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第58話 引っ越し狂騒曲 令和編 ❶
烈達は倭の国へと帰国して帰って来た
飛行機の中で「空港を出たらバラバラよ!そして皆、朝 昼兼用の食べ物を買って飛鳥井建設の近くのタワマンまで来るのよ!」と謂う
皆 【了解!】とミッションを与えられ、バラバラに散らばる
烈は竜馬と共にレンタカー屋へ行き、レンタカーを借りる
飛鳥井建設近くに、系列のレンタカー屋があるのだ、其処へ返却と書いて買い物に行く
烈は「ねぇ竜馬、新居の家具、揃えたわよね?」と問い掛けた
「うん!バッチリ搬入されてると想うよ!」
「なら見に逝こうかしら?」
「良いね!見に逝こう!」
と言い竜馬は桜林学園近くの立体駐車場へと向かう
立体駐車場の一階部分は家族が停める車用だった
二階から五階までがタイムズ駐車場としてあった
一階はIDがなければ入れない!
だから今日は仕方ないからお金払って車を止めるのだ
駐車場に車を停めると、車から降りIDを翳して関係者以外立ち入り禁止のドアを開けて一階に降りた
一階に降りて、再び関係者以外立ち入り禁止のドアを開けて通路を通る
表の道路に出る事なく、IDのカードを取り出して【新居】と書いてあるのを取り出した
家へと続く通路の鍵を開け、中へ入ると自動ロックで鍵を閉まる
そして歩いていくと新居の勝手口に出た
烈は勝手口の鍵をIDで開けて中へ入り部屋を見て回った
【R&R】のスタッフには、本人の意向通りに、家具の配置の指定をしていたから、その通りに配置する様に見させた
応接間には節子の叔父の家の家具が運び込まれていた
クリーニングを掛けて運び込んだのが解る
竜馬は「凄いね、この家具………何か値段が怖いよ!」と謂う
「そうね、今ならかなり高価なモノなのね!」
祖母の部屋を見に行くと、和箪笥が玲香の指定の場に置いてあった
あれから「ばぁしゃん、和箪笥あげるわ!
かなり高価な和箪笥よ!部屋の何処に置くのかしら?」と部屋の見取り図を出して置く場を決めただった
今度の部屋は二部屋とリビング付きの部屋だった
全員がそんな感じで、部屋を持つのだ
だから和箪笥を置いても違和感がない様に、玲香の一部屋は和室にしたのだった
玲香は喜んだ
文机を置いたり、座椅子を見に行ったりと家具を揃えていたのだった
清隆は最近お腹が気になる壮年世代になり、トレーニングマシーンを一部屋に置くと謂う
そしてベッドに拘り、かなり良いのを買ったのだ
一人一人の部屋は鍵が掛けられ孤立する事が出来た
一階の客間を見に行くと、あの一本の木で作り上げられたテーブルが置かれていた
引っ越しするに辺り玲香が座布団も総て買い換えようと言い出し、皆でお金を出し合って座布団を新調した
酔っ払いが多いから、カバー掛けて洗えるタイプを買ったのだった
そして座椅子も買った
リクライニング式のちょっと良い座椅子
その座椅子は村瀬新太が、妻が置いて行った結婚指輪や婚約指輪、婚約時計や高価な色々を売り払い、せめてものお詫びとして渡して来たので買ったのだ!
まぁ客用まで出なくて、其処は榊原が出してくれた
キッチンテーブルも節子の叔父の家のを置いた
そんなに家族もいないのに………30人は軽く座れるキッチンテーブルと椅子をキッチンに置いていたのだった
妖怪や幽霊と共に食事していたのかしら?と烈は想像して笑った
全ての家具は鷹司緑道が祓い何も憑いてない状態と確認してくれた
クリーニングも緑道が請け負い、搬入まで屋敷の者達を使いしてくれた
緑道は負債を烈に押し付けた………と思い、それはそれは協力的にしてくれた
土地神も復活させてくれ、あの地は今後は土地神に護られし土地となった
そんな緑道の全面協力を受けて運ばれた、金にあかせて買った家具はどれも一級品だった
ついでに壁掛けの絵も貰って来て新居を彩った
絵と言えば安曇登紀子の友人の真田瑞穂さんから
「母に逢って貰えませんか?」と連絡が来たのは………春もまだ遠い2月の頃だった
大和の洋館を訪ねるのは………前世の時以来
街も変わった
人も変わった
ファッションも変わった
なのに洋館は当時と同じ様に建っていた
烈は阿賀屋と鷹司と共に大和の洋館を尋ねた
士官学校で、笹尾風舞と過ごした日々は確かにあったのだ
あの日この三人で見舞いに行き、写真を撮った
現像に時間のかかる時代で……その写真が出来上がる前に………風舞はこの世を去った
その家に登紀子と共に阿賀屋と鷹司と共に来たのだ
登紀子は「多分……瑞穂の母は長くはありません………本当ならもう他界してても可怪しくないと言われているのです………
でもどうしても最期に逢っておきたいと申されたので、お時間を作って下さって有り難う御座いました!」と告げた
洋館に着くと当時と同じ様に……ドアを開ける女性がいた
子供だった風舞の妹の面影を垣間見て
烈は「雪無………」と思わず名を呼んだ
あの日 洋館に三人で尋ねた時、ドアを開けてくれたのは風舞の妹 雪無(せつな)だった
瑞穂は「それは私の母の名です………本当に………叔父様の友達であられるのですね
母が会いたがってます、お願い致します!」と謂れ通された部屋は
「此処は風舞の部屋だ」と烈は言った
瑞穂はドアを開けて「母さん、会いたがっていた方々が来てくれましたよ!」と謂う
主治医がベッドの横に控えていた
相当………容体が芳しくないのが伺えられます
母さんと呼ぼれた女は顔を上げてみると泣き出した
「宗右衛門殿 獅童殿 蒼佑殿………皆でお越し下さり有り難う御座いました!」と謂う
「久しぶりね、せっちゃん!」
「はい!もうこんな年寄りになってしまいました!最期に貴方達に逢えて………本当に幸せです!」
阿賀屋は「雪無!」と手を取って
鷹司も「せつ!弱気になるな!」と謂う
「アトリエに風舞兄様の絵があります!
宗右衛門殿、兄の形見をお受け取り下さい!
やっと渡せます兄様………兄様……」
雪無は嬉しそうに笑って………'幸せそうに笑って…………目を閉じた
そして息を引き取った
烈は雪無の手をギュッと握り締めた
主治医が脈とり「御臨終です!」と告げた
真田瑞穂は烈達に深々と頭を下げた
「有り難う御座いました!
母は貴方達に会う数日前まで昏睡状態になっておりました!
