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第59話 引っ越し狂騒曲 令和編 ❷

飛鳥井の新居への引っ越しは終わった まぁ大きな家具は遺しての引っ越しだし、事前に家具とかは其々が購入して烈に頼み搬入させてあったから、其処までの引っ越しではなかった そして飛鳥井の引っ越しが終わった翌朝 午前5時、竜馬は兵藤んちの呼鈴を押していた 兵藤は竜馬の行動を把握して、アラームをセットして、竜馬襲来に警戒して起きていた インターフォンが鳴ると同時に兵藤がドアを開けた 兵藤は「お前………んとに朝早くから何かやるの好きだよな?」とボヤいた そう言えば竜馬と二人でミッション与えられていた時、常に竜馬は早起きで兵藤は眠いのを起こされていたのだった 竜馬は「時間は有限、早く取り掛からないと手遅れになる可能性もあるからな!」と何時もの台詞を言う そして兵藤の家にズカズカと入り込むと 「持って逝く家具は?」と問い掛けた 美緒が出て来て「新居には合わぬから揃えねばならぬ!まぁ自分の部屋の家具位じゃろうかな?」と謂う 竜馬は「見せて、部屋は建つ前に見てるから、アドバイスなら出せるよ!」と謂う 美緒は竜馬を連れて自分の部屋へも逝く 美緒の部屋はシックな感じで揃えられていた 竜馬は「美緒ちゃん、全部買い替えちゃいなよ!」と言った 美緒は顔を曇らせて「それは無理じゃな………うちにはもうそんな財力などありはせぬ!」と謂う 「大丈夫!メンバー呼ぶからさ、昭ちゃんと美緒ちゃんの家具買わせてやるし! 貴史はシャルロットとの結婚準備金出てるよね?」 「え?そうなの?聞いてないし、貰ってないな!」と謂う 竜馬は烈にラインして「シャルロットの花嫁費用ってまだ出てないの?」と問い掛けた 烈は『兵藤きゅんの通帳の確認しないと解らないわよ! ボクが貰える訳じゃないもの! まぁボクに渡った時点でネコババしてやるわ!』 竜馬は笑って「なら貴史に聞くわ!」とラインを終えた 「貴史、通帳、こまめに記帳する人?」と聞く 兵藤はブンブン首を振った 「あ~もぉ!今日は日曜で無理だから、月曜になったら記帳するんだよ! 入っていたら家具買いに行くからね!」 美緒は「あー、そうであった! 応接間の高級なソファーとかテーブルは貰っても構わぬのか?」と問い掛けた 竜馬は「設置してあるならば、それは貰っちゃえば良いんじゃない? 烈が兵藤の家に相応しいと想い設置したなら、総て祓った後に、だと想うから! しかも一級品ばかり揃えてくれるからね! 貰っておけば大丈夫だよ!」と謂う 「じゃが、数百万は下らぬ……嫌、それ以上の絵画も玄関や壁に惜しげもなく飾ってあるではないか! 調度品、絵画、合わせれば軽く一千万は超えるぞよ?」 「玲香さんの和箪笥、一千万位の価値だって玲香さん言ってたよ?」 「…………ならば見せて貰わねばな!」 「烈はこの土地を壊す事を考えてるし工事の手筈もしてるからね、うかうかしてると壊されて瓦礫の下って事になるよ!」 美緒は「それは大変じゃ!ならは昭一郎の部屋と我の家具は総て廃棄するとしよう! 結婚した時にはかなり、高価なモノしゃったが、今はもう骨董品にもならぬからな!」と謂う 昭一郎は「それで良い、新居には不要と謂う事で、服とか家電は持って行きましょう!」と謂う 竜馬は「あ~家電………烈が倉庫に新古品の入れてたから、多分あるからそれで使いなよ! エコ家電にこの際だから変えちゃいなよ!」と謂う 「え?家電貰っても良いのか?」 「そう、だから俺に飯を食わせてくれ! ないなら、飛鳥井に食いに行こう!」 美緒は「引っ越しのゴタゴタで食材はないわな!」と謂うと竜馬が「なら飛鳥井へ行くよ!その後家具見に行くよ!」と言い早々に靴を履き始める 美緒は慌てて竜馬の後を追う 昭一郎も兵藤も家の外に出ると竜馬は「車に乗りなよ!」と謂う 皆でクルマに乗るとオフィースビル横の立体駐車場へ車を入れた そして車を降りると関係者以外立ち入り禁止のドアを開けて通路へと出る 高い塀の横を只管歩き通用口をIDを、翳して解錠させ中へと入った 中へ入りドアを閉めると自動ロックが作動してロックが掛かる 竜馬は「玄関横の下駄箱に靴を入れに行くから!面倒だけど、靴持って着いてきてよ!」と謂う 兵藤と美緒と昭一郎も靴を持ち玄関へと向かう 下駄箱に靴を入れると洗面所で手を洗いキッチンに向かう キッチンに逝くと「お腹減ったよ烈!何か食べさせて!」と訴えた 烈は「おはよう、竜ゅー馬、美緒たん、昭たん、兵藤きゅん!」と朝の挨拶をする キッチンテーブルを座ると、慎一は兵藤の家族と竜馬の朝食を用意する 基本、烈とか翔 凛以外は和食ではなくフレンチな軽めを所望する 慎一は皆にフレンチな軽めの朝食を用意した 烈は真矢と清四郎のグループラインに 「ばぁたん、じぃたん 飛鳥井ね引っ越したわ!」と送った 『烈、帰っていたのですね! 始球式見ましたよ! 飛鳥井は何処へ引っ越したのですか?』 「近くよ、そんなに遠くないわよ!」 『今日はオフだから行っても良いかい?』 「良いわよ!記念病院まで歩いてお迎えに行くわね!直ぐに行くから待っててね!」 『なら家から出て待ってます!』