌ててイギリス領事館まで車を走らせた お出迎え用のバスと共にやって来たのだが、話し合いが終わらねば合わせられない!と言われ控室で待つしかなかった 貴賓室に通された烈と竜馬と【R&R】のメンバーは、来賓級のおもてなしをされていた 貴賓室へやって来た秘密情報部の職員は烈に深々と頭を下げると 「私はキャヴェンディッシュ家の者で、女王直属の特使として、烈様に逢いにやって来ました 貴方には数々のご無礼をお掛け致してしまい、本当に申し訳無く想っております! 本当に申し訳御座いませんでした!」と謝罪した 烈は「秘密情報部の中の実働部隊、その中でも荒くれ者の集う裏部隊が独自の見解で暴走いたしました、とでも言うのかしら?」と皮肉に問い掛けた 特使は「流石です……既に把握なさっていましたか…………我等は事が公になるまで知りませんでした……… クリストファー氏から憤怒の報告を受け、女王もこんな巫山戯た事をする者達は、徹底的に調べて罰しなさい!と命を出された 調べた所………秘密情報部の実働部隊の中の、更にその裏部隊の者達が勝手に動いて、烈様暗殺の絵図を引いていると突き止めました! オブライエン家、我等キャヴェンディッシュ家、ハワード家 スペンサー家、バルボヤージュ家、フィリップス家、そして女王が怒りを露わにされ、加担した者は全て解雇、解雇した後に総ての罪を暴き罰すると決められました! そして今回の件は加担した者達と、その家族、総ての者への処罰とする為 連座制として、その家の者は総て拘束致し、後に処罰致します! 其れでこの件を………ご納得戴けないか?打診に参りました!」と告げた 烈は「連座制………無関係な親戚縁者まで連座に賭して、それで許せ……と?」と言いギロッと特使を視た 特使は「ひっ………」と悲鳴を漏らして………深々と頭を下げた 「何等身まで連座を受けさせるの?」 「総てで御座います! 女王はこの件が引き金となり、ショックのあまり体調を崩し………そのまま帰らぬ人となってしまいました 「え?女王………崩御なさったの?」 納品の準備に取り掛かったり、チケット取ったりホテル取ったりと忙しく動いていた そんな忙しい中、しつこい位に三社共同事務所から連絡が入りまくりっていた が、今は其れ所じゃないと、無視して仕事に掛かりっきりになっていて……… だから、ゆっくりニュース見てる暇も無かったのだ……… 体調を崩されて入院してる所まではニュースで見ていた ならば、その後直ぐに…………と謂う事か……… 特使は「女王は生前、絶対に無礼な態度を取ってはなりません! 必ずや勝手に裏部隊を率いて唆した者を捕らえなさい!との指示を貰い当時の皇太子殿が動いておりました! が、今回女王の崩御に辺り、国王陛下となれたので、事案は皇太子が引き継ぎ、動かれました!」と経緯を話した 現国王はロザリーの甥に当たる イギリス王室 女王の妹 ロザリーの人気は今も絶大で………女王を亡くされたとしても、その立場も身分も変動はないだろう……… 烈は「連座制は良しとはしないわ!でも家族が闇に染まっていたとしたら………それは仕方がない事だけど、罰すべきは特殊部隊を動かした者本人の筈よ?ソイツの情報は聞かせては貰ってないわよ?」と突っ込んだ話をすると特使は 「…………我等が………押し入った時には、その部隊の者総てが死に絶えていました が、一人だけ情報を自分のICチップの中に刻んで死した者がいた為………今回の首謀者が解った………と言った感じです!」 「ならばその情報を見せて下さい!」 特使はPCを取り出すと、立ち上げて起動させた そしてICチップの情報を表示させた 烈は黙ってその情報を見ていた が、「こんなの作られた情報でしかないじゃない!こんな幼稚な情報をさも発見したみたいに言わないでくれない?」と一刀両断にした 「え?………その情報は偽だと言われますか?」 「だって死んたコイツが闇に染まった首謀者なのに?何、被害者みたいな扱われ方してるの? まぁ他の奴らの魂食ってるから、他の奴等はコイツに殺されたと仮定しても可怪しくないわよ! 要は裏から操作して、ボクが殺せたらラッキーだった、でも失敗しちゃったから足が付く様な存在は邪魔にしかならなかった だから適当な情報を残して死した、ソイツも所詮は使い捨ての駒よ!」 「…………っ!我等は何処まで喰い込まれているのですか?」 「それは見てないから知らないわよ! でもイギリス王室に絶大な力を持つ、三乙女も誕生した事だし、曲がらない様に逝けるんじゃない?其れが女王の願いなんだし! 予知の力を持つ 予知の乙女 宣告を告げる 宣告の乙女 審判を告げる 審判の乙女 その三乙女が誕生なされた! その者達は生まれて直ぐに言葉を放ち、未来を告げた その者達は絶対に闇には染まらない 其れが女王の願いで有り、命を懸けた未来となる 違うかしら?」 特使は顔を青褪めさせて言葉もなかった その事はまだ公表されてはいなかった まぁこの先も公に知らされる事はないイギリス王室を懸けた未来なのだ………… 特使は「それを………何処でお知りに?」