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第61話 理に則り果てへと逝かん ❷

鷹司緑道は康太と榊原と烈が座せするのを待ち、座布団に座るのを見届けて言葉を投げ掛けた 「倭の国は不安に包まれておる! 主等とて、それを感じておるのではないか? 此処の宗教団体がこぞって占い、この状況は何故なのかと?占った その結果、この禍の中心に座するのは飛鳥井宗右衛門、その人だと占いに出た どう言う事なのか?御説明を戴きたい! そして今後の対策も我等は取らねばなるまいて! 放っておけるものではない! 飛鳥井家真贋の立場としての意見も聞きたかった なので菩提寺へ押し掛けさせて戴いた!」 と、事情を説明して寄越した 烈は宗右衛門の嗄れた声で話し始めた 「この禍は鳳凰の誕生によるモノじゃ! まぁ次代の鳳凰を誕生させようと躍起になったのは儂じゃからな、中心におると申されても仕方がないが、禍を起こすのは必然であり、仕組んだモノではない!」と話した 鷹司緑道は「鳳凰の誕生?鳳凰殿は既に存在なされておるのではないのか?」と尋ねた 「現鳳凰はおる、が、鳳凰の命だとて永遠ではない!次代が育つまでに何万年を要すか御存知か? 次代が成長する前に現鳳凰が消滅すれば、輪廻の道は途絶え………人は輪廻転生は不可能となる 朱雀だけがいても、輪廻の道を形成しておるのは鳳凰、そして輪廻転生を司るのは朱雀 役割があるのじゃよ! 朱雀は次代がおる、が、この先まだまだ現朱雀に成り代われるまでは数千年足らぬ! 次代の鳳凰が継げれるまでに数万年掛かる様に、一朝一夕では次代は育たぬのじゃよ! 今回は鳳凰誕生ラストの賭けであった 今回を逃せば………魔界は鳳凰はもう望めぬ…… 謂わば魔界の終焉………一旦魔界はリセットされて、継ぎの神が選ばれ魔界を回す事になる その時やはり鳳凰は誕生するしかない 魔界のリセットは避けられぬ事態であった が、一縷の望みがあると、占いの結果出た 我等はそれに賭けて、次代の鳳凰を授かった どの道、魔界がリセットされても次代の鳳凰は必要となる! さすれば鳳凰誕生となり、この世に禍は降り注ぐ 避けては通れぬ事態なのじゃよ!」 緑道は目を瞑り、宗右衛門の言葉を聞いていた 「鳳凰誕生がこの世に禍を齎す………其れが総ての禍となるのか?」 「鳳凰は誕生の際に物凄いエネルギーを一気に放出する! 其れがこの世の理を歪め禍を撒き散らすのじゃよ 儂は知らぬが現鳳凰が誕生した際には天地が裂けて、人の世が出来たとまで言わしめておる 現鳳凰は日に日に力を弱めておる 次代の鳳凰が誕生すれば、力は弱めても次代の力が鳳凰を助け世代交代までは何とか繋がり逝けるのじゃよ! 神だとて不死ではない、世代交代して力を継承しておるだけで、死なない訳では無い が、昨今、力の継承をする前に神が取り込まれ消滅しておる……その意味が解るか?」 「神の不在…………まさか!」 「創造神が不在になった神々の力を無効化させ、次を創ると約束された! 最終決戦までにどれだけの力を得られるか解らぬが………其れでも我等は征かねばならぬ!」 「ならば、この禍は………避けては通れぬ……と?」 「そうじゃ!どの道今じゃなくとも、何時かは起こる禍なのじゃよ!」 「輪廻転生は鳳凰なくしては立行かぬ……と?」 烈はふぅーと息を吐くと自分の声で 「そうよ、そう言う理なのよ! 力が強いものに総ての権限を与えてしまうのは怖いと思わない?」 「………っ!!」 「輪廻転生の基礎となる道は鳳凰が務め 人の魂を輪廻転生させるのは朱雀が務め 役割分担をさせて、力を配分させているのよ 一点集中をさせたら、その神が好き放題に不正でも出来ちゃうのを防いでいるのよ!」 「ならば、鳳凰の誕生は覆せぬ現実だと?」 「そうよ!絶対に誕生なされるわ! ならば我等はどうすべきか?を考えねばならない!そうでしょう?鷹司家当主緑道を継ぐ者よ!」 「誠………貴方は常に乱世の中心におられる………」 「嫌々、箒星はボクの所為じゃないわよ!」 「前世の事を申されてるのか? じゃがアレは主が地球に小惑星が激突すると予測を立てられ、それは困ると主が野球でもする様にカキーンと鉛玉打って撃破した所為ではないか! 其れで世界各国で箒星が流れてパニックを余計に呼んだのではないか! 其れでこの世は終わるのだ!と騒がれたのではないか!」 「ボクは地球を救ったのに!」 「遣り方が昔から破天荒過ぎなのじゃよ!」 康太はそれを聞き何と言う会話してるのよ?と呆れて「緑道………」と声を掛けると緑道は 「真贋も昔から宗右衛門と揃うと最悪な事ばかりなされる! 吉原でウヨウヨ虫が大発生した時、燃やしちまおうぜ!と言い吉原大炎上なされたじゃないか!」 「あれは虫が悪い!大量発生しやがって!」 ユタやノロ 宗教団体のトップは笑いを堪えられずプルプル震えていた 榊原は「緑道殿、建設的な話をしようではないか!」と問い掛けた 緑道は居住いを正すと「其れでは禍から皆を守れる術を検討しようではないか?」と話す 烈は「禍は一気に放出されるエネルギーに依って齎されるけど、一気に禍は消えはしないわよ! 燻ってる火種に火を点け爆発させる 抑えていた衝動が爆発し、キッカケさせあれば暴力に走る ジワジワと人を蝕むのよ!」と説明 「では……我等には打つ手はないと?」 緑道の問い掛けに康太が「いや、打つ手ならある!」と答えた 緑道は「其れは?何なのか?お話聞かせて貰えぬか?」と問い質した 「良いぞ!だがチャンスは一度、絶対に失敗は出来ねぇ事を頭に入れて聞いてくれ!」 「分かり申した!手だてが一つもないよりはマシであるならば、…………死しても一度のチャンスをモノにせねばならぬ!」 「鳳凰が殻を割って誕生する瞬間 我等の手により倭の国全土に結界を張り、禍を相殺するしか手立てはねぇ! 