と言いラインを終えた 烈は「竜ゅー馬、ばぁたん達来るから、朝の用意しといてね!」と言い外に出た そして飛鳥井記念病院へと向かうと、真矢と清四郎は既に外に出て待っていた 「ばぁたん、じぃたん!」と言い駆け寄ると真矢は烈を抱き締めた そして新居へと向かう 門をIDを翳し開門させると、 烈は祖父母を門の中へと入れた 直ぐ様門は閉じられカチャッと自動でロックが掛かる音がした 玄関のロックをIDで解錠させ祖父母を中へと招き入れた 玄関のドアも閉まると自動ロックが作動する 烈は真矢と清四郎に来客用のスリッパを出すと、キッチンへと連れて行った 竜馬は真矢と清四郎の分の朝を用意する 烈は「此処が新居よ、何時でも遊びに来てね!」と行った 真矢は「此処へは何時引っ越したの?」と問い掛けた 此処最近、飛鳥井の元家辺りで慎一や一生さえ見かけはしなかったから……… 「此処へは昨日越して来たのよ! その前はねタワマン横へ避難していたのよ 少し………狙われていたからね……… イギリスの秘密情報部の裏部隊がボクを消そうと動いていたから、家族をタワマン横に移して、ボクは川崎の方のマンションにいたわ!」 「始球式………でアメリカだったんだよね?」 清四郎は問い掛けた 「そうよ、向こうでも二度も殺されかけたわ! もぉね形振り構わなくなって来てるのよね……… で、ボクはアメリカで少し休養して昨日帰って来て、昨日引っ越ししたのよ!」と謂う 「物凄い強行軍だったんだね……」 「まぁね、でねボク達デパートの開店時間になったら、家具を買いに行くのよ!」 真矢は「あら?家具がまだないの?」と問い掛けた 「兵藤きゅんちの美緒たんと昭たんの家具よ! 兵藤きゅんのは通帳の中身見ないと、無理かもね まぁ後で買い足す分には困らないだろうから引っ越せるだろうけど、取り敢えず今月中に引っ越して貰わなきゃ来月頭には解体工事に入るからね あの土地はマンションになるのよ もぉねお買い上げ下さった方がいるのよ!」 兵藤が「マンション建ってもねぇのに買ったのは誰よ?」と聞く 「ジョージ・マクガイヤー様がご購入下さったのよ! 2年後に住まわれる事になるわよ!」 「気が早くねぇか?」 「そんな事はないわよ! マンションはある程度建つと、モデルルーム用意して部屋を売りに出すからね! 建つ前からご購入されるのは、良くある事よ!」 そんな話をしてると、清隆や瑛太も朝を食べにやって来た 瑛太は「何処の物件の話をしてるんだ?」と問い掛けた 「旧兵藤邸跡地のマンションの話よ!」 「あぁ、彼処は高層は無理だから10階までが限界だったね、土地の敷地面積もない どう言う設計を引くのか?今から楽しみだよ!」 「えーちゃん、あの土地は高級をコンセプトにして勝負に出ようかと想ってるのよ! 高級住宅街に高級マンションを、って感じでね! 世帯数も絞って、上下に二部屋、メゾネットタイプにして高級な階段を使用して高級感を出して、って想ってるのよ!」 「メゾネットタイプ、飛鳥井では珍しい感じの物件になるね! 製図を見るのが楽しみですね!」 清隆は「二階建てメゾネットタイプのマンションですか!メゾネットタイプは今では在り来りな感じですが、高級感を売りにするのは大変ですよ?」と謂う 「其処なのよね、会議にはじぃしゃんも出て熱く討論してね!そしてより良い物件を!なのよ!」 「解りました!じぃじは頑張るとしましょう!」 清隆が謂うと瑛太も「なら叔父も頑張るとします!」と笑って言った 兵藤が「あれ?康太は?」と問い掛けると、清隆と瑛太は黙った 其処へ一生がやって来て 「康太は昼過ぎねぇと起きられねぇだろ? 其処の悪代官ばりの烈が伊織にアイテム渡してたし、起きられねぇに決まってるやんか!」と話す 烈は「カズ人聞き悪いわよ!」とボヤく 「んとにお前は伊織の使い方が上手いんだからよぉ〜!」 「まぁ良いじゃない!夫婦たるもの常に愛情のバロメーターは確認しとかなきゃでしょ?」 「まぁ言えてるな! 其れより久遠に話したら烈を連れて来いって言ってたから、お前は病院な!」 「カズ、先生ぇーに逢ったの?」 「昨日、力哉の病状聞く為に病院行ったんだよ! その時、飛鳥井の引っ越しの話になって、烈帰ってるなら連れて来やがれ!と言ってたんだよ!」 「家具を買いに行かなきゃ駄目なのよ!」 「お前の部屋の?」 「違うわよ!兵藤きゅんちのね! メンバーに奢らせるのよ!」 「あの新居の絵とかお前だろ?」 「そうよ、ボクは絵画は数百位は越す位所持してるからね その中の家に合うのを選んだのよ!」 「応接間もサイドボードやソファーとテーブルあったやんか?何を買うのよ?」 「個人の部屋のをね!」 「なら病院に此れから行き、手当て終わったらホームセンターとかに買いに出れは良いやんか!」 そう言い一生は久遠に連絡を入れた 久遠は直ぐに連れて来いっと謂うから烈を連れて病院へと向かった 上から歩いて行くのではなく、下からマンションのエントランスホールに出る道を通って行った エントランスホールに出ると普通に出て病院へと向かう 病院に行くと久遠が待ち構えていて、即座に手当てに入った 「まだイギリスで怪我したのも治ってねぇじゃねぇかよ!」