ですが一昨日、突然目を開け………絵を渡さないとね!と言い出したんです
急な事でしたが………お時間を作って下さり有り難う御座いました!
アトリエの絵は総て宗右衛門殿へ、との事なので形見としてお持ち帰り下さい!」と言った
そして部屋を見渡して
「この通り………この家も時代に合わない建物として、解体を促されております!
でも母が………息を引き取るまでは………と想い待って貰っているのです!」と告げた
「この屋敷、取り壊したらどうするの?」
「まだ決まってはおりません!
夫の仕事も上手くないってないので、もう所持するのは不可能となっています………」
「真田鉄鋼だったけ?
コスト削減で、社員達にサービス残業強いていた会社ね………
今時 SNSもネットも盛んな世の中に、ブラック企業さながらの労働強いたら、そりゃネットに晒されるわよ!
何故そんな事さえ解らないのかしら?」
「御存知でしたか………」
「離婚しなさい!
そんなワンマンな奴の言いなりになり、この家の資産まで注ぎ込む必要なんてないわよ」
「え?…………」
「子どもを守る為に耐えていたんでしょ?
離婚もずっと考えていたんでしょ?
ならば早い方が良いわよ!
殴られてるんだし、登紀ちゃんシェルターに放り込みなさいよ!」と謂う
登紀子は「解りました!直ぐ様シェルターに入れる様に手配します!」と言い行政に掛け合って話をつけ始めた
「この家、一千万 キャッシュで買ってあげるわよ!そしたら取り壊して……ビル建てて一階は風舞の絵を飾ったカフェでもやろうかしら?」
烈が謂うと阿賀屋は「うし!俺も半分だそう!」と言ってくれた
鷹司は「ならば儂は解体費用を出してやろう!
そしてこの家 歴史的建造物として保管させて貰えぬか?と聞いてたから家だけでも引き渡してやるとする!」と謂う
「絵は明日 スタッフに全部運び出させるわ!」
「うし!ならば直ぐに動くとするぞ!」
鷹司が謂うと登紀子は「話が付きました!
夫の事務所の者が来てくれます!
瑞穂、事務所の者が来たら、その者と一緒に行き取り敢えず逃げなさい!
子供を迎えに行き一緒にシェルターへ逃げなさい!
御母様の葬儀は私が済ませておきます!
貴方は無念だろうけど、今は逃げて………お願い」と謂う
瑞穂は烈に家の鍵を渡した
「笹尾雪無の人生も波乱だったのね
結婚して離婚して、貴方を産んで育てて、この家を守り娘を嫁がせた…………
ずっとずっと大好きだった兄を想い……生き抜いた素晴らしい女性ね!
貴方はそんな母親の子供なんだから、我が子を守り生き抜けるわよ!
保母さんの資格も有るみたいだし、ボクの持ってる幼稚園で働きなさい!
取り敢えず、バカ夫から身を隠し、離婚した後ね
登紀ちゃんお願いね!」
「解ってます烈!
瑞穂は我が友、力にならずしてどうします!」
そうして真田瑞穂は我が子と共に逃げて、シェルターに入っている間に離婚訴訟を起こして、調停を申し立てた
夫の方は経営も危ういのに、DVで離婚裁判など外聞が悪い、が慰謝料なんて支払いたくないし、お金もない
だから離婚の条件を出した
【離婚したいならばしてやる!
但し 財産分与には応じない!
慰謝料も支払わない!
養育費も支払わない!
それでも離婚したいならばしてやる!
その代わり、離婚した後に口外するならば、慰謝料1000万円支払う様に!】
と謂うとんでもない離婚の条件を叩き付けた
こんな条件で離婚などしないだろう………との思惑が見え隠れていた
が、飛鳥井神威はその条件を飲み離婚させた
更に今後一切 接触は禁止!
接触したならば一億円の違約金を支払う事!
と法外な金額を逆に叩きつけて離婚した
此れて手も足も出なくなり、離婚は成立した
旧姓の笹尾になり、笹尾瑞穂となり、今は幼稚園で保母さんをしてくれいる
家も社宅を用意して住まわせている
娘と息子は転校となったが、転校先の方が楽しいと言っている
そして今 烈の所には風舞の絵が総て保管されていた
烈の部屋には友の絵を飾る予定だった
後 力哉の部屋にも風舞の絵をプレゼントするつもりだった
儚げだが、それでも力強く大地に根を張る菫を描いた絵をプレゼントするつもりだった
風に吹き飛ばされそうになりつつも、菫は大地に根を張り力強く生きていた
そんな絵だった
そんな想いをあれこれと想像しつつ、烈は一通り部屋を見て回って、此れで服とか持って来れば生活は可能だと安心した
引っ越しの前に、兵藤か…………
鷹司の所へ終了宣言せねばならないのだ
その後に新居へ移動して……と頭の中で予定を立てる
竜馬は「烈、帰るよ!」と謂うと烈はまた勝手口から外に出た
そして自動ロックの音を聞き、駐車場へと戻る
竜馬の車に乗り込みタワマンまで行く
タワマンの駐車場に車を停めると、烈と竜馬は関係者以外立ち入り禁止の扉を鍵を開けて入り外に出た
そしてタワマン横の通路を歩き2階へ上がり玄関の呼び鈴を押した
すると「烈!!竜馬!お帰り!」と流生の声がして、扉を開けてくれた
リビングに行くと、神野達も来ていた
飛鳥井の家のリビングで会社に電話して、急用なら出るけど?と謂う
だが、『明日までは休暇で大丈夫ですから!』と謂れリビングで寛いでいたのだった
神野は「夕方になったら買い出しに行く!」と謂う
烈は「ボクは今日までダラダラ過ごすわ!」と謂う
そしてリビングの床にクッションを敷くと、寝そべってPCを見始めた
ワン達が久し振りの烈に興奮して舐め回す
ガルは烈の背中に乗った
太陽は「駄目だよガル!」と退ける
虎之介と小虎も烈にへばり付き甘えた
クー ルー スーはサイダーを出して貰い飲んでいた
プーが「お帰り烈!」と話し掛けて来た
「プーたん、久し振りね、変わった事はない?」
「今の所は目に見えて、は、ない!
でも警戒強めで見ている!」
「そうね………でも来る時は何やってても来るわよ
ボクなんかNYで二度狙われたわ!
一度は人混みの中ファンです!と言いナイフ持って突進して来たわ!
そして2度目は気絶してる時に漆黒のジャガーが来やがったのよ……」
「最悪やったんやな!」
「そうよ、最悪なのよ!