と問い掛けた 「世界会議の時、天界で過ごしてる時お見掛けしたのよ ボクが目にした時、三乙女は転生の準備に入られていた 此れはイギリス女王たっての願い、たっての希望、たっての未来 御自分の全ての寿命を捧げ祈り続けられ、見事に祈りは聞き届けられたから準備に入られたと教えられた 女王が崩御された後、この三乙女はイギリス王室に生まれる、天空神 三神は教えてくれたのよ! だから崩御された今 三乙女は誕生した筈よ!」 「はい!女王が崩御なされた瞬間………三乙女が生誕なされました! 我等ではお会いするのは不可能な事なので詳細は分かりませんが………」 「女王は御自分の命を賭して、王室を果てへと繋げられたのよ! 今後は三乙女が国王陛下に寄り添われ、国を安寧へ導かれると想うわ! まぁかなり奥まで闇に染まってしまったのは否めないわね! ならボクが、大天使ガブリエルに頼んどくから、バッキンガム宮殿総てを粛清の光で満ち溢れる様に頼むとするわ! そしたら王室に携わる者で、闇に染まった者は其れで命尽き倒れる事となるから、そしたら闇に染まってない者達で立ち上がり、女王の御意志を継いで行きなさい! そして連座制で罰する予定の家族も、バッキンガム宮殿で身柄を拘束して入れておいてくれると助かるわ! 粛清の光に当たった後、倒れてなかった者は解放してあげて、それが条件よ! 今時 罪の無い者まで連座制で処すなんて駄目よ………まぁ連座制が必要となる場合もあるけどね、今回は無関係な親族が哀れだわ!」 「烈殿!宜しいのですか? 我等は………貴方に刺客を放ってしまったと謂うのに…………」 「構わないわよ! なら今 此れから、此処に大天使ガブリエルを呼ぶとするわ!」 烈は天を仰ぐと「創造神 聞いていた?ガブリエルを此処へお願いしても良いかしら?」と呼び掛けた すると何処からとも無く声が響いた 〝主はそれでよいのか?” 「良いのよ、せんのない事を言ってても始まらないのよ! ならば果てへと進んで逝くだけ! 我等人間は其れしか出来ないのだから!」 〝ならば大天使ガブリエルを其処へ転送致そう! 話しは天使とするがよい!” と言い話を終えると、大天使ガブリエルが姿を現した 眼鏡をはめて、何か勉強してました………風な姿で現れ、烈は何も告げずに飛ばしちゃ駄目じゃない………と想った ガブリエルは「何故に私は人の世に、しかも烈の前に飛ばされたのでしょうか?」と混乱して問い掛けた 烈はガブリエルを座らせると 「最高級の茶葉を使った紅茶を、お願いね!」と謂うと特務の者は即座に紅茶を用意させた 猫達が空いてる椅子に座ると烈は 「あのサイダー3つ、お願い出来ますか?」と頼んだった 暫くして最高級の紅茶とサイダーと珈琲と緑茶をワゴンに乗せて給仕が運んて来た 烈は給仕に「其処にワゴンを置い行ってくれて構わないわ!」と言った 給仕はペコッとお辞儀をして、貴賓室を出て行った 猫達がクンクンと臭いを嗅いていた 「大丈夫やな!」と謂うと竜馬が大天使ガブリエルの前に紅茶を置いた そして猫達の前にサイダーを置いて、自分達の前に珈琲、烈の前に緑茶を置いた 烈はガブリエルに詳細を話した そして「3日後、深夜0時ジャストに、バッキンガム宮殿を粛清の光で包み込んで欲しいのよ ついでに女王の魂を連れて天界へ還られ、転生の轍に入れてくれると助かるわ!」と謂う 「了解しました! 3日後 深夜0時ジャストに粛清の光でバッキンガム宮殿を包めば宜しいのですね! その手筈ならば、我等は今現在着々と準備をしています! バッキンガム宮殿は広いですからね 其れに付随する領地とか、考えたらイギリス中を粛清の光で包み込んだ方が楽なんですよ! 敷地面積絞るのは結構漏れたら大変になるから、神経擦り減らすのです なので創造神と話し合い、イギリス全土を、と謂う事になりました!」 「あら、出血大サービスじゃない!」 「レイが蒼い地球(ほし)に創世記の泉の雨を降らせる気満々ですから、粛清の光 + 創世記の泉の雨を降らせます!」 「あら、レイたんも協力してくれるのね!」 「レイはお兄ちゃんだから頑張るそうです!」 ガブリエルはクスッと笑いを漏らして伝えた ガブリエルは「では、私はこの辺で!」と言い姿を消した 烈は「そう言う事だから、3日後の深夜0時に粛清の光を受ける事となるわ! そしたらバタバタ倒れ……命を亡くす者も出るわ その時は皆一丸となり、混乱なく取り仕切らねばなりません! またニブルヘイムも出るならば、黒い涙を流す者も出るでしょう! その対策を本国に帰られ即座に対策を練られる方が賢明でしょう! ボク達は仕事で来ているので、この辺で御暇させて戴いても宜しいかしら?」と告げた 特務の者は「ブルーノ・アーキス様がお迎えに来られて御出です!」と告げた 「ならお仕事しなきゃ!」と言い立ち上がった 領事館のスタッフに案内され貴賓室を出て逝く 烈は廊下を歩くと「はぁ~」と溜め息を着いた 竜馬は「烈、どうしたの?」と問い掛けた 「何か肩凝るのよね、正装して大礼まで着けて勲章着けてる人と話すのは………」と話す ヘンリーが「緊張じゃなく?」と問い掛ける 「え?緊張なんてしないわよ! ボクさ、自分がスーツ着るのも嫌なのよ なのに、あんな肩凝るの着た人相手にしないといけないなんて………飛行機の長旅の後にはキツいわよ!」とボヤいた イーサンとサムエルは「「確かに!」」