とボヤく 消毒して新しい包帯を巻く 久遠は「10月になったら大きな検査するから!」と言った 烈は「了解です!先生ぇ〜!」と謂う 手当てをして貰い、また病院横のマンションから入り、マンション奥の関係者以外立ち入り禁止のドアを開けて坂道を下って行く 地下通路は複雑に伸びていて、下手に入ったら迷いそうだった 其れをサクサク烈は進んで逝く 一生は「力哉の部屋の絵、あれ烈のだろ? 良いのか?力哉の部屋に貰っちまって………」と問い掛けた 烈は笑って「あれ、良い絵でしょ?ボクの友達の絵なのよ!心安らぐ絵だからリキちゃんの部屋にと思ったのよ 登紀ちゃんが絵の持ち主に会わせてくれて遺作を貰い受けたのよ その中の1枚よ、大切にしてね!」と謂う 「そんな大切なの良いのかよ? モデルルームに飾っていた……その友達の絵だろ?タッチがその人そのもので、驚いた………」 「良いのよ、人はね落ち込んだ時、悲しい時、遣る瀬無い時、落ち着こう、安らごうと何かを求めるのよ そんな時にあの絵がリキちゃんを助けてくれると想うのよ! 笹尾風舞は結核でね、士官学校を辞めなきゃならなくなって家からも見放され大和の僻地に家を建てられ謂わば幽閉されたみたいに過ごさせたのよ そんな風舞の趣味は絵で、綺麗なモノを一杯描いて想いを託していたのよ 彼は腐らす諦めず、己の運命を受け止めていた ボクは彼程、魂の美しい人は見た事はない そんな大切な友の想いが籠もってるからね! あの絵を見てリキちゃんが何かを感じて前向きになってくれたらって想っているのよ!」 「烈…………」 「絵はね見てくれる人がいてこそ完成するのよ!だから壁に飾って生活の一部にしてあげて!」 絵をプレゼントされた時、押し入れにしまっておくと言った時に風舞が言った言葉だった 飛鳥井の家に戻ると、オフィースビル横の立体駐車場へと行き、マイクロバス2台で家具を見に逝く事になった 一陽と一生が運転してくれる事になったからだ 烈はケントの車で先に神奈川県内最大の家具屋へ家具を見に行く 駐車場で落ち合い、皆でゾロゾロと家具を見る まぁ皆 汚い外人とか、髭だらけの不潔な竜馬とか………烈には似ててもソバカスだらけの悪ガキ様を目にした瞬間 嫌悪の瞳を向けられた 「あのガキ、【R&R】のリーダー狙ってみたのかしら?似ても似つかないのにね!」と囁かれる 美緒は気にする事なく買い物を続けて逝く ヘンリーが「僕とイーサンとダニエルが美緒の家具を!」と謂うと デービッドが「ならわいとサムエルと竜馬が昭一郎の家具を買うわ!」と謂う 烈はケントと共に回る ケントは「その格好は烈モドキですか?」と笑って謂う 「そうよ、買い物に逝くなら変装しないとゆっくり買えないもの!」 烈は凛太郎にトラックを手配させて持って越させた そして買った家具をトラックに運び込む算段だった トラックの中には節子の叔父の家で埃を被っていた未使用の家電が積んであった 鷹司に変なのいないか?祓ってよ!と謂うと緑道自らやって来て祓ってくれたのだった まぁ元々は憑いてはいないが、気分的に…と謂う事で綺麗になり倉庫に眠っていたのだった 其れを今回 兵藤の家に配置するのだった 凛太郎は「飛鳥井記念病院の傍にスタッフを配置してます!皆じゃ家具さえ運べませんよね?」と言い手筈は万端だと告げる そうして【R&R】のメンバーに買わせた家具はどんどん積まれた 美緒と昭一郎は「「有り難う!皆!!今宵は奢るから!」」と謂う 家具を新居に運ぶと、病院に待機していたスタッフと合流して、どんどん荷物を家の中へ運び込む 施工のスタッフはベッドを組み立て、マットレスを乗せて出来上がらせた 美緒の部屋のベッドも、昭一郎の部屋のベッドも、テレビボードも総て組み立てて逝く そして力に自信のある奴等は家具を運び設置する 兵藤の家の冷蔵庫は大型の冷蔵庫だった リビングのテレビも52型の薄型テレビで、スタッフは壁にビスを打ち設置していた サクサクと進め、2時間ちょいで家具は総て運び終え、組み立てて設置し、家電も設置を終えた 烈は凛太郎に封筒を渡すと 「此れで皆で美味しいのを食べて帰ってね! 今日の休日出勤はちゃんと給料に補填させてますから!皆 有り難う!」と言い仕事が終わったスタッフを送り出した 美緒は自分の部屋を見に行き ドレッサーも新調出来て、嬉しかった そして何より色を統一させ淡いパステルピンクで気分も上がる 烈は「美緒たんのウォークインクローゼットは着物箪笥も入れてあるから! 着物入れるのよ!」と謂うと美緒は目頭を押さえた 「誠………宗右衛門殿は昔から憎い事をしてくれる!」と謂う 「ばぁしゃんも和箪笥プレゼントしたからね 其れで着物を保管して、長く着られれば良いのよ!」 烈はグルーっと見渡して 「此れでボクの出来る範囲は終りです! それじゃ帰ります!」と謂う ケントはもう返しているから、家へと向かうだけだった 昭一郎は「烈、有り難う!」と礼を謂う 「兵藤きゅんはお金確認してからね!」 烈が謂うと「こまめに記帳する様にするよ!」と告げた 「ならボクは帰るわね! 兵藤きゅんはどうする?」 「俺は手伝う事もないし、飛鳥井へ行くわ!」 「そう、なら逝くわよ! 美緒たん、お引越し総て終わったら引っ越し蕎麦よ! メンバーも楽しみにしてるからね!」 