本当にしつこいわ!」
クーが「此れからは血で血を洗う闘いに突入するぜ!」と謂う
スーは「今はええやん、言わんでも!」と謂う
プーは「そやな!」と黙った
夕方になると神野は一陽と共に買い出しに出た
一陽は「伊織を連れて行くので康太のお迎えお願いします!」と謂うと一生が
「おっ!俺迎えに行くわ!」と言ってくれる
こうして常に役割分担して、出来る事を嫌な顔もせずにやってくれているのだ
康太が一生と共に帰って来ると、康太は烈を見つけ
「お帰り!烈!」と言った
「母ぁーさん ただいま!」
「今夜は宴会か?」
「そうよ、アメリカで奢ったから晟雅ゃ達が奢ってくれるのよ!」
康太は部屋へと着替えに向かった
英生が烈に近付き「烈………」と不安気に声を掛けた
「エイセイ、貴方はボクが貰った子なんだから、何も心配しなくても大丈夫よ!
ボクを裏切らない限りは、貴方の道を示してあげるわ!」
「シャステナ………必死だね………事務所とも契約してそんなに経ってないのに………契約解除発表されてるし………
そんなに追い詰められてるの?彼等は?」
「プロになるのは、そんなに甘くはないのよ
しかも今回は総てシャステナに押し付けて、契約切ったからね
そりゃ必死よ、事務所と謂う後ろ盾なくしたんだし………グループとしても、もう立ち行かなくなって行くしかないでしょ!
しかもあのグループはインディースでそこそこなんだから、必死に食らい付いて血反吐を吐いても昇っていくって気心がなかったのよ!
デビューがゴールじゃないのよ
デビューがスタートなのよ!
其処が解ってないから人気も落ちるのよ!
だって根強く応援していた人達だって裏切ってるんだから……ね!
【R&R】もデビューの話は何度も何度も上がっていたのよ
そしてデビューの条件は、リーダーを省く事だった
ボクはそれでも良かった
でも【R&R】のメンバーは絶対にリーダーは変えない!とデビューを蹴ったのよ!
まぁその話が出てヨニーは窮地に追いやられ、いざこざがあり【R&R】は倭の国からイギリスへ逝くしかなかった時があったのよ!
ボクはボクをリーダーだと信じて着いて来てくれたメンバーを絶対の絆を結び大切にしてるわ
貴方も出逢った人との絆は大切にするのよ
そしたら絶対にその絆は何時か貴方を助けてくれるから!」
英生は何度も頷いた
烈はお茶を啜っていると買い出しに行っていた榊原と慎一と一陽と神野達が帰って来た
康太は「お疲れ!良い物買えたか?」と問い掛けた
小鳥遊は笑顔で「結構お得に買えました!」と謂う
烈は神野達がソファーに座ると
「三社共同事務所もそろそろ引っ越しの準備しなさいね!」と告げた
柘植は「ビル建ったのですか?」と問い掛けた
「2年経てば少しずつだけど完成して行くのよ!
全部はまだ完成してないけど、【R&R】のビルと蔵持のビルは入れるわね!
内装終了したら入れるから、ぜんちゃんに言わなきゃ!」
康太は「おっ!やっと建ったのか?」と言った
「やっとね、だからお引越しの準備しときなさいよ!お引越し当日の指揮は三木竜ゅー馬さんが取ります!皆さん良く聞いて段取り良く運び込みましょうね!竜ゅー馬さんが近々荷物に運び出す順番を付けに行きます!
だから荷造りしといて下さい!」
三木竜馬さん………竜馬がやるのか……と思った
竜馬は「俺は佐方運輸に1年、引っ越しのササカイに1年勤めてますから!」と謂う
神野は「それ何時の話?」と問い掛けた
「俺が烈に飛び蹴りかまされて、泣かされて説教されて直ぐに、ですから18の時にはバイト三昧でした!
なので荷物のノウハウ、引っ越しのノウハウは理解してます!
指示を出すので、番号を付けた順に運んで貰って下さい!」
引っ越しか………
柘植は「今のビルはどうするの?」と問い掛けた
「使える機械は全部引き上げて解体するわ!
今の所更地にして………としてか言えないわ
そう言えば医療ビルも完成したのよ!
おーちゃんは取り敢えず10階に住みなさいよ!
神野達も住みたいなら今の家賃相場少し安めで貸すわよ?」と問い掛けた
神野は「俺の家は戸建てだ………両親が住んでた家に住んでるんだよ!
前は……マンションだったが、子供も来たから広い方が良いかと、家あるし其処に移り住んている
でもかなり老朽化して来てるからな………引っ越しは考えていたんだよ!」と謂う
「なら、その土地建物くれるなら、医療ビルの10階の4LDKの家と交換する?」
「嫌々!其れだと烈が損するよ!」
「ボクは土地を持ち家やビルを建てる!
それに損得はあんまり考えないのよ!
まぁ損する時もあるわよ!
それをどれだけ損害を出さずに生かせるかなのよ
それを謂うなら弥勒んち、彼処はあまり利用価値がなくて…建売を10軒建てて売るしか使い道がないのよね!
まぁ道場や駐車場、建物入れたら広いんだけどね、高層の建物禁止地区だから建売しか売れないのよ!まぁ弥勒には4LDKの部屋譲渡して、今は家族で仲良くやっててくれるからね
それだけで良かったと想うのよね!」
「………割に合わなくても?」
「まぁね、其れが嫌なら言わないわよ!」
「なら考えてみようかな……」と謂うと小鳥遊が
「だね、隙間風凄いから寒いんだよね…
後 日差しもあまり差さないから余計ね!
晟雅、この機会に我が家も引っ越そうよ!」と謂う
「良いのかな?烈………困らないかな?」
「困るなら言わないよ!端っから!」
「烈、日当たり悪いし………事故物件だ………」
「あ~、そうね、もう晟雅ゃの母さんは自死だから、事故物件になるわね
貴方の母親は自死だからキツい修練の日々だったわよ
つい最近までは魂の修練場で日々己の業と向き合い、罪の数だけ苦行を科せられていたわ!
でもやっと許されてワンステップ登れた
腐らす投げ出さず日々修練をしてお務めをしていた!そして何時も口にするのは……息子を愛してやれなくて………と謂う後悔だった
もぉ良いオッサンだから悔やむのは止めなさいと謂うと悔やむのを止めたわ!
そして前向きに進む事だけ考えて、日々を送っている!近い内にその罪が許されて輪廻の輪に入れる様になるかもね!
だから貴方も、悔やむのは止めなさい!
まぁ事故物件なのは仕方ないわ!
でも大丈夫、何かいたら母ぁーさんに頼むから!」
烈が謂うと康太は「その時は盛大に燃やしてやんよ!」と謂う
小鳥遊は「ならば、引っ越し前向きに検討したいです!」と謂う
須賀は「私は医療ビルに引っ越すのは………前から決めてます……今の家は………賃貸なので適正な家賃をお支払いします!」と謂う
柘植は「うちは家を買うつもりなので……」と謂う
「あ~なら売るわよ?