と納得 ヘンリーは向こうの方が緊張してたんだよね………と想う 控え室に連れて来られた烈と竜馬と【R&R】のメンバーを目にして、ブルーノは 「大丈夫でしたか!心配しました!」と安堵していた そして気を取り直して 「バスで来てます! なので皆様はバスに乗られ会社までお願い致します!」と謂う 皆で駐車場まで行き烈は喜んでバスに乗り込んだ 竜馬もメンバーも後に続いてバスに乗り込む ブルーノは領事館の人間に大凡の経緯は聞いていた が、想像を絶する事の経緯に………何も謂う事なんて出来なかった デルタス航空に到着しバスから降りると、社内で一番大きな会議室に通された 会議室の椅子に座ると飲み物が用意された 烈の前にはサイダーが3本置かれた ブルーノは「猫さん達に!」と友に聞いた烈の猫の数だけサイダーを用意した 猫達は喜んでサイダーを貰い蓋を開けて飲み始めた 烈は竜馬やメンバーが映写の用意するのを待っていた 会議室には続々と広報の社員達がやって来た そして上層部の者達や社長もやって来た 皆 黙々と席に着席する サイダー飲んでる猫は気になるが………其れには誰も触れなかった 竜馬が「リーダー、準備出来ました!」と謂うと 烈は流暢な英語で 「其れでは皆様には【R&R】制作のCMをご覧になって戴きます! CMは3パターン制作してあります! そしてロングとショートも作成してあります! 其れでは皆様、始まります!」と告げた 室内の匠明消され遮光カーテンが引かれ、暗い室内に突然、空の光景が目に飛び込んで来た 蒼い空 白い雲 そしてその中央にはデルタス航空の飛行機が! 映像を見ていた者達は皆、その美しい光景に息を飲んだ そして軽やかに飛行機は雲の合間を飛ぶ が、画面は一転して積乱雲の中へ突入する 黒い雲に包まれ時折蒼い稲妻が走る が、飛行機の中は二階堂亜希がリフレッシュして寛ぎ、読書をしていた 飛行機の窓からは積乱雲の稲光が見える そして積乱雲から抜けると、窓の外は青空が広がり、機内には相変わらず其々の過ごし方で迎える時間が流れていた 二階堂亜希は晴れ渡る空を窓から眺めて笑った 【空の旅をお届けするデルタス航空は、皆様の安全と安心を心掛けております!】 ロングバージョンは圧巻の出来だった ショートも飛行機の旅を強調するのではなく、快適な空間を自然な感じで魅せていた 試写が終わり遮光カーテンは開かれ、照明が点されたが、皆 圧巻の出来のCMに言葉なんて無かった ブルーノは拍手を送り立ち上がった 「素晴らしい!こんなCMが欲しかったんです! 此れはCGなど一切使われていないのですよね?」と問い掛けた 烈は「当たり前じゃないですか! 飛行機の快適さを売りに出すならばCGなど、視聴者を誤魔化す様な卑怯な手法など使いはしませんよ! 総てがその時映像に残したシーンとなります! 飛行機の機長には、態々積乱雲の中へ突っ込んで下さい!との指示を出し困らせました けど、自分としては満足な仕上がりとなり、こうして納品出来て良かったと思っています!」と答えた ブルーノは「機長からはそう報告を受けてます! 後にリーダーの指示通りに副機長が映像に残した積乱雲突入シーンをYouTubeで流したいと想います!」と告げた 竜馬は「俺等も死ぬ想いして撮影しました! チャンスは一度、二階堂亜希にもプロ根性出して貰い撮影しました! 撮影の日程はリーダーが多忙で1日しか撮れず、その1日に賭けましたから! 二階堂もプロ根性出してくれて、リーダー納得の演技をしてくれました! もう次は御免ですが………我らも納得の出来です」と答えた ダニエルは「死にそうだったな……一歩間違えば死んでいた……」と呟いた イーサンも「飛行機の機体を追っての撮影なのに、リーダーったら其処は引きで、とか、もっと寄って!とか指示出すから死ぬかと想ったよ!」と話す 他のメンバーは、うんうん!と頷いていた ブルーノは「大変な想いをされ、この一本に懸けた想いが伝わります! 本当に【R&R】の皆様には素敵なCMを有り難う御座いました!」と深々と頭を下げ礼を伝えた すると社員達も立ち上がり深々と頭を下げた 烈は「やっと仕事終わったわ!」と喜び謂う ブルーノは「烈君、私は実はヤンキーの職員ヤングマンとは級友なので、今回ウッカリ烈君達が来るのを話してしまったんだよ! そしたら始球式やって貰いたい!と言ってたよ!」と悪戯っ子の様な笑みを浮かべて謂う 烈は「嫌よ!顔に怪我あるのに、始球式なんて!」と抵抗した ブルーノは「そう言えば今回も大層な怪我をなさってますね?どうされたのですか?」と問い掛けた 「まぁ色々と命狙われたりするのよ! 直近でバッキンガム宮殿の地下で狙われた怪我ね!まぁ命も狙われてて、当分はアメリカで静かに過ごそうと想っていたのに……」 とボヤく ブルーノは言葉なんかなかった が、気を取り直して 「我がデルタス航空の持ちホテルが御座います 其処で滞在されたらどうです?お貸し致します! 是非にゆっくりお過ごしされます様に!」と謂う 社長は「ならば、アメリカ滞在中はそのホテルで過ごされるのならば、我が社を上げておもてなしを致しましょう! 朝と晩の料理は楽しみになさってて下さい!」とお言葉があった 烈は竜馬とメンバーと共に喜んでいた 烈達は迎えに来た時のバスに乗り、ホテルへと連れられて行った デルタス航空の社長は 「あの小さい子がソーエモンと申すお子か? 