此れは天空神にも創造神にも話をしに行き、同じ意見だと言われた! 禍を相殺されば、人の世に齎される禍は相殺される事となる! まぁ大量のエネルギーが放出されるんだ! 相殺されたとしても、影響は受ける事もあるだろうが、マトモに受けるよりはマシだと謂う事だ! 鳳凰は何も倭の国の固有な神じゃねぇ! 中華圏は呼び名は同じだが、アメリカや北欧辺りじゃフェニックス等と呼ばれている訳で、ならば海外はどうなってるのか? 天界に聞きに行った事があんだよ! まぁ行った要件はオレの息子に怪我させたら、この蒼い地球(ほし)消すかんな!と脅しに行ったついでだけどな! その時に鳳凰の誕生が天地を引き裂き人の世を作った強力な力のエネルギーの放出だったと言われた!だからこそ鳳凰は分散化させ呼び名を変えた! 一体のままだと世界のバランスが崩壊する そして人を狂わせ核のボタンに押させ………死の星となる恐れがあるからな! 其れで大陸に分けて力を分させたそうだ! で、此処からが本題だ!」 と言い康太は一息着いて飲み物を飲んだ 「倭の国の鳳凰誕生、倭の国全土で相殺するなら、島国な倭の国は離島が多々とある 何処から何処までを相殺可能か? 計算が必要となる! が、禍は相殺される事となる! その後少しずつ禍が降り注ぐけど、それはもう明るいニュースで乗り切るしかねぇかんな!」 緑道は「分かり申した、で、件の鳳凰は何時頃誕生なされるのか?解るのか?」と問い質した 康太は「んな細かい詳細はオレは知らねぇよ! 態々鳳凰の卵に何時生まれるのよ?なんて聞く気ねぇかんな、知らねぇよ! そう言うちまちました事は宗右衛門に聞きやがれ!」とボヤいた 烈は「当初は『12月31日大晦日辺りに目出度いから生まれてやる!』と言われていたのよ でもね大晦日は紅白見たいし、ボクはあまり夜更かしは出来ないからね、卵の中の御方と話をして交渉したわ ちとズレて誕生なさる気はないのかと? そしたら快く盛大に捻くれて答えられたわよ! 『仕方ないな!ならば人の世の元旦に生まれてやる!』ってね……… 大晦日も元旦もそんなに大きい差はないじゃない!と文句を言ったのよ! 元旦の目出度い日なのに、寒い中物凄いエネルギーの相殺は嫌よ!と言ったら………… 『仕方ないなぁ〜ならば人が浮足立ってる12月24日に生まれてやるわ!』と仰ったのよ! どの道………その辺りだと謂う事よ!」と、日付を伝えた 緑道は「鳳凰殿と謂う御人は捻くれておられるのか?」と問い掛けた 康太は「どうだろ?オレはそんなに繋がりねぇかんな知らねぇよ けど、まぁ性格なんてのは其々だし、繋がりの深さと絆でも違って来るってもんだろ?」と答えた 烈は「ほーちゃんは兄貴って感じの、何でも頼れる存在よ!継ぎの御方は性格違うのよ! 少し捻くれてらっしゃるのよ やっぱ神にも其々個性があるのよね! ねぇ大歳神、十二天、朱雀!」と謂う 緑道は烈の隣に座する何だか見知った顔を凝視した 大歳神は「儂は倅と違い素直なええ子じゃわ!」と毒づいた 烈は「嫌々倅さんは、とても素直なええ子じゃない!」と取り成す 「何処がじゃ!あ~昔は素直な子じゃったのに………」と何時もの嘆きが始まる 烈は駄目だ、これ以上の会話は危険と踏んて、何も言わなかった 朱雀と十二天は無言で何も言わず 緑道は「ならば具体的な話をさせて貰えぬか? 12月24日で確定で宜しいのか?」と問い質す 烈は「確定じゃなきゃ、ペグハンマー手にして卵カチ割って誕生させてやるわよ!」と嗤う それは御無体な………と反論しようしたが、烈の顔が怖くて言葉を無くしていた 緑道は「何故にペグハンマーなのじゃ?」と問い掛けた 「それはね、そのハンマーが一番軽くてダメージ与えられそうだからよ! ボクは小さいから重い武器は使えないのよ!」 「ハンマーは武器になるのか?」 「そりゃなるわよ!卵かち割るのに最適だし!」 緑道は言葉をなくした もう何も謂うまい………とペットボトルのお茶をグビグビ飲んでいた 烈は皮肉に嗤うと裏高野に目を向けて 「我が母を殺そうとした輩とは出来たら話なんてしたくはないのよね!」と嫌味を言う 裏高野のトップの者は背筋を正すと 「アレは京都の帝に仕えた者で我等とは一切の関係は御座らん!我等は邪道など推奨はしておらぬ!」と吐き捨てた 「其処まで言い切るならば………計画の一部に入れないといけないから、力を推し量りたいわ! 今日、此処に集まった宗教団体全てに告げるわ! 結界を張り禍を相殺する 其れは凄い力を要す事になるわ! 弱い奴からバタバタ倒れる事となる! 鼻血を流すのはまだマシ、耳から血を流し始めたら………即座に病院のお世話になるレベル! そんなのがバタバタ出たら結界なんて張れないし、守れないわ! 禍なんて相殺は無理な話となる! その前に力を見ないとならない!」 緑道は「力を見る?どの様に見るのじゃ?」と問い掛けた 「そりゃ菩提寺の試練の間へ入れて、其処で力量見るしかないじゃない! かなりハードな設定で作ったのが、丁度一本あるのよ!皆まとめて其処へ入れて力量を視る! なので明日、朝 6時に菩提寺へ来てね! 不埒者は………本殿儀式の間へは辿り着けないトラップを張らさせて貰うわ! 菩提寺には婦女子が多いし、妊婦も多い 出産前の妊婦を巻き込む訳には行かないからね ねぇ、弥勒ぅ〜澄香になんかしたらタダでおかないわよね?」と嗤って問い掛けた そしたらいつの間にか来たのか?弥勒が腕を組み立っていた 「何やら力の強いのが集結してるやんか?とやって来たら、何の集まりよ?此れは?」 「倭の国の宗教団体のトップだそうよ!」 「其奴等が何用があって菩提寺に押し掛けて来てるのよ?」 「鳳凰生まれるからね、その対策!」 「やっと殻を割るのか? 卵だけでも倭の国には相当のダメージ与えだろうが!」 「その非じゃないのが来るのよ!」 