それとも平屋?二世帯住宅?」
「我が家族と妻の家族と自分の両親………三世代住宅です」
「あら、三世代は注文住宅ね!」
「そうなんですよ!」
「でもね、きょーちゃんちの両親は住まないわよ?」
「え?それは?何故ですか?」
「あの人達は家族の世話はしたとしても、世話になる気は毛頭ないのよ!
働ける内は働き、働けなくなったら老人ホームに行くのよ!
手付は打ってあるのよ、田舎の家を売って、田畑も売った、その時のお金で老人ホームに入ると謂うからね
ならば、格安でサービスしてやったから、老人ホームに行くのよ!
後は年金でやり繰り出来るし、あの人達は息子に世話になる気はないのよ!」
「私は………そんな事は知りませんよ?」
「あの人達、田舎だったから、昔から嫁が旦那の親の介護を押し付けられてるのは嫌と謂う程に見て来たのよ!
嫁は何時だって耐えて耐えて耐え忍び………泣くしかない状況を見て来たのよ
だからこそ、自分の頭がしっかりしてる間に、資産を整理して、こっちへ越して来たのよ
それは倅に世話になる為じゃないのよ!
便利な都会でお金を貯め、老後は子供に迷惑をかけずに最期を迎える!
だから三世代住宅なんて用意しちゃ駄目よ!
きょーちゃんの親は倅が幸せになる事だけ日々祈り過ごしているのよ!
其れだけしか願っちゃいないわよ!」
柘植は親の想いを知り……泣いていた
「そして真紀たんの両親もね、代々受け継がれた家から出る気はないわよ!
家は息子が継ぐけど、自分達はあの家で最期を迎える気だから、多分話を持って行っても無理ね!
【家】ってね格式が高くなると、そんなに簡単には売れないし、出られないのよ
仕来りや繋がりもあるからね………
飛鳥井の家も100年前位前ならば、こんなに簡単に家を移るのは無理だった………
家はそんなに軽くもないし………簡単じゃないのよ!」
「妻と自分の両親に聞いてみます!」
「そうしなさい!後ね自分の妻にもね!
子供の将来を考えて、住む場は決めるのよ!
其れには家族の理解と納得が必要になるからね」
「…………有り難う烈…………」
烈は何も言わず竜馬に「お引越しよ、竜ゅー馬!」と謂う
「そう言えば、貴史んちの引っ越しはどうするんだ?」
「それはボクは解らないわ!」
「なら明日呼んで貴史と話しをしょうか!」
「そうね、それが良いわ!」
烈が謂うと竜馬は兵藤にラインした
「貴史、明日の朝、飛鳥井に来てよ」
『え?良いけど、今飛鳥井は何処に住んでるのさ?』
「タワマン横!」
『なら明日の朝、タワマン横に逝くわ!』
ラインを終えると竜馬は「明日の朝来るってさ!」と言った
康太は何も言わずに烈を見ていた
烈は母の視線に気づいて
「母さん、弥勒の住んでた土地に建売住宅を建て始めます!決済届きましたか?」と問い掛けた
「防音に優れた住宅だっけ?三階建ての!
伊織は直ぐに決済してたぜ!」
康太が謂うと清隆も「私も決済しました!」と謂う
瑛太もやって来て「私も直ぐに決済しました!
防音に優れた住宅のパネル板にはヨニーが特許取ったのを使うんでしょ?」と問い掛けた
「そう!みかちゃんが完成させてくれた防音パネル板を使う予定なのよ
【遮音】と【吸音】を上手く使って音を漏らさない設計には苦労してるわ!
実験ではかなりの音漏れは軽減出来てる
でも完璧な防音と謂うのを、住宅丸々設計なんて出来ないのよね…………だから設計士とも話し合い、研究室へ足を運び実験しての繰り返しなのよ
だから防音住宅と銘打ちたいけど、それは無理な話なのよ
防音パネルを何処に使えば効率的に音漏れを防げるか?試行錯誤してる最中よ!」
「大変なんですね………」
「研究室の者とみかちゃんと設計士がね!
ボクはそうでもないのよね
弥勒の住んでた土地も利用しないと採算が合わないからね、損しない様に利益に上げて行くのを考えるだけだからね!」
清隆は「キュリティーを重視になさっていたのに、今は音漏れを気になさるのは、何かあっての事なのですか?」と問い質した
「セキュリティーは既に浸透して来てるじゃない
飛鳥井の建売住宅はセキュリティーが凄い、マンションも会社としてのビルも、セキュリティーは徹底している、と大分周知して来たから、更にその上を逝くのよ!
+Oneの付加価値を!と謂うのがコンセプトなのよ!今回の建売住宅は!
まぁこんな話、今する事もないんだけどね
此れから宴会の今、しなくても良いんだけどね!」
本当に建築莫迦な家族なのだ
一陽は「建築の話は会社でして下さい!
さぁ宴会の準備が出来たので、皆さん手伝って下さい!」と謂うと皆は一斉に手伝いに走った
キッチンワゴンにコップや取皿を乗せて、一階へ
一階の客間に行くと翔達がテーブルを拭いていた
烈も竜馬もお手伝いをして宴会の準備をする
その夜は久々に皆寛ぎ、楽しげに飲んでいた
翌朝 烈は「この週末に総て片づけて、お引越しするわよ!」と告げた
家族は頷いた
準備万端、何時でも引っ越しは出来るのだ
神野達は「ならば我等は事務所へ戻り、荷造りして来ます!」と謂うと竜馬が「俺も逝くわ!」と言った
皆が出払った頃 兵藤貴史が両親を連れてやって来た
リビングに通され話を聞こうとする!
烈は「あ~飛鳥井は此れから引っ越しなのよ!」と謂う
美緒は「え!お引越しですか?ならば我等は邪魔ではないか!」とボヤいた
「何を言うのよ!美緒たん!
美緒たん達も週末にお引越しよ!
家具はどうする?
シャルロットが結婚準備金用意するから、それで買いに行きなさいよ!
応接間のソファーやサイドボード、絵画、時計はボクと鷹司と阿賀屋からの引っ越し祝いよ!
最高級品で揃えといたわ!