メンバーは喜んで【ソバ!ヒッコシソバ!】と言っていた あんまり引っ越しの役には立ってなかったメンバー達だった 美緒は「夜には引っ越しの蕎麦ではなく、ツマミでも買ってお礼に伺うとするわいな!」と伝える 兵藤の新居を出てマイクロバスに乗りオフィースビル横の立体駐車場へと向かう 車を停めると車から降り、駐車場を出てロックすると裏の通路を通り新居へと向かう 立体駐車場の一階は一般の者は停められないから、飛鳥井の家族が停められる様に言い、家族は車を移動させて今はオフィースビルの方の駐車場へ車を停めていた そしてキッチンの通用口のドアを開け、キッチンから家へと入った この通用口は出入口も兼ねていたから、セキュリティーは玄関と変わらずIDを翳さねばドアは解錠されない そして出入口として使うから、入って直ぐにキッチンと謂う訳でもなかった 通用口から家の中に入ると靴を持ち玄関へ向かう そして下駄箱に靴を入れ、室内履きと変えると手を洗いリビングに向かう 烈は「家族全員、ID渡されたかしら?」と問い掛けた 一生と一陽は声を揃えて「「ちゃんと渡されてる!」」と答えた 烈は2階に上がりリビングに行くと、祖父母に 「ただいま!」と謂う 真矢と清四郎はすっかり寛いでいた 烈は「お天気の良い日とか、テラスでお茶も良いわよ!」と謂う 真矢は「それは良いですね!」と嬉しそう 翔は烈に「ワン達、まだ慣れないから外でしちゃう時あるよ!」と謂う 「大きい方?」 「それはトイレでしてるよ」 「ならマーキングね、犬の習性でしょうね」 「あ〜マーキングなのね そう言えば足上げてしてたわ!」と謂う 流生が「したら直ぐにお水で流してるけど、臭う様になったらどうしようか?」と悩む 「なるべく、トイレでする様に言い聞かせて! 流にー頼めるかしら?」 「もうね言い聞かせてるよ、でも自分の領地を主張してるだけだって謂う事を聞かないんだよ!」 「謂う事を聞かないなら、最終手段! 父ぉーさんを召喚するしかないわね!」 烈が謂うとリビングの隅っこにいたワン達が 「「「キャン!」」」と鳴いた 烈はワン達の前に行き 「良い?マーキングしてもお水流すから意味ないし、此処は家なのよ!皆が暮らす家なの! 外に散歩に出た時、電柱や木にショーするのは許すわ! でも家の庭でするのは皆が嫌がるわ! 解るわよね?」と滾々と言い聞かせた ワン達はブンブン首を振って理解を示していた 烈は「此れで庭ではしなくなるわね! でも我慢出来なくてしたらお水かけてやってね!」と謂う 流生は「了解だよ!烈!」と謂う 烈は竜馬に「竜ゅー馬のお隣の空き部屋を兵藤きゅんの部屋にするから案内お願いね!」と謂うと竜馬は「了解したよ!なら取り敢えず部屋を教えるよ!カードキーはどうする?」と聞く  「兵藤きゅんは誰かと行動を共にするから、なくても大丈夫よ! 帰る時連絡入れとけは誰かが開けてくれるし!」 竜馬は「なら貴史、部屋案内するわ! 服を持って来て此処での生活を始めるんだよ! 己の身位は防御出来る様になる様に、俺も手伝うし!」と言い部屋へと連れて行った 烈は「ボクは10月10日位にイギリスへ逝くわ!」と皆に言った 其処へ康太が怠そうに降りて来て 「何をしに逝くのよ?」と問い掛けた 「三社共同事務所の子達の出来を見て、シャステナに逢いに逝くのよ! 巫山戯た事するなら徹底的に潰すよ!と宣言に逝くのよ!」 康太は「放っておいても落魄れねぇか?」と謂う 「それはエイセイの願いじゃないから、話して互いの道へ進まなきゃ!」 「んとにおめぇは気の遠くなる様な作業をやるのが好きだよな?」 「其れがボクの性分だから仕方ないわ! 其れよりも母ぁーさん、今宵は兵藤さんちが奢ってくれるって言ってたわよ!」 「おっ!宴会か、良いな! 飛鳥井は飲むのが好きだからな!」 「………飲兵衛呼び寄せてるのよね………」 「それは言ってやるな! 飛鳥井は楽しく飲めるなら小せぇ事は気にしねぇんだよ!」 「それもそうね!」 「其れよりおめぇの猫………」 クー達はデローンと伸びて毛繕いして貰っていた 「言わないで!母ぁーさん………」 「まぁいざと謂う時動ければ良いかんな!」 康太は笑っていた 烈も笑っていると、レイが烈に抱き着いた 「どうしたの?レイたん?」 「れつ、なかなか、いえにいにゃいもん!」 甘えるレイを抱き締めて撫でる 「レイたんは家の鍵は早いわよね?」 「うん、にーにたち おむかえちてくれる」 「にーに達は鍵は渡ったの?」 烈が聞くと康太が「大きいのは皆渡したぜ! ちっこいのは誰かが面倒見てお迎えに行くから、まだ早いだろ?」と謂う 「そうね、落とされたらアウトだもんね!」 「だよな?それにちっこい内はお迎えされてれば良いんだよ!」 「皆 オフィースビルの横の立体駐車場へ車を移動させた?」 「おー!母ちゃんや父ちゃんは早々と入れていたぜ!伊織も瑛兄も入れていた! マイクロバスも2台、移動させたんだろ? ならあの駐車場はどうするのよ?」 「神野達来たら、あっち使えば良いのよ! 歩いて来られる距離だし!」 