「其れは………黙ってはおられぬな……」 「でしょ、だからこそのトップが動いた 市民の心の安寧を支えるべき宗教団体だからね そりゃ動くでしょ?」 「ならば儂も力になるとする! 澄香が無事に出産出来る世の中でなくてはならぬからな!」 「其れは有り難いわ!ねぇ母ぁーさん」 烈が謂うと康太は笑って 「そりゃ助かるな! で、お前がトップに立つのか?烈?」 「えー!ボクは非力な子供だから鳳凰の禍は荷が重いわよ!ボクが前世の宗右衛門位の体格なら………あ~でも子供じゃ無理よ! ボク本体ないし………土台無理な話なのよ!」 「ならお前は指示を出し人を動かせ! そして人を集めろ!特異点に人をなるべく多く集めろ!」 「なら【R&R】でxmasイベントやるしかないわね!そして特異点となるべく場に街頭ビジョンでライフ中継しちゃおうかしら? でもそれにはお金要るわね!」 十二天の一柱 帝釈天が 「人間の世に会場とか押さえるのに絶大な力を持つ奴に頼んでやるよ! 街頭ビジョンは各地の奴等がお金出すしかねぇだろ? 俺ら神に金なんて不要な長物だからな!神にたかるなよ」と謂う 緑道は「神にはタカリはせぬよ………街頭ビジョン、幾ら位は必要となるのじゃ!」と問い掛けた 「渋谷とか東京駅周辺!横浜みなとみらい、横浜駅はオーロラビジョンとか大きな宣伝用のモニターあるじゃない、其れを利用して足止めは可能よ!お金が必要となるのは、そう言う建物すらない場が特異点になったら、何処がお金を出すか?よ!」 康太が「強制的にテレビとかモニター見れる環境じゃねぇとハッカーで独占放送したって限界あるわな!」とボヤく 「そうなのよ、なるたけ大勢の人間を一定時間集められ、尚且つ禍の相殺まで足止めする必要あるからね!」 緑道は「ならば我等はなるたけ人を集客出来る場を確保して禍を受けさせぬ工夫をするとしよう!」と可能性を口にする 烈は「直接大きな禍は受けなくても、エネルギーは歪む程の力だから、総てが相殺される訳じゃないわよ?」とキツい言葉を放つ 「其れでもだ!其れでも我等は征かねばならぬ! だから禍は少しでも少ない方が良い! 直接的な禍を受けて人がバタバタ死する事態は避けねばならぬ! またパニックになった人が暴動に出たら? 冷静な判断が出来ぬ人間と謂うは何をするか解らぬからな? 不測の事態を招く事となる! 其れが我等は恐ろしい! だから我等はその日を迎えるのならば、万全な対策を取らねばならぬと想っておる!」 榊原はやっと口を開いた 「ならば経団連の会長を動かして、社会不安を取り除く手助けをする為に義援金を要求すべきでしょう! そしてこの話は宗教団体トップが集まり動いたとしても解決などしない! 政治家も動かし、自治体とかも出して、倭の国の危機として動かせるしかないでしょう!」 「国が動くとお思いか?」 「動くのを待つのは無能! 動かせるのですよ!」 サラッと言ってしまえる男 榊原伊織だった が、「烈、正義のケツを蹴り上げて動かせなさい!」と謂う 緑道は「伴侶殿が動くのではないのですか?」と尋ねた 「まさか、適材適所、烈が閣下か正義を動かすのが一番でしょう!」 烈は「父ぉーさん………」と非道な事を言う父を恨みがましく見た が、その視線など意にも介さず知らん顔をしていた 「正式な羅針盤で規模を予測してから、会いに行くわ!閣下や正義ちゃんはその後でも構わないでしょ?」 烈が言うと康太は果てを視て 「其れで構わねぇよ! 一つずつ丁寧に動くお前ならば、岩だとて動かせるだろうさ!」と言葉にした 緑道は「ならば、政府関係は宗右衛門殿で構わぬか?」と問い質す 烈は「そうね、費用以外は請け負うわよ!」と謂う 「北海道から沖縄まで距離で良いのか?」 「範囲があるのよ、この島国を取り囲む海域を含めての距離となる! 禍は島国である倭の国の緯度と経度を読み解き、羅針盤を動かし、円で囲めばかなりの範囲を結界で結ばねばならない! 人は注目させて一つに集められたとしても、老若男女【R&R】で釣れるとは思わないでね! 高齢者とか対策必要よ! 鳳凰に掛け合い、生まれる日時は調整できたとしても、其処をどうするか?考えないとね!」 「ならば、話し合うしかなかろうが! この場には各県の宗教団体のトップがおられる! この方に自治体も動かして対策を練って貰うとするのも得策!」 弥勒は「ならば魔界も動かさねぇとならねぇだろ?天界はどうなる?」と疑問を口にする 烈は「ガブたんとは事前に話はしてあるわよ! それに伴い天空神 三神にもお会いして被害予想や対策をお願いして来たわ! だけど天空神様は動く気は皆無と申された 『その禍は人の世に降り注ぐ禍だから、人が何とかせねばならぬ! 主達、人は人を動かし、人の手で禍を打ち勝つ様に動かねばならぬ! その上で禍が一点集中されるならば、一点集中される禍だけは分散させて散らしてやろう! が、あくまでも人の世に降り注ぐ禍は、人の力で解決せねばならぬ! 何もかも神任せ他力本願ならば、動く気はない! まぁ死者が出たならば、天界に上がる魂ならば、天使に迎えに行かせると約束しよう!』との事よ! なので天界は動かない! そして神だけせっせと動いても、手は貸しては下さらぬ!との事よ」と説明した 緑道は「そんな事は当たり前の事じゃわ!」と笑い飛ばした 「ならば詳細を詰めようではないか!宗右衛門殿 我等はどう動きどうしたら良いのか? 何時から話し合うが賢明じゃ?そんな時間はない どうするか?最適解に導いて下され!」 「直ぐに動くべきだけど、特異点を絞らないと無策では何も始まらない! ボクは此れより帰宅したら羅針盤を読み解き、禍を受ける半径を計算するわ! それにより、何処を中心点にして結界を張るか? 計算するわ、その後に特異点を導き、その拠点に立つべき者の選出をする! だから緑道、力を視るのは母ぁーさんに頼むとするから、直ちに特異点に立たせる術者を定め、明日の朝6時に試練の間に放り込みなさいよ! 