本国に到着した時から軍の警護がなされている それ程に………あの子は危険なのだな……… ならば我等も会社を上げて御守り致すしかない!」と言葉にした ブルーノは「はっ!了解致しました!」と答えた 社長は「しかし………あの猫、素晴らしいな! 烈君が立ち上がったら即座にポケットへ入った! 今度機会が合ったら撫でさせて貰いたい!」と毛並みの良い猫を思い浮かべ言葉にした 社員達は、うんうん!と頷いていた そんな話題にされてる烈達は、バスに揺られホテルへと向かう 猫達も座席に座り窓の外を見る スーは「わいはやっぱ、倭の国の方が好きやな!」とボヤく デルタス航空のNY本社へ来た訳だから、NYの街並みに、何だか倭の国が恋しい クーも「だな、摩天楼って呼ばれる程に煌めくビルが多いしな!俺もあんまし高層ビルがない飛鳥井近辺が好きだな!」と謂う ルーは「あ~沢庵食べたい!」と謂う ルーは井筒屋の沢庵が大好物な猫だった 烈も「1日2枚のボクの沢庵!」とあの塩けが恋しい デルタス航空系列のホテルへと連れて来られ、添乗した職員にホテルへと案内される 皆 一人一部屋与えられた 与えられた部屋はファミリー層の部屋で、全体的に広くてサブの寝室も在る部屋だった デービッドは「竜馬はさ、一部屋貰ってもその部屋で寝ないからな!」とボヤく 「取り敢えず部屋へ逝くわよ!」とキーを貰い部屋へと逝く どう言う訳か竜馬は烈の部屋へ来ていた 竜馬は寝室を覗き 「この部屋ツインベットだ! 俺はこっちのベットで良いよ!」と謂う 烈は荷物を置いてソファーに座る 猫達も出て来てソファーに座った スーは「アメリカの炭酸キツいんかな?腹がパンパンになるな!」と謂う クーもルーもソファーにでろーんと腰掛けダレる 午前10時過ぎにNYに到着して、イギリス領事館へ連れられて午前中一杯は潰れた バスの中で軽く何か食べられる様に、とブルーノから差し入れを貰い食べてデルタス航空本社ビルへ行き、CMの試写会へ突入した 試写会終えてホテルに来た頃にはスッカリと夕焼けだった 当初の予定ではNYの街を観光してオノボリさんツアー的に楽しむ予定だったのに、スッカリ予定が狂った 烈も「疲れたわ、今夜は早くご飯食べて寝ましょうよ!」と謂う 竜馬は「そうだね!で、今後の仕事も決めないとだしね! あ、晟雅からかなりの頻度で電話在るんでしょ?」と謂う 「ええ、晟雅ゃだけじゃなく全員で掛けて来てるわね!」 「電話してやりなよ!」 「そうね、向こうは朝の8時頃かしら?」 と時間を計算して思い浮かべる 烈は携帯を取り出して神野に電話を入れた 電話に出るなり神野は『れつぅぅぅぅ!』と叫んだ 「晟雅ゃ煩いわよ!切るわよ!」 と烈が文句を言うと須賀が電話を変わった 『烈?連絡取れなくて焦ったよ!』 「シャステナ関係に混じってイギリスの暗殺部隊が来てたからね、そりゃ連絡取っていたら危険だから連絡しなかったのよ!」 『それ、唐沢から聞いた……』 「で、もうシャステナ関係は大人しくなった筈よ?なのに何で連絡してるのか?謎なのよね? それを聞く為に電話したのよ!何か用なのかしら?」 『そんなのお前が心配だからに決まってるじゃねぇか!』 と神野が叫んだ 柘植も『私達も同じ気持ちなんだよ!烈が心配で連絡していたんだ! 別に烈には世話になってるけど、営利目的で利用しようとした事なんてないよ! 私達は共に進む仲間だと想ってる?違うの?烈………』と問い掛けた 「ボクが連絡に出ない時は、それは危険を拡散させない為なのよ! あんな裏部隊が出て来ているのに連絡取ったら、人質にされちゃうじゃない! 其れをさせない為に、唐ちゃんを見張りに着けて牽制したのに、連絡してたら無駄になっちゃうじゃない!」 『烈………飛鳥井の家も連絡が付かないし……家には誰もいないね?』 「家族の周りをシャステナ関係の奴等が嗅ぎ付けて彷徨いていたからね 家はも変わったから仕方ないわ! でも母ぁーさんには連絡着くんじゃないの?」 『康太は電話には出ねぇよ…… 話せる事がない時、彼奴は電話に出ねぇ……… 解ってても………其れやられるのは辛い…… 線引されてるみたいで……'疎外感を感じずに入らねぇ………』 神野は泣きながら話す 「晟雅ゃ、ボク今NYにいるだけど来る?」 元気付ける為に謂う すると小鳥遊に変わり『行きます!3日位連休だし、休暇取ります!』と言った 烈は苦笑して竜馬に「このホテルの名前とか教えて!」と伝えた ヘンリーは「僕達の部屋もサブの部屋あるから、二部屋位なんとかなるよ!竜馬の部屋に四人は入れるし、リーダーの部屋のサブの部屋に二人寝られるし何とでもなる!」と謂う 竜馬は「部屋は何とかなるけど、料理は?」と問い掛けた デービッドは「まぁ四人はルームサービス取るしかないやん!」と纏める 其れで皆、納得した 竜馬はホテル名と部屋番を伝えると、小鳥遊は即座にチケットを取ったと謂う 『それじゃ明日!』  と行動の早い奴等はお出掛けの算段をつける 皆はその行動の早さに笑っていた が、その笑いもフロントから来客が告げられると笑ってもいられなくなった 『飛鳥井烈様に逢いにNYヤンキースの職員の方がお見えです!』 烈と竜馬は顔を見合わせた ヘンリーは「部屋にお通しして!」