康太は納得していた そして真矢と清四郎と楽しく話していると、玄関のチャイムが鳴らされた カメラを作動すると兵藤夫妻だった 両手に一杯紙袋を持って立っていた 慎一がお出迎えに行き、部屋へと招き入れる 慎一は紙袋を持ってやりリビングへと案内した 美緒は玲香を見ると嬉しそうに話を始めた 玲香は美緒に自分の部屋を見せてやる 烈から貰った和箪笥を披露する とても立派な和箪笥は、金にあかせて金箔貼りでとても立派なモノどった 玲香は「落ち着いたら海老様か欣様を観に行こうぞ!」と謂う 美緒も「そうじゃな!志津子も誘い皆で逝くとしようぞ!」と笑っていた その夜は神野達も神威もやって来て、何時もの飲兵衛達が集まり楽しい時間を送った 客間のテーブルが見事で、美緒はその素晴らしさに「今時一本の木で、と謂うのはないわな!」と感心していた 烈は「飲兵衛の前ではテーブルが幾ら立派でも関係ないみたいね!」とボヤく 皆 笑い楽しげに酒を飲む 夜更けまで飛鳥井の新居は楽しげな声が響いていた 美緒はその晩、泊まっていった 玲香の和室に布団を敷いて二人で寝たのだった 昭一郎は客室で泊まった 洋室の方の客間を阿賀屋は譲り、阿賀屋は源右衛門の部屋で寝た 翌朝 早くから烈は兄達とレイ達と竜馬と兵藤を叩き起こして庭で太極拳をした 皆 流れる様に気を流し、深く息を吸い口から吐く 兵藤は中々上手くは出来なかった そして朝の掃除をして、太極拳をやる前に回しておいた洗濯を干して朝を食べると菩提寺へと出向いた 烈は道着に着替えて、道場へと向かう 兵藤も竜馬も更衣室で道着に着替える そして道場へと出向くと、烈は薙刀を兵藤に放った 「ママ!お相手お願い致す!」と謂うと京香は薙刀を構え、対戦相手に礼を尽くした そして見事な薙刀捌きで闘っていた が、京香でもっても烈には勝てなくて 薙刀を落とした瞬間 「参りました!」と京香は言葉にした 「ママ、兵藤貴史君よ! ママは薙刀を、ボクは柔道を仕込むわ! その合間に合気道も仕込むつもりよ!」 「合気道ならば、我も少しは協力出来る!」 「ママ、自己防衛、防御、それを優先して叩き込んで!」 「了解した!」 「其れでは兵藤きゅん、掛かって来なさいよ!」 と挑発的に指を差し出しコイコイ!と合図する すると兵藤は掛かって行くのだが、烈に見事に投げ飛ばされていた 「力むからイケないのよ! 貴方は気の流れが悪過ぎなのよ!」 竜馬が「そこら辺は俺が相手してやるから大丈夫だ!」と謂う 「そうしてね!基礎体力全くないから、メニュー考えるわ!」 烈はそう言うと道場を出て行った 道場を出ると城之内が待ち構えていた 「烈………少し話がしたい……」と悩んだ顔をして話し掛けて来た 「良いわよ、なら保養施設の3階へ行きましょうか!」と謂う 保養施設の3階へ行き、お座布を出して座る 「何?話って?」 「………竜之介の事なんだが……」 「あぁ、果歩と結婚でもしたいと言い出したのかしら?」 「え?………知っていたのか?」 「そうよ、その為に果歩を配置したのよ! 竜之介の妻を探してあげるって言ってたじゃない! だから探して占って配置したのよ! 惹かれるのは必然なのよ! 何?城之内は竜之介のお相手がコブ付きなんて嫌とか謂うのかしら?」 「言わないよ……そんな事は言わない……」 「城之内、若くして亡くなった徹は水萌の腹に戻って来たわよ!その子が菩提寺の跡継ぎなのは変わらない!今度はちゃんと生まれて育つわ! そして城之内が欲しがってた女の子も生まれるわ 男と女の双子なのよ、果歩にも手伝わせて育てなさい! そして果歩が竜之介の子を孕んだなら、その時は協力してあげなさい! そうして貴方達は協力し合って果へと逝くのよ! それこそが城之内が望んでる果てでしょ?」 「烈………そうだよ、俺は家族ならば協力して、ずっと仲良くなんて夢見ていたさ……… でも徹が………病で死して………水萌は泣き崩れた そして子を孕んだ時、お腹が大きくなるのが怖いと言って………産むのを躊躇した… たが、菩提寺へ戻って来て、妊婦がこんなに多くて驚いていたな! 京香は子連れで菩提寺の管理者になっちゃうし……聞けばその子は京香の子じゃない……烈の子だと謂う……… 水萌も今から子を産んだら京香の様に、子供を抱っこ紐で抱っこしてながら働く気満々だ! 京香達姉妹も薙刀持って腹大きいのに、訓練してるの見て、こうしてられない!と水萌は元気になった………有り難うな烈……… 烈には本当に感謝しても、し足らねぇ位なんだ だから烈の配置した子を………竜之介が妻に……なんて言ってるから、どうしようかと思った!」 と城之内は苦しい胸の内を吐露した 「城之内、果歩の過去は話したじゃない……… 夫と姑とでイビられ自殺未遂をおこす程に苦しめられた……話したじゃない! 何もかも、あの美人さんな容姿が男を狂わせるのか?は解らないけど西村に似て美人さんなのは確かね! でも容姿なんて唯の器よ、それが今の人間は解ってないのよね………嘆かわしいわ!」 「嫌々、烈………美人さんな妻は自慢したいし、自分のステータスになるって奴もいるんだよ」 「城之内は水萌のあの男前な性格に惚れたのにね!」 「煩いよ!そうだよ!顔は無論美人だが、俺はアイツの気風の良さに惚れたんだよ!」 「あら、惚気られちゃったわ! 取り敢えず、嫁にする気なら後少し無理だと教えなさい! 