禍を受けて相殺するには生半可な力では押し負けるわ!」 「承知した! 其れでは各宗教団体の皆様、術者とそこそこの力を持たれる方々を明日の朝までにお集め、朝6時に菩提寺へ連れて来られよ!!」 緑道が言うと、宗教団体の者達は散り散りに散らばり、連絡を取り始めた 烈は弥勒に「弥勒ゅ、不審な動きするのは即座に消しちゃって構わないわからね! 妊婦さんいるんだから、警戒レベル上げてね!」と頼んだ 弥勒は「了解した、しかしまた面倒な事に巻き込まれておるのだな、主は!」と口にする 「鳳凰の誕生に関わった者の死命があるのよ! 其れが必然的に回って来ただけなのよ! まぁ全力疾走で行くしかないからね! 弥勒ゅも全力で妊婦さん護ってね!」 「おー!紗理奈もおる事だし、全力出させて貰うとするわ!」 「知っていたの?弥勒ゅ?」 「おー!貴史が、必死に守るおなごなど婚約者しかおらぬではないか! で、聞けば紗理奈と紹介された 澄香はめちゃくそ仲良くなったぞうだぜ! 会話には何時も紗理奈ちゃん、出て来るしな!」 「すみちゃんは誰とでも仲良くなれるからね!」 「………昔は人見知りだと思っていた 自分の考えもあまり話さぬから………何処か距離を感じておった が、今はすっかり変わり明るくなって、何でも話してくれる様になった! ありかとうな、烈!」 「お礼は要らないわよ! 仲良くしてくれれば、母ぁーさんも嬉しいだろうし、ママも姉妹でいられて嬉しそうよ!」 「何か良く似てるよな、あの三姉妹………薙刀持たせれば底抜けに強い………」 「姉妹でいられるからこそ、協力し合い強くなっていくのよ!」 「これ以上は強くならんでもええぞ!」 「なら弥勒が強くなりなさいよ!」 「頑張るさ!」 弥勒は笑って言った その顔には焦燥も苦悩もない 吹っ切れて家族の愛に満ちていた 康太と榊原はそんな吹っ切れた顔をして笑う弥勒を………遠くから見ていた 烈は「じゃ頼んだわよ!」と言い帰って行く 「おー!任しておけ!」 「またお茶しましょうね!」 「おー!楽しみにしておる!」 烈は駐車場へ、弥勒は保養施設の方へと分かれて歩いて行く 康太は「さてとオレ達も準備に取り掛かるとするか!」と言い動き出す 榊原は妻と子に何かするならば、即座に凍らせ叩き潰してやる!と心に決めていた 烈は家に帰ると龍王に下賜された諸葛孔明が使用していた羅針盤を出して計算を始めた 其処へ竜馬がやって来た 「烈、何処へ行ってたの?」 「少し難問が起きたから、話し合いに行ってたのよ!此れから羅針盤で計算するから、少しの間は詳細も話せないわ!」 「なら集中して、俺は此処でゴロゴロしてるから!」 「あ、竜ゅー馬、今夜は宴会してねって、母ぁーさんに頼んでおいて! 霊峰八海山で神威釣ったから、持て成してってね!」 「了解っす!直ぐにラインいれるよ!」 と言い竜馬は直ぐにラインで伝えた すると康太からは『神威が酒飲ませる約束じゃったから飲ませやがれ!と直談判に来やがったから、今夜は宴会だ!』と返って来た それを烈に伝えようとしたが、烈は物凄い集中力で、計算を始めていた 慣れたモノで竜馬は自分のペースでクー達のブラシを手にしてブラッシングしてやる クーはめちゃくそ気持ち良さげにブラッシングされていた クーが終わるとルーとスーもブラッシングしてやる そして三匹と仲良くゴロゴロして眠りに落ちそうだった 烈は羅針盤を使い計算をしつつ特異点を決めて、地図に✘を書いた 総て計算するまでに、かなりの時間を要した そして総て計算が終わると、竜馬が「終わった?」と問い掛けた 部屋を見ると電気が付いて明るかった 竜馬はベッドに移動して昼寝をして夕方まで眠った 目が醒めると部屋は薄暗く、慌てて電気を付けた 烈はかなり集中して計算をしていた 部屋が暗くても気付かないし、明るくなっても気付かない 竜馬は烈の計算が終わるまでPCを持って来て、作曲をしていた 烈が書いた詩に曲を付けて行くのだ ヘッドホンして音漏れさせない様に、曲を描いて行く 竜馬も曲作りに集中し、キリが付く頃、烈もキリが付いて、辺りを見渡したのだった 烈は「今何時なのかしら?」と問い掛けた 「今は午後9時半だよ!」 「あら?かなり時間掛かったわね 竜ゅー馬は夕飯食べたの?」 「客間では宴会してると想うよ! 俺は宴会パスして此処にいたから、何も食べてないから一緒に食べに行こう!」 と言い烈と猫達と共にキッチンに向かう キッチンのテーブルの上には烈、竜馬、クー ルー スーと名前を書いて夕飯が残してあった 竜馬は其れ等をチンしていると、翔達がリビングにやって来た 流生は「烈、今から夕飯?」と問い掛けた 「そうなのよ、計算してて遅くなっちゃったわ!」 太陽は「僕がチンしてあげるから、竜馬も座ってて良いよ!」と言い手早くチンして準備する 大空と音弥が汁物を温めて御椀によそってやる 翔は熱々のお茶を烈と竜馬の前に置き、猫達にはサイダーを注ぎ置いた 夕飯を取っていると康太がリビングにやって来た 「計算は終わったのかよ?」 康太は問い掛けた 「やっと終わったわ 特異点を割り出すのに時間が掛かったのよ」 「まぁ島国だから小せぇ島まで計算したら面倒くせぇよな!」 「そうなのよ!でも領土だから計算に入れないとなのよ!」 「なら、それ持って正義か閣下にアポ取って話をしてくれ! オレは明日の朝早くから菩提寺の試練の間に放り込む奴の監視するとするわ!」 「城之内は知ってるけど一本だけ、かなり練度の高い巻物を作ったのよ! 色んな巻物を作り直していた時、一本だけ何処にも属さない試練の為だけの巻物を作った 今回はそれを使うわ! もう巻物は細工されない様に呪文を込めたし、上書きしようとした瞬間、其奴の命は途絶える事となる! だから何の細工もされてないけど、かなり練度の高い巻物となるわ!」 