さぁ見に行くわよ!」
美緒は「はい!烈は我らの車に乗りますか?」と問い掛けた
「ボクはケント呼び寄せてるから、取り敢えず飛鳥井記念病院まで来てね!」と言い家を出て行ってしまった
家族は荷物を持ち忙しそうだった
昭一郎が「ならば我らも飛鳥井記念病院に行きますか!」と言い家を出て行った
タワマンの駐車場に戻り車に乗る
飛鳥井記念病院へ着くと、烈は榊原と康太と共に待ち構えていた
車を立体駐車場の一階に停め、歩きで新居へと向かう
警察署の前の大きな幹線道路に出て信号を待つ
青になり音楽が流れると横断歩道を渡り、警察署の前に行く
すると高い塀が目に入る
烈は「塀の壁の支柱はタングステンを使用して、トラック程度が突っ込んでも、トラックが負ける作りとなっております!」と説明
そして家の鍵を開け家の中へ
家の中へはいると大きな広い玄関に、横にシューズクロークがあった
半分は防犯カメラのモニター室になっているのは、飛鳥井と変わらずだが、広目で靴の収納に特化していた
榊原は「この度は飛鳥井建設をご利用有り難う御座いました!
この家は階数で分かれた完全世帯分離型の住宅となっております!
個人のプライバシーは完全に保てる様に、我が社の製図部エース飛鳥井恵太と吉瀬真人が心血を注いで描いたビルとなっております!
一階は共用スペースとしてリビングとキッチンが一つになったLDK、応接間、客間があります!
そして一番上からご案内!」
と榊原はエレベーターを呼び寄せて乗りこむ
玄関入って応接間の奥、階段の横にエレベーターはあるのだ
それに乗り先ずは5階に
烈は「このビルは其処まで敷地面積はないのよ
だから5階はシャルロットの部屋、そして夫婦の寝室、バス・トイレとランドリールーム夫婦の洗濯は此処でやり干すと良いわよ」と言い部屋を見る
廊下に出ると階段から下へ降りた
「4階は子供部屋が二部屋、そして家族で過ごすリビングになるわ!」
下へ降り「3階は客室、そして兵藤きゅんの部屋と仕事部屋!
家で仕事やる事もあるから家具は値の張る良いので揃えなさいよ!」
そして更に下へ降り「2階が美緒たんと昭ちゃんの部屋と洗濯室とリビングね
リビングには簡易的なキッチンも設置してあるので、部屋で食事を取るのも可能にしてあります!
生活スタイルが違うのに、さぁ一緒に暮らしましょう!今日から全部一緒よ!と言うのは無理があるので慣れるまでは、それぞれの空間も必要となるので、階数で分かれて生活するのが一番かと、そうしたら美緒たんも嫁姑の争いしなくて済むからね!
まぁ政治家の妻として生きていくならば、嫁教育は必要となるので、それは客室で精査しながら所作や教育を施せば良いわ!」
そして一階に降り
「一階は応接間と客室兼華道とか所作を習う部屋として使うと良いわ!
リビングキッチン、この家は防犯上庭が小さいからテラスを作ったのよ!犬は此処で過ごせば良いわ!
そしてシューズクロークと半分は防犯カメラモニターね
此れだけの広さだと顔を合わせない事も可能だし、孫が増えても子供部屋は確保してあるから大丈夫よ!
セキュリティーもこの建物は完璧だから!
この建物に暴漢が押し入ったら、即座に警察に報告が行き、シャッターが下がるシステムとなってるのよ!
その時用の避難経路も有るから頭に叩き込んでおきなさいね!
まぁそれは引っ越した後ね!」と説明
康太が「飛鳥井宗右衛門と謂う御仁は常に最悪な事を警戒して布石を打つ御方!
なのでご自分の命を守る為に、日々鍛錬され逃げられる様に務めて下さい!」と言葉にした
烈は「兵藤きゅん、黒帯取った?」と聞く
兵藤は「まだです………難しすぎて中々取れません!」と謂う
「困ったわね対価は取らないとならないのよ!」
「努力します!」
「まぁ追々ね!当分はボクが訓練してあげるわ!
獅童に今返されても、儂は受け取らんぞ!
自身の防御が完璧でない奴が、覇道を逝ける理由などなかろうが!と返品されたからね
特訓ね、毎朝竜馬とランニングしなさい!
そしてうちの庭で太極拳して道場へ逝くわよ!
その時、シャルロットも鍛え上げるから!
泣いたとしても庇うんじゃないわよ!
此れからの道は修羅の道だと想いなさい!――
此れは二人が選んだ未来なのよ!
その手助けをしてあげるから、年内はボクの元で鍛え上げなさい!
そんな軟な刀剣じゃ刃毀れして折れちゃうと返されたからね、折れない刀剣に鍛え上げるわ!
あ~ボクも甘くなっちゃったわね!
この程度で返そうなんて、宗右衛門も鈍ったわな!と嗤われちゃったわよ!どうしてくれるのよ!本当に腹が立つ!!」
兵藤は困った顔をして「すみません………」と謝罪した
康太は爆笑した
榊原は淡々と仕事していた
昭一郎に「引き渡しの説明を受けた、総て理解出来たならば、サインでも印でも良いのでお願い致します
そして住所を移して住むとサインをお願い致します!」と謂うと昭一郎はサインした
榊原は控えを昭一郎に渡す
「其れでは新居の説明は飛鳥井建設の私 榊原伊織、飛鳥井康太、飛鳥井烈が御説明させて戴きました!」
と謂うと康太と烈は深々と頭を下げた
そして本体の鍵とスペアを昭一郎に渡した
康太は「この鍵は登録した者しか持てない、特殊なカードキーなので無くさない様に!
当然 飛鳥井建設としては鍵の番号は控えてますので、再注文は可能ですが、再発行にはお時間が掛かるのでお気を付け下さい!
其れでは、新居での生活をお楽しみ下さい!」と言い引き渡しは終えた
康太は「さてと、宗右衛門いないと家に入れねぇかんな、新居へ俺等も逝こうぜ!」と謂う
其れでは!と、ご挨拶して新居へと向かう
兵藤の家を出て、信号を渡ると高い塀が姿を現した
此方の塀は煉瓦造で温かみがあった
木々が生い茂り、その合間から防犯カメラが多数伺える
新居の前に行くと、康太が「今直ぐに来いよ!」と連絡する
すると大きな荷物を抱えて、家族がやって来た
門を開け広げ、玄関も開けたまま待つ
門は自動開閉でIDを通さねば開かない
そして玄関のドアも同じく、IDを翳さねば開かない防犯システムになっていた
家族は足早に荷物を両手に持ち玄関へと入った!
するの自動で門は閉じて、玄関のドアもロックが掛かった
慎一は「俺は響と奏と一希で限界でした!」と謂う
烈は「鍵を渡すし、新居からなら上を通らなくても下から行けるから!」と謂う
取り敢えず応接間に荷物を置くと
烈が「お部屋の案内するわね!
今回の家はにーに達が家族を持つ想定の部屋となります!
先ずは一階は前と同じ、玄関、そしてシューズクローク、半分は防犯カメラのモニターが有るから確認して怪しいのいたら通報ボタン押すのよ!
そして応接間、今回のは更に広く椅子も増やしたわ!皆で座りたいじゃない!