離婚成立したの先月だから、再婚は5カ月は無理なのよ!」 「嫌々、交際しても良いか?の質問だぞ?烈」 「竜之介は結婚する気満々よ! いやぁ〜ボクは本当に良い仕事をしたのよ! あのカタブツな竜之介が惚れる女をチョイスするのは至難の業よ? 其れを一発で一目惚れさせ、結婚まで意識させたのよ!まぢで良い仕事したわよ! 菩提寺は城之内の子が住職になり継いで逝くけど、其れには家族の助けが必要となるのよ 竜之介の子も城之内の子も、どの子の子も欠けては成立しない果てなのよ!」 「烈……」 「見守ってれば良いわ! まぁ最悪、同棲したとしても構わないわよ それ程に惚れられ果歩も満足だし、親子で結婚式挙げさせてやるわよ! 城之内、結婚式をこの菩提寺で挙げるわよ! 和装の結婚式も広めようかしら? 楽巌寺で挙げる神前結婚式、と謂うコンセプトで結婚式も良いわね! ママと相談して決めねば!」 「それは烈に任せるよ! なら竜之介は捨て置いて良いって事で良いのか?」 「ええ、子供懐いてるし、そのままパパになってけれると嬉しいのよ!」 「竜之介がパパか……」と目頭を押さえる   「城之内もパパじゃない………」 「そうなんだけど、我が子と孫と………こんな幸せで良いのか?俺?」 「良いのよ!本当に莫迦な親族が呪いなんて掛けやがって……城之内と水萌を苦しめやがった! ソイツ等にはキッチリと呪詛返ししといてやったから、飛鳥井から抜けて死ぬ程不幸になれば良いわ!」 「水萌は誰も恨んでなんかいない…………」 「ボクは倍返しで恨む奴だから! やられた事は倍で返してやるのよ! ちまちま恨むより豪快に返してやるから大丈夫よ!」 何が大丈夫なんだろ? 城之内は想う……… だが何も言わなかった そして城之内は仕事に戻り、烈も道場へと戻った 兵藤はもうヘロヘロだった 「ちゃんとした呼吸を使わないから、へばるのよ!」 兵藤はその【呼吸】の言葉に 「水の呼吸?」と問い掛けた 烈は呆れて「違うわよ、太極拳で気を流して、ある程度耐えれる体力と呼吸を身に着ければへばらないわよ! 無駄な動きが多いのよ、だからへばるのよ あ〜アニメの世界の話じゃないからね! 現実的に、兵藤きゅんは朝一時間の太極拳からして着いて行けないわよ!」と現実を突き付ける 「呼吸?どう違うんだ?」と問い掛けた 「太極拳では深く吸って口から吐くを繰り返すのよ!そして下腹に力を込め丹田で気を回す! ゆっくりな動きなのは、気を回す為の動作なのよ 鼻から息を吸い、鼻から出す それは当たり前だけど、深い深呼吸は口から吐くのよ!やって見て?」 兵藤は深く息を吸い込み、口から吐き出した その時丹田をグイッと押されて噎せた 「此処が丹田よ、中国では丹田の場所に生命の根源があり、経絡の中心とされる場所とされてるのよ!政治家は声を張る職業でしょ? 声を使う者は丹田を意識しながら呼吸した方が呼吸が安定するとまで言われてるのよ だからエイセイも太極拳を習わせているのよ もっと声を張り上げられる様に、ね!」 「今はまだ駄目駄目だろうけど、少しずつ鍛えて学んで逝くから!」 「ええ、少しずつで良いわ! でもあんまし長くは無理よ! 政治家としての旬な年が過ぎちゃうもの!」 「日々鍛錬するよ!」 烈は笑って「ナイフ持った暴漢位は薙ぎ倒さなきゃね!飛び道具は無理だけど!日々己の身は己で護る!をモットーに頑張りましょう!」と謂う 英生も京香相手に薙刀を教わっていた そして午後からの太極拳の部を皆でやる 烈は厳しい声で丹田を押す 「此処に力を込めなさい! お尻触る暇に丹田に気を込めなさい! あんましエロな事すると追放するわよ!」 その迫力にエロジジイは何も言えなくなった 翌日からエロを卒業して必死に太極拳を楽しむ この場こそが最後の砦、最後のコミュニケーションの場だった そして太極拳が終わると次は道場へ行き、再び鍛錬する ちっこい子達がやって来て道場で鍛錬を始める その中にレイや凛、椋の姿もあった 5時過ぎには陣内が師範として稽古をつける 兵藤も稽古をつけられ、体力の限界をとっくに超えていた そんな感じで6時に家に帰り、夕飯の準備を手伝い、会社から還った家族と共に夕飯を食べる 兵藤はもぉ限界だった………夕飯を食べながら寝ていた 竜馬が世話を焼いてご飯を食べさせて部屋へと連れて行って寝させた 烈は英生に「イギリスに行きカタを付けるわよ!」と言った 英生は「え?………カタを付けるって………?」と呟いた 「シャステナと話をするのよ もぉ袂を分けたのだから、再び共に行動するのは無理だと言わないとね!」 「あぁ、俺はもう俺の道を歩き始めたから……もう迷わない! レッスンや鍛錬を受ける様になり、俺はまだまだだと痛感した! 丹田に気を込めて声を出すと、声が張り上げられるのだと知らなかったし、喉への負担があったのは、その所為なんだと気付いた だから俺は俺の歌を極めようと想ってる またグループでやるかも知れないけど、今はまだ考えたくないんだ!」 「そう、貴方の道は始まったばかりだからね 貴方のカンバスに何を描くかは?貴方次第 貴方の作品だから責任が伴うのよ!」 「うん!烈、今なら貴方の言葉も理解出来るよ!」 「イギリス、逝くわよ!」 「はい!」 