「おー!それは良い! オレと伊織は会社を休んで影から見る事に徹するわ!」 「大丈夫よ!明日は宗右衛門の仕事は竜馬に頼んでるから! なら父ぉーさんの仕事は兵藤きゅんにやらせるわ! 竜ゅー馬、明日の朝は兵藤きゅんと共に出社してお仕事お願いね!」 烈が言うと竜馬は「了解っす!貴史と共に会社へ行くっす!」と言った 「客間、酔っぱらいの巣窟だぜ? 顔出さねぇのか?」 「少し疲れたからお風呂に入ったら寝ちゃうわ!」 「了解!酔っぱらいは好きに飲んで寝るから放っておけば良い! 神威も霊峰八海山飲んでご機嫌だしな!」 「悪いわね……母ぁーさんに放り投げた様になっちゃって………」 「気にするな!うちの家族は皆で楽しく飲めるなら、それだけで良いんだよ!」 康太はそう言い客間に戻った 烈は夕飯を食べ終わると、お風呂場へ行き竜馬と猫達と共にお風呂に入った 翔達も烈を待っていたから、皆で風呂に入り疲れを癒した そしてホカホカで自分の部屋に行き眠る 年末まではかなりハードな日々になるだろうけど………乗り切らねば、と心に決めていた 翌朝 烈は堂嶋正義に連絡を取った 朝の8時と少し早めだが、電話をすると堂嶋が出た 「あ、正義ちゃん朝早くから悪いわね! お話があるのでお時間取って貰えませんか?」 そう言われ堂嶋は『俺も話があったんだ!』と切り出した 丁度いいタイミングだと言う 『何処で話をさせて貰える?』 「桜林学園の横に立体駐車場が出来たのよ 其処に車を停めて、その横のオフィースビルの二階のインターフォン鳴らして! そのオフィースビルは縦に長くてワンフロア1部屋のビルだから二階のインターフォンは一つだから分かりやすいから!」 『了解した、で、何時に迎えは良いのよ?』 「何時でも結構よ、決めてくれるならボクはそのビルで待ってるから!」 『なら9時にそのビルに伺う!』 「繁雄もワンセットだと嬉しいんだけど?」 『言われるまでもなく、今繁雄んちに来ている その足で飛鳥井の家に行こうと思っていた でも、飛鳥井引っ越ししたんだよな? 俺は新居は知らねぇからお前に連絡を取ろうと思っていたんだよ!』 「ならタイミングが合ったのね! 待ってるからね!」 電話を切り、烈は羅針盤で割り出した特異点の✘を付けた地図を用意して訪問を待った 9時少し前にインターフォンが鳴らされた カメラを操作して堂嶋と三木が立っているのを確認すると「今開けます!」と言いロックを解除した ドアを開けて中へ入ると自動ロックが掛かる 階段で2階に上がるとドアが開いた クーがドアを開けたのだった 堂嶋と三木を部屋の中へと招き入れると 「適当に座ったって!」とスーが謂う クーは買って来たお茶を皆の前に並べ、自分達の前にはサイダーを置いた 烈は「それじゃ話を聞きましょうか? ボクに何の用があったのかしら?」と尋ねた 堂嶋は「世の中は終末論なるモノが出回り、理由の解らない集会が各地で行われたりして、行政はその都度介入して止めて来た! 打開策がなくて、閣下が康太か烈ならば詳しい話を知らないか?と謂う事で伺わせて貰った!」と話した 「もう既にデモ級の集会なんかあるのね?」 「漠然とした不安に駆られているのは、肌で分かるんだ!政策も総理退任を要求されたりして………混迷を続けている………」 「禍はもっと苛烈に世の中を掻き回すわよ! ボク達はそうならない為に動こうと想っているのよ!鷹司緑道が倭の国の宗教法人のトップを集めて動き出そうとしてる! だからボクは正義ちゃんにアポを取り話さないとならないなって想っていたのよ!」 「…………その話………かなりの規模でやらねばならないのならば、閣下にお話し下さいませんか?」 「良いの?なら閣下に根源となる話からさせて貰うしかないわね! じゃ、行きましょうか!」 「少し待ってくれ!閣下に今アポを入れる!」 堂嶋はそう言い閣下の配下の者に連絡を入れた そして事情を話すと、閣下はお会いくださるそうです!との返答を貰った 堂嶋は「送って来るから俺の車に乗ってくれないか?」と謂う 「良いわよ!送り返してくれるなら乗るわ!」 そう言い烈はPCや資料を袋の中へとしまって持とうとした 三木が其れを持ってやると烈は部屋を出て行った 堂嶋と三木も後に続く 烈は管理人室の後ろの関係者以外立ち入り禁止のドアを開けると「行くわよ!」と言った 堂嶋は「俺等は駐車場に車を停めてある!」と困惑して謂う 「だから駐車場へ行くのよ!」と謂うと後に続いた 関係者以外立ち入り禁止のドアを出ると、細い通路があり堂嶋と三木が出ると扉は自動ロックが掛かった その通路から駐車場に向かい、やはり関係者以外立ち入り禁止のドアをIDを翳して開けて駐車場の中へと入る 「車、2階にあるのかしら?」 「一階はゲートが開かないから上へ上がるしかなかったんだよ!」 歩行者用通路を通り2階へ上がり堂嶋の車の後部座席を開けると、烈は三木と共に乗り込んだ 堂嶋は運転席に乗り込むとエンジンを掛けて走り出した そして精算機でお金を支払い駐車場の外へ出る 車は少し走って高速に乗り東京へと向かう 三木は「貴史の婚約会見見たよ!」と話し掛けた 「世界中継だったからね、そりゃ流れるわよね!」 「婚約会見会見から数日後に第一王女の離婚会見の方が衝撃的だったけどね………」 あれから第一王女は正式に夫と離婚した 夫の女癖の悪さを暴露して今も使用人を始めとする愛人から一般人までの浮気を赤裸々に語り 王室の恥と想い耐えて来たが、これ以上は気持ちが続かない………と離婚を決意したと語られた アンドリューは公爵家からも勘当したと正式に公表された 今後は自分の会社の取締の立場だけしかない存在となる 独身になった事だし、好きなだけ女遊びをなされは宜しいかと! 清々しい顔で宣言なされた第一王女だった 「今は長女を嫁がせる母の想いを慮って静かに娘を送り出させて下さい!」