そしてサンルーム、サンルームから庭に出てテラスがあるのよ!
カフェっぽくテーブルと椅子も置いて有るわよ
そして庭にはドックランさながらのシステムか取り込んで有るから、ほらガルくん達遊んでおいでよ!」とお尻を叩くと庭へと走って行った
そして奥へと歩を進める
「応接間の横が階段とエレベーター
そして奥が和室の客間
この部屋は30畳程あり、その奥に茶室が備えて在ります!」
と謂うと皆が客間に入った
客間には巨大な大木のテーブルがあり
清隆は「えー繋ぎ目がない!此れ一本の木で作られてるのですか?」と興奮していた
家族は見事なテーブルを撫でながら
「此処で宴会するの楽しみですね!」と謂う
家族は皆頷いていた
「そして和室の奥が客室、旅館の様な純和室と洋室の二部屋があります!
お客様は此処でお泊りする事も可能です!」
客室は客間を出た廊下の壁側に在った
重厚感の有るドアがあり、ドアノブを捻ると和室があり旅館の様な佇まいだった
その横の部屋はツインベットがあり、ソファーやテーブルも備えてあり、ホテルの部屋みたいだった
烈は案内しつつ歩き始めた
「客室の反対側が源右衛門の部屋です!
仏壇も先にお引越しているので、ちゃんと源右衛門に手を合わせられます!」と言い部屋を案内
源右衛門の部屋には仏壇がちゃんとあり、その横には和室と洋室が在った
そして箪笥には源右衛門の着物や作務衣も入れてあった
「そして源右衛門の部屋の隣が、かなり建築中に拘り作った場所です
建築方法は旅館のお風呂と同様の作りにして、換気を逃がして籠もらない設計にしてあります!
悪戦苦闘して、換気と壁をかなり拘り作った
【お風呂場】と銘打った風呂場です
このお風呂を使用する時は、ちゃんと【使用中】の看板出して入ってね
部屋のお風呂が狭いから大きいので浸かりたい時には、このお風呂を使ってね
お湯はこの地下深くの源泉を掘り当てだから24時間何時でも使えるからね!」
家族は「源泉ですか!!」と喜んだ
「そうよ、レイたんが水源も掘り当ててくれたから、新鮮なお水も出て経済的に優しいお風呂なのよ!」と笑顔で言う
長い廊下を歩き左右に配置された部屋を見て回って行く
康太は後を付いて歩き
「この家めちゃくそ広いな!」と言った
「元ファミレスの敷地だから、敷地一杯使ったのよ!
一階は玄関、シューズクロークと防犯カメラモニター部屋、応接間、客間、客室二部屋、源右衛門の三部屋、風呂場、脱衣所、此れで全部ね!」と謂う
榊原は「キッチンは?」と問い掛けた
「今回 キッチンは2階に移動しました!」
と謂うから皆 階段で二階へと上がる
2階に上がるとリビングがありキッチンかあった
此処も結構広い空間が広がっていた
キッチンテーブルも前とは比べ物にならない程に長くて………まるで海外の食卓のテーブル並みの長さだった
清隆は「家族全員で食事が取れますね!」と嬉しそうだった
烈は「じぃしゃんとばぁしゃんの部屋はこの階よ!後 えーちゃん夫妻と子供の部屋もこの階にあるわよ」と謂う
広々としたキッチンとリビング、そしてリビングには大きなテレビが壁に掛けられて在った
そのキッチンの奥には一階同様に廊下が有り、左右に部屋があり、玲香の部屋が在った
「この部屋ははぁしゃんの部屋ね!」と言い中へ入る
すると洋室には玲香が買ったベッドが配置されていた
そして和室の部屋には見事な和箪笥が備えられていた
玲香は「此れは………誠…見事な和箪笥じゃな………
我にくれるのか?烈?」と問いかけた
「うん!此れはばぁしゃんの部屋にと想って備えたのよ!
新品に見えるけど、中古なのよ!ごめんね!
使ってないみたいだったし、変なのは憑いてないから安心してね!」
「烈が我に変なの憑いたモノ等、くれぬのは知っておるし、烈からのプレゼントならば我は何でも嬉しいわ!それに此れだけの和箪笥は今の職人では作るのは無理じゃな!
こんな高級なの………本当によいのか?
売れは1千万は下らぬ品物であろう?」
「良いのよ!此れはばぁしゃんに!と想って配置したモノだからね!
此れで着物沢山入るわね!」
「烈………今の箪笥では着物が入らぬ事、知っておったのか?」
「だってばぁしゃん溜息ついて和箪笥のパンフ見てたじゃない!しかも会社の食堂で、社員達がそれ見て『玲香さん和箪笥のパンフ見て溜息着いてましたよ!』と報告される程だったのよ!」
「え!あ~和箪笥の値の張り様に溜め息しか出なかったからじゃ!
でも烈が見事な和箪笥をプレゼントしてくれた!
嬉しいぞ!美緒に自慢せねばな!」
と玲香は嬉しそうに笑った
「そしてその隣がじぃしゃんよ!」
清隆の部屋も選んで買ったベッドが指示通りに備えられていた
そしてもう一部屋は寛ぎの空間を演出しようと思っていたのだったが、既に用意されていた
フローリングには絨毯が敷いてあり、ソファーと机があり………テレビもあった
清隆は「此れは購入してませんよ?」と謂う
烈は「ばぁしゃんの和箪笥と釣り合い取らなきゃ、だからね!」と笑う
着いて来ていたのか鷹司が
「それは儂からの提供じゃ!」と一人用テーブルとソファーを指さす
阿賀屋が「絨毯は俺だぞ!清隆!」と謂う
紫園は「僕はテレビです!」と謂う
烈は「じぃしゃん愛されてるわね!」と笑う
清隆は「有り難う!」礼を言った
烈はスタスタ次へと行く
「じぃしゃんとばぁしゃんの隣の部屋が慎一きゅんの部屋よ!
慎一きゅんの部屋はちっこいのの面倒を見て貰う為に少し大きく作ってあるのよ!」
ソファーやテーブルを置いてありテレビも壁に掛けられていた
寛ぎの空間が其処に在った
そしてやはりちっこいのを見る為にリビングは広めにしてあった
そしてちっこいの達の為の部屋は絨毯張りの暖かな部屋だった
押し入れにはちっこいの達のお布団が入れられていた
「じぃしゃんとばぁしゃんの隣の部屋が慎一きゅんの部屋
向かいの部屋がえーちゃんとママと子供の部屋ね!
じぃしゃんやばぁしゃん、えーちゃんとママの部屋は基本、寝室とリビングね!少し広めな作りにしてあるのよ!