イギリスへ行く前にやらねばならない事を片付ける 兵藤は月曜になると通帳の記帳に行き、入金を確認! 烈は「シャルロットの部屋の家具は、家に来た時に、その時買って運び込ませば良いわ! だから兵藤きゅんは竜馬と家具を見に行き、自分の部屋の家具を見なさい! 永く使うのを想定して、良い品のモノを買いなさいね!そして自分の部屋や書斎、そして仕事部屋を完璧に揃えなさい!」と告げた 兵藤は竜馬に手伝って貰い家具を買いに行った そして配送の手続きをして組み立て作業まで込みで頼み、後は搬入だけとなった 烈は会社にも精力的に顔を出した そして連日会議を開き、講習会を開いた 飛鳥井での初となるメゾネットタイプの分譲マンションの強度と売りのコンセプト 講習会に参加する様になった社員達は、自分なりに勉強して調べて参加して来ていた もう、前の様な給料高いし、会社に来てれば金になる的な社員はいない 会社での社員達の前向きな風潮が、それを許さない批判的な目に変わって来たからだ! 給料を貰う、給料が払われる それは能力に合わせて換算される 全てが能力給の歩合制にしたから、怠けている者は給料は上がらない まぁ給料は出るが、歩合制で給料に差が出る となると、やはり頑張るしか無かった せっせと資格を習得して仕事を回せる存在になるしかなかった 連日 講義と勉強会は開かれた そして講義の後は社員達との交流会的な話の場を設けていた 「烈さん、私スキルアップ狙ってるんです! やるべきでしょうか?」 と謂う子には「資格は身を助ける武器となるわ! どの部署に回されても仕事が出来る スキルアップして自分の仕事に幅を持たせるのは日々の努力の賜物となるわ!」 「私頑張ってみます!」 「烈さん、この前現場からこんな要望が有ったのですが、この部品は何に使うのですか?」 とか、本当に日々の疑問や自分の将来の事などを話す場となっていた 1時間キッカリの交流の時間を社員達も楽しんでいた そして烈は、あの避難訓練の後に、社員の皆から差し入れられた食券を手渡して貰い 裏に書かれた部署と名前の社員達に御礼状とボールペンを渡しに行った ボールペンは【R&R】のグッズだった 社員達は皆 大喜びした 朝から太極拳 菩提寺に行き鍛錬 昼前に会社に行き講義、そして社員との時間を持ち 夕方には再び菩提寺に行き鍛錬 そして家に帰り夕飯を食べて寝る そんな繰り返しだった そして10月14日 烈は英生と竜馬と【R&R】のメンバーと神野達と兵藤を連れてイギリスへと向かった 翌日 15日にイギリスに到着するとバスに乗り込み由香里のレッスンスタジオへと向かう そして無言で出来を確かめチェック その後 神野達を残してオブライエン家からの迎えの車に乗りオブライエン家へ オブライエン家にはシャルロットも来ていた ソファーに座ると「明日婚約会見を開きます!」告げた クリストファーは「シャルロット、お前は兵藤貴史と結婚して王室を離脱する! 王室の公務はないが、イギリス王室の一員として恥じぬ行動をなさる様に!」と言葉を送った 烈も「もう貴方は一般人と変わらぬ生活をせねばなりません!夫の給料でやりくりして家事をする 王女じゃないので、お付きの者はいない そんな生活、出来ますか?」と尋ねた あれからシャルロットは変わった もう王室に縛られた生活をするのではなく、己の足で歩まねばならぬ道を逝くのだと、改めて理解して甘えは捨てた 「はい!解っております! 私はもう王女としてではなく、兵藤貴史の妻として、倭の国の政治家の妻として生きて逝く所存です!あれから母様とは色々と話しました! 母様は全てを私に話して下さいました! 私は母様の娘として嫁げる事が………とても嬉しく想います! なので母様や王室に恥じぬ生き方をしたいと思っています!」 と、ハキハキと答えた もうジメジメと泣くだけの女ではなくなった 烈は「ならば明日、婚約会見を致します! それが亡き女王陛下の願いでもありますから! そして来年の6月イギリスで挙式を挙げ、倭の国でも式を挙げ婚姻届を出して正式な夫婦となります!そしたらイギリス王室からの護衛はなくなるので、シャルロット貴方は自分の命は自分で守らねばならなくなります!」と今後の予定を口にした シャルロットは「はい!重々承知しております!」と答えた 「婚約会見の後、倭の国へ貴方は行き、一人暮らしをして倭の国の生活に慣れ、武術を習いなさい!菩提寺に住まわせてあげるわ! 女が如何に強く強かで美しいか教えてあげるわ!」 「はい!総ては飛鳥井宗右衛門殿の指示に従います!なので私は今一度、自分を見直して生活するつもりです!」 「料理出来る?我が家は男でも料理するのよ?」 「料理!!其れも烈に叩き込んで貰います! そして貴史の母上にご教示願います!」 「美緒たんはばぁしゃん同様に煮物は美味しいのよ!花嫁修業は完璧にされ嫁いでるからね! まぁ其れも追々ね、一気には無理ね!」 「はい!努力します!」 キラキラと輝いてるシャルロットだった 烈は「目が痛い………」とボヤく程に輝いていた へーリーは「僕ら輝いてない?目痛くならない?」と問い掛けた 「そうね、メンバーはあんまり目が痛くならないわね………」 ダニエルは「輝く、眩い程に輝いてやる!」