と言った 最後までシャルロットの出自は明かさずに娘として嫁がせるつもりだった イギリス王室初の倭の国へ嫁がれる王女 として、イギリスの国はお祝いムード一色だった 烈も「あ~浮気野郎とやっと離婚したのね!」と謂う 「知っていたのか?」 堂嶋は驚いた顔で問い掛けた 三木も話を振ったけど、まさか知っていたとは………と驚いていた 「そりゃ玉握り潰すつもりで離縁してやりなさいよ!と言ったからね! もう誰も寄り付かないわよ 事実上、玉握り潰されたも同然よ! 良くやったわね!と褒めてあげたい程よ!」 楽しそうに謂う烈に言葉もなかった そして此処で爆弾投下 「シャルロットは夫が名家の公爵夫人との間に作った子なのよ! 王室のスキャンダルになるから、第一王女は我が子として育てていたのよ!」 「えー嘘!!」 三木は悲鳴にも似た声を上げた 堂嶋は「バッキンガム宮殿の地下に放り込んだ意味が何となく理解出来たわ! 愛人の子じゃ王家の【印】なんて授かれないわな 何となく複雑な状況は理解出来たわ!」と納得した 「まぁ警備体制も王女じゃなくなるし、其処まで警戒する事もないし、楽になったじゃない!」 「そりゃそうだけど、警備は必要となるだろ?」 「大丈夫よ、警察署の隣に家をぶっ建ててやったから、警察署としても威厳を掛けてお隣を気にするわよ!」 「え!兵藤家お引越しなさったのですか?」 「そうよ、建設費用はイギリスから返して貰わなきゃ!なのよ!」 「それは請求すれば返されるでしょ! それなりの身の立場は保証されるんだから!」 「それもそうなんだけどね、色々と手続きが長くて待ってたら軽く1年は必要となるじゃない!」 「ならば、倭の国が建て替えてお支払い致しますよ?」 「まぁ其れも追々で良いわ!」 そんな事を話していると東京へと入り、裏皇居へと向かう 通常の道路を外れて緊急道路を走り進む 幾つかのゲートで検問を受けて進む 裏皇居の正門に着くと、職員がお迎えに出てくれ、裏皇居内へと案内してくれた 貴賓室へ通され閣下を待つ 上質な香りの紅茶を出されるとサイダーも3本テーブルに置かれた クーは紅茶の匂いを嗅ぐと「大丈夫だ!」と謂う すると烈は紅茶に口を付けた 暫くすると閣下がお越しになられ、堂嶋と烈は立ち上がり一礼した 「お座りください!」と言われると堂嶋と烈は着席した 「其れではご要件をお伺い致しましょう!」 堂嶋は「烈君と話をしました! 鷹司緑道氏が宗教団体を集めて動こうとなされていると聞くし、私の判断では何とも出来兼ねますので、閣下のお耳に入れねば、とも想いお連れしました!」と切り出した 「其れではお聞き致しましょう! 私も、気になっておりましたので、お願いします!」 閣下に言われ烈は 「今 国民を漠然とした不安や焦燥感を抱いて、変な集会や暴徒と化させているの原因の一つが、 鳳凰が近々誕生なされる事の要因が大きいでしょう!」と説明した 閣下は「鳳凰………その方が誕生する事と、人々の日々の不安は連動していると?」と問い掛けた 「はい!鳳凰は誕生の瞬間、物凄いエネルギーの放出をします! 其れが人の世に禍として降り注ぐ 人は鳳凰が放つ禍の影響を受ける と………言われてます でもハッキリと禍と謂うモノは解りません! 禍を受けると、どうなるか? それは解らないけど、何らかの影響を受ける以上は、無傷ではいられないのは確かだと想います なんたって前回の鳳凰誕生では、大地が分かれ、天と地と隔たれ分けられたと謂う そんな創世記の頃の事だから、ボクは誕生してさえいなかった解らないのよ 予測は不可能、どんな禍を齎すかさえ解らない だけど確実に倭の国は禍を受ける事になる! その対策を取らねばならない、とのことを相談したいと想っていたのよ!」と話した 堂嶋は「今 国民の間に世紀末だの終末論だのが騒がれつつあります! 最初は小さな集会でしたが、今はかなりの規模の集会となり、だんだん過激になって来て、暴徒と化した者達がいて警察が対処に当たっている 此れが続くなら、もっとエスカレートする可能性もあるので、対策が必要となります! 唐沢に聞いたら、そう言う事は宗右衛門に聞きやがれ!と謂うので烈君に聞きに行ったのです!」と謂う 烈は「鷹司緑道がこの不安を肌で感じ立ち上がりました!この倭の国の宗教団体を引き連れボクと真贋と伴侶に会いに来られましたから!」と皮肉に嗤い謂う 「それで話し合いは………どうなったのですか?」 「禍の相殺をするしかない!との結論が出ました なので術者達を菩提寺に集めて今頃は試練の間にぶち込まれ力量を見ている頃でしょう! 力のない者が相殺をする特異点に立ち禍を受けるとしたら、それは即ち即死に値する だからなまじっかな術者ではなく、ちゃんとした者が特異点に立ち、禍を相殺させねばならない!」 烈はそう言うとバッグの中から特異点を決めた紙を取り出し閣下に見える様にテーブルに置いた 閣下は「此れは?」と尋ねた 「✘が点けられた場所が特異点 その地に立ち、禍を相殺する まぁ禍を相殺する前に、この倭の国全体に結界を張る だから特異点の人が倒れれば結界も崩壊するのよ!すると全てオジャンになる! そしてその結界を張り禍を相殺する間、人々をなるべく一箇所に集め、守るのも手だと計画を立ててる最中です!」 堂嶋は「若い子は【R&R】で釣れるが、高齢者や、高齢者になる前の壮年世代は【R&R】では難しいかもな………… ならばその世代に合う人間に演じて貰い、全国に中継するしかないか?」と考え言葉にする 「それね、母ぁーさんも同じ考えでボク等【R&R】も協力はするけど、世代によってチビッコは何で集めるか?とか色々と問題点は山積してるのよ!」 「あ~飛鳥井のちっこい子達も好み分かれるし難しい事だね!」 「其処なのよね、どうするかは今後考えて行くしかないけど、あまり時間ないわよ! そして人を集めるにしても、費用はどうするの? となると、どうやって人を集め護るか?