と伝えると、暫くすると部屋がノックされた ドアを開けるとNYヤンキース職員が笑顔で挨拶した 「NYに来ているなんて奇遇ですね! しかも明日からホームでの試合となります! 此れは神のお導きですか?」と謂う 烈は「ブルーノ氏から?」と問い掛けた 「まぁそうですが、それより早く我等は渡米を知っていました! 丁度【R&R】の事務所へ始球式の打診をしたら、【R&R】のスタッフの方からは 『20日に【R&R】はNYに仕事で行きます!NY到着後、デルタス航空で仕事をするので、その後なら本人にコンタクト取られたらどうです? お会いするかは?本人に連絡を取りお聞き下さい!』と言われてましたから! まぁ当初のホテルと違ったので、ブルーノには聞きました! そしたら彼奴、デルタス航空系列のホテルへ移動させたと謂うじゃないですか! 教えてくれても良いのに、本当にケチな奴です!」 烈は「あぁ、9月末でレギュラーシーズン終わるからね! そりゃ盛大に盛り上がりたいわよね! でもね、明日の始球式……顔に怪我あるのに嫌よ!」と一蹴した 「是非お願いします! 生き残っていたら、ワイルドカードシリーズの切符を手にできます! そしたらその先も、その時は正式に御依頼するので考えて下さいませんか?」 「ボク達はそんなに長い間アメリカにいる気はないわよ? ボクの周りが色々と騒がしいから、少し滞在したら帰国するつもりだし!」 「それで良いです、我々は常に【R&R】には協力すると誓います! 今後もそのスタンスは変わりません!」 「そんな事言われたら、宿と料理で協力しちゃうでしょうが! ならば、明日 倭の国から友が来るから、その分のお食事提供してくれるなら、始球式やっても良いわよ!」 「無論です!お安い御用です! ささっ、烈君ユニフォームです! 皆様もユニフォームです、どうぞ!」 ユニフォームを渡し、ヤンキースの職員はご機嫌に還って行った 竜馬はMENUを見て、携帯を取り出しルームサービスを頼む 皆 好きなのを注文し、ルームサービスを待ってるとフロントから『Strong Hiのメンバーがお越しです!』と連絡が入った 烈は「何故???」と不思議がった 竜馬は「部屋までお願いします!」と言った ベルボーイに案内され、Strong Hiのメンバーが部屋にやって来た 両手一杯に差し入れを持って来たのだった 烈は「来てる事知らせてないわよね?」と問い掛けた するのジョージは携帯を開いて見せた ヤンキースのHPには明日、【R&R】リーダーが始球式に登板!と告知を載せていた 烈は「仕事早っ!」とボヤいた ジョージは「ヤンキースの職員さんからも『出演しますか?ユニフォーム渡すので皆で出ても大丈夫ですから!』なんて連絡来てたよ!」と話す 何処までも抜かりのない男 ヤンキース職員………ヤングマンなのだった クロード・ヤングと謂う名前だが熱血な性格にヤングマンと謂う渾名で皆が呼んでいた 【R&R】のメンバーは食事も運ばれ、差し入れの酒に喜び飲んでいた 烈の猫達も喜び飲んでいた が、烈は「疲れたわ、もう寝るわね!」と言う 竜馬は寝室に行く前に、久遠から渡された薬を飲ませる 薬を飲むと、烈は寝室へと向かった ジョージは「リーダーまた怪我してるの?」と問い掛けた 竜馬は烈を見送り 「イギリスでまさか殺されかけるとは思わなかったけどね……… そしてつい最近まで裏部隊に命狙われてて、家にも帰れないでいる!」と説明した まさか、そんな大変な事になっていたとは……… ジョージは「STARTのプロモ頼むなんて無理かな?」と問い掛けた 「多分無理だね!公の場に出るのは………命懸けなんだよ!だから本当なら明日の始球式にだって出たくない筈なんだよ! 表向きはこの事態の終結狙いたいみたいだけど………このままでは終わらないのは烈が一番知っているよ!」 プロモ頼みたい想いはある が、無理ならば、新曲はお蔵入りさせようと思っていた ジョージは「リーダーが作った曲だから、やはりリーダーにプロモ作って貰いたい 今無理なら、大丈夫になるまで待つよ!」と謂う Strong Hiのメンバーも頷いていた その夜はちょっとだけ、盛り上がりに欠けて皆眠りに着いた Strong Hiはヤンキースの職員ヤングマンに、部屋を出演料の代わりとして提供して貰っていた 烈達の部屋同様のファミリー向けの部屋を一部屋貸して貰い、その夜はその部屋で眠った 翌朝 11時頃 タクシーに乗った神野達がやって来た ホテルの前で「今到着しました!」と小鳥遊がラインを送ると竜馬が迎えに降りて来た その後ろには烈がいて手を振っていた 「晟雅ゃ、小鳥遊、直君、恭ちゃん、おーちゃん!」と声を掛ける 烈はにこやかに笑っていた 小鳥遊は空港を出てホテルに来るまでに、コストコバリのスーパーを見つけて買い物をして来ていた 相賀以外は両手に荷物を持っていた 部屋へと向かい荷物をテーブルに置く 烈は「竜ゅー馬の部屋が空いてるから、晟雅ゃと小鳥遊は其処で寝ると良いわ! おーちゃんや直君、きょーちゃんは空いてるサブの部屋で寝てよ 主寝室はツインベットでサブの部屋もツインベットだから四人なら楽勝だと想うのよね!」と謂う 猫達は袋を開けて中の物色をしていた そして「おー!