と燃えていた 「恋をしなさいよ!そしたら艶々になれるから!」 「あ〜恋か………まだ良いかな?」 「歌に恋して、未来を愛す! 其れで良いわよ!ボク達は!」 「それ良いね!」 盛り上がっているとクリストファーは 「烈、横にいる子紹介してくれないのかい?」と問い掛けた 烈は英生の手を引くと 「この子は喜屋武英生、ボクがある人から貰い託された子なのよ!」と謂う 「良いね、彼、瞳が良い!」 「まぁ、そんな嬉しい事を言ってくれるクリスにお礼の一曲贈るわ! 竜ゅー馬、ピアノあるしプレゼントよ!」 竜馬は嬉しそうに笑うと「何弾くの?」と問い掛けた 「エイセイはジャズもイケるからLouis Armstrongのこの素晴らしき世界を!」 そう言い烈と竜馬はピアノの前に座り、演奏を始めると英生は歌い始めた 嗄れた声で総て英語で歌う クリストファーはその歌に鳥肌が立つ程に感激して曲が終わると立ち上がって拍手を贈った 「凄い感激したよ!ビデオ!」と言い英生を抱き締めた 烈はバラードな曲を弾いていると、竜馬もそれに続けて弾いていた メンバーは嬉しくなって歌う 英生も一緒に歌う とても素敵な夜となった 翌朝は朝早くから慌ただしく動いていた 烈と竜馬は「マンションに行き正装しないと!」と言い朝を食べてオブライエン家の車で送って貰い正装に着替えナイトの勲章を着けて、バッキンガム宮殿へと向かう バッキンガム宮殿でも上へ下への大騒ぎだった 婚約会見を開く場を作らせていたから、烈と竜馬はそれを見に来たのだ 婚約会見なのに……テーブルには花もなく…質素一択だった 烈はピキッと怒りマーク額に貼り付け 「第一王女の御息女の婚約会見なのに、何この質素な会見場は!」と怒りに吐き捨てた 場を取り仕切っていた者が 「王室を離脱なさる方などこの程度で宜しいでしょ?」と吐き捨てた 「へぇ〜ナイトの勲章を着けたボク達が特使として立ち会うのに………こんな事をしてくれるのね! それは有り難い事だわね!」と皮肉に嗤う その顔の恐ろしさに………設営に当たっていた者達は………腰を抜かした 「バッキンガム宮殿を守護する聖獣よ! ボクに力を貸してくれないかしら?」 と呼び掛けると聖獣が姿を現した 聖獣は姿を現すと烈にスリスリを始めた 「其処に不味そうだけど不埒者かいるから食べちゃう?」 聖獣は不埒者をギロッと見て 「このバッキンガム宮殿に相応しくない者達がいるとはな!」と言い鼻息でその者達を吹き飛ばした 会見場は見事に………何もかも吹き飛ばされてしまっていた 其処へ皇太子がやって来て聖獣を目にして 「何が御座いました?」と問い掛けた 烈は膝を少しだけ折りご挨拶をすると 「ボクは飛鳥井烈、この度の婚約会見の立会人にして、イギリス王室の特使とて、亡き女王からシャルロットの婚姻を頼まれていた者です!」と自己紹介した 皇太子は「あぁ、君が飛鳥井烈君なんだね! しかし凄いね………この聖獣を従わせられるとは………」と感心した 「従わせてなんかいないわ! 頼み事を聞いてくれただけ、そして不埒者を吹き飛ばしてくれただけ! イギリス王室の第一王女の御息女の婚約会見にテーブルに白い布を掛けただけの質素な会見など許されはしない! 王室が笑われる事になるのよ!」 烈が謂うと皇太子は顔色を変えた 「その様な莫迦は解雇として二度とバッキンガム宮殿には足は踏み入れさせはしません!」 そう言うと即座にスタッフを集め会見場作り直してくれた 今度はゴージャスに文句無しで作られて行った 「此れで宜しいですか?」 皇太子が問い掛ける 「ええ、有り難う御座います!皇太子殿!」 「知っていましたか? 我等イギリス王国は飛鳥井烈、貴方の命を守る事を誓いましょう! 貴方の命を狙う者は即座に排除致します!」 と約束を口にしてくれた 聖獣は「もう大丈夫だな?」と問い掛けると烈は 「有り難う、ボクの呼び掛けに来てくれて!」と抱き締めた そして聖獣が姿を消すと皇太子は 「貴方は………怖くはないのですか?」と問い掛けた 「怖くはないわよ! 彼はちゃんと思考を持ち、聖獣としてのプライドを持つ守護神なのだから! 彼を怖がる事こそ、無礼だと想ってるからね!」 「そうですか………私は最初に彼を見た時怖くて泣きそうになりました 貴方より大きかったですが………怖かったです」 「ボクは姿でモノを見ないから、総ては器の中身を見て決める! 彼は聖獣としての死命を持ち、このバッキンガム宮殿を守護している! 素晴らしい子だわ!」 何か子供の姿してるのに………子供と話してる気がしない………… 皇太子は無礼のない様に宮殿の職員に言いつけた そして護衛を呼び、護衛に烈を護る様に言いつけた シャルロットと兵藤貴史は婚約会見の前に大聖堂の奥の神殿似て 【婚約の意の確認の儀】 婚約会見の前に神に誓い、神に約束を立てる 王族ならば必ずや受けねばならぬ儀式を受けていた それは必ずや婚約会見の前に行う慣例の儀式と謂う事で守護神に跪き、婚約意思の確認をする 神の前に誓いの言葉を立てて、婚約すると誓う その後 婚約会見の場へと出向いて、婚約会見を行った

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