そしてクローゼットはウォークインクローゼットよ!服も沢山かけられるし収納は、バッチリよ
ユニットバスとトイレは備え付けね!」と謂う
瑛太の部屋も買ったベッドが配置されていた
そしてもう一部屋には、部屋を見て瑛太は
「えー!!!」と叫んた
瑛太の部屋は観葉植物が置かれ、テレビや一人用ソファーとテーブルは有るが、全体的にグリーンに囲まれ壁紙もグリーンだった
「えーちゃんはさ、最近疲れてるのよ!
観葉植物の手入れはママがするからさ、えーちゃんはこの空間で癒されてなさい!」
と言い次へと行く
「次はママの部屋ね、洋裁とかするからお掃除しやすいカーペットと部屋から運び出したミシンは設置済よ!
後 休める様に一人用のソファーとテーブルね、一休みしてお茶すると良いのよ!」と謂う
「そしてママの部屋の隣が瑛智と柚の部屋、二人は1LDKの部屋にしてあるから!
部屋の家具は運ばせてあるわよね?」と謂う
京香は「はい!何日か前に運び込ませてます!」と答えた
「この階の洗濯は洗濯室でやってね!
各部屋にユニットバスは付いてるけど、湯船に浸かりたい時はお風呂場へ行ってね!
二階はリビングとキッチン、じぃしゃんばぁしゃん、慎一きゅんの部屋
そして廊下を挟んで向かい側がえーちゃん家族の部屋となります!
二階は此れで全部です!
次へ行って良いかしら?」
全員頷いた
烈は3階へと上がる
3階に上がって奥の部屋へと行く
「この部屋が隼人にーとヨーコの新居よ!」と言い案内する
隼人は「オレ様の部屋ないかと不安だったのだ
マンションあるでしょ!言われたらどうしようと思ったのだ………」と謂う
烈は笑って「母ぁーさんの大切な仲間を粗末になんかしないわよ!」と謂い説明を続ける
「隼人にーの部屋は完全防音よ!
此処で演技しまくるのよ!
夜中でも大丈夫だからね!
でも部屋から出て叫んり、演技の練習したら、そーちゃんが怒りに来るわよ!」
「解ったのだ!」
「そしてヨーコの部屋ね
そして2人の寛ぎの空間のリビング!
そして子供部屋を用意したわ!」
洋子は「子供部屋……あぁ、何時か私も母になれるのだな………」と感慨深く謂う
「隼人にーの隣の部屋はカズとリキちゃん、そうちゃんとゆーちゃん、みかちゃんとエイセイ
向かい側の部屋は一陽、竜馬、空き部屋二つの洗濯室!
どれも二部屋とリビング付きです!
其々の部屋は大き目に取ってあり、孤立してるので、息が詰まる事はないと想います!
まぁ別居希望なら空き室貸すし対処は出来ます!
部屋には前の家同様に名前のプレートがあるので確かめて入って下さいね!」
と話す
自分の部屋を確かめ、家具が入ってるのを確認する
「確かめたかしら?
3階の部屋は隼人・ヨーコ夫妻、カズ・リキたん、そうちゃん・ゆーちゃん、みかちゃん、エイセイ、反対側に一陽、竜馬、そして二部屋空き室だけど、当分は兵藤きゅんが住みます!
後 洗濯室があるので其処で洗濯して下さいね!」
と謂うそして「次に行って良いかしら?」と聞く
皆は頷くから烈は4階に上がった
「4階は全部屋2Kユニットバス・トイレが有ります!
此れは成長して結婚しても此処で生活が可能になる為の部屋です!
先ずはレイ、凛、椋、響、奏、一希の部屋と洗濯部屋
向かい側が和希、和真、北斗、永遠、二部屋空き室となります
大きいお風呂が良いなら、風呂場を利用してね!
次に行って良いかしら?」
全員が頷いた
「5階はボク達の部屋、そして両親の部屋よ!
さぁ父ぉーさん、部屋を確かめてみてよ!
二人の部屋はどの部屋よりも大きいのよね
リビングと寝室よ!そしてお風呂場はリビングの横、そして寝室!
完全防音だから!ボク達の部屋に声が行かない大丈夫な設計に、しろたんがしてくれたのよ!
あ、でも窓開けてのプレイは外に丸聞こえだから!ボク達の方へは一切聞こえない分、窓開けたら外へ聞こえちゃうから窓は閉めてしてね!
そして父ぉーさん、写メで見せたダブルベッドよ!
スプリングがめちゃくそ良いのよ!
クリーニングして来てるから安心してね!」
榊原は寝室に入りベッドを確かめた
金に明かせて買っただけあり、最高級のベッドとマットだった
「今の時代に此れだけの買うならかなりの費用は弾き出さねばなりませんね!」
と、榊原が納得の最高級品だった
烈はニャッと嗤い「でしょ!このベッドは両親の部屋にと想って頑張ったもの!」と謂う
そして悪魔な烈は「引っ越しの荷物を総て入れて引っ越し蕎麦食べるまではお預けよ!
その後なら好きに泣かせて良いわよ!
ほら、父さんにご褒美よ!!」と言い小瓶を渡す
「此れ西村に使ったら泣いて叫んで『結婚して下さい〜だからイカせてぇ〜』と泣いて哀願した程の出来だった品物よ!」と悪代官バリの笑みを貼り付けて父に渡す
翔は「烈は本当に父の使いが上手い……」とボヤいた
榊原は「ならば引っ越し頑張りましょう!」と小瓶をダブルベットの横のランプテーブルの引き出しにしまった
烈は「この家は6階建てなので6階があります!
6階は猫部屋以外は何も決まってません!
将来 家族や仲間が増えた時にでも使える様に建てました!
なので掃除は当番で6階もしないとダメだけど、皆で家を守って行きましょう!」と告げた
榊原は「それも家に慣れれば必然的にやる事になります!其れよりも引っ越し作業スタートさせますよ!」と言い、俄然張り切る榊原によって引っ越しは順調に進んで行った
阿賀屋は「俺は洋間の客間使うわ!」と謂う
鷹司は「なら俺は源右衛門の部屋!」と謂う
紫園は「なら僕は和式の客間で!」と其々お気に入りの部屋を見つけて移動する
御影と一陽は自分の部屋の引っ越しより先に、源右衛門の仏壇を拭いて、花を変えたり線香と蝋燭を立てていた
そして源右衛門の部屋の窓を開ける
外は木々が生い茂り澄んだ空気が流れ込んでいた
源右衛門の部屋の空気を入れ替えると、自分の部屋の引っ越しを始めた
烈は流生に「流にーの温室は屋上へ行ったわ!」と言い一緒にエレベーターに乗り6階へ逝くと、エレベーター横の階段へと向かう
上へ上がる階段があり、烈はIDを翳すとドアのロックが解除された
「後でIDは渡すわね!」と謂うと屋上へ出ると立派な温室が目に飛び込んで来た
烈は「島忠で野菜買って来なきゃ!その為に温室広くしたのよ!」と謂う
温室のドアを開けると噎せ返る花の臭いがした
流生の薔薇の匂いだった
アレから株分けして病院の裏の家にも薔薇は在った
猫達が水遣りしてくれ元気に育っていた
温室にはハンモックもあり、猫達は好きな場所で寝る事にしたのだった
「流にー、庭にも花を植える花壇あるのよ!