このローストビーフ……デカ過ぎん?」と叫んでいた 烈は「夕方からボク達はお仕事なのよね!」と謂う 柘植は「え?デルタス航空のCMの納品ですか?」と問い掛けた 「ヤンキースの始球式よ!」 神野は「えっ!始球式やるのか!やっぱ凄いな烈は!」と喜んだ 烈はブスッとした顔をして、神野は何か悪い事を言ったのか?と不安気な顔をした ヘンリーが「リーダーの顔見てよ!」と謂う 烈の顔は絆創膏だらけで痛々しさが抜けなかった 「またユニフォーム着るなら、包帯見えちゃうし………」 と、襟がないなら包帯が見えてしまうと謂う 「もぉね顔を怪我したら始球式と謂う呪いにでも掛かったのかしら?」 須賀は「言葉もない………」と何と答えて良いか?解らずに呟いた 竜馬は「リーダーは拗ねてるだけだから大丈夫だよ!」と答えた 「あ、そう言えば飛鳥井の家引っ越ししたから?」と思い出した様に呟いた 相賀は「それは解らないよ、康太は電話さえ取ってくれないからね!」と謂う 烈は母にラインして「飛鳥井の家引っ越したかしかしら?後 兵藤の家も?」と尋ねた 暫くしてラインに気付いた康太が 『お前今アメリカだよな?』と問い掛けた 「そうよ、デルタス航空のCMの納品に行ってるって言ったじゃない!」 『…………引っ越しはしてねぇよ! お前が帰国して来て、安全だと判断してからで良いとオレも伊織も話し合って決めた 当然、兵藤の家も引っ越してねぇよ!』 「そうなのね、ボクねヤンキースで始球式入れだから、帰国はまだ先になるわよ!」 『おー!無事に還って来てくれれば、オレ等は其れだけで良いかんな! またテレビでお前の始球式のニュース見られるんだな!』と嬉しそう 「来週の中頃には還るつもりよ!」 『おー!空港まで迎えに行ってやる……と言いたいけど、それは出来ねぇんだよな?』 「そうね、残念だけど用心しないとなのよ!」 『何かあったらラインしろ!』 「解ってるわ母さん! あ、晟雅達が元気なかったから、米国に来るって話振ったら来たのよ!」 『あ~電話来てたけど、話せる事情じゃねぇかんな、電話を取らなかったんだよ 晟雅達には謝っといてくれ!』 「晟雅ゃ達は理解してるわよ! 倭の国へ還ったらやっぱ宴会よね!」 『おー!還って来る日を知らせてくれたら宴会の準備しとくわ!』 「有り難う母ぁーさん、じゃまたね!」 そう言い烈はラインを終わらせた 烈は「晟雅ゃ、母さん謝っといてだって!」と謂う 神野は「俺達は別に謝って欲しい訳じゃない………」と呟いた 「解ってるわよ!倭の国へ還ったら宴会よ! 多分タワマン横の家に行ってるわ!」 神野はホッとして何か思い出し 「あー!そうだった! 観世音紫園、ホテル・ニューグランドのリニューアルオープンに能を舞いに行ったぞ!」 「自爆で壊れた部屋直ったんだ!」 「何でも天井にチタンで強化したプレート入れて、かなり拘ってリフォームされたって話題になってたな!」 「まぁホテル側に迷惑掛けたし………当分はあのホテルは使えないわよ! ボクはさ、拘りのホテルなんてないのよ! 安くて使えれば何でも良い、ホテルに何も求めてないからね ホテル・ニューグランド好きなのは母ぁーさんよ!皆 何故か勘違いしてるのよね!」 烈と付き合えば、そんな拘りのない奴だと理解する が、何処か康太を彷彿するから………そうなってしまうのだろう 柘植は「君は母親に酷似した存在だから、皆勘違いしてしまうんでしょうね! 会議室にお金を掛けるのは無駄だ!とオフィースビル建ててしまう子ですから、我等はケチなのは周知してます!」と笑って言う 須賀も「康太とは似てるよ!血は繋がらねど君は康太の子だよ!でもケチな所は康太とは違う! 常に最適解を見極め、値切ろうとする所は烈しか出来ないのは解ってるからね!」と笑う 烈は「失礼ね!ボクはケチだけど、セコくはないわよ!」とボヤいた 竜馬は「ケチだから言われるんだよ!これ安くならない?が口癖だもんね………」とボヤく 「少しでも安い方がお得感あるじゃない! ボクはスーパーでは値切らないから! ちゃんと商店街へ行きお店で、しかやらないから!」 神野達は、やるんかい………と想ったが口にはせずに笑った そんな感じで楽しく過ごし、昼過ぎると烈はヤンキースのユニフォームに着替えた そして顔に軽くメイクをして貰う デービッドがなるべく傷が目立たない様にした が、今回は前よりも隠しきれない傷があった まぁ黒曜石の石礫みたいなので飛んで来たら傷だらけになって当たり前なのだが……… やはり首は包帯が見えてしまっていた 朝、久遠の知り合いの医者の所へ行き診察を受けて、手当てされていた 午後5時にヤンキース職員がお迎えに来た 「晟雅ゃ達少し行って来るわね!」 と烈が言うとStrong Hiのマネージャーのウィルが「お留守はお任せあれ!皆をNY観光にお連れします!」と言ってくれた 烈達は安心して部屋を出てロビーまで降りて行った Strong Hiもユニフォームを着て、メンバーと共に準備万端にして待っていたのだ お迎えのバスに乗り球場へと向かう ヤンキースの職員は嬉しそうに皆をバスに乗せた ヤングマンは「今週はアメリカですか?」と尋ねた 烈は「そうね、倭の国では23日が秋分の日として旗日なのよ!