となるのよ!何も芸能人出すだけが集客になるとは思わないし、考えていかないとなのよ! お金が必要となるしね、それを何処が出すか? それも問題として上がるからね!」 閣下は「自治体や県等に要望を伝えて行く様に掛け合います! で、鳳凰殿は何時頃誕生なされるのですか?」と聞く 「12月24日で手を打って貰ったわ! 其れで生まれないなら、ハンマーで叩き割って出してやる気よ!」 「そんな………御無体な事にはならない様に………祈りましょう!」 閣下の言葉に苦笑しつつも烈は 「今 漠然とした不安を抱いている者達は、鳳凰が卵として誕生なさった日から始まる禍の序章に当てられた者達よ! 卵で此れだから、誕生なさったらバタバタ人が死ぬでしょうね………」と不安要素を口にする 堂嶋は「そうならない為に我等は対策本部を立ち上げるとする! が、鳳凰誕生による………とは表立っては無理だから、暴徒と化した集会の市民対策の本部とするしかない! なので表は警察本部が、裏は唐沢達の内閣調査室が、対策に乗り出すと約束しよう!」と言葉にする 三木は「政府としては………どんな対策をするのてすか?」と問い掛けた 「政府として表立って対策は不可能だ! が、警察の方々連携して動きやすく出来ればとは思っている!」 「それしかないよな?」 烈は「12月23日も過ぎれば、卵に亀裂が入るわ!そしたら禍は始まる そしてパリッと割れて出て来られた瞬間 凄まじいエネルギーを放出なさるのよ! 此れが人の世の理を歪めるのよ! 影響を受ける者も少なくない……… 理を歪められるのたから………この世の中は正常には動かなくなるのは必然なのよ だから相殺する為に………動き始めているのよ!」 堂嶋は「鷹司家ご当主とは話す事は可能ですか?今後は色々と対策を練り話して行かねばならぬと思っているのですが?」と聞く 「鷹司の方としても莫大な費用が掛かるならば、自分達が出来る事にも限界が来る!と申されているし、色々と話し合いをして計画を立てねばならねばならないのは必然なのよね 此処ら辺で擦り合わせをした方が良いと思うわ!何処の費用計上させて計画を実行するか? なのよね…………」 「では、此れよりお会いするのは可能ですか?」 「多分ね菩提寺に緑道来てると想うのよ! 他の宗教団体の関係者も、試練の間に放り込んだ以上は動けないと思うのよ!」 「ならば、菩提寺へと向かうとするか!」 「そうね、それしかないわね!」 堂嶋は閣下に向き直ると 「閣下、其れでは協議を踏まえた話し合いをして参ります! 我等政府でしても、このまま見過ごす訳には行きませんので、参ります!」と深々と頭を下げ告げた 閣下は「其れでは詳細を逐一上げて下さい! 総ての指揮統制は私が責任を持って管理させて戴きましょう!其れではお願いします!」 「はっ!其れでは行って参ります!」 堂嶋が謂うと烈は立ち上がり「繁雄は?どうするの?」と問い掛けた 三木は「俺も行くに決まってる!大層な事は出来る力は持ち合わせてはいないが、それでも禍が降りかかるならば………何か出来る事を探して協力すると決めている!」と答えた 「なら行きましょうか!」 烈と堂嶋と三木は閣下に一礼して貴賓室を出た そして裏皇居から出て車に乗り込むと、菩提寺を目指して走り出した 烈は母に「緑道いるかしら?」と問い掛けた 菩提寺に朝早くから来て、試練の間に術者を放り込み、保養施設で朝を食べていた康太は烈からのラインに気づき 『おー、いるぞ!宗教団体のトップも全員揃っている!』 「なら、そっちに行くので待たせておいて下さい!」 『おー!待ってるかんな!』 康太とのラインを終えると烈は 「全員いるそうなので、話し合いの席に着けますね!まぁ一度で終わらないだろうけど、詰めていかねばならないからね!」と謂う 堂嶋は「だな、其れよりお前朝は食べたのか?」と問い掛けた 「まだよ、朝食べる前に家を出てるから!」 三木が「ならコンビニで何か買おう!」と言い丁度通り掛かったコンビニの駐車場に車を停めた 三木はコンビニの中へと入り何やら色々と買ってトートバッグの中へ入れて戻って来た 三木は堂嶋に熱々の缶コーヒーを渡した そして烈と猫達にミルクセーキを渡す 「熱いから気をつけるんだよ!」 スーは「繁雄はんは、やっぱ解ってますがな!」と言い上機嫌にミルクセーキの蓋を開けて飲み始めた 堂嶋は「猫達の好きなの知ってるのか?繁雄?」と問い掛けた 「最近、竜馬と烈とお茶してるからね 猫達の好みも解って来てるんだよ!」 烈は「其れよりアツはどう?週末には家に帰ってるんでしょ?」と聞く 三木はすっかりデレデレの笑顔で 「何か生まれ変わったみたいな良い子……ん、違うな、そんな優等生とか良い子とかの形容で表す感じじゃなく、本当に自然に人を気遣い、人と接する その行動や態度に計算された動きは一切ない 本当に変わったよ敦之は………」 と涙ぐみ話す 「鷹司が徹底的に叩き込んでいるからね あざとさが見え隠れする人間程、薄っぺらく見えちゃうからね そう言う存在はどうしても信頼を勝ち取れない存在にしかなれないのよね……」 至極真っ当な事を言われて三木は頷いた 車は菩提寺に到着して、車を停める そして車から降りると菩提寺の方へと進んで逝く 階段のある道じゃなく、職員用の緩やかな道で進む 本殿の前の広間は太極拳をやってる人達で賑わっていた 最近は主婦も太極拳に参加していた 京香が指導者として顔を出す様になると、お迎えに来た者達の口から伝わり、主婦層も習いに来る様になっていた 烈は太極拳をやってる人には見向きもせずに、本殿に歩を進める 此れより先は楽巌寺関係者以外立ち入り禁止の扉を開き中へ入って行く 本堂へ行くと康太と榊原がお茶を飲み緑道達と話をしていた 「母ぁーさん、父ぉーさん! 