ワン達を庭に出てるから、後で見に行き何を植えるか考えましょうね!」と謂う
流生は「凄いよ!烈!」と喜んだ
「このビルは窓もベランダもないのよ!
やはり警戒しないと駄目だからね
でも祝福の光は常に差し込まれているから木々は育ち綺麗な花は咲く筈よ!」
流生は「ワン達はトイレを完璧に覚えさせないと木にショーとしたら枯れちゃうからね!」とやる気になっていた
屋上のドアを開けて家の中へと入る
自動でロックが掛かり、外には出られなくなる
烈と流生は自分の部屋に行き、荷物を片付け始めた
洗濯室はかなり広く、ドラム式洗濯機が備えられていた
荷物を片付けもひと段落つきすると音弥が
「下のお風呂場へ逝こうか!」と謂う
兄弟でお風呂場へと着替えを持って向かう
途中、祖父にも会い一緒にお風呂場へ向かい仲良く風呂に入った
風呂に入る前に吊るしてあるプレートを【入浴中】して入った
脱衣所は銭湯の様に棚と籠が並べられていた
烈は一つの籠に烈の名を書いたランドリーバッグと携帯を置いて服を脱いて風呂場へと向かう
風呂場のドアを開けると、湯気が立ち込めていた
烈は「冷たい方の水はレイたんか水源当てた引いてくれた天然水よ!
だからこの風呂に関しては水源尽きない限りは、ずっと費用気にせずに使えるのよね!」と笑う
ゆったりお風呂に浸かり出ると、脱衣籠の中に入れた携帯が着信を告げて光っていた
携帯を見るとラインが入っていて【R&R】の皆はこの近くのマンションでお引越しが終わるのを待っていた
竜馬からは『烈、皆が荷物を持って待ってるから!』と連絡が来た
烈は「なら神野達連れてメンバーと合流して裏口の通用口方から来るのよ!」と謂う
竜馬が『了解!』と返すと烈は慎一に
「キッチンの裏口から竜ゅー馬とメンバーが来るのよ!」と告げた
慎一は裏口の鍵の施錠を開けるとドアを少し開けて置いた
そして「俺は引っ越し蕎麦を買いに行きます!」と謂う
阿賀屋が「引っ越し蕎麦なら人数分用意してやるさ!」と言い
「神野達も貴史一家も呼ぶが良い!」と謂う
烈は兵藤に電話をした
ワンコールで出た兵藤に烈は
「お引越しどうなった!」と問い掛けた
『取り敢えず家具を買いに逝く為に採寸取ってる
引っ越し前の住居は家具を処分して早目に明け渡すから!』
「ねぇ、飛鳥井の新居来ない?」
『え?………良いのかよ?』
「良いわよ!美緒たんも昭ちゃんも連れて来てね!」
『了解した!直ぐに行く………って新居何処よ?』
「今何処?」
『まだ新居、取り敢えず採寸測って、服とか運べるのは運ぼうかと、考え中!』
「なら信号を渡って来なさいよ!」
『え?信号?家の前の?』
「そうよ!」
『直ぐに逝くわ!』
そう言うと烈はIDが入ったサコッシュを肩から掛けると、外に出た
外で待ってると兵藤一家が信号を渡って来た
そして烈は素早く兵藤一家を家の中に入れると、防犯カメラを確かめに行った
そして無事を確かめると、応接間へと連れて行った
暫くすると裏口の方から竜馬が神野達やメンバーを連れて帰って来た
烈はキッチンに行き
「竜ゅー馬、靴は玄関に持って逝くのよ!
そしたら手を洗って引っ越し蕎麦の準備よ!」と謂う
竜馬は「了解っす!」と言い靴を持つと玄関に向かいシューズクロークに靴を入れた
メンバーも靴をシューズクロークの中へ入れた
そして応接間を覗くと兵藤がいて
「貴史!引っ越し終わったの?」と問い掛けた
兵藤は「まだまだかな?」と謂う
竜馬は「なら明日の朝、レンタカーを借りて一気に運ぼうか!」と言った
兵藤は驚いた顔をして「良いのか?」と聞いた
「あぁ、明日は貴史んちで引っ越し蕎麦だね!」と謂う
烈は「あ、明日竜ゅー馬が手伝うなら、シャルロットの荷物入れちゃいたわね……
でも明日直ぐには無理かしら?」と言った
竜馬は「イギリスから送った荷物なんか入るのぉ?」とボヤいた
「入るわよ!其処まで高貴な家具はないから!
総て買い替えた方が早いかしら?
まぁそれも兵藤きゅんが決めてやれば良いからね!」
兵藤は「了解!」と言った
竜馬は「なら明日早く行くから!」と謂う
ヘンリーは「竜馬の朝早くは………四時五時の世界だから………」とボヤく
竜馬は「じぃさんと生活共にしてるとさ、早起きになるのさ!」と笑った
兵藤は唖然とし、美緒は笑って
「宗右衛門は常にそうであったわな!」と言った
昭一郎は「ならば明日は四時から待機しますかね!」と謂う
取り敢えず、飛鳥井の引っ越しは終わった
阿賀屋が注文した引っ越し蕎麦を、客間で皆で食べて……
食べ終わると、榊原は康太を引っ張って寝室へと消えて行った
烈はそれを見送り北叟笑み、その笑顔を聡一郎に
「悪どいよ!その顔!」と言われるのだった
客間には見事なテーブルが並べられていた
烈は「ばぁしゃん、美緒たん夫妻をお泊りさせたら?」と言った
玲香は「え?よいのか?」と問い掛けた
烈は「ばぁしゃん、美緒たんと和室の客室に布団敷いて寝ると良いのよ!
昭ちゃんは洋室の客室で寝ると良いわ!
真央たんとシオ君は部屋を譲って源右衛門の部屋で寝てね
兵藤きゅんは一部屋あげるから、鍛え直しね!
毎朝6時に竜ゅー馬と共にランニングに行きなさい!その後菩提寺で太極拳やって鍛え上げてあげるわよ!」と謂う
兵藤は「お手柔らかに!」と謂うが聞いちゃいなかった
後は飲兵衛は楽しく飲んで、楽しい夜は更けて行くのだった
新居への引っ越しはやっと終わった
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