だからその日まではアメリカで24日に飛行機に乗り25日は状況を見て帰ろうと思っているのよ!」と話す 「そうですか、対談とかして貰おうと思ったのですが………烈君野球好きじゃないでしょ?」 「野球は好きよ、我が家は見る専門なだけで、野球が嫌いな訳じゃないのよ! 皆 野球向きのスポ根ないだけで、ヤンキースの選手も好きな選手いるわよ!」 「因みにどの選手ですか?」 「物凄い豪快なプレーするマックレイ選手よ!」 烈が言うと竜馬が 「あぁ、リーダーはあの選手好きだよな!」 竜馬が謂うとジョージの顔が強張った 「だって怒りを全身に露わにしてホームラン予告して打つ選手なんてマックレイ選手唯一人よ!」 ヤングマンは「そのマックレイ選手、烈君のファンです!」と話す 「え〜本当に?話盛ってない?」 「嫌々本当です!彼は常々君を見て……… 『彼はイイね、亡なった当時の息子の年なんだよ………… 息子が生きていたら………きっと色んな可能性を秘めていたと思うと……哀しくてね でも彼を見ていたら………勇気を貰えるんだよ! だからずっと見ていたいんだ……』と話していたよ」 「あの彼の子は幾つで亡くなったんですか? ボクこう見えても初等科5年で10歳よ?」 「彼は………2年前、10歳の時に亡くなったので、亡くなった時の年は同じです!」 「そうなのね、なら対談してより親しくなりたいわね?」 烈が言うとヤングマンは大喜びして 「ならば明日、対談の場を設けます!」と話した 烈は「え?明日??もう明日??」とボヤいた が、竜馬は強引なヤングマン相手に何を言っても無駄だ想い 「諦めろ………烈………」と言った そう楽しく話している間に、ヤンキーススタジアムへ到着した ヤングマンは烈達を職員に引き渡して 「控え室にお連れして下さい! 私は明日の対談の準備に入ります!」と張り切って出て行った 職員に「では此方へ!」と案内されて控室へと向かう 控室に案内され椅子に座ると烈は 「プロモね、暫く待ってね! ボクは本当なら、こんな公の場に出ちゃダメなんだけど、アメリカ軍の方が警備をしてくれてるから、何とか自由にいられるのよ ボク等の周りを見てみなさいよ 移動する度に、軍の車が着いて来ているのよ! でもプロモとかだとそうは逝かないわ……… 貴方達の身の安全の確保、ボク一人じゃ無理なのよ 撮影してる所に来られたら?もう死ぬしかない しかも貴方達を巻き込んで………… だから引き受けられないのよ!」と話す ジョージは「何時だって待つよ!だから大丈夫になったら………で、良いから考えてくれないか?」と訴えた 「少し様子をさせてね!」 「あぁ!貴方の想う通りに!」 Strong Hiのメンバーも頷いていた そしてジョージは「マックレイとの対談だけは考え直してよ!」と訴えた 烈は「何故?」と問い掛けた 「アイツは…………人殺したからだよ!」と叫んだ 皆 言葉もなくジョージを見ていた 球場のスタッフが「出番です!」と呼びに来て、案内されて球場へと繋がる通路を歩いて行く 球場に姿を表すと物凄い歓声が響いた 烈の顔がアップになる また顔に怪我があり………前回より酷い 首から肩に掛けて白い包帯が見え隠れする なのに烈は元気よく観客に手を振った オーロラビジョンにはそんな烈の顔がアップになる 今回の烈は一味違っていた 始球式にボールがミットに入らない………悔しい思いをしたから、桜林学園 体育教師 神楽真人にコーチして貰い投げ方を教わったりしたのだ 何とかフォームは出来上がりボールが飛ぶ、までを真人に根気よく手伝って貰い特訓して来たのだった もし、また万が一、始球式をやる事があったら、次はみっともない姿は見せたくはない! と思っていたのだ 烈はマスコットにボールを渡して貰うと、グランドへと立った そして投球のポーズを披露して、ボールを投げた するとボールはミットの中へパーンと音を立てて吸い込まれて行った ヘンリーは「リーダー上手くないってない?」と驚いていた ジョージも「何か本当のピッチャーみたいなポーズして投げてたよね?」と謂う 烈は帽子を取ると四方に深々と頭を下げ謝意を告げた そしてマスコットと手を繋ぎ、グランドの回りを走り出した 手を振り走る! 観客は「リーダー!」とか「烈君!」とか歓声が上がっていた そして一周して戻って来ると手を振りメンバーとStrong Hiの傍へと行った メンバーとStrong Hiも謝意を伝え礼をする そして手を振り、球場を後にした ヤンキース球団職員 ヤングマンは大喜びして迎え入れてくれた 「有り難う!烈君!凄い腕を上げたんだね!」ト興奮して話す 「あんなミットに入らない悔しい思いはしたくなかったからね、特訓したのよ!」と話す 「明日、昼から対談を入れたのでお願いします!」 「解ったわ!お迎えに来てね!」 「了解してます!【R&R】の皆様もStrong Hiの皆様も対談どうです?」と謂う ジョージは何も言わずにいて、メンバーに肘で突かれ気を取り直して笑顔を浮かべ 「え?良いの?俺達はヤンキース大好きだと公言してます、知ってたんですか?」と問い掛けた 「はい!貴方達のヤンキース好きは有名ですから!でも好きな選手はマックレイではないのも知ってます!」 「…………手厳しいな………でもファンなの知ってて貰えて嬉しいな!」 