堂嶋議員、三木議員をお連れしました!」と謂う 緑道は立ち上がると堂嶋と三木の前に立ち 「摂家 五家 鷹司家当主 緑道である! 以後お見知り置きを!」とご挨拶をした 堂嶋と三木は名を名乗り緑道と握手をした 康太は「それじゃうちの末っ子が来たかんな! 建設的な話をしようじゃねぇか!」と切り出した 烈はコピーをして来た特異点の紙を取り出すと皆の前に置いた 緑道は「此れは?」と問い掛けた 「倭の国を北日本、東日本、西日本、南日本の4区画を中心にして分ける 更に細く8区画で線を結び結界を張る 北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州沖縄の8区画、4箇所、8箇所特異点に立ち禍を相殺する! まぁ謂うのは簡単、やるのは大変 さて、どうやってやるか?なのよ!」 「特異点には術者を立たせるのか?」 「12箇所に立てるだけの術者いる?」 「…………12人位おるじゃろ! が、何れ程の力を持つか?なのじゃろ?」 「そうね、試練の間に入れた者が脱落したならば、他の方法考えないと、なのよね!」 「今の所は脱落者はおらぬ!」 「此れからよ、緑道! ボクが作った巻物がそんなに容易い訳がないじゃない!」 「宗右衛門が作ったと申すのか………」 「そうよ、細工しやがって! 今度は巻物師と共にボクが作ったのよ! 今度の巻物は上書きされない様に、上書きした瞬間に呪いが発動して即死よ! 生かしておく気なんか皆無よ!」 「まぁ飛鳥井に弓引く者など生かしておく必要などない!」 「そうよね!緑道!話の分かる漢で助かるわ!」 「ならば試練の間から出て来た奴等は配置するに相応しい存在と、言う事か!」 「そうね、半日でも死ぬ思いしてるだろうからね まぁ本当には死なないけど、怪我はしちゃうかもね、でも大丈夫よ! 久遠先生ぇー縫ってくれるから!」 「………鬼か………この前死ぬ思いした時本当にあの世送りにされるかと思ったわい!」 「腕は確かなのよ!まぁ多少怖いけど………」 クーが姿を現すと「多少傷ついてるか生きて出て来るぞ!」と言った 康太と榊原は試練の間の襖の前に立った 襖がスパーンと音を立てて開くと、中から結構血に染まった者達が姿を現した 緑道は「怪我をしたのか?」と問い掛けた 烈は「此れだけの怪我をしてリタイアして来なかった根性は凄いわよ! ボクが作ったのよ?そんなに甘くはないのよ  凄いわ!皆!!さぁ飛鳥井記念病院へ連れて行ってあげるわね!」と謂う 裏高野山の術者が「アレは人が受けて良い試練ではない!」と談判した 「ボクは巻物が出来上がった時、確かめて闘ったから、不可能ではないわよ! まぁ相当の練度が必要とはなるけど、心が強ければ出られぬ巻物ではない!」 「あれを………こんな子供が?そんな事など出来る筈などない!」 「あら、もう一度入りたいのね! 緑道、着いて来なさい! 1時間キッカリで出るわよ!」 烈はそう言うと試練の間に入った 緑道は出て来た術者を試練の間に放り込んだ 「飛鳥井宗右衛門、此れより1時間キッカリの試練を行う!」 『よかろう!ならば1時間キッカリで出られる様に励め!』 と声が響く 闘いは始まっていた 襲い来る魔獣を草薙剣で真っ二つにする 背が届かない魔獣には、呪文を唱え雑言絞りをしたり、槍を降らせて息の根を停める ワラワラ来る魔獣は地面から蔦を伸ばして、搦めてザバザバ切って息の根を止める 「緑道、ほらその錫杖でぶっ殺しなさいよ!」 と謂うから錫杖でぶっ叩いてダメージを与えた 息も切らさず、ザバザバ亡者や魔獣を殺して行く 最後の方には飛鳥井康太と榊原伊織が姿を現した 烈は躊躇する事なく草薙剣で切り裂いて行った 流石だな宗右衛門………緑道は感心した……… 少しは躊躇するモノなのだが……と思う だが、躊躇してたら殺される そんな世界を知っているからこその判断なのだと伺えられた 1時間キッカリで烈は試練の間を出た 術者は言葉もなかった 康太は「どうだった?」と問い掛けた 「クーたん達使えたら楽勝だったけど、それだと卑怯になるから、置いて来たからね」 「あぁ、サイザー催促したから繁雄がコンビニで買った袋から出して飲ませてたぜ!』 裏高野の術者は母と呼ぶ者を躊躇する事なく切り裂いた烈を目にして言葉もなかった 「母ぁーさん、父ぉーさん!」 と両親の名を呼ぶ姿は子供らしく……見える が、躊躇なく親の姿をしている人を斬るのは………躊躇いが出たりするモノなのだが……… 裏高野の術者が言葉もなく烈を見ているのに気付くと緑道は 「宗右衛門だとて、親と呼ぶモノを斬るのは躊躇がある筈だ! だが、そんな甘い事を申していたら、親など斬れはせぬ! 真贋と宗右衛門は例え親だとて兄弟だとて、飛鳥井の轍から逸れた者は斬らねばならぬのじゃよ! 其れには躊躇など不要、一気にバッサリと斬る 其れが飛鳥井で生きる宗右衛門を継ぐ者の死命 甘くはないのだよ、あのお子様は………」 榊原は返り血を拭いてやり飲み物を与えた 怪我してる術者は血を拭き、縫わねばならぬ怪我かを確かめて手当てを受けていた 取り敢えず、縫うまでではなく、様子を見る事になった 昼に差し掛かると、皆 割り勘でお金を徴収しお弁当を頼む 皆にキッチリ、お弁当代を支払わせ城之内に弁当を頼んでもらう 烈は「ボクは弥勒ゅの分も支払うから、2人分ね!」と謂うと康太が「オレは猫2匹!」と言い 榊原は「なら私は猫一匹分で!」とお財布からお金を取り出す 堂嶋は「ならば私は夏美と京香と桃香の分も!」と謂い財布からお金を出した 三木は「なら俺は水萌とお前と澄香の分を! そして神宮寺家の姫と鳳凰院家の姫の分も支払おう!」と言いお金を出す 城之内はお金を貰うとお弁当を注文しに向かった

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