「では明日、12時にはお迎えに上がるので、お昼は早目に取っておいて下さい!」と言いバスを呼び寄せると関係者通路を通り駐車場の方へ案内した 烈達はバスに乗り込むとホテルまで送り届けられた ホテルの部屋に戻ると、神野達はテーブルの上にお土産や沢山乗せて早々と飲んでいた 神野は「烈、皆 お帰り!」と皆の前に美味しそうなスィーツやボリーム満点なバーガーや、烈の為にアメリカンサイズのサラダを並べた 烈は「晟雅ゃ楽しかった?」と問い掛けた 神野は「あぁ楽しかったぞ!」と話すと小鳥遊が 「晟雅はずっと興奮しっぱなしでしたよ 【R&R】のメンバーの手形の道路も見て来ました!写メも撮っちゃいました!」と話す とても楽しい時間を送ったのを伺えられた 皆でサラダとか軽いのをルームサービスを頼んだ 竜馬はユニフォームを脱いだ烈の包帯が血で染まってて、慌てた 「烈、包帯変える?」と問い掛けた 「あ~投げてる時痛かったのよね………」 「無理しちゃ駄目だって!」 と言い久遠に持たされた救急キッドを取り出して、包帯を外した 血で汚れた部分をウェットで拭いてやり、消毒して薬剤を塗って傷を早く治すシートを当てて包帯を巻く もう手慣れたモノで、サクサク手当てをしていた 汚れた包帯はゴミ箱へ捨てて、ジャージを渡してやる ジャージに着替えた頃、料理は運ばれテーブルの上に並べられた アレからバイキング的に運んでくれと頼むと、好きな料理を皿に乗せて食べられる様にと、皿とホークとナイフとスプーンも料理と共にワゴンに乗せられて来ていた 烈は神野達の差し入れとサラダを食べつつ、ヘルシーそうなのを摘む 野菜をモリモリ食べてると……烈は「あ~、そうよね、そりゃ来るわよね……」とボヤいた 暫くすると部屋がノックされた 竜馬がドアを開けに行くと………阿賀屋 鷹司 紫園の三人が立っていた 竜馬は三人を部屋に招いて「烈、呼んだの?」と問い掛けた 烈は「呼んでないわよ!アメリカには仕事に来たのよ!呼ぶ訳ないわよ!なのに何で増えるのよ!」とボヤいた 阿賀屋はツマミの差し入れを手にして 「そんな冷たい事申すな!我らの仲間ではないか!」と謂う 鷹司は酒の袋をぶら下げ 「そうじゃぞ!宗右衛門! 我等は契った友ではないか!」と言う  紫園も烈用のヘルシーなのを手にして 「そうそう、我等を省くなんて許せないよ!烈!」と謂う 「シオ君はお仕事しなさいよ! 屋敷の者にお給料払えないわよ!」と謂う 「お給料支払う為に、屋敷の離れを茶処にする様にした!其れで給料捻出しておる!」 ドサドサと部屋にやって来て神野達と仲良く飲み始める 【R&R】のメンバーも三人が大好きだった 「本当に、御館様の為ならばアメリカにまで飛んで来るかな………」 阿賀屋は烈の傷を目にして 「お前を傷付けた奴等は手が届かないが、飛鳥井の家の傍を彷徨いていた奴等は唐沢にお持ち帰りして貰ったぜ!」と謂う 「真央たん………出ちゃ駄目よ、イギリスの秘密情報部の裏部隊が出てたから警戒して連絡も取らなかったのよ………あのM16よ? 迂闊なに出たら消されるわよ!」 「其れでもだ、烈…………我等は何時だって友の為に……誓ったではないか!」 「誓ったけど、理屈も道理も通らない殺人マシーンと呼ばれる裏部隊を相手に出来る訳ないじゃない!ボクも危険なら真央たん達も危険に巻き込まれるのよ!其れだけは解って!」 「解ってるさ烈………俺は御館様として屋敷の者の命を守らねばならぬ義務がある! だけど………お前は絶対に言わぬが………我等だとて友を護りたいのじゃ!」 「本当有り難う!阿賀屋蒼佑! でもね貴方の一番は屋敷の者の安全と芸道を護る事なのよ!」 「解ってるさ!そんな事は!」 「ならば良いわ!んなに拗ねないのよ!」 「ふん!」 メンバーや神野達は………内心………拗ねてるの?嘘………拗ねてる態度なのね………と驚いていた 年に似合わぬ貫禄と、飄々とした風体 御館様が良く似合う男だった 昭和初期や明治 大正の頃なら、いたであろう金持の道楽息子的な感じの掴み所のない男だった 相賀は「ささっ!飲むぞ蒼佑!アメリカに来てるんだし、IPA買って来たし飲むぞ!」と謂う 阿賀屋は「おー!飲むとしよう!」と上機嫌になり飲んでいた 紫園は烈の傍にいて「不器用な男なの解ってやってよ!」と言った 「解ってるわよ付き合い長いし! 其れよりシオ君、ホテル・ニューグランドのリニューアルオープンに舞ってくれたのね!」 「我等は共に逝くと決めた盟友! 俺は蒼佑より古くはないが、其れでもお前とは友の杯を交わした仲だと思っている!」 「当たり前じゃないの! 今更なに言ってるのよ!シオ君!」 「烈………」 「あ、ボクねこの前毘沙に逢ったのよ!」と話す 阿賀屋は「ほー、そんな奴に会う暇があるなら、俺等に逢いやがれ!」と言った 「だって命の危険あったし!」 「んとに腹立つな!宗右衛門に暗殺部隊など!」 と、阿賀屋は腹を立てていた 「まぁまぁ、飲むのよ! 嫌な思いも、遣る瀬無い思いも、みんなの見込み、明日を生きるのよ!」 「それ、宗右衛門の口癖!」 「だってボク宗右衛門だし!